株価分析ツールの紹介

現在の株価が、「割安」か「割高」かを判断する方法としては、PER(株価収益率)PBR(株価純資産倍率)を使うのが一般的です。しかし、PERやPBRを使って評価しても、それぞれに問題点があって、正確に会社の価値を表現できないのも事実です。

割安・割高を判断する別の方法として、理論株価を使う方法があります。会社が持っている事業や財産などを使って、本来あるべき株価(理論株価)を算出し、それと現在の株価を比較します。これをもし手作業でやるとしたら、大変骨が折れる作業になりますが、自動的に決算書から数字を読みとって計算までしてくれるツールがあったらどうでしょうか!?そんな、夢のような分析ツールを紹介したいと思います。

具体的な手法としては、会社の企業価値(=事業価値+財産価値)を計算し、そこから有利子負債を引くことによって、株主価値を計算します。株主価値というのは本来あるべき理論株価と同じ意味なので、理論株価と現在の株価を比較することで、どれくらい割高か割安かがわかるのです。

GMOクリック証券の株価分析ツール紹介

これらの複雑な計算を自動でやってくれるのが、GMOクリック証券株価分析ツールです(口座開設をしている方は無料で使えるツールです)。見た目にもわかりやすく、図を使って解説されているので、大変重宝すると思います。

ソフトバンク〔9984〕を例にして、株価分析ツールを使ったサンプル画像です。

株価分析ツール(ソフトバンク〔9984〕の例)

上の図の解説

まず、ソフトバンクが持っている①事業価値が1株あたり10,933円(緑色)と算出されました。これは、ソフトバンクが携帯電話事業やネット事業などで稼ぐ力です。

次に、となりの財産価値を見てみましょう。会社の持つ②財産価値は1株あたり7,175円(水色)となりました。これは、会社が持っている現金や土地などの合計で、直接的には事業には必要ない財産を指します。企業価値とは“事業価値”と“財産価値”を足したものなので、合計すると18,108円となりました。

ここから③有利子負債8,552円(赤色)を引くと、④理論株価が算出されます。ソフトバンクの④理論株価が9,555円(黄色)と計算されました。ちなみに、この日のソフトバンクの⑤株価は5,092円(オレンジ色)でしたから、この両者を比較すると・・・「46%割安」と答えが出ました!これらの複雑な計算をクリック1回でしてくれる便利ツールなんです。(事業価値や財産価値などの詳しい算出方法は、なぜか日本人が知らなかった新しい株の本を参考にしてください)

※ご注意
・株式分割などによって「発行済みの株数」が変化していると、正しい数字が表示されない場合があります。
・理論株価は、将来の株価を確実に予測するものではございませんので、参考程度にお使いください。
・新規公開株(IPO)など、銘柄によってはまだ対応していないこともあるようです。

株主価値と時価総額の推移(ソフトバンク〔9984〕の例)

上の図の解説

次は、株主価値(理論株価×株数)と期末の時価総額(株価)の推移を表すグラフです。かんたんに言えば、価値価格の比較です。価値より価格のほうが高ければ(青色の塗りつぶし部分)割高ですし、価値より価格のほうが安ければ(赤色の塗りつぶし部分)割安というわけです。できるだけ割安に株を買おうというのが“バリュー投資ですから、赤色部分のような、価値より価格のほうが低い状態で株を買いたいものです。

具体的に解説しますと、“株主価値”というのは、先ほどの④黄色部分のことで、①事業価値と②財産価値を足したものから③有利子負債(借金)を引いた数字です。ざっくりと本来の会社の価値と考えても問題ないです。“期末の時価総額”というのは、そのときの会社の価格です。株価(時価)×株数で計算されます。この両者を比較して、会社の価値と株価の推移を時間軸で見たという分析です。

このグラフから見てとれる考察は、2018年3月までは「割高」でしたが、2018年4月から2019年3月にかけて「割高感が解消」し、2019年4月以降はずっと「割安」な状況が続いているということです。

ソフトバンクの倍率評価(営業利益倍率、PER、CF倍率、PBR)

上の図の解説

次は、ソフトバンクの倍率評価と、倍率評価を見るポイント(例)を表す図です。 倍率評価からは、

  • 「事業価値(ソフトバンクの主力事業)は営業利益の何倍になっているのか?」
  • 「市場価値(株価水準)から見て、PERキャッシュフロー倍率(PCFR)PBRは何倍になっているか?」

を視覚的に理解できます。この図から見てわかることは、営業利益が毎年順調に伸びていること、総資産に占める借金の割合が多いため株主資本が少ないことです。ソフトバンクは成長企業ですが、取り組んでいる事業が多く価値を評価しづらいので、PERも5.98倍と評価が低くなっています。

株価分析ツールの使い方を紹介します!(ご利用は無料です♪)

  1. GMOクリック証券に口座開設後、ログインします。

    GMOクリック証券にログイン
  2. 株式」をクリックします。

    株式をクリック
  3. 検索窓に、調べたい会社名「(例)ソフトバンク」、もしくは、銘柄コードの「9984」と打ち込み、虫眼鏡のアイコンをクリックします。

    銘柄名または銘柄コードを入力
  4. 財務分析」をクリックすると、株価分析ツールのページがはじめに表示されます。

    財務分析をクリック
  5. 株価分析のページが表示されました。

    株価分析ツール(ソフトバンク〔9984〕の例)

このように手軽に分析ができますので、「数字や分析はちょっと苦手…」という方も、GMOクリック証券株価分析ツールを一度チャレンジしてみてください♪割安度を計る一つの目安になると思います。細かい企業分析をする前に、このツールで投資先の候補として、ある程度目星を付けておくという使い方もできそうですね。

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