企業分析方法

コメダホールディングス(3543)

[ 業種:飲食業 ]

  • 公開日:2019年5月22日

名古屋を中心に『コメダ珈琲店』を運営するコメダホールディングス(3543)について、企業分析しました(コメダホールディングスの公式ホームページ)。使ったツールは、SBI証券の「会社四季報」、GMOクリック証券の「財務分析ツール」、マネックス証券の「銘柄スカウター」です。(分析担当:西尾)

コメダホールディングス(3543)の注目ポイントは、以下の2点です。

  • 初心者でも将来の業績を予想しやすい
  • 営業利益率が高い

さっそく、順番に見ていきましょう!

注)分析方法や予測、結果などは管理人の個人的な見解です。
銘柄を推奨するものではございません。投資判断等は自己責任にてお願いいたします。

1.基礎情報

1-1.基礎情報

売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
303億円 76億円 75億円 51億円

※売上高、営業利益、経常利益、当期純利益は、2019年2月期の実績値です。

時価総額 PER(予) PBR(実) 配当利回り(予)
941億円 17.5倍 3.17倍 2.49%

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

1-2.株価推移 (最近1年間)

株価推移 (最近3年間)

(出典:SBI証券

→最新の株価チャートは、こちら(SBI証券のホームページ)から確認できます。

1-3.事業内容の要約

企業情報

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

コメダホールディングスは、名古屋を中心にフルサービス型の喫茶店『コメダ珈琲店』を運営している企業です。フルサービス型とは、スタッフが客席で注文を取り、飲み物や料理を客席まで運ぶ形式をいいます。また、2019年2月時点で全部で860店あるコメダ珈琲店のうち、98%をフランチャイズ(以下FC)で展開しているのも特徴です。フランチャイズとは、コメダ珈琲店を運営したいという個人に対して、コメダ側が看板を貸し出し、ロイヤリティ(利用料金)として毎月お金を受け取るしくみです。

コメダホールディングスの主力事業は、FC店への卸売りで、売上収益の7割を占めています。残りの3割は、直営店の売上と、FC店から受け取るロイヤリティです。

※FC店には、食材(パン・コーヒーなど)や雑貨(食器・消耗品)などを卸売りしています。

1-4.直近の業績をチェック

今期進捗状況 - 経常利益

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

※1Q、2Q、3Qの「Q」とは、「Quarter」の頭文字で、日本語に直すと「四半期(3か月)」となります。

業績のチェックポイントは、「経常利益の進捗率」です。この数値は、マネックス証券の銘柄スカウターでチェックできます。会社の業績が、過去よりも好調なのか不調なのかを知ることができます。

2019年2月期通期決算の経常利益進捗率は、100.3%でした。はじめに計画した業績を達成したため、決算発表後に株価が上がりました。このように、経常利益進捗率が100%を超えると株価は上がりやすく、反対に100%を下回ると株価は下がりやすいという性質を持っています。

続いて、コンセンサスという、“専門家が予想した今期末の業績”に目を通します。2020年2月期1Qのコンセンサス予想は、18.6億円となっています。前年の2019年2月期1Qは18.1億円だったので、前年よりも0.5億円は業績が良くなると考えているようです。

実際の業績がコンセンサスを上回った場合、株価は上がる傾向にあります。コンセンサスと実際の業績を比べることで、株価のゆくえをざっくりと予想できるので、決算ごとにチェックするのがおすすめです。

また、経常利益の進捗率は、前年の進捗率と比べることも大切です。2019年2月期は、大体四半期ごとに25%ずつ経常利益が積み上がっています。2020年2月期も、同じように経常利益が積み上げることができれば、株価も上昇基調が続くでしょう。四半期ごとにチェックしていきたいですね。

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2.なぜコメダホールディングスに注目したのか?

