無印良品を運営する良品計画の子会社が破綻!株価への影響は?

無印良品を運営する良品計画の子会社が破綻!株価への影響は?

担当:西尾

担当・西尾奎亮(にしけい)

最終更新日:2020年7月10日

2020年7月10日、無印良品を運営する良品計画(7453)が、アメリカで事業を展開する「MUJI U.S.A.」について破産法(米連邦破産法11条、通称チャプター11)を申請したと発表しました。この破産法は、日本でいうところの民事再生法で、今後は現在の経営者が引き続き経営を続け、負債の削減などによって企業再建を目指します。

このコラムでは、破産法を申請するに至った背景や、今後の株価への影響をまとめています。

なぜ良品計画の子会社が破産したのか?

破産理由は、次の2つです。

  • アメリカの店舗は賃料が高く、収益性を悪化させていた
  • 新型コロナによる営業休止で、売上が立たなくなってしまった

日本にいると、無印良品は幅広い世代から愛されているブランドで、高品質でシンプルな商品が人気となっています。そのため、海外でもかなり儲かっているイメージがあるのではないでしょうか。しかし、アメリカではあまり上手くいっていなかったようです。2020年7月10日付けでリリースされた「MUJI U.S.A. Limitedによるチャプター11に基づく再生手続の申請に関するお知らせ」の決算データを見てみましょう。

決算データ

(出典:MUJI U.S.A. Limitedによるチャプター11に基づく再生手続の申請に関するお知らせ

赤枠部分を見ると、売上高は増えているものの、営業利益が赤字になっていますね。しかも、赤字の額はだんだん拡大しています。この背景には、高い賃料による販管費の増加があったようです。売上高から原価と販管費を引いたものが営業利益なので、販管費が増えれば増えるほど営業利益は少なくなり、最悪の場合は赤字になってしまいます。良品計画の場合は、この最悪の状態まで来ていたのです。

実際に、過去の有価証券報告書をたどると、2018年からMUJI U.S.A.の店舗を減損処理していました。下は、2019年と2020年の減損損失の内訳です。赤枠部分が、今回経営破綻したMUJI U.S.A.の減損損失となっています。高い賃料があだとなり、収益性を大きく損なっていたのがわかりますね。

減損損失

(出典:2020年2月期有価証券報告書

さらに、2020年2月期の純資産を見ると、純資産がマイナスのいわゆる「債務超過」に陥っていました。この時点でかなり経営が苦しい様子が伝わってきます。

決算データ

(出典:MUJI U.S.A. Limitedによるチャプター11に基づく再生手続の申請に関するお知らせ

このような苦しい状況で、2020年3月頃から新型コロナウイルスが世界的に流行し、アメリカではロックダウンなどの措置が取られました。当然、店舗は休業せざるを得なかったため、売上はほとんど立っていないでしょう。新型コロナウイルスの感染拡大は止まっておらず、今後の業績が見通せないため、泣く泣く破産法を申請したようです。

以上をまとめます。今回の破産の直接的な原因は、新型コロナウイルスによる業績の悪化でした。ただし、MUJI U.S.A.はもともと高い賃料があだとなって収益性が大幅に悪化していたので、新型コロナウイルスがとどめを刺す形となってしまったわけです。

株価への影響は?

下の画像は、2020年7月10日の良品計画(7453)の株価チャート(1日)です。日経新聞が相場が閉まる15時前に記事を発表したため、株価が急落しているのがわかりますね。

良品計画の株価チャート

(出典:SBI証券

株価が下がっているのは、このニュースから「業績が悪くなる」と読み取れるからでしょう。それでは、今回の破産が業績にどれだけ影響を与えるのでしょうか?考えられる影響は以下の2点です。

  • 店舗の減損損失による純利益の減少
  • MUJI U.S.A.の株式評価損の計上による純利益の減少

まずは、店舗の減損損失による純利益の減少についてです。破産を申請するほど収益性が落ち込んでいるので、減損損失の発生が考えられます。しかし、先ほど紹介したように、MUJI U.S.A.の店舗はすでに減損処理をおこなっています。追加で減損損失はあるかもしれませんが、影響は小さいと考えられます。

次に、MUJI U.S.A.の株式評価損の計上による純利益の減少についてです。良品計画はMUJI U.S.A.の株式を持っていましたが、下の「MUJI U.S.A. Limitedによるチャプター11に基づく再生手続の申請に関するお知らせ」にあるとおり、すでに評価減損を計上済みです。そのため、追加の評価損は発生しません

MUJI U.S.A. Limitedによるチャプター11に基づく再生手続の申請に関するお知らせ

(出典:MUJI U.S.A. Limitedによるチャプター11に基づく再生手続の申請に関するお知らせ

以上をまとめると、業績への影響はかなり小さいため、理論上はこれ以上大きく下がるとは考えにくいです。ただし、誰もが知っている良品計画の子会社が破産したというニュースのインパクトは大きく、ショック売りで株価が一時的に下がる展開も考えられます。

まとめ

良品計画の子会社が破産したというニュースを聞いたとき、私自身非常に驚きました。今回のケースを整理すると、子会社の経営が苦しくなっていたところに、新型コロナウイルスがとどめを刺した形です。幸いと言っていいかわかりませんが、子会社の減損処理はすでにおこなわれていたので、今後の業績への影響は小さくなりそうです。2020年7月10日現在は株価が大きく下げていますが、これ以上下がることは考えにくいでしょう。

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にしけい(西尾奎亮)のプロフィール

・やさしい株のはじめ方の資産運用担当
・日本の中小型成長株に投資中!最近は米国株も分析し始めました
・ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員の資格あり

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