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ROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)はどちらが重要?違いをわかりやすく解説

にしけい担当:にしけい

最終更新日:2026年5月26日

ROE(自己資本利益率)とROA(総資産利益率)は、企業の収益性と効率性を測る際に欠かせない指標です。「どちらが重要?」と疑問を抱いた方も多いかもしれません。

投資家目線ではROEのほうが重要ですが、ROEには「倒産の可能性もある財務リスクを見落としやすい」という落とし穴があります。そのため、分析する際にはROAを併用したり、ROEを分解したりする必要があるのです。

このコラムでは、ROEとROAの違いや財務リスクに関する注意点、実践的な分析手法までを、証券アナリスト目線で初心者向けにわかりやすく解説します。分析力を高めたい方は、ぜひ最後まで読んでくださいね。

注意

記事内には事例として特定の銘柄が登場しますが、その銘柄の投資推奨をするものではありません。あくまで参考事例としてお読みください。

ROEとROAのどちらが重要か

一般的には「投資家目線ではROEのほうが重要」と言われますが、財務分析で企業への理解を深める場合にはどちらの重要度も高いというのが結論です。

話の入口として、「投資家目線でROEのほうが重要度の高い理由」から説明しますね。そもそも投資家とは、自分の資金を企業に提供(出資)して、その見返りとして利益を手に入れたいと考えている存在です。

したがって、投資家は利益を得るために「株主の出資金(企業の貸借対照表にある「自己資本」が該当)を効率よく使って儲けているかどうか」に注目して、投資先を選べばよいことになります。これを表す指標がROEなので、投資家目線ではROEのほうが重要と言えるのです。

ROEの落とし穴

しかし、ROEには“落とし穴”があります。それは、“ROEが高い銘柄の中には、倒産するかもしれない財務リスクが高い銘柄が紛れ込んでいる”というものです。

ROEの高さだけに注目して倒産リスクの高い銘柄に投資してしまうと、その企業が倒産した場合、株価が大幅に下落して損失を被ってしまうかもしれません。

財務リスクの高い銘柄に投資しないための防衛策として、ROEに加えてROAも一緒に使って分析することをおすすめしています。では、なぜROAを併用するべきなのでしょうか。この理由を理解するためのカギは「ROEとROAの違い」にあります。

ROEとROAの違い

ROEとROAの違いについて、計算式と指標の意味、目安の3つの観点から整理しました。両者で異なる部分を太字にしています。

ROEとROAの違い
比較項目 ROE
(自己資本利益率)
ROA
(総資産利益率/総資本利益率)
①計算式 当期純利益 ÷ 自己資本 ×100 当期純利益 ÷ 総資産 ×100
②指標の意味 自己資本(株主の出資金)
どれだけ効率よく使って
利益を生み出せているか
総資産(会社全体の資産)を
どれだけ効率よく使って
利益を生み出せているか
③目安 8%以上が望ましい 5%以上が望ましい

両者の大きな違いは、企業が持つ収益力に対して「何を基準にして考えるか」です。ROEは自己資本を基準に、ROAは資産全体を基準にしています。

こういった性質を踏まえると、ROEとROAを使うべき人が違うことも見えてきます。ROEは自己資本、つまり株主の出資金を使って計算するため、「株主・投資家」が使うべき指標と言えるでしょう。

一方、ROAは資産全体を使っているため、資産を活用している主体である「経営者」が重視する指標です。また、資産を取得するために株主の出資金や銀行からの借入金を充てているはずなので、「投資家や銀行などお金の出し手」も注目すべき指標とも言えます。

専門的な視点でのROEとROAの違い

次に、もう一歩踏み込んで、それぞれ「デュポン分解」してみましょう。ROEをデュポン分解すると下の計算式のようになり、「売上高純利益率」と「総資産回転率」、「財務レバレッジ」の3つの要素で構成されていることがわかります。

ROEのデュポン分解

ROE=売上高純利益率×総資産回転率×財務レバレッジ

各構成要素から何がわかるのか、下の表に整理しました。

ROEの構成要素
構成要素 わかること
売上高純利益率 儲ける力が高いかどうか
総資産回転率 資産すべてを効率よく使えているかどうか
財務レバレッジ 有利子負債をどれくらい活用しているか

同じように、ROAをデュポン分解すると下の計算式のようになります。こちらは「売上高純利益率」と「総資産回転率」という2つの要素だけで成り立っています。ROEに含まれている「財務レバレッジ」がROAには含まれていないのです。