コメダホールディングス(3543)に注目した理由は、次の2点です。

1つ目は、『初心者でも将来の業績を予想しやすい』ことです。コメダホールディングスのような飲食店は、店舗数が増えるにしたがって、業績も右肩上がりになる性質があります。そのため、決算説明資料などに載っている出店計画や、月次データの総店舗数が伸びているかをチェックしておけば、業績の伸びを予想できます。

2つ目は、『営業利益率が高い』ことです。2019年2月期の決算短信(PDF)によると、営業利益率は24.9%となっています。同業他社の営業利益率は、『喫茶室ルノアール』を運営する銀座ルノアール(9853)4.2%、『サンマルクカフェ』を運営するサンマルクホールディングス(3395)9.8%となっています。コメダの営業利益率は、同業他社よりも高くなっているのです。

営業利益率が高いほうが、効率よく稼げていることを意味します。その分、株主還元や事業展開の原資となる利益剰余金が増えやすい環境となっています。また、同業他社と比べて営業利益率が高い企業は、他の企業にはない強みや、独自のしくみを持っていると考えられます。このような企業は、長期的に発展し続ける可能性が高いので、長期投資に向いています。

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3.財務諸表分析

3-1.貸借対照表

貸借対照表

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

コメダホールディングスの貸借対照表です。有価証券報告書には数字しか書かれていないので、上に載せたGMOクリック証券の財務分析ツールを使うと、その中身を目でチェックできるので便利です。

最新の決算は2019年2月ですが、GMOクリック証券の財務分析ツールにはまだ情報が反映されていませんでした。そこで、今回は2018年の貸借対照表を読み解きます。注目ポイントは、『有形固定資産(濃い黄緑色の部分)』です。

喫茶店を運営する企業なので、店舗が多く有形固定資産が多くなると考えるのが自然です。しかし、コメダホールディングスの貸借対照表には、有形固定資産が少ししかありません。比率でいうと、総資産のたった10%です。

なぜかというと、コメダホールディングスが運営する喫茶店の約98%がFC店だからです。FC店の土地や建物は、FCを管理する本部(コメダホールディングス)の資産とはみなされません。あくまでFC店のオーナーのものとなります。そのため、FC店の土地や建物はFC本部の貸借対照表には載らず、喫茶店を運営しているのに有形固定資産が少ないという状態になるのです。

貸借対照表についてまとめます。コメダホールディングスは、店舗数の約98%がFC店なので有形固定資産が少ないという特徴があります。

3-2.損益計算書

過去~現在~未来まで6年分

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

上の図は、過去5年分と将来1年分の損益計算書をグラフ化したものです。売上高は右肩上がりになっていますが、営業利益は右肩上がりとなっています。売上高が右肩上がりになっている理由は、店舗数が増えて、FC店への卸売売上が増えたからです。

営業利益も右肩上がりになっています。これは、店舗数が増えることで、そのまま営業利益に入るFC店からのロイヤリティ収入が増えることが影響しています。この傾向は、今後も続いていくのではないでしょうか。

四半期ごとの業績

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

上の図は、コメダホールディングスの損益計算書を、四半期ごとにグラフ化したものです。多少でこぼこしていますが、じわじわ四半期ごとに売上高が右肩上がりになっています。季節要因は特になさそうです。

損益計算書についてのまとめです。売上収益も営業利益も右肩上がりが続いています。新規出店によって店舗数が増えると、売上収益と営業利益が増えるしくみです。今後も継続的な新規出店を計画しているようなので、業績の拡大が続きそうです。

3-3.キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー分析(簡易版)

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

上のグラフは、コメダホールディングスのキャッシュフロー(以下CF)を表したものです。こちらも、最新の2019年のCF計算書が反映されていなかったので、2018年のデータを読み解きます。2018年は、「営業CF:54億円、投資CF:▲35億円、財務CF:▲37億円、フリーCF:19億円」です。

営業CFの金額内で投資をおこなっており銀行借り入れもしっかり返済しているので、堅実な経営ができている企業だと言えます。上に載っていない2019年のCF計算書を見ても、「営業CF:62億円、投資CF:▲26億円、財務CF:▲32億円、フリーCF:37億円」となっていました。

