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特別気配(特買い・特売り)とは?意味や内容をわかりやすく解説
特別気配とは、一度に大量の「買い注文」か「売り注文」が入った場合、売買を成立させず、一時的に取引が停止されることです。買い注文が多ければ「特別買気配(特買い)」、売り注文が多ければ「特別売気配(特売り)」といいます。
特別気配は、思わぬ損失から投資家を守るための制度です。このコラムでは、特別気配の制度内容や、特別気配になりやすい銘柄の特徴などを、わかりやすく解説しています。
特別気配が発動する条件
特別気配が発動する条件は、一定の値幅を超える取引が、成立しそうになったときです。この一定の値幅のことを「気配の更新値幅」といい、直前の株価がいくらかによって決められています。
直前の株価(もしくは気配値段) | 気配の更新値幅 |
---|---|
200円未満 | 5円 |
500円未満 | 8円 |
700円未満 | 10円 |
1,000円未満 | 15円 |
1,500円未満 | 30円 |
2,000円未満 | 40円 |
3,000円未満 | 50円 |
5,000円未満 | 70円 |
(出典:日本取引所グループ「特別気配の更新値幅」より一部抜粋)
例えば、直前の株価が1,000円の場合、気配の更新値幅が30円なので、969円以下もしくは、1,031円以上になる取引が成立しそうになった場合、特別気配が発動します。
上の図の場合、成行注文3,000株と、1,031円に入っている指値注文3,000株の取引が成立しそうです。もし株価が1,000円から1,031円に上がると、更新値幅の30円を超えてしまいます。そこで特別気配が発動し、取引が停止される仕組みです。
特別気配の発動後、反対注文がしばらく入らない場合は特別気配が更新され、徐々に取引が成立しやすい株価まで近づけられます。
更新時間は3分で、更新される値幅は、上の表に記載の「気配の更新値幅」と同じです。例えば株価が1,000円の銘柄が特別買気配になったら、3分ごとに30円ずつ気配値は上がっていきます。
特別気配を少しずつ更新しながら反対注文を呼び込み、注文が均衡するところで売買を成立させます。特別気配となっても反対注文が入らず、株価が値幅制限いっぱいまで上がるとストップ高、下がるとストップ安になります。
特別気配が発動した場合どうするべきか、対処法を知りたい方は「特別気配が出ている銘柄は、どうするべきでしょうか?」の記事をご覧ください。
特別気配のサイン
特別気配が出ている銘柄は、板を見ればわかります。サンケン電気(6707)が特別気配になったときの板を見てみましょう。
<サンケン電気(6707)が特別気配になったときの板>
(出典:SBI証券)
画像の板では、買気配株数に「特」がついており、株価が表示されていません。買い注文が大量に集まったことで、特別買気配(特買い)が出ているサインです。反対に特別売気配(特売り)の場合は、売気配株数に「特」がつきます。
特別気配になりやすいケース
特別気配になりやすいケースを、3つ紹介します。
投資家が注目するニュースが出た
投資家が注目するニュースが出ると、好材料(好決算や増配など)なら買い注文が集まり、悪材料(悪決算やスキャンダルなど)なら売り注文が集まります。海外投資家や機関投資家などの大口が、一度に大きな金額で取引しようとした場合は、特別気配になる可能性があるでしょう。
上で紹介したサンケン電気の場合は、シンガポールの投資ファンド「エフィッシモ」が、サンケン電気にTOB(公開付け)を1株5,205円でおこなうと発表したことが、特別気配になる材料となりました。
TOBが発表されると、提示された「買付価格」に、株価が寄せられていくケースが多いです。サンケン電気の場合、TOBが発表された2月8日の終値が4,445円と、発表された買付価格5,205円より大幅に下回っていました。投資家たちは好材料と判断し、買い注文が集まったことで、特別気配が発動したのです。
TOBによる株価への影響をさらに詳しく知りたい人は、「TOB(株式公開買い付け)とは?意味や事例をわかりやすく解説します」の記事をご覧ください。
株価が安く、出来高や発行済株式数が少ない銘柄
株価が安く、出来高や発行済株式数が少ない銘柄は、値動きが激しくなりやすいです。そのため、気配の更新値幅を超える可能性が高く、特別気配になりやすいと言えます。
このように、出来高や発行済株式数が少ない銘柄は、仕手株※にもなりやすく、損失を抱えるリスクも大きいので、手を出さないようにしましょう。
※株価が意図的に操作されている銘柄のことです。
人気が高いIPO株
IPO(新規公開株)は儲かる確率が高いので、多くの投資家に人気です。初日は買い注文が殺到し、特別気配が出る場合が多いです。特に人気の銘柄では、特別気配のままその日の取引が終わり、初値がつかないこともあります。
例えば、2020年9月に上場したAI関連銘柄の「ヘッドウォータース(4011)」は、初日と2日目はストップ高で初値がつかない「ストップ高買い気配」になり、3日目まで初値はつきませんでした。
3日目にようやくついた初値は、公募価格2,400円に対し28,560円と、約10倍にまで株価が上がりました。
<ヘッドウォータース(4011)のチャート>
(出典:SBI証券)
また、あまりないケースですが、売り注文が殺到して特別気配になる場合もあります。IPOに当選した場合は、翌日の動向に注意してください。
特別気配が出ている銘柄を探す方法
特別気配が出ている銘柄は、証券会社のツールや機能を使えば絞り込めます。とくに便利なのは、SBI証券が提供しているスマホアプリです。アプリを起動したら「マーケット」、「ランキング」、「値上がり率/全市場」の順にタップしてください。
「ランキング種別」の中にある「特別買気配」、「特別売気配」のどちらかを選び、「取引市場」から好きな市場を選ぶと、特別気配になっている銘柄が一覧で表示されます。
SBI証券のスマホアプリは、口座を持っていれば無料で使えるので、気軽に特別気配の情報を収集できます。
口座開設料・年会費などは一切かかりません。
口座開設の具体的な手順は、「【SBI証券】口座開設の方法・取引までの流れ・やり方」をご覧ください。
まとめ
特別気配は、ひとつの銘柄に「買い注文」、もしくは「売り注文」のどちらかが殺到した場合、受給バランスが整うまでその銘柄の取引を停止する制度です。
特別気配が出ている銘柄は、解除後にも値動きが激しくなることがあるので、注意してください。また、保有銘柄が特別気配になったら、焦らず冷静に対処しましょう。
特別気配が出ている銘柄を知りたい場合は、SBI証券のスマホアプリでかんたんに検索できるので、気になる人は使ってみてください。
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