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【農業関連株・銘柄】農業の動向や2023年の見通し、スマート農業銘柄を紹介

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年9月14日

農業関連株とは、農業に必要なモノ・サービスを提供する会社の株です。具体的には、種苗や農薬・肥料、トラクタなどの農機具を提供する会社が当てはまります。

農業関連株はディフェンシブ銘柄※1で、景気の影響を受けません。しかし、農業は天候不順や災害だけでなく、輸出入先との外交関係や政策、農業資材(農薬や肥料など)の価格や為替、人口などのさまざまな事柄に左右される産業です。

※1 ディフェンシブ銘柄とは、景気に左右されにくい会社の株のことです。電気・ガスや医療関連などの株が当てはまります。

この記事では、農業関連の代表的な銘柄や今後の見通しなどを解説するので、ぜひ参考にしてください。

農業の動向と抱える問題

農業関連株は注目を集めています。世界の分断と地球温暖化による災害の多発で、食料安全保障がおびやかされているからです。ウクライナと台湾をめぐり中露と欧米が対立しており、食料調達にも支障が出ています。

食料安全保障について

出典:食料安全保障について(農林水産省)

事態が悪化すれば、食料の6割超を輸入に頼る日本は、必要な分を入手しにくくなるかもしれません。政府は対策を急いでいますが、農家の高齢化で国内生産量は先細りとなる見込みです。国内市場の先行きを見越して、大手の農業関連各社は海外ビジネスに力を入れています。

農業関連株・銘柄一覧

農業関連株を分野別に紹介します(畜産はここでは除外しました)。

① 種苗

世界の売上トップ10に入る種苗会社、サカタのタネ(1377)をピックアップしました。

② 農薬

国内大手の日産化学(4021)クミアイ化学工業(4996)をピックアップしました。

③ 肥料

環境にやさしい商品に力を入れており、農薬メーカーでもあるOATアグリオ(4979)をピックアップしました。

④ 農機、DX(デジタル技術を用いた業務改革)

農機の世界的大手のクボタ(6326)と小型農機のやまびこ(6250)、農業をDXで支援するトプコン(7732)をピックアップしました。

⑤ 栽培

レタスの植物工場を手がける大氣社(1979)と、いちごの栽培・卸・小売事業を営むホーブ(1382)を期待を込めてピックアップしました。

⑥ 輸入

穀物や農業資材を多く扱う大手総合商社の丸紅(8002)をピックアップしました。

紹介した10銘柄の事業内容を以下の表にまとめたので、参考にしてください。

銘柄名
クリックタップで最新株価)
事業内容
サカタのタネ(1377) 国内首位の種苗会社。種子を中心に苗木・球根・農園芸用品の卸・小売をおこなう。種子は野菜がメイン。不作や災害に備えて種子の調達先を世界中に分散。海外売上比率は7割超
ホーブ(1382) いちご栽培事業を北海道で展開。業務用いちごの種苗販売や契約栽培事業、卸・小売業を営む。組織培養技術を使った夏秋に収穫できる品種を開発。傘下の会社が関東圏向けを中心に配送をおこなう。
大氣社(1979) 設備工事会社。空調設備に強み。自動車塗装用プラントの売上は世界トップクラス。傘下のベジ・ファクトリー社が世界で唯一の結球レタス量産化が可能な植物工場を提供している。
日産化学(4021) 化学品・材料メーカー。国内農薬売上高でトップシェア。除草剤がメインで約5割が欧州・アフリカなどの輸出向け。インドに農薬原料の製造工場を建設。2023年3月期まで10年連続最高益を更新、11年連続増配
OATアグリオ(4979)肥料・農薬メーカー。水耕栽培肥料で国内シェアNo.1。有機質肥料やバイオスティミュラント(植物の免疫を高める物質や技術)に注力。海外売上比率は7割弱。インド、スペインなど世界5拠点で研究開発をおこなう。
クミアイ化学工業(4996) 大手農薬・化成品メーカー。殺虫剤・殺菌剤・除草剤などの農薬や原料を扱う。国内向けは農協、海外向けは海外営業部や現地のグループ会社を通じて販売。海外売上比率は約6割。米国、豪州、南米に強い。
やまびこ(6250) 国内首位の小型屋外作業機械メーカー。チェンソーや刈払機を中心に、薬剤散布機や発電機などの開発・販売も手がける。海外売上比率は7割超。米国をメインに欧州にも展開。
クボタ(6326) 世界有数の農機メーカー。トラクタ、コンバイン、田植え機などの自動運転や農業経営のDX化を実現。実践農場「クボタファーム」を全国13か所で運営。海外売上比率は約8割
トプコン(7732) ヘルスケア、農業、建設業の自動化・DX化支援が事業の柱。建機・農機向けの自動化システムを国内外に提供。海外企業のM&Aや提携に積極的。海外売上比率は約8割。北米に強い。
丸紅(8002) 大手総合商社。穀物取扱量は総合商社トップクラス。肥料、農薬、種などの農業資材を提供するほか肥料・農薬散布サービスなども請け負う。傘下の米ヘレナ社は農業資材で全米売上2位

