新型コロナの影響でJR東海の売上高が7割減!決算の内容と株価への影響を解説

新型コロナの影響でJR東海の売上高が7割減!決算の内容と株価への影響を解説

担当:西尾

担当・にしけい(西尾奎亮)

最終更新日:2020年7月31日

2020年7月31日、東海旅客鉄道(以下、JR東海)が2021年3月期1Q決算を発表しました。このコラムでは、決算の概要や株価への影響を分析していきます。

決算の内容

決算短信

(出典:2021年3月期1Q決算短信

上の画像は、JR東海の2021年3月期1Q決算です。注目したいのは、売上高が前年同期比で-72.7%、営業利益以下が赤字転落している点です。

売上高が7割減少した理由

売上高が-72.7%となってしまった原因は、新型コロナウイルスによる乗車率の低下です。緊急事態宣言による外出自粛の影響を受けて、鉄道利用者が減ってしまいました。

JR東海の場合は、東海道新幹線が主力事業です。下の画像は、JR東海が保有する車両を整理したものですが、新幹線の比重が大きいのがわかりますね。そのため、業績を見る際は新幹線を中心に見る必要があります。

保有車両の内訳

(出典:2020年3月期有価証券報告書)

下の画像は、JR東海の月次業績です。東海道新幹線の輸送量に注目してください。

月次業績

(出典:2021年3月期1Q決算短信

4~7月の東海道新幹線の輸送量が、なんと前年同期比32%まで減少しています!Twitterでも東海道新幹線の車内が貸し切り状態であることがつぶやかれているほど、利用者が減っていたのです。

このような理由から、売上高が-72.7%となってしまいました。

営業利益が赤字転落した理由

JR東海のような鉄道業は、“固定費の高いビジネス”と言われます。固定費とは、売上高の増減に関係なくかかる費用のことで、鉄道業の場合は電車を走らせる費用が当てはまります。つまり、お客さんがいない状態で電車を走らせると費用だけがかかって収益が得られないため、赤字になってしまうのです。

下の画像は、2021年3月期1Qの四半期連結損益計算書です。

四半期連結損益計算書

(出典:2021年3月期1Q決算短信

外出自粛で利用者が減る中でも電車を走らせた結果、営業費(売上原価+販管費)2,123億円に対して営業収益(売上高)1,287億円となり、いわゆる“原価割れ”の状況となっています。つまり、営業利益が赤字になってしまったのは、固定費がかかるビジネスでありながら、鉄道という公共性の高いビジネスなので、赤字を出しながらでも電車を走らせなければならなかったのだとわかりますね。

株価への影響は?

下の画像は、2020年7月31日のJR東海(9022)の株価チャート(3年)です。

株価推移 (最近3年間)

(出典:SBI証券

3年間の株価推移では、最低水準の株価です。また、7月ごろから株価が下がってきていますが、こちらはJR東海が発表している月次の利用状況から、投資家が業績悪化を見越して売っていたのだと考えられます。また、7月30日には同業のJR東日本が決算を発表しており、業績の悪化が明らかになっていました。このことからも、4~6月期の業績悪化は織り込み済みではないかと考えられます。

ただし、最近は新型コロナウイルスの感染者が急増しており、政府による「Go To キャンペーン」も東京都が除外になるなどの向かい風が吹いている状況です。コロナ前のように鉄道の利用者が戻ってくるとは考えにくいため、しばらく株価は軟調な動きとなるのではないでしょうか。

まとめ

JR東海の決算を見てきました。ポイントは、「新型コロナウイルスによる外出自粛で、鉄道業大きなダメージを受けている」点です。今後もしばらくは鉄道の利用者が戻ってこないと考えられるので、業績が回復するのは先になると予想しています。

にしけい(西尾奎亮)のプロフィール

・やさしい株のはじめ方の資産運用担当
・日本の中小型成長株に投資中!最近は米国株も分析し始めました
・ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員の資格あり

Twitter「@kabuotaku758」でも情報発信中です!