分析方法

スター・マイカ(3230)

[ 業種:不動産 ]

  • 公開日:2018年10月29日
成長性 3
割安性 2
収益性 3
財務健全性 1.5

2019年1月15日、業績予想について追記しました。

中古マンションをリノベーションして販売しているスター・マイカ(3230)について、企業分析しました(スター・マイカの公式ホームページ)。使ったツールは、SBI証券の「会社四季報」、GMOクリック証券の「財務分析ツール」、マネックス証券の「銘柄スカウター」です。(分析担当:西尾)

スター・マイカ(3230)の注目ポイントは、以下の2点です。

  • 中古マンション業界に追い風が吹いていること
  • ビジネスモデルに競争優位性があること

さっそく、順番に見ていきましょう!

注)分析方法や予測、結果などは管理人の個人的な見解です。
銘柄を推奨するものではございません。投資判断等は自己責任にてお願いいたします。

1.基礎情報

1-1.基礎情報(2018年11月期 予想値)

売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
230億円 36億円 30億円 21億円
時価総額 PER PBR 配当利回り
300億円 14.1倍 1.8倍 2.01%

1-2.株価推移 (最近3年間)

株価推移 (最近3年間) 株式分割済み

(出典:SBI証券

→最新の株価チャートは、こちら(SBI証券のホームページ)から確認できます。

1-3.事業内容の要約

セグメント構成

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

スター・マイカの主力事業は、中古マンション事業です。「中古マンションを仕入れて販売する」というビジネスモデルです。

1-4.直近の業績をチェック

今期進ちょく状況 - 経常利益

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

※1Q、2Q、3Qの「Q」とは、「Quarter」の頭文字で、日本語に直すと「四半期」となります。

第3四半期の業績を見るポイントは、「経常利益の進捗率」です。この数値はマネックス証券の銘柄スカウターでチェックでき、通期の業績が上振れるか下振れるかを予想するのに役立ちます。

たとえば、2018年11月期の第3四半期の経常利益進捗率を見ると、91.2%とかなり良い数字となっています。まだ3ヶ月残っているのに9割以上の進捗率となっているのは、業績が好調な証拠です。また、最新会社予想の欄を見ると、第3四半期の決算短信が発表された9月27日に、通期の経常利益を上方修正したことがわかります。これは、想定よりも多くの中古マンションを販売できており、第4四半期の間も予定どおりか、予定以上に販売できる見通しが立っていることを意味します。このことから、同社のビジネスは好調であるとわかります。

2019年1月15日追記)2019年1月11日にリリースされたスター・マイカの2018年11月期決算短信の中で、来期(2019年11月期)の業績が増収減益となる見込みであることが発表されました。

増収減益となる理由は、主力のリノベマンション事業の業績は好調であるものの、インベストメント事業で保有している不動産を売って現金化するため、インベストメント事業から生まれる利益がゼロになるからです。
不動産を売って得た現金は、リノベマンション事業に投下され、事業の拡大に使われる予定です。

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2.なぜスター・マイカに注目したのか?

スター・マイカ(3230)は、中古マンションをリノベーションして販売する「中古マンション事業」がメインの不動産会社です。同社に注目した理由は2つあります。

1つ目は、中古マンション業界に追い風が吹いていることです。住宅ローンの金利は低く、景気が少しずつ良くなっており、不動産需要が高まっているのです。その中でも、新築と比べてお手軽な値段で買うことができる、中古マンションへの需要が高まっています。この流れを受け、同社の業績は右肩上がりで伸びる可能性が高いと考えられます。

2つ目は、中古マンションを安く仕入れられるビジネスモデルに、競争優位性があることです。一般的に、中古マンションを仕入れる業者は、入居者がいなくなった物件を買って、ほかの人や企業に売っています。しかし、同社の場合は入居者がいる状態でマンションを買っているのです。中古マンション業界において、入居者がいる物件は「すぐに売って現金化できない」という理由で、不動産会社から敬遠されていました。そのため、かなり値段が安く放置されています。スター・マイカはその点に目を付け、中古マンションを安く仕入れ、入居者がいなくなるまで賃料を得ながら保有し、リノベーションして高く売っています。他の中古マンション業者よりも安く仕入れて販売できるため、利益率が高くなっているのも魅力です。

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3.財務諸表分析

3-1.貸借対照表

貸借対照表

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

スター・マイカの貸借対照表を見てみましょう。有価証券報告書には数字しか書かれていないので、上に載せたGMOの財務分析ツールを使うと、その中身を目でチェックできるので便利です。

財務分析ツールの2017年の貸借対照表を見ると、左側の「資産」の多くを『①棚卸資産』が占めていることがわかります。棚卸資産は、将来的に販売予定の商品のことなので、スター・マイカの場合は販売用不動産を多く持っていることになります。

続いて、貸借対照表の右側「負債・資本」を見てみましょう。右側の多くを『②長期借入金』が占めていることがわかります。長期借入金は、返済期限が1年以上先に設定されている借入金のことです。おそらく、大量に販売用不動産を仕入れるために使っているのだと思われます。長期借入金が多いということは、金融機関から信用されている証明でもあるため、スター・マイカは金融機関から信頼されている会社だといえそうです。

貸借対照表

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

今度は、過去10年分を見てみましょう。10年分さかのぼってチェックすることで、分析している会社がどのように変化してきたかがわかります。これを見ると、10年間を通して棚卸資産と長期借入金の両方ともが増えていることがわかります。毎年積極的に営業活動と金融機関からの資金調達をおこない、仕入を増やしてきたのでしょう。会社の姿勢が変わらなければ、今後も仕入額を増やし、業績も伸ばしていけそうです。

