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東証マザーズ指数先物とは?リスクヘッジ手段として使える理由をわかりやすく紹介します

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年11月30日

東証マザーズ指数先物とは、旧東証マザーズに上場していた全銘柄を対象として算出される、株価指数先物です。東証の市場再編により東証マザーズはなくなりましたが、東証マザーズ指数先物は引き続き算出されています。

東証マザーズ指数先物は、東証グロースに上場している新興企業へ投資するときのリスクヘッジ※1手段として使えます。今回は、その理由を株初心者向けにわかりやすく解説します。

※1 リスクヘッジとは、危険を予測し、それを避けるために講じる対策です。株式投資においては、株価の値下がりリスクや株式の流動性リスクなどがあります。株式投資のリスクについては、リスクとは?をご覧ください。

東証マザーズ指数先物とは?

東証の市場再編前の東証マザーズに上場していた全銘柄を対象として、算出されている株価指数先物です。市場再編により東証マザーズはなくなりましたが、東証マザーズ指数が引き続き算出されています。そのため、現在でも東証マザーズ指数先物へ投資できます。

東証マザーズ指数先物は、時価総額加重平均型と呼ばれる指数です。むずかしそうな用語ですが、ひとことで表すと、時価総額が大きな銘柄の影響を受けやすい指数となります。

株価指数先物には、東証マザーズ指数先物のほかに、日経225先物やTOPIX先物などがあります。東証マザーズ指数先物とそのほかの先物との違いを整理すると、下の表のようになります。

代表的な株価指数先物と特徴
東証マザーズ指数先物 日経225先物 TOPIX先物
取引対象 東証マザーズ指数 日経平均株価 TOPIX
(東証株価指数)
特徴 成長銘柄が多い 日本の代表銘柄が多い 市場全体に投資できる

東証マザーズ指数とほかの指数との大きな違いは、投資家に人気のある成長性の高い銘柄が多く含まれている点です。そのため、大型株中心の日経225先物やTOPIX先物とは違う動きをします。

ちなみに、東証マザーズ指数先物を1単位(=1枚といいます)買うのに必要な証拠金※2は、証券会社ごとに変わり、相場の変動リスクに応じても増減します。SBI証券で取引する場合、2022年4月18日時点の証拠金は85,000万円です。マザーズ指数先物1枚あたりの取引金額が100万円程度ですので、レバレッジは約12倍です。

※2 証拠金とは、先物取引をするための担保となるお金です。例えば、東証マザーズ指数先物(100万円相当)を取引するには、85,000円を証拠金として証券会社に預けなければなりません。

レバレッジが12倍もかかっているため、少額で大きな取引ができます。東証マザーズ指数先物が上がれば、大きな利益が得られるメリットがあります。その一方で東証マザーズ指数先物が下がってしまった場合、大きな損失を抱えるデメリットもあります。株初心者の方は、東証マザーズ指数先物への投資は控えた方がよいでしょう。

ポイント

先物取引とは、将来のある期日までに反対売買することを今約束する取引のことです(“今”買ったら“期日まで”に必ず売らなければなりません)。現物株とちがい、株券や代金のやりとりはせず、証拠金を担保に差し出して売買で生じた損益のみをやりとりします。

先物取引のメリットは、少額で大きな取引ができる点と、空売りができる点です。一方のデメリットは、大きな損をする可能性がある点と、期日があるので長期保有できない点です。メリットとデメリットを踏まえて、投資しましょう。

東証マザーズ指数先物の構成銘柄

東証マザーズ指数先物の構成銘柄のうち、上位10銘柄をまとめました。

コード 銘柄名 業種 構成比率
4385 メルカリ 情報・通信 13.1%
4194 ビジョナル 情報・通信 4.5%
4478 フリー 情報・通信 4.3%
4565 そーせいグループ バイオ 3.5%
2158 FRONTEO サービス 2.2%
7342 ウェルスナビ 証券、商品先物取引 1.7%
2160 ジーエヌアイグループ バイオ 1.7%
4180 Appier Group 情報・通信 1.5%
4563 アンジェス バイオ 1.4%
7779 CYBERDYNE 精密機器 1.3%

(2021年1月現在)

構成銘柄上位には、フリマアプリのメルカリ(4385)やクラウド会計ソフトのフリーといった、成長中の有名な会社が含まれています。また、期待が先行しやすいバイオ系の会社も多くランクインしていますね。

このように、成長している会社期待が先行しやすい会社が多く入っているので、株価の動き方がダイナミックになります。

東証マザーズ指数先物をリスクヘッジ手段として使う方法

このコラムの冒頭で、東証マザーズ指数先物は、新興企業へ投資するときのリスクヘッジとして使えるとお伝えしました。その方法として、東証マザーズ指数先物を空売り※3する方法があります。

※3 空売りとは、証券会社から株を借りて、借りた株を市場で売ることです。株価が下がったときに買い戻し、株を証券会社に返す仕組みで、高く売って安く買い直すことで、その差額が自分の利益となります。詳しくは信用取引とは?をご覧ください。

東証グロースに上場しているような新興企業の株価は、成長期待から割高になっていることが多く、決算発表で投資家の期待を超える情報が出なかったり、市場全体が下落していたりする局面では、株価の下げ幅が大きくなります。したがって、新興企業の株価が下がったときでも利益を出せる投資法を持っていれば、新興企業に安心して投資ができますよね。

リスクヘッジのために東証マザーズ指数先物を空売りする場面として、以下のようなときがあります。

パターン①

新興銘柄を保有しているとき
新興銘柄の値上がりを狙いつつ、東証マザーズ指数の下落に備えて、東証マザーズ指数先物を空売りする

パターン②

新興銘柄を複数保有&夜間に欧米の株式市場が急落
東証マザーズ指数先物を空売りし、損失の拡大を防止する

東証マザーズ指数先物は、1.東証マザーズ指数先物とは?でお伝えしたように、大きな損失を抱える可能性があります。そのため、東証マザーズ指数先物へ重点的に投資するのではなく、リスクヘッジとして使うのがおすすめです。

ネット証券の「マザーズ指数先物1枚あたりの売買手数料」を比較

証券会社名
(公式サイトへ)
1枚あたり売買手数料 ネット証券
詳細情報へ
auカブコム証券 44円 詳細
SBI証券 41.8円 詳細
松井証券 44円 詳細
岡三オンライン 44円 詳細

(2022年4月現在)

主なネット証券の、東証マザーズ指数先物を1枚取引するのに必要な売買手数料を比較してみました。これを見ると、1枚あたり売買手数料が最も安いのはSBI証券です。東証マザーズ指数先物を取引したい方は、SBI証券に口座開設しておきましょう。

まとめ

東証マザーズ指数先物は、東証グロースに上場している新興企業に投資しているときのリスクヘッジ手段として使えます。ただし、東証マザーズ指数先物は、それ自体の値動きも激しいため、単独で取引するのではなく、リスクヘッジとして新興企業と組み合わせて投資するとよいでしょう。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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