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モーニングスターで取材させていただきました(2)

Q.これからの投信業界に期待していることを教えてください

かえる : 個人的には、投資信託は非常に優れた投資商品だと思います。特に投資をはじめたばかりの人には、ピッタリだと思っています。少額(1,000円~)で世界中の企業に投資できますし、積立てサービスを利用することで楽に投資を続けることもできるからです。

ただ、新しい商品の設定や投資信託の販売方法などを見ていますと、どうしても『手数料を多く取る』ことが目的になっているような感じを受けており、そのような所が改善して欲しいと思っています。そこで、これからの投信業界について朝倉さんはどのようにお考えか、お聞かせ下さい。

モーニングスター朝倉さんとの取材風景

朝倉さん : 以前にくらべ、金融商品取引法の改正などもあり、随分と投資家が保護をされるようになってきましたが、個人的にはまだまだと感じています。もの足りないと言うのが率直な感想です。投信業界に一番期待しているのは、開示性と言いますか、投資信託の『透明性』です。具体的にあげますと、

・運用方針やレポートの発信すること
・ファンドマネジャーの経歴を記載すること(自身でファンドを保有しているかの有無)
・ファンドの運用成績や財務状況を過去と簡単に比較できるようにすること

と言ったことに期待しています。期待していると申しましたが、実際に金融庁を含め、投信業界は、もうすでに新しい取り組みをしています。まず、2010年7月から、投資信託の目論見書(説明書)が約10ページ程度に簡素化されます。これは非常にいい動きだと思っています。

なぜかと言いますと、現在の目論見書はだいたい100ページ前後になっています。投資信託の説明が詳しく記載されており、よいことはよいのですが、はっきり言って個人投資家のみなさんが活用しにくいものになっています。以前から、個人投資家から「読みにくい、わかりにくい」といった声が、投信業界からは、「作成する負担が大きい割に活用していただけない、現場で使用しにくい」といった声があがっていました。

その結果、昨年に金融商品取引法等の一部が改正され、目論見書が簡素化されることになったのです。

今回の改正でポイントとなるのは、目論見書のフォーマット(構成)が統一されたことです。記載順序や内容も決められていますので、これにより複数の投資信託の比較検討が容易になるはずです。ですから、先ほどあげました3つのポイント(運用実績・コスト・運用会社の姿勢)も簡単にチェックすることができます。ぜひ簡素化された目論見書を活用してほしいと思います。

かえる : 確かに目論見書の簡素化はよいことだと思います。朝倉さんは投資信託のことで、いろいろな金融機関でアドバイザー的な活動もされておられますので、ますます個人投資家に役立つ取り組みが進んでいくと勝手ながら期待しております。

あと、書き切れませんでしたが、朝倉さんは投信業界の中でも直販投信に期待しているそうです。直販投信といえば、これまで取材した、ひふみ投信や、セゾン投信ですね。なぜ、直販投信に期待しておられるかと言いますと、「運用会社が、個人投資家に納得して投資信託を買っていただこうとする姿勢を打ち出している」からだそうです。これからも投信業界の積極的な姿勢に期待したいですね。

かえる : みなさん、今回のレポートはいかがでしたでしょうか。個人的には、非常に面白いお話ばかりで、あっという間のひとときでした。

日本の金融資産は1400兆円程と言われていますが、その中で投資信託の占める割合は4%程度だそうです。ちなみに、現預金・年金・保険で約80%を占めます。上でも述べてきましたが、投資信託は非常に便利な投資商品と感じていますので、投資信業界はまだまだ大きくなると思います。

また、これからもっとよいファンドが出てくる一方で、複雑なファンドも出てくると思います。ですから、そのようなファンドをしっかりと比較・評価できる、モーニングスターのサイトはますます重要になってくるでしょう。これからも引き続きモーニングスターと朝倉さんの活躍に期待したいと思っています!

最後に、ここまでレポートに目を通してくださったみなさんにお礼を述べたいと思います。また、お忙しい中、取材を快く承諾していただいたモーニングスターの朝倉さんに感謝の意を述べて、このレポートを終わりとさせていただきます。ありがとうございました!

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