テスラの株価が急落!株価に影響を及ぼした原因を解説します

テスラの株価が急落!株価に影響を及ぼした原因を解説します

担当:西尾

担当・にしけい

最終更新日:2020年9月11日

2020年9月1日、電気自動車の開発・製造などをおこなうテスラ(TSLA)株価が急落しました。その後も株価は下がり続け、9月9日には前日比-21%というニュースが流れて、再び話題となりました。好調が続いていた8月31日に一時500ドルを付けたテスラ株は、9月10日現在366ドルまで下がっています。

基礎情報

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

テスラ株は、2020年のはじめから株価が上がり続けていました。それにもかかわらず、なぜ急に株価が下がってしまったのでしょうか?このコラムでは、その理由を解説していきます。

テスラ株が下落している原因

次の3つの原因が影響していると考えられます。

  • ①株式の売出し
  • ②S&P500指数に採用されなかった
  • ③GMが競合のニコラと協業を発表した

①株式の売出し

まずは、①について説明します。テスラは9月1日、上場後に初となる株式の売出しを発表しました。調達資金は50億ドルで、財務健全性の向上や、経営の資金として使う予定です。

株式を売出すと、発行済株式数が増えます。発行済株式数が増えれば、1株あたり純利益(EPS)が減ったり、投資家が持っている議決権の割合が小さくなったりします。これを「希薄化」といい、希薄化を嫌がって投資家が株式を売るため、株価が下がっていくのです。

②S&P500指数に採用されなかった

次に、②について説明します。そもそもS&P500とは何かというと、アメリカの代表的な株価指数です。ニューヨーク証券取引所とNASDAQ(ナスダック)に上場している企業の中から、代表的な500銘柄を選んで指数にしています。有名なところで言うと、GAFAと呼ばれるGoogle、Apple、Facebook、Amazonなども、S&P500の構成銘柄に含まれています。

S&P500に選ばれることは、投資家にとって2つのメリットがあります。1つは企業の信頼性向上、もう1つは株価の上昇です。特に、株価の上昇への期待は大きいと考えられます。

なぜ株価が上がるのでしょうか?S&P500に選ばれると、この指数に連動する投資ファンドが、新しく組み入れられた株を買うからです。S&P500に連動するファンドの運用総額は4兆ドル以上あるため、買い圧力はかなり強いと考えられます。

そのため、S&P500の入れ替えはかなり話題になります。9月4日に入れ替えがおこなわれるとわかってから、テスラが採用されると予想されていました。後ほど詳しく説明しますが、採用条件を満たしていたため、採用後の株価上昇期待から、事前に株価が上がっていました。

しかし、9月4日に発表されたS&P500の採用銘柄の中にテスラは入っておらず、失望感から株価が急落したのです。

③GMが競合のニコラと協業を発表した

最後に、③について説明します。GMは、アメリカの大手自動車メーカーです。同社は9月8日、電気自動車メーカーのニコラとの協業を発表しました。大手自動車メーカーがテスラの競合企業と一緒に事業をおこなうので、テスラにとっては悪いニュースです。先行きの懸念により、株価が下落しました。

以上を時系列にまとめます。9月1日に株式の売出しを発表し株価が下落、9月4日に発表されたS&P500採用銘柄の中にテスラがなく株価が下落、さらに9月8日にGMがニコラとの協業を発表し株価が下落となっています。3段階で悪いニュースが重なった結果、今回の株価下落劇となりました。

S&P500に採用される可能性は?

S&P500に採用される可能性はあると考えられます。なぜなら、テスラはS&P500の採用条件を満たしているからです。

ここで、S&P500の採用条件を紹介します。

  • アメリカの企業である
  • 流動性が高い
  • 浮動株※1が発行済株式総数の50%以上ある
  • 4四半期連続で黒字の利益を維持している

※1 浮動株とは、一般の投資家が市場で売買する株式です。安定株主(経営者や関係者など)以外が持っている株式を指します。

4つの条件に当てはまるのか、マネックス証券銘柄スカウター米国株を使って確認しましょう。1つ目の「アメリカの企業である」は調べるまでもないので、省略します。

流動性が高い

出来高

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

赤枠部分に出来高が載っています。出来高とは、一日で成立した取引の数です。出来高が多いほど活発に取引されており、流動性は高いと考えられます。

テスラの出来高は8,400万株です。類似企業のトヨタ自動車は429万株なので、かなり流動性が高いです。

浮動株が発行済株式総数の50%以上ある

銘柄スカウターの中では浮動株数が公表されていませんが、テスラの浮動株比率は79.5%と言われています。50%以上の条件を満たしているので、問題なさそうです。

4四半期連続で黒字の利益を維持している

四半期業績推移

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

赤枠部分が、テスラの直近4四半期分(直近1年分)の営業利益です。すべて黒字となっているので、4四半期連続で黒字の条件を満たしています。

以上、S&P500の採用条件を見てきました。テスラはすべての条件に当てはまっているので、次回以降の入れ替えで採用される可能性は十分あるでしょう。

テスラは割高?割安?

PER推移

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

PERの推移を確認すると、直近はPER909.1倍と相当割高な水準にあります。この水準まで来ると、正直に言ってPERがあまり機能していないので見ても仕方がありません。ただし、最近の株価の上がり具合とあわせて考えると、決して割安とは言えない水準だと言えるでしょう。

まとめ

テスラの株価が下がった理由を紹介しました。タイミングが悪く、しかも連鎖的に悪いニュースが出てきたため、株価が急落しました。将来への期待が膨らみ、その結果株価が急上昇した場合は、失望売りで急落する危険性があります。株式投資の際に注意したいポイントですね。

今回の急落で一番影響が大きかったのは、S&P500に採用されなかったことだと考えられます。テスラは採用条件を十分に満たしているので、次回以降の入れ替えで採用されるかもしれません。引き続き注目していきましょう。

にしけいのプロフィール

・やさしい株のはじめ方の資産運用担当
・日本の中小型成長株に投資中!最近は米国株も分析し始めました
・ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員の資格あり

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