株式投資の応用

海外ETFと投資信託の比較

「投資信託よりも信託報酬が安い」ことで注目されているETFという投資商品があります。その中でもとくに、幅広い国に投資できる海外ETFが人気を集めています。しかし、海外ETFは投資信託と違って購入時に必ず手数料がかかりますし配当は自動で再投資されないので手間がふえてしまいます・・・・。

ほんとうに海外ETFは、投資信託よりよい投資商品なのでしょうか?

そこで今回は、海外に投資(分散投資)をしていくときに、海外ETFと投資信託ではどちらが有利なのかを徹底的に比較してみたいと思います♪

海外ETFと投資信託の比較

まずは、表を使って主な項目をかんたんに比較してみます(よりよい条件の背景をピンクに変えています)。また、表だけでは詳しい説明ができないので、後ほど一つずつ詳しい説明をしていきます。

海外ETFと投資信託の比較

条件 海外ETF 投資信託(インデックスファンド)
購入金額 1口
約4,100円~
積立時:100円~
購入時:100円~
購入手数料
(1ドル=100円計算)
5ドル
約500円
多くのファンドで
無料
売却手数料
(1ドル=100円計算)
5ドル
約500円
一部のファンドで
無料
信託報酬 VT(世界株)0.11% 三井住友TAM-SMT
グローバル株式インデックス・オープン
0.54%
配当の自動再投資 不可 可能
(申込み時に選択できる)

①購入金額(いくらから投資ができる?)

購入金額については投資信託が有利です。2010年2月8日時点で、人気のある海外ETFの1口あたりの購入金額は、TOK(先進国株):60ドル、VWO(新興国株):41ドル、VT(世界株):68ドルとなっています。一番価格の低いVWO(新興国株)で計算(1ドル100円で想定)しますと、

$41×100円=約4,100円から購入することができます。

ただし注意していただきたいことがあります。海外ETFを安く買える証券会社は今のところ3社ですが、売買単位にちがいがあります。

マネックス証券 1口単位:約4,100円~ マネックスロゴ
SBI証券 10口単位:約41,000円~
楽天証券 10口単位:約41,000円~

の条件があります。マネックス証券だけが1口単位で買うことできます。

一方、投資信託は100円から積立てができますので、積立て投資をする場合は投資信託の方が便利です(積立てでなく、そのときに自分で購入する場合も100円から)。

②購入手数料と③売却手数料 (手数料は安いほうがいいですね)

購入手数料については投資信託が有利です。インデックスファンド(投資信託)の多くは購入手数料が"無料"であるため、最低でも500円を支払わなければならない海外ETFに比べると、とても有利になっています。

また、売却手数料もインデックスファンドの多くは"無料"です。ただし、投資信託には信託財産留保金という、もう一つの売却手数料がかかる場合があります。インデックスファンドでは、高くても売却金額の0.30%ほどになっています。

ちなみに信託財産留保金の0.30%を海外ETFの手数料に置き換えますと、17万円分の海外ETFを売却したときと同じになります。売却手数料500円÷0.30%=約17万円(マネックス証券

よって、売却手数料は、年金のように「毎月少しずつ(17万円以下)解約」をするのであれば、投資信託が有利といえます。たいして、退職金のように「一度に(17万円以上)解約」をするのであれば、海外ETFが有利といえます。

④信託報酬 (リターンに一番影響が大きい手数料です)

信託報酬については海外ETFが有利です。なぜかといいますと理由は2つあります。

1つ目は、海外ETFの信託報酬には販売者側の手数料がふくまれていないため信託報酬が安くなっているからです。ただし、その代わりに売買手数料がかかるしくみです。

2つ目は、ファンド内部の株式の取り扱いの違いです。ETFは実際には株式ではなく、株式の権利を買っているために費用があまりかりません。しかし、投資信託は実際に株式を買っているために売買手数料が多くかかります。したがって投資信託は、売買手数料なども上乗せをされているために信託報酬がETFに比べて高いのです。

⑤配当と配当の自動再投資 (配当はないほうが資産運用には有利です)

配当については投資信託が有利です。インデックスファンドでは複利効果を得るために配当を出さないファンドが多く、配当されても自動で再投資するように選択する(購入時)ことができます。

しかし、海外ETFは今のところ自動で再投資することができません。したがって、再投資をするのであれば自分でおこなう必要があります。

しかも、下記の表のように、海外ETFの配当は分配時に二重課税(アメリカで10%、さらに日本で10%の税金)がされています。米国で課税された配当については確定申告をすることで外国税控除が適用され、税金の還付を受けることができます。ただし、投資信託にくらべ手間も税金も増えてしまいます。

配当(分配金が支払われたとき)

米国 日本
海外ETF
(米国ETF)
10%課税
※外国税控除の適用可能還付ができます
10%課税
平成24年1月以降 20%課税

ここまででは、海外ETFにくらべて投資信託の方がよさそうですね。では、次のページでは実際に投資するときには、どちらの商品がよいのかを色々とシミュレーションをして判断します。