ROAのデュポン分解

ROA=売上高純利益率×総資産回転率

したがって、ROAは有利子負債の活用度合(財務レバレッジ)の影響を受けにくい指標と言えます。倒産リスクの高い銘柄に投資しないためにも、この性質がとても役立ちます。

今回紹介したデュポン分解については、下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

財務レバレッジの見方と倒産リスクとの関係

財務レバレッジは、大まかな「有利子負債の活用度合」が調べられる指標です。計算式は下に示したとおりで、この数値が高いほど「有利子負債をたくさん活用している可能性が高い」ことを意味します。

財務レバレッジの計算式

財務レバレッジ=総資本÷自己資本

逆に考えると、財務レバレッジを高くしたければ、銀行からの借入金(有利子負債)を増やせばよいと言えます。分母の総資本が大きくなり、財務レバレッジの数字が高くなるからです。

財務レバレッジが高まれば、売上高純利益率と総資産回転率との掛け算で表されるROEも高くなるはずですよね。つまり、構造上は財務レバレッジを高くするだけで、ROEの数値を高く見せることができてしまうのです。

有利子負債の活用自体は悪いことではない

このような話を聞くと、有利子負債の活用が悪いことのように思えてきます。しかし、有利子負債の活用自体は決して悪いことではありません。有利子負債を活用することで、自己資本だけではできなかった大規模な成長投資ができるからです。

身近なスーパーや飲食店で考えてみましょう。これらの業種は、店舗が増えれば増えるほど、販売できる数が増えるため、業績が伸びていきます。自己資本では年間10店舗しか新規出店できなかったのに、有利子負債を活用することで倍の20店舗出店できるようになれば、業績の成長ペースが速くなりますよね。

したがって、有利子負債は活用するべきだと言えるでしょう。ただし、あまりにも多くの有利子負債を抱えてしまうと、話が変わってきます。

有利子負債が多くなりすぎると倒産リスクが高まる

ROEに含まれる「財務レバレッジ」は、成長と倒産において紙一重の要素です。

例えば、適度に財務レバレッジをかけている企業は、無理のない範囲で銀行から低金利でお金を借りて、それを上回る利益を生むM&Aや設備投資に回すことで、成長を加速させているケースがよくみられます。

しかし、成長を追い求めるあまり、過度に財務レバレッジを高くし、身の丈に合わない投資をしてしまうのは望ましくありません。“事業環境の変化が速く激しい時代”において、自らを倒産しやすい状況に追い込むことになってしまうからです。

具体的には、事業環境が変わってビジネスモデルそのものが崩れてしまった場合が考えられます。事業環境の変化に対応できず業績が落ち込んでしまった場合、多額の有利子負債を抱えているがゆえに支払利息の負担が重くのしかかります。

支払利息は、売上の増減に関係なく支払わなければならない“固定費”です。売上の減少によって、相対的に固定費の負担が大きくなり、純利益を圧迫してしまいます。

また、ビジネスモデルが崩壊したことで投資回収ができない可能性もあります。この状況で、金融機関から借金の返済を迫られた場合、手許資金では返済ができず、資金不足に陥り倒産してしまうかもしれません。

売上高純利益と総資産回転率に注目して銘柄を選ぶ

投資する企業を選ぶ際は、財務レバレッジが高すぎる企業を避けるべきでしょう。ROEを使って絞り込むなら、売上高純利益率や総資産回転率に注目してこれらの数値が高い企業を選ぶのがおすすめです。

売上高純利益率が高い企業であれば、コスト管理が上手だったり、ビジネスモデル自体が強固でまねされにくかったりします。総資産回転率が高い企業は、効率よく経営ができている証拠です。

もちろん、財務レバレッジをかけて、将来の成長に向けた先行投資をすることも大切と言えます。有利子負債の使い道を必ず調べて、納得のいく先行投資だと言えるなら、財務レバレッジがかかっている企業も十分に投資対象になるでしょう。

ROEのおすすめの使い方

ROEのおすすめの使い方を紹介します。基本的な考え方は「ROEの構成要素である売上高純利益率や総資産回転率が高い企業を選ぶ」というものです。

「財務レバレッジは見なくてもよい」というわけではありませんが、売上高総利益率と総資産回転率と比べて優先度は低くなります。当サイトでおすすめしている“成長バリュー株投資”を実践するうえで、ビジネスモデルや経営能力が優れている企業に投資したいからです。

