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米国株(アメリカ株)の今後(2026年6月)の見通しと5月の振り返り
米国株市場の2026年5月の振り返りと、2026年6月の見通し、注目イベント、投資戦略についてご紹介します。
本記事のポイントは、次の5つです。
ポイント
- 5月は主要3指数が揃って過去最高値を更新
- 6月は企業業績が下支えする一方、利上げ観測や原油高が重荷
- FOMCや米CPI、中東情勢が相場の方向性を左右
- AI関連やデータセンター関連への成長期待は引き続き強い
- 金利上昇や原油高による短期的な調整リスクには注意
詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
2026年5月の振り返り
5月の米国株式市場はダウ工業株30種平均とS&P500、ナスダック総合株価指数の主要3指数が揃って最高値を更新しました。
<5月は主要3指数が最高値更新(過去1か月)>
出典:TradingView
月間ベースではダウ平均が前月終値比2.8%高、S&P500は同5.1%高、ナスダック総合は同8.4%高です。
堅調な企業業績を下支えに人工知能(AI)関連銘柄に資金が集中する流れが続いたほか、米国・イスラエルとイランの軍事衝突を巡る交渉進展への期待も投資家心理を上向かせ、米株式相場を押し上げる要因となりました。
S&P500セクター別に過去1か月の騰落率をみると、「情報通信(IT、15.3%高)」が大幅高となりテクノロジー株がけん引役を演じた一方、「公益(4.1%安)」や「エネルギー(4.1%安)」が軟調な展開で終えました。
8日に発表された4月の雇用統計は非農業部門の就業者数が前月から11万5,000人増と、市場予想の5~7万人増を上回り、米国経済の底堅さが示されました。
過去分については、2月が13万3,000人減から15万6,000人減に下方修正された一方、3月分は17万8,000人増の18万5,000人増に上方修正されています。失業率は4.3%と前月と一致しました。総じて底堅い雇用が維持されています。
12日に発表された4月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.8%の伸びを示し、約3年ぶりの大きさとなりました。エネルギーと食品を除くコア指数は同2.8%上がっています。イラン戦の影響を受け、両指数は伸びが加速している状況です。
<米CPIの推移(%)>
出典:米労働省
物価の瞬間風速を示す季節要因をならした前月比の伸びは0.6%と、前月の0.9%から小さくなったものの、それ以前の0.2~0.3%と比べて大きい状態が続いています。CPIの項目別でみると、ガソリンなどのエネルギーが同3.8%の伸びを示しており、自動車社会の米国の家計を圧迫していることがうかがえます。
14日に発表された4月の米小売売上高は前月比0.5%増の7,571億ドルと、市場予想と一致しました。
業種別ではガソリンスタンドが前月比2.8%増と、イラン戦争を受けた原油高の影響が出ていることがうかがえます。燃料高の影響を税還付で一時的に打ち消しているとみられることから、5月以降の消費動向を注視する必要があるでしょう。
原油高によるインフレ再燃が広がり、米長期金利が急騰しました。米10年物国債利回りは一時4.69%と2025年1月以来の高水準に、米30年物国債利回りも5.19%と2007年7月以来の高水準となりました。
<米10年物国債利回りの推移(%)>
出典:セントルイス連銀
米連邦準備理事会(FRB)が重視する米個人消費支出(PCE)物価指数(4月)は前年同月比の伸び率は3.8%と、同理事会が物価目標とする2%を上回る水準で推移しています。インフレが高止まりするなか、金利高は債券の値下がりを意味し、株式の相対的な割高さが意識されるため、インフレ要因である原油動向を今後も注視する必要があるでしょう。
2026年6月の見通し
6月の米株市場は、企業業績の底堅さが下支えとなる一方で、米雇用統計を受けた利上げ観測の高まりや、中東情勢を背景とした原油価格の上昇が重荷になりやすい展開を想定します。
注目された5月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比17.2万人増となり、市場予想を上回りました。失業率は4.3%で横ばいとなり、米労働市場は想定以上に底堅い状態が続いています。
この結果を受けて、FRB(米連邦準備制度理事会)が早期に利下げへ転じるとの見方は後退しました。むしろ、市場では2026年内の利上げ観測が強まっており、金利上昇に弱いハイテク株やグロース株には利益確定売りが出やすい環境です。
金融政策面では、6月16〜17日のFOMCが大きな注目点です。現時点では政策金利の据え置きがメインシナリオとみられるものの、雇用の底堅さとインフレ懸念を踏まえると、声明文や議長会見がタカ派寄りになる可能性があります。
インフレ面では、原油価格とガソリン価格の動向を引き続き注視する必要があります。米国のレギュラーガソリン価格は、6月8日時点で1ガロンあたり4.164ドルと、5月のピークからは低下しています。ただし、前年同時期と比べると高い水準にあり、家計の負担感は残っています。
中東情勢を巡っては、イスラエルとイランの衝突が再び緊迫化しており、原油価格は上昇しやすい状況です。ホルムズ海峡を巡る不透明感が残るなか、原油高が長引けば、インフレ再加速や消費悪化への警戒感が高まり、米株市場の上値を抑える要因になります。
消費者心理も弱い状態が続いています。米ミシガン大学の5月消費者態度指数は44.8と低水準で、1年先のインフレ期待は4.8%、長期インフレ期待は3.9%まで上昇しました。ガソリン価格や生活費への不満が強まっており、個人消費の先行きには注意が必要です。
一方で、米株市場を支えているのは企業業績です。AI関連投資の拡大を背景に、大手テクノロジー企業を中心とした利益成長への期待は根強く、シティグループはS&P500の2026年末目標を8,100へ引き上げました。
特に、AI向け半導体、データセンター、クラウド関連は引き続き市場の主役になりやすい分野です。ただし、株価上昇が先行している銘柄も多く、好材料が出ても利益確定売りが出やすい点には注意が必要です。
以上を踏まえると、6月の米株市場は「業績の強さ」と「金利・原油高への警戒」が綱引きする相場になりそうです。企業業績が良好なことから大きく崩れにくい一方、雇用統計を受けた利上げ観測の高まりにより、一本調子の上昇は見込みにくいでしょう。
投資戦略としては、AI関連など成長期待の高い銘柄を中心に見つつも、短期的には金利上昇や原油高による調整リスクを意識したい局面です。FOMC、米CPI、原油価格、ホルムズ海峡を巡る報道が、6月後半の米株市場の方向性を左右する重要材料になるでしょう。