農業関連株の見通し

農業関連株の見通しを「良い・普通・悪い」で表すと、「良い」と言えます。なぜなら、自然災害の増加やウクライナ侵攻、コロナ禍の混乱を背景に、各国で食料の安定確保に力を入れるようになったからです。

近年、日本の近海では台湾をめぐる軍事的な緊張が高まっており、輸入に頼る日本の食料事情が改めて不安視されています。政府は、食料・農業・農村基本法を改正し、食料安全保障の確保に力を入れる方針です。

以上を踏まえ、農業関連株のこれからを見極めるポイントは次のとおりです。

① グローバル化

三菱総合研究所の調査によれば、国内の農業生産額は2050年には半減する見込みです※2

※2 参考:2050年の国内農業生産を半減させないために(三菱総合研究所)

一方、農林水産省によると、2050年に世界で必要となる食料の量は現在の1.7倍となるようです。したがって、海外売上比率が高い会社は業績を伸ばしやすいと言えます。

世界全体の品門別料需要量の見通し

出典:2050年における世界の食料需給見通し(農林水産省)

海外売上比率

国内生産が減るにつれ、丸紅(8002)など商社を通じた輸入が増えていくと考えられます。

海外の拠点

世界中に生産・研究拠点を持つ農機のクボタ(6326)サカタのタネ(1377)などは災害や紛争などの有事や為替変動に強い会社と言えます。

輸入

国内生産が減るにつれ、丸紅(8002)など商社を通じた輸入が増えていくと考えられます。

外国人人材

人手不足で国内の生産維持が危ぶまれており、特定技能制度※3の見直しなどによる外国人人材の活用に期待がかかっています。

※3 特定技能制度とは、特定の分野の技能や知識を持った外国人に日本で働くことを認める制度のことです。

② 大規模化、省力・DX化

輸出を視野に価格競争力を高めるため、農業の大規模化、省力・効率化が求められています。クボタ(6326)トプコン(7732)は、農機の自動運転やドローンによる農薬散布などでスマート農業※4を推進しています。レタス工場を手がける大氣社(1979)にも要注目です。

※4 スマート農業とは、ロボット、AI、IoT(あらゆるモノへのインターネット接続)など先端技術を活用する農業のことです。

③ 高く売れる商品に選択集中

肥料・農薬メーカーのOATアグリオ(4979)は有機などの環境を意識した商品の扱いを増やしていく方針です。いちご栽培事業のホーブ(1382)では、夏や秋に収穫できる高級品種を開発しています。これらは高値で取引できるので業績にプラスです。

注意

記載の見通しは、当サイト編集部の見解なので、結果を保証するものではありません。いかなる不利益が生じた際にも当サイトは一切の責任を負いませんので、すべてにおける最終判断はご自身でおこなってください。

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まとめ

農業関連株の先行きは明るいです。なぜなら、世界の分断や自然災害の増加を背景に、日本だけでなく世界の国々が食料の安定的な確保を急いでいるからです。国際分業を前提としていた農作物の調達や生産のありかたを見直す各国の動きに、農業関連会社の一層の貢献が期待されています。

農業関連株の売買を検討する際は、国際情勢や各国の政策・方針、農業資材の価格や為替などの国内外の動向を踏まえたうえで個別の銘柄を検討すると良いでしょう。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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