このような見方は、先ほど紹介したデュポン分解が前提です。デュポン分解がむずかしいと感じる方や、簡易的にサクッと分析したい方は、シンプルにROAの高さに注目してもよいでしょう。

少し発展的な技として、次の2つが挙げられます。

ROEとROAを使った分析における発展的な技

それぞれ見ていきましょう。

①ROEとROAの乖離に注目する

「ROEとROAの乖離」に注目すると、“負債への依存度の高さ”がかんたんにわかります。両者の乖離が大きい場合、財務レバレッジが高く、負債への依存度が高くなっているのです。

もし分析対象企業において、ROEとROAの乖離が大きい場合は、「多額の負債を借りている理由」を調べましょう。多くの場合は、将来的な成長を目指した先行投資(M&Aや設備投資など)が目的です。この場合は問題ないでしょう。

しかし、業績が悪化しているのにもかかわらず、多額の負債を抱えており、その結果として財務レバレッジが高くなっている企業は要注意です。負債を返済できなくなったり、資金繰りに支障が生じたりするリスクがあります。

ROEとROAの乖離事例

参考事例として、ROEとROAが乖離している企業として、牛丼チェーンの『すき家』や回転ずしの『はま寿司』など複数のチェーンを運営するゼンショーホールディングス(7550)(以下、ゼンショー)を紹介します。

まず、ゼンショーの属する飲食チェーンの同業他社と、ROE・ROAを比べてみましょう。今回は「多角化」の観点から複数の飲食店チェーンや小売事業などを展開しているゼンショーと、低価格イタリアン『サイゼリヤ』を展開するサイゼリヤ(7581)を比較します。

<飲食チェーンのROE・ROA比較>

飲食チェーンのROE・ROA比較

(出典:マネックス証券銘柄スカウター

まずは、ゼンショーに注目しましょう。ROE15.77%に対しROA5.17%と、約10ptの乖離があります。一方で、サイゼリヤの乖離は約3ptです。ゼンショーは財務レバレッジが高い、つまりは有利子負債を多く抱えていると言えます。

具体的に、ゼンショーはどれくらい有利子負債に依存しているのでしょうか。マネックス証券の銘柄スカウターに載っている、「有利子負債依存度※1」と「自己資本比率」に注目します。

※1 有利子負債依存度は「有利子負債÷総資産×100」で計算する指標です。総資産の何%を有利子負債が構成しているかを示します。

2026年3月期における有利子負債依存度(緑色の折れ線)は41.2%、自己資本比率(赤色の折れ線)は35.5%だとわかりました。

<ゼンショーの有利子負債依存度と自己資本比率>

ゼンショーの有利子負債依存度と自己資本比率

(出典:マネックス証券銘柄スカウター

有利子負債依存度が高い理由は、M&Aによる多角化を進めているためです。有名どころだと、2000年にファミレスの『ココス』を運営するココスジャパンを、2005年には丼ぶり・京風うどんの『なか卯』、2023年にはハンバーガーチェーンの『ロッテリア』を買収しました。

ゼンショーのM&A・子会社化の歴史
年月 M&A・子会社化した企業
2000年7月 ココスジャパン(ファミリーレストラン「ココス」等を展開)
2002年12月 ビッグボーイジャパン(ハンバーグレストラン「ビッグボーイ」等を展開)
2005年3月 なか卯(丼ぶり・京風うどん「なか卯」を展開)
2007年3月 サンデーサン(現 ジョリーパスタ、パスタ専門店「ジョリーパスタ」等を展開)
2008年10月 華屋与兵衛(和食レストラン「華屋与兵衛」等を展開)
2012年11月 マルヤ(現 ジョイマート、スーパーマーケット事業の拡大契機)
2018年11月 Advanced Fresh Concepts Corp.(米国等のテイクアウト寿司店を展開、海外事業の拡大)
2023年4月 ロッテリア(ハンバーガーチェーン「ロッテリア」を展開)
2023年5月 Sushi Circle Gastronomie GmbH(ドイツの持ち帰り寿司店を展開)
2023年9月 SnowFox Topco Limited(現 Wonderfield TopCo Limited、英国等の持ち帰り寿司店を展開)

これらの買収資金は、利益剰余金や銀行借入などの有利子負債でまかなったと考えられるのです。以上の理由から、ゼンショーは多角化のために有利子負債を増やしており、結果として財務レバレッジが高くなっていると言えます。