3-2.損益計算書

過去~現在~未来まで10年分

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

上の図は、過去10年分の通期業績をグラフ化したものです。これを見ると、2015年を境に売上高と営業利益が右肩上がりに伸びていることがわかります。2014年~2015年に何らかの変化があった可能性が高いので、有価証券報告書を探ってみました。

2015年11月期の有価証券報告書を見ると、この年から中期経営計画を策定し、中古マンション事業の収益力強化、インベストメント事業で不動産再生投資案件をはじめたことで、業績が伸びた、と書かれていました。この中期経営計画は2017年11月期までであり、業績は右肩上がりで伸びていることを考えると、計画に忠実に取り組んでいる姿勢がうかがえます。2018年11月期からは新たに5カ年経営計画を策定し実行していますが、過去の実績から考えると、さらなる成長が見込めますね。

過去10年間の業績

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

上の図は、スター・マイカの損益計算書を四半期ごとにグラフ化したものです。これを見ると、2018年11月期の第1四半期(1Q)に売上高が急増しているのがわかります。事業環境に何か変化が起きた可能性が高いので、有価証券報告書を見てその背景を探ってみました。

2018年11月期の第1四半期の有価証券報告書には、2018年11月期第1四半期から新たに5カ年経営計画を作り、収益力強化や積極的に販売用不動産の売却を進めている、と書かれていました。第2四半期以降も同じ施策を進めており、今後も業績が伸びていきそうな勢いを感じます。このように、マネックス証券の銘柄スカウターを使えば、視覚的に事業環境の変化を見つけることができます。

3-3.キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー分析(簡易版)

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

スター・マイカのキャッシュフロー(CF)を見てみましょう。販売用不動産の仕入れによって、営業CFが大きく赤字となっています。本業は順調で売上が伸びていますが、フリーキャッシュフロー(=営業キャッシュフロー+投資キャッシュフロー)が赤字になるなど、手元にお金が残りにくい状況となっています。中古マンションを仕入れるときに現金が出ていき、仕入れたマンションが売れるまで現金が入ってこないためと推測されます。

3-4.企業価値評価(株価と理論株価の関係)

企業価値評価

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

※↑具体的な図の見方やツールの使い方などは、こちら(財務分析ツールの紹介)をご参考ください。

(図の見方)
株価理論株価” となっていれば割安です。この場合、株価2,384円に対して、理論株価334円なので、414%割高ということになります。
(ツールの使い方〔手順〕)
口座開設(GMOクリック証券) → ログイン → 『株式』 → 銘柄を選ぶ → 『財務分析』

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4.将来予想

4-1.今後のシナリオ(将来予測)

住宅ローンの低金利が続き、景気のゆるやかな回復基調が続けば、中古マンション需要が高まっていくでしょう。これに合わせて、スター・マイカの業績も右肩上がりで伸びていくことが考えられます。

同社は、2022年までに売上500億円を目指すと示しています。2018年の売上が約300億なので、単純に1.6倍は拡大余地があるかも…と考えられます。

PER別の株価

ここで、向こう2年間の予想株価を計算してみましょう。予想株価は、「EPS×PER」で計算できます。

まずは、2019年11月期の予想株価から計算してみます。会社四季報によれば、2019年11月期の予想EPSは143円です。現在のPER15倍で計算してみると、2019年11月期の予想株価は2,100円となることがわかります。

続いて、2020年11月期の予想株価を計算してみましょう。会社四季報には、まだ2020年11月期のEPSが載っていないため、自分で計算する必要があります。ここは、2018年11月期と2019年11月期の予想EPSから、EPSの成長率が計算し、その成長率を2019年11月期のEPSに掛けることで求めてみます。

まず、EPSの成長率を計算します。2019年11月期のEPSが143円、2018年11月期のEPSが124円なので、計算すると15%の成長率だとわかります。2019年11月期から2020年11月期にかけて、事業環境が変化せず、同じような成長をすると考えると、2020年11月期の予想EPSは165円となります。PER15倍で計算してみると、2020年11月期の予想株価は2,500円となります。

4-2.今後考えられるリスク

住宅ローンの金利が上がったり、米中貿易戦争の影響などで日本の景気が落ち込んだりすると、中古マンション需要が落ち込んで、同社の業績が悪化するリスクがあります。投資した後は、住宅ローン金利と国内の景気動向に注意しておくと良いでしょう。

また、地震や台風などの災害にも注意が必要です。販売用不動産が被害を受けると、販売できず収入が入ってこなくなるからです。

5.スター・マイカを分析するときに参考にした、無料のサービス

ツール 提供している
証券会社
ポイント
会社四季報 SBI証券 銘柄選択に向いています!
財務分析ツール GMOクリック証券 バリュー投資に向いています!
銘柄スカウター マネックス証券 簡易分析に向いています!

※いずれのサービスも、各証券会社に口座開設していれば、無料で使えます♪

6.まとめ

同社の成長は、売上高は過去5年のCAGR(平均成長率)14.3%、営業利益は過去5年のCAGRで18.7%となっています。販売用不動産がどれだけ積みあがるかで成長率が左右されますが、おおむね同じ伸び率で成長を続けていきそうです。独自のビジネスモデルが認知され、割安度の修正がおこなわれれば、年間利回り20%近くで運用できるようになるかもしれません。

注)ここで紹介している分析方法や結果等は個人的な視点のもので、銘柄を推奨するものではございません。投資判断等は自己責任にてお願いいたします。
注)このページの分析は、2018年10月29日現在の情報に基づいています。同日以降に発表されたIR情報は反映していませんので、あらかじめご了承ください。