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差金決済取引を使った金融商品と、その活用法について解説します!
差金決済取引とは、「購入価格と売却価格の差額だけを、現金で決済する取引」です。「差金決済取引とは?株取引のときに出てくる警告の正体を解説」で説明したように、現物株式の差金決済取引は法令で禁止されていますが、差金決済取引のしくみを使った金融商品への投資は認められています。
差金決済取引の仕組みを使った金融商品には、外国為替に投資する「FX※1」や株式・株価指数・債券などに投資する「CFD※2取引」があります。特にCFD取引は、株式投資のリスクヘッジ手段として使えます。具体的にどのような金融商品があり、どう活用できるのか紹介していきます。
※1 FXとは、Foreign eXchangeのFとXを組み合わせたものです。
※2 CFDとは、Contract For Differenceの頭文字を取った略称です。
差金決済取引でおこなわれる金融商品
冒頭で説明したように、差金決済取引でおこなわれる金融商品には大きく分けて下の2種類があります。
- FX
- CFD取引
それぞれ説明していきます。
FX
FXは、日本語で外国為替証拠金取引と言います。たとえば、「1ドル=100円」のときにドルを買い、「1ドル=110円」のときにドルを売れば、10円儲けられるしくみです。
しかし、現物株式の取引とは違い、FXの場合は円やドルの受け渡しはおこないません。利益や損失が発生した場合のみ、その差額を現金で決済します。そのため、FXは差金決済取引として扱われています。
日本語訳で「証拠金取引」とあるように、証拠金を使ってレバレッジを掛けた取引ができます。少ない元手で大きな利益を生み出せる点が魅力ですが、値下がりした場合は損失が大きくなるので注意が必要です。
CFD取引
CFD取引は、日本語で差金決済取引といいます。株式や株価指数、債券などに連動する金融商品です。しくみはFXと同じで、株券など現物の受け渡しはおこないません。利益や損失の分だけ現金で決済します。
先物取引と似た金融商品ですが、CFD取引には「限月(決済期限)」がありません。限月のある先物取引は長期保有すると減価してしまいますが、CFD取引では減価が起きないため、長期保有にも向いています。
CFD取引は、さらに次の3種類に分けられます。
- 証券CFD
- 債券CFD
- 商品CFD
証券CFDは、株式や株価指数に投資するものです。株式の値上がり益や株価変動による差益をやり取りします。FXと同じように証拠金をもとにレバレッジを掛けられるほか、「空売り※3」もできます。後ほど説明しますが、リスクヘッジの手段としても使われます。中でも、日経平均株価やNYダウなどの株価指数に投資するものには、「くりっく株365」と名前が付いており、証券会社のホームページなどで見覚えのある方も多いのではないでしょうか。
※3 空売りとは、証券会社からCFDを借りてきて売り、将来的に買い戻して証券会社に返す取引です。空売りのしくみとその使い方については、「空売りで効率よく儲かるやり方を教えてください」で解説しているので、ぜひご覧ください。
債券CFDは、国債に投資するものです。国債価格と金利の変動によって発生する差益をやり取りします。こちらもレバレッジを掛けた取引ができ、証券CFDと同じく空売りも可能です。ただし、証券CFDとは違って値動きが安定しており、リスク管理しやすいのがメリットです。
債券CFDの値動きが安定しているのは、国債を償還するのは国家であり、民間企業よりも信頼性が高く市場が荒れにくいからだと考えられます。債券CFDは、日本国内のネット証券では取り扱いがありません。取引したい方は、海外の証券会社に口座開設する必要があります。
商品CFDは、金や銀、原油、小麦などに投資するものです。ほかのCFDと同じくレバレッジを掛けて取引できるほか、空売りもできます。
以上、FXとCFDの種類について説明しました。差金決済取引とひとくちに言っても、たくさん種類があるのがおわかりいただけたのではないでしょうか。
差金決済取引ができるネット証券一覧
差金決済取引を使った金融商品に投資する場合は、ネット証券を使うのがおすすめです。下にCFD取引ができるネット証券をまとめたので、証券会社を選ぶ際の参考にしてください。
証券会社 (公式サイトへ) |
株価指数CFD | 株式CFD | 商品CFD | FX | アプリ対応 |
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GMOクリック証券 | ![]() |
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SBI証券 | ![]() |
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三菱UFJ eスマート証券 (旧 auカブコム証券) |
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岩井コスモ証券 | ![]() |
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岡三オンライン | ![]() |
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マネックス証券 | ![]() |
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PayPay証券 (One Tap Buy 10倍CFD) |
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PayPay証券 (日本株CFD) |
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(2022年9月現在)
CFD取引が充実しているのは、GMOクリック証券です。他の証券会社が対応していない株式CFDや商品CFDに対応しているのが強みです。これらへの投資を考えている方は、口座開設しておくとよいでしょう。
CFD取引の取り扱いは少ないものの、総合力で強いのはSBI証券です。株式投資の際に便利なツールが充実しているほか、取り扱っている金融商品が多く、投資家からの信頼が厚いネット証券となっています。CFD取引以外にも投資したいと考えている方は、SBI証券への口座開設がおすすめです。
気軽にCFD取引を体験したい方は、PayPay証券がおすすめです。日経225先物とS&P500先物といった株価指数に投資できる「10倍CFD」と、日本株に投資できる「日本株CFD」の2種類があります。
CFD取引の有効活用法
CFD取引を使った有効活用法のひとつに、「リスクヘッジとして使える」点があげられます。
たとえば、個別株に投資をしていると、景気悪化や「○○ショック」で相場全体が下がる場合があります。その際に備えて、日経平均株価に連動したCFDを売っておけば、万が一相場全体が下がったときに利益が出ます。個別株の損失を相殺でき、損失を抱えるリスクが小さくなるのです。
先物やETFを使ってリスクヘッジする場合は手数料がかかりますが、CFD取引なら手数料無料です。無駄なコストをなくせる点がうれしいですね。ただし、1日以上持っていると「オーバーナイト金利」がかかるので、完