一方、比較対象企業のサイゼリヤは、借入を極力抑えた健全な財務体質で知られています。2025年8月期の有利子負債依存度は14.0%と、ゼンショーと比べて低水準です。

<サイゼリヤの有利子負債依存度と自己資本比率>

サイゼリヤの有利子負債依存度と自己資本比率

(出典:マネックス証券銘柄スカウター

このように、ROEとROAの乖離から、分析対象企業の経営戦略を掘り下げられるのです。慣れてきたら、ぜひ挑戦してみてくださいね。

②ROEとROAを業種によって使い分ける

少し発展的な内容になりますが、ROEとROAは業種によって優先度が異なります。大きく分けると、製造業や鉄道など多額の有形固定資産が必要な「設備集約型」、IT企業など有形固定資産を必要としない「非設備集約型」、貸借対照表の構造が特殊な「銀行業」の3つがあります。

業種別の使い分け
業種 優先する指標 理由
設備集約型
(製造業・鉄道・不動産など)
ROA 多額の資産を持つため、資産すべてを効率よく使って利益を生み出しているかを確認する。
非設備集約型
(IT・サービス業)
ROE 資産が少なくROAが高く出やすいため、ROEを優先する。デュポン分解で売上高利益率を重視したい。
銀行業 ROE 預金が貸借対照表に計上され、資産規模が非常に大きいため、ROEを主軸に分析する。

設備集約型(製造業・鉄道・不動産など)の場合

設備集約型の場合は、ROAを優先的に確認します。みなさんがよく使っている鉄道業を思い浮かべてください。電車や線路、駅などの設備が必要ですよね。しかも、JR各社や東武、近鉄といった大手の鉄道会社になると、持っている設備も膨大です。

このような企業は、“自社が持つ多額の資産を有効活用できているか”が大事になります。したがって、貸借対照表の一部を構成する自己資本だけに注目したROEよりも、資産すべてを効率よく活用できているかを見るROAのほうが適しています。

非設備集約型(IT・サービス業)の場合

非設備集約型の場合は、ROEを優先的に確認します。メルカリやLINEヤフーといったIT企業がわかりやすい例でしょう。こういった企業は、製造業や鉄道とは異なり、多額の資産を必要としません。

つまり、利益に対して総資産の規模が小さく、ROAの数値が高く出やすい特徴があります。もちろん同業他社でROAを比較すればよいのですが、単体でざっくりと水準を確認する場合などは、ROEに注目するのがおすすめです。

また、余力があれば「デュポン分解」を使った中身の確認もしてみてください。デュポン分解すると「売上高純利益率」と「総資産回転率」、「財務レバレッジ」に分かれますが、非設備集約型の場合は「売上高純利益率の高さ」に注目するとよいでしょう。

銀行業の場合

最後に銀行業を紹介します。銀行業は少し特殊な財務諸表の形をしているため、ROEに注目するのがおすすめです。

むずかしい話なので飛ばしていただいてかまいませんが、銀行は「預金者からお金を借りて、それを貸し出す」というビジネスなので、貸借対照表の負債の部に多額の預金が、反対側の資産の部には多額の貸出金が計上されています。

参考事例として、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)(以下、三菱UFJ)の貸借対照表を見てみましょう。

<三菱UFJの貸借対照表>

三菱UFJの貸借対照表

(出典:マネックス証券銘柄スカウター

先ほど説明したように、銀行業は多額の預金を扱う関係で、貸借対照表の規模(総資産)は400兆円超と巨額です。このため、三菱UFJのROAは0.57%(2026年3月期)と、かなり数値が低くなります。なお、同行のROEは11.34%であり、同業他社との比較はこちらのほうがしやすいと言えます。

専門的な論点からも、銀行業はROEを重視すべきと言われています。銀行業には、経営の健全性を維持するために「バーゼル規制」と呼ばれる国際的な規制が適用されており、その中で自己資本比率に関する基準が定められています。

銀行業をかんたんに表すと“たくさん預金を集めて、たくさん貸し出す”ことで利益を上げるビジネスと言えます。しかし、自己資本の額によって総資産をどこまで増やせるかが決まっているため、預金を増やす前に自己資本を積み上げる必要があるのです。つまり、銀行は「現在持っている自己資本をいかに効率よく使って利益を上げるか」が大事になります。

投資家目線で考えても、ROEの高い銀行は将来の利益拡大が期待できる点で望ましいと言えます。このような銀行は利益を効率よく稼ぎ、その利益を内部留保として自己資本の中に積み上げることができます。自己資本が増えれば預金も増やせるため、より多くの貸し出しが可能になって、さらなる利益拡大につながる好循環が生まれるためです。