キャッシュフロー計算書についてまとめます。営業CFの金額内で投資をおこない、新規出店を進めている企業だとわかります。そして、毎年しっかりと銀行借り入れを返済しており、堅実な経営ができているようです。今後も、同じ傾向が続くのではないでしょうか。

3-4.企業価値評価(株価と理論株価の関係)

企業価値評価

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

※↑具体的な図の見方やツールの使い方などは、こちら(財務分析ツールの紹介)をご参考ください。

(図の見方)
株価理論株価” となっていれば割安です。

「売上成長率」、「営業利益率」、「償却」、「設備投資」は直近の値を、「割引率」は推奨値を使って、理論株価を出してみました。コメダホールディングスの場合、2019年5月9日現在の株価2,000円に対して、理論株価1,445円となっているので、38%割高という結果になりました。

(ツールの使い方〔手順〕)
口座開設(GMOクリック証券) → ログイン → 『株式』 → 銘柄を選ぶ → 『財務分析』

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4.将来予想

4-1.今後のシナリオ(将来予測)

今後も、継続的な新規出店によって、業績が伸びていくと予想できます。

PER別の株価

ここで、向こう2年間の予想株価を計算してみましょう。予想株価は、「EPS×PER」で計算できます。

まずは、2020年2月期の予想株価から計算してみます。決算短信によれば、2020年2月期の予想EPSは117円です。2019年5月10日現在のPER17倍を使って計算すると、2020年2月期の予想株価は2,000円となります。

続いて、2021年2月期の予想株価を計算してみましょう。決算短信には、2021年2月期の予想EPSが載っていないため、SBI証券で配信されている、会社四季報の予想EPSを使います。

会社四季報によると、2021年2月期の予想PESは122円でした。こちらも2019年5月10日現在のPER17倍で計算してみると、2021年2月期の予想株価は2,100円となります。

4-2.今後考えられるリスク

今後考えられるリスクとして、原材料の高騰天候や災害が挙げられます。

原材料の高騰も、業績に影響を及ぼします。コメダホールディングスの場合は、FC店に商品を卸すことで売上を上げています。原材料が高騰すると、商品の原価率が上がってしまい、営業利益が少なくなります。現在、飲食業界全体で、原材料価格が上昇しています。今後もこの傾向が続くと思われるので、注意が必要です。

天候や災害も、業績に影響を及ぼします。天気が悪い日が続いたり、猛暑や大雪が続いたりすると、来店客数が減ることがあります。また、災害によって店舗が営業できなくなることがあります。これらによって、FC店の売上が減ってしまうと、コメダホールディングスが受け取るロイヤリティ収入も減ってしまいます。

5.コメダホールディングスを分析するときに参考にした、無料のサービス

ツール 提供している
証券会社
ポイント
会社四季報 SBI証券 銘柄選択に向いています!
財務分析ツール GMOクリック証券 バリュー投資に向いています!
銘柄スカウター マネックス証券 簡易分析に向いています!

※いずれのサービスも、各証券会社に口座開設していれば、無料で使えます♪

6.まとめ

コメダホールディングスは、新規出店によって店舗数を増やすことで、業績が伸びていく企業です。毎年発表される出店計画や、毎月公表される総店舗数を使って、出店がうまくいっているか定点観測できます。毎月チェックするべき数字が明確なので、投資した後も管理しやすい銘柄です。

また、コメダホールディングスの株を100株以上持つと、株主優待としてコメダで使える電子マネー(1,000円相当)がもらえます。詳しくは、グループサイト『楽しい株主優待&配当』でご紹介しているコメダホールディングスのページをご覧ください。

注)ここで紹介している分析方法や結果等は個人的な視点のもので、銘柄を推奨するものではございません。投資判断等は自己責任にてお願いいたします。
注)このページの分析は、2019年5月10日現在の情報に基づいています。同日以降に発表されたIR情報は反映していませんので、あらかじめご了承ください。

西尾のプロフィール

・やさしい株のはじめ方の資産運用担当
・ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員の資格あり
・年間200銘柄以上を分析中

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