企業分析方法

ダイフク(6383)

[ 業種:機械 ]

  • 公開日:2019年6月5日
成長性 4.0
割安性 1.5
収益性 3.0
財務健全性 4.0

物流機器メーカーのダイフク(6383)について、企業分析しました(ダイフクの公式ホームページ)。使ったツールは、SBI証券の「会社四季報」、GMOクリック証券の「財務分析ツール」、マネックス証券の「銘柄スカウター」です。(分析担当:西尾)

ダイフク(6383)の注目ポイントは、成長性が高いことです。

さっそく、順番に見ていきましょう!

注)分析方法や予測、結果などは管理人の個人的な見解です。
銘柄を推奨するものではございません。投資判断等は自己責任にてお願いいたします。

1.基礎情報

1-1.基礎情報

売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
4,595億円 547億円 558億円 396億円

※売上高、営業利益、経常利益、当期純利益は、2018年3月期の実績値です。

時価総額 PER(予) PBR(実) 配当利回り(予)
6,938億円 18.1倍 3.15倍 1.64%

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

1-2.株価推移 (最近1年間)

株価推移 (最近3年間)

(出典:SBI証券

→最新の株価チャートは、こちら(SBI証券のホームページ)から確認できます。

1-3.事業内容の要約

企業情報

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

ダイフクは、物流機器(マテハン機器と言います)の製造空港向けシステムの開発などをおこなっている企業です。物流機器業界で、世界一の売上高を誇っています。取引先は全世界にあり、売上高の約7割が海外への販売で成り立っているのが特徴です。また、システムのメンテナンスなども手掛けており、顧客とのつながりを維持しながら、安定的に収益を上げています。

1-4.直近の業績をチェック

今期進捗状況 - 経常利益

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

※1Q、2Q、3Qの「Q」とは、「Quarter」の頭文字で、日本語に直すと「四半期(3か月)」となります。

業績のチェックポイントは、「経常利益の進捗率」です。この数値は、マネックス証券の銘柄スカウターでチェックできます。会社の業績が、過去よりも好調なのか不調なのかを知ることができます。

2019年3月期の経常利益進捗率は、103.0%となっています。会社が出していた計画を、予定どおり達成したようですね。決算短信を読むと、東アジア・北米の半導体工場向けシステムや国内の流通業向けシステム、空港向けシステムなどの受注が好調だったため、計画をわずかに上回る業績になったと書いてありました。

続いて、コンセンサスという、“専門家が予想した今期末の業績”に目を通します。2020年3月期の企業予想は535億円なのに対し、コンセンサス予想は558億円と企業予想を上回っています。企業側は、景気の影響で半導体向けシステムの受注が減ると考えており、2019年より弱気な予想を出したようです。しかし、コンセンサスは他の事業での受注増加を見込んでいるらしく、企業予想より強気な予想となっています。

実際の業績がコンセンサスを上回った場合、株価は上がる傾向にあります。コンセンサスと実際の業績を比べれば、株価のゆくえをざっくりと予想できるので、決算ごとにチェックするのがおすすめです。

また、四半期ごとに経常利益の進捗率をチェックすることも大切です。その際に役立つのが、前期の四半期進捗率と比べて良いか悪いかというものです。進捗率が前期と比べて10%近くブレた場合は、事業環境に変化が起きている可能性が高く、その理由を探る必要があります。

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2.なぜダイフクに注目したのか?

ダイフク(6383)に注目した理由は、成長性が高いためです。なぜ成長性が高いと言えるかというと、以下のような理由があるからです。

  • 空港向けシステム販売が増える
  • 国内や新興国で設備投資が活発におこなわれている
  • 人手不足の物流業界への販売が増える

特に、空港向けシステム開発では、最近話題となっているセルフ手荷物チェックインシステムなどを開発しています。空港には、人がおこなっている作業が多く残っているので、機械をうまく使って効率化しようという動きがあるのです。最近では、日本の新千歳空港から、システム開発を受注しました。ダイフクは、物流機器メーカーとして世界中から信頼を集めているので、今後も受注が増えていくのではないでしょうか。

また、新興国では工場の建設が相次いでいます。そのため、工場で使う搬送システムやベルトコンベヤなどの需要が高まります。ダイフクはこれらの機器製造で世界的に実績を持っているので、新興国の工場からの受注が増えると予想できます。

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3.財務諸表分析

3-1.貸借対照表

貸借対照表

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

ダイフクの貸借対照表です。有価証券報告書には数字しか書かれていないので、上に載せたGMOクリック証券の財務分析ツールを使うと、その中身を目でチェックできるので便利です。

2019年の貸借対照表について、『売上債権(オレンジ色の部分)』に注目しましょう。

売上債権とは、ひとことで表すと将来に代金を受け取る権利です。これは、主に企業との取引がメインのメーカーなどによく現れます。なぜかというと、基本的に企業間の取引は「ツケ」でおこなわれているからです。取引先に対する代金の支払いや、取引先からの代金の受け取りは、一定期間が経った後におこなわれるのが通例となっています。

貸借対照表

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

今度は、過去10年分の貸借対照表の推移をチェックしましょう。10年分さかのぼってチェックすることで、「分析している企業が、どのように変化してきたか」がわかります。

ダイフクの貸借対照表は、10年間ほぼずっと右肩上がりになっています。製品を作るための有形固定資産(濃い黄緑色)はあまり増えていませんが、売上債権(オレンジ色)が大きく増えていますね。売上債権は売上高の増加と連動するため、それだけダイフクの製品が売れていることを意味します。また、右下の株主資本(黄色)も毎年増えており、毎年利益を蓄えていることが読み取れます。