ここまで説明した理由から、銀行を分析する際はROEに注目するべきだと言えます。

以上のように、業種によってROEとROAを使い分けることで、分析において有益な示唆を得やすくなります。

ROEやROAの分析ができるツール

最後に、ROEとROAの分析ができる証券会社のツールを4つ紹介します。

ROEとROAの分析ができるツール
銘柄スカウター マーケットラボ 分析の匠 moomooアプリ
提供元証券会社 マネックス証券 松井証券 SBI証券 moomoo証券
特徴 2007年以降の推移をグラフで表示 業界平均の数値と比較可能 過去10年分の推移をグラフで表示 過去5年分の推移をグラフで表示
おすすめ度 ◎ ○ ▲ ▲
ツール詳細

詳細

詳細

詳細

詳細

中でも機能が充実している「銘柄スカウター」と「マーケットラボ」の2つがおすすめです。それぞれ魅力を紹介します。

【銘柄スカウター】過去20年分のROEとROAをチェックできる!

おすすめツールの1つ目は、マネックス証券銘柄スカウターです。企業の上場時期にもよりますが、最大で2007年以降、過去20年分のROEやROAをグラフで確認できます。

<ROEとROAの推移>

ROEとROAの推移

(出典:マネックス証券銘柄スカウター

さらに、ROEやROAの構成要素である「売上高純利益率」と「総資産回転率」の2つを時系列で分析できる点も、おすすめポイントです。売上高純利益率は、通期業績推移の中で「①利益率>②詳細>③売上高当期利益率」の順で選択すると表示できます。

<売上高純利益率>

売上高純利益率

(出典:マネックス証券銘柄スカウター

総資産回転率は「各種回転率」の中で表示されています。

<各種回転率>

各種回転率

(出典:マネックス証券銘柄スカウター

ROEの構成要素のひとつである財務レバレッジは開示されていませんが、代わりに「有利子負債依存度」が載っているので、そちらを確認すればよいでしょう。有利子負債依存度は、有利子負債の中で「①対総資産比率>②有利子負債依存度」の順で選択すると表示できます。

<有利子負債依存度>

有利子負債依存度

(出典:マネックス証券銘柄スカウター

銘柄スカウターには、今回紹介した機能以外にも魅力的な機能がたくさん搭載されています。財務数値を使った専門的な指標も豊富で、誰でもプロ並みの分析ができます。ただ、機能が多すぎて使いこなすのがむずかしそうだと感じる方も多いようです。

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【マーケットラボ】業界平均ROE・ROAで競合と比較できる!

おすすめツールの2つ目が、松井証券マーケットラボとなります。こちらではROEやROAの推移をグラフで追いかけることができませんが、その代わりに業界平均のROE・ROAが載っています。

中央自動車工業(8117):業界平均ROE・ROA>

中央自動車工業(8117):業界平均ROE・ROA

(出典:松井証券マーケットラボ

競合他社と比較することで、分析している企業の効率性や収益性が見えてきます。この際、業界平均との比較も有効です。自分で調べるのは大変なので、マーケットラボに乗っている業界平均値を使うと便利です。

マーケットラボにも豊富な機能が搭載されています。特に株価関連の分析が得意なツールで、過去のPER推移(ヒストリカルPER)を追いかけられたり、機関投資家による空売り状況を分析できたりします。

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まとめ

ROEとROAは単体で見るのではなく、両者を組み合わせたり乖離に注目したり構成要素に分解したりすることで、企業の収益性と効率性だけでなく財務健全性や経営戦略まで深掘りできます。

また、製造業などの設備集約型企業にはROAを、IT企業などの非設備集約型企業にはROEを、銀行業にはROEを使うというように、業種によって使い分けることも重要です。

一気に深掘りするのはむずかしいので、まずは同業他社との比較やROEとROAの併用からはじめてみましょう。慣れてきたらデュポン分解にチャレンジしたいですね。マネックス証券銘柄スカウターを使うと、ROEやROAの分析がかんたんにできるので、ぜひ有効活用してください。

にしけい

この記事の執筆者

にしけい

当サイトで上場企業のIR取材記事やコラムを執筆しています。企業分析と経済分析が趣味で、BSテレビ東京『マネーのまなび』や日経ヴェリタス、日経マネー等への掲載歴があります。日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)、簿記2級、FP2級の資格を保有しています。

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