前受金(まえうけきん)とは?

前受金(まえうけきん)とは?

担当:西尾

担当・西尾

前受金(まえうけきん)とは、商品やサービスを提供する前に客から受け取る代金です。普通は商品やサービスを提供したときに代金を受け取るのですが、ビジネスの世界では商品・サービス提供前に受け取る場合があります。商品やサービスの対価という意味では、前受金は売上高と同じです。なぜ区別されているのでしょうか。

理由は、会計上、商品やサービスを提供しないと売上高として認められないからです。つまり、商品やサービスの提供前に受け取った代金は、売上高に計上せず、いったん他の場所に保管しておく必要があるのです。ここで登場するのが「前受金」です。

会社は商品・サービスの提供前に受け取った代金を「前受金」に計上します。そして、商品やサービスを提供したタイミングで、前受金を切り崩して「売上高」に計上していきます。これにより、会計上の売上高が正しく計算できるようになります。

前受金が発生する、代表的な取引を「4つ」ご紹介

具体的に、どのような取引で前受金が発生するのでしょうか。今回は、代表的な例を4つご紹介します。

  • ①「商品の受注生産」や「予約販売」の場合、顧客から事前に代金を支払ってもらう
  • ②企業との取引で、相手の企業から事前に「手付金」として、代金の一部を支払ってもらう
  • 学習塾など、月初めにその月のサービス利用料金を支払ってもらう
  • Amazonプライムのような月額課金サービスで、利用開始のタイミングで顧客に代金を支払ってもらう

私たちに身近なのは、「商品の予約販売」や「学習塾」、「月額課金サービス」です。商品やサービスを受け取る前に何気なく支払っている代金は、前受金として処理されているのです。

前受金の計上場所

前受金を受け取った場合、会社はその後、商品やサービスを提供する“義務”が生まれます。そのため、返済“義務”のある借金と同じように、貸借対照表の「負債の部」に計上されます。下の画像は、東京個別指導学院(4745)の貸借対照表です。前受金が負債の部に計上されています。商品やサービスを提供したら、その分だけ前受金を切り崩して売上高に計上していきます。

アドバンスト・メディアの貸借対照表

(出典:東京個別指導学院の貸借対照表)

「前受金」と「前受収益」の違い

前受金に似た勘定科目に「前受収益」があります。この違いは、サービスを継続して提供するかどうかにあります。NetflixやSpotifyなどの月額課金サービスのように、サービスを継続して提供する場合は「前受収益」として計上されます。対して、一度きりの取引の場合は「前受金」として処理するのです。ここはむずかしい部分なので、株初心者の方は“前受金も前受収益も同じようなもの”と理解しておけば大丈夫です。

優秀な無料ツールで、前受金を分析しよう!

前受金の分析をおこなう上で、貸借対照表のチェックは欠かせません。しかし、実際に見てみると、文字と数字が並んでいるだけで、株初心者にはむずかしく感じます。そこで、貸借対照表の中身をビジュアルで把握できる、GMOクリック証券の『財務分析ツール』がおすすめです。今回は、こちらの財務分析ツールを使って、前受金の分析方法を見ていきます。

※財務分析ツールは、GMOクリック証券に口座開設するだけで、誰でも無料で使えます。

前受金に注目すると、会社のビジネスが順調かどうかわかります。今回は、学習塾を展開している東京個別指導学院(4745)を使って、前受金からビジネスを読み解きます。

下の図は、東京個別指導学院の貸借対照表です。前受金は、貸借対照表右側にあるピンク色の部分その他流動負債)に計上されています。

東京個別指導学院の貸借対照表

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

続いて、過去の推移を10年分見てみましょう。

ロイヤルホールディングスの貸借対照表

(出典:GMOクリック証券の財務分析ツール)

上のグラフを見ると、前受金が計上されているピンク色の部分(その他流動負債)が、2014年以降少しずつ大きくなっているのがわかります。これは、東京個別指導学院の生徒数が増えて、月初めに受け取る受講料が増えたためと考えられます。

ロイヤルホールディングスの貸借対照表

(出典:東京個別指導学院 2019年2月期決算説明資料)

実際に東京個別指導学院の決算説明資料を読むと、生徒数が増えているのがわかります。これによって業績にどんな影響があったか確認するため、売上高の推移を見ましょう。

東京個別指導学院の売上高推移

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

このように、前受金の推移を見ると、商品やサービスの顧客が増えているかどうかが読み取れます。仮に東京個別指導学院のように生徒数の推移を公表していない場合でも、前受金の推移からある程度予想できるので、とても便利です。

まとめ

前受金を分析するときは、前受金の推移に注目しましょう。

前受金の推移から、商品やサービスの利用者が増えているのか、減っているのかが読み取れます。投資を考えている会社の貸借対照表に前受金があったら、過去の推移を追うのがおすすめです!

西尾のプロフィール

・やさしい株のはじめ方の資産運用担当
・ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員の資格あり
・年間200銘柄以上を分析中

Twitter「@kabuotaku758」でも情報発信中です!