株式投資の応用

海外ETFと投資信託の比較

前のページでは、海外ETFと投資信託の主な項目を比較して、それぞれどちらが有利なのかを見ました。多くの項目で投資信託が有利でしたが、リターンに一番影響をあたえる信託報酬では海外ETFが有利でした。実際のところ、本当にお得なのはどちらなのでしょうか?

そこで、このページでは実際に毎月○万円投資したときに、それぞれ投資したお金がどのように増えていくのかを、毎月1万円と5万円の投資で比べました。

海外ETFと投資信託の比較

まずは、シミュレーションの前に基本条件を決めます。

海外ETFと投資信託の積立ての条件

条件 海外ETF 投資信託(インデックスファンド)
期待リターン 7%
積立て期間 10年
商品 VT
(世界株式)
STAMグローバル株式 70%
STAM新興国株式 20%
ニッセイ日経225ファノド 10%
信託報酬
(実質の信託報酬)
0.30% (0.39%) 0.7770% (0.81%)
0.8715% (1.50%)
0.2625% (0.28%)
購入手数料
(1ドル=90円計算)
25.2ドル
約2,300円
なし
配当 利回り:0.47%
信託報酬に
0.09%上乗せ
配当なし

リターンの7%の根拠は、投資信託の積立てのときに紹介しました、野村証券発表の『各投資商品の20年間の平均リターン』における先進国株式のリターン(7.62%)を参考にしています。

投資期間の10年は、あまり長い期間で比較しても判断ができにくいので、ある程度の期間の目安として10年間で比較します。

海外ETFのVTでは先進国と新興国をカバーしていますが、投資信託では1本でVTと同じ地域をカバーできるファンドがありません。なるべく同条件で比較するためにファンドを3つ組み合わせています。

投資信託については、実質の信託報酬(信託報酬+その他費用)で計算しています。

海外ETFの配当については、二重課税がされています。今回は確定申告によって、課税された税金は還付されたものとして計算しています。

ただし、国内課税分については軽減税率の10%でなく、基本税率の20%で計算し、実質の費用として信託報酬に上乗せをしています。

海外ETFについては、手数料が高いため毎月積立てるのはお得ではありません。そこで、半年に一度まとめて(毎月の積立て額×6ヶ月)購入をしています。

まずはじめに毎月1万円を積立てたシミュレーションです。

毎月1万円積立グラフ

積立て額120万円にたいして、海外ETFは約161万円、投資信託は約165万円となり、投資信託が約38,000円有利です。

※月に1万円ですが、10年(120ヵ月)の積立てにもなるとしっかりと積上がっていますね。

では次に、毎月5万円を積立てたシミュレーションです。

毎月1万円積立グラフ

積立て額600万円にたいして、海外ETFは約833万円、投資信託は約824万円となり、海外ETFが約90,000円有利です。毎月1万円と違う結果になりました。

なぜ毎月1万円の場合では、海外ETFが投資信託に追いつけないのか言いますと、それは投資金額にたいする手数料の大きさに原因があります。

下の表を見てください。これは実際に投資したお金(投資金額 - 手数料)が、どれくらいの期間で元の金額に戻るかを計算したものです。

積立て金額が投資金額に戻る期間

条件 (投資金額 - 手数料)
積立額
元の金額に戻る
必要利回り
元の金額に戻る
必要月数
毎月1万円積立
(6ヶ月後に投資)
60,000 - 2,300円
57,700円
3.83% 8ヶ月
毎月5万円積立
(6ヶ月後に投資)
300,000 - 2,300円
297,700円
0.77% 2ヶ月

毎月1万円ですと、元の金額に戻る(57,700円が60,000円)までに8ヶ月かかっています。実際は6ヶ月ごとに投資をするので、投資信託の積立てに比べて14ヶ月もスタートが遅れることになるのです。 投資信託との差はここでついています。毎月1万円では、せっかくの海外ETFの信託報酬の安さが生かせないしくみになっています。

一方の毎月5万円ですと、元の金額に戻る(297,000円が300,000円)までが2ヶ月(実際には8ヶ月)と短く投資信託からあまり遅れを取りません。したがって、信託報酬の安さを生かすことができ、将来的に投資信託の運用成績を追いこします。

積立て額が多い方は海外ETF、積立て額が少ない方は投資信託

↓

毎月1万円の積立てから毎月20万円の積立てまでをシミュレーションした結果、積立て額が大きいほど海外ETFが有利になります。

積立て額が10万円だと、10年後には約25万円の差がつき、4年目から海外ETFが有利になります。毎月5万円のときより1年もはやく海外ETFが逆転しています。

結論としましては、月に5万円以上の投資ができる方は"海外ETF"で、月に5万円未満の方は"投資信託"で積立てをするのがお得といえます。

忘れてはいけませんが、自動積立てなど楽をしたい方は投資信託がおすすめです♪