貸借対照表についてまとめます。ダイフクは、企業を相手に商売をしているため、売上債権が多く計上されている特徴があります。また、過去10年を振り返ると、製品の販売が増えて売上債権が積み上がっています。販売が毎年増えているのにともない、利益の蓄積も毎年着実にできていることがわかりますね。

3-2.損益計算書

過去~現在~未来まで14年分

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

上の図は、過去~未来まで14年分の損益計算書をグラフ化したものです。売上高と営業利益は、2009年から2010年にかけて下がっていますが、そのあとは右肩上がりになっていることがわかりますね。

2009年から2010年にかけて業績が悪化したのは、2008年に発生したリーマンショックの影響です。世界的に不況になってしまったため、ダイフクの物流機器などの受注が大きく減ってしまいました。その後は景気の回復に合わせて受注が増えていき、業績が右肩上がりになっています。

四半期ごとの業績

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

上の図は、ダイフクの損益計算書を、四半期ごとにグラフ化したものです。はっきりとした特徴はありませんが、3Qや4Qに売上高が積み上がる傾向があるようです。

損益計算書についてのまとめです。不況の影響を受けやすく、リーマンショック級の事件が起きた場合は、翌年以降の業績が大きく悪化するかもしれません。ただし、景気が良いときは、受注が増えるのに合わせて、業績も右肩上がりになる傾向があります。

3-3.キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

上のグラフは、ダイフクのキャッシュフロー(CF)を表したものです。2019年は、「営業CF:+、投資CF:+、財務CF:-、フリーCF:+」となっています。金額は、「営業CF:86億円、投資CF:59億円、財務CF:▲69億円、フリーCF:145億円」です。

営業CFについて、2018年と2019年の金額を比べると、2019年のほうが小さくなっています。この理由は、法人税の支払額が前年よりも増えたためです。

投資CFは、2019年を除いて毎年マイナスとなっており、積極的にお金を投資に回してきたようです。しかし、2019年は持っていた株式を売ったため、投資CFがプラスとなっています。

3-4.企業価値評価(株価と理論株価の関係)

企業価値評価

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

※↑具体的な図の見方やツールの使い方などは、こちら(財務分析ツールの紹介)をご参考ください。

(図の見方)
株価理論株価” となっていれば割安です。

「売上成長率」、「営業利益率」、「償却」、「設備投資」は過去3年の値を、「割引率」は推奨値を使って、理論株価を出してみました。ダイフクの場合、2019年5月17日現在の株価5,820円に対して、理論株価1,657円であり、251%割高となっています。

(ツールの使い方〔手順〕)
口座開設(GMOクリック証券) → ログイン → 『株式』 → 銘柄を選ぶ → 『財務分析』

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4.将来予想

4-1.今後のシナリオ(将来予測)

今後は、物流機器の販売や空港向けシステム開発受注が増えて、業績は右肩上がりが続くと考えられます。ただし、景気が悪くなってきた場合は、受注が減って業績が悪くなるかもしれません。業績が景気と連動している企業なので、投資する場合は景気動向に注目が必要です。

PER別の株価

ここで、向こう2年間の予想株価を計算してみましょう。予想株価は、「EPS×PER」で計算できます。

まずは、2020年3月期の予想株価から計算してみます。決算短信によれば、2020年3月期の予想EPSは304円です。2019年5月17日現在のPERは18倍なので、ざっくりとPER20倍として計算しましょう。すると、2020年3月期の予想株価は6,100円となります。

続いて、2021年3月期の予想株価を計算してみましょう。決算短信には、2021年3月期の予想EPSが載っておらず、会社四季報による予想もまだ発表されていなかったので、2017年~2020年の年平均成長率から2021年3月期のEPSを予想してみます。

2017年~2020年までのEPS年平均成長率を計算すると、31%となりました。2020年のEPSにこの成長率をかけて計算すると、2021年の予想EPSは397円となります。そして、PER20倍で計算してみると、2021年3月期の予想株価は7,900円となります。

4-2.今後考えられるリスク

今後考えられるリスクは、業績が景気に左右されることです。

ダイフクの取引先は、物流企業やメーカーなどが中心です。これらの企業は、景気の影響を受けやすいため、景気が悪くなると、ダイフクの受注が減る可能性が高まります。受注が減ると、当然売上高も減ってしまうので、株価が下がる要因となります。

ダイフクのような、景気の影響を受けやすい企業に投資する場合は、景気の動向に敏感になって、毎日情報を集めることが大事です。

5.ダイフクを分析するときに参考にした、無料のサービス

ツール 提供している
証券会社
ポイント
会社四季報 SBI証券 銘柄選択に向いています!
財務分析ツール GMOクリック証券 バリュー投資に向いています!
銘柄スカウター マネックス証券 簡易分析に向いています!

※いずれのサービスも、各証券会社に口座開設していれば、無料で使えます♪

6.まとめ

ダイフクは、物流機器や空港向けシステム開発によって、業績を伸ばしていくことができる企業です。人手不足で物流施設の効率化が進むことや、空港のスマート化に向けた設備投資が進むことが考えられるので、今後も順調に受注が増えるのではないでしょうか。

しかし、景気に左右されやすい企業である点に注意が必要です。景気が悪くなると、ダイフクの業績も悪くなる傾向にあります。もしダイフクに投資をする場合は、景気の動向を日々チェックする必要があるでしょう。

注)ここで紹介している分析方法や結果等は個人的な視点のもので、銘柄を推奨するものではございません。投資判断等は自己責任にてお願いいたします。
注)このページの分析は、2019年5月23日現在の情報に基づいています。同日以降に発表されたIR情報は反映していませんので、あらかじめご了承ください。

分析担当 西尾のプロフィール

・やさしい株のはじめ方の資産運用担当
・ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員の資格あり
・年間200銘柄以上を分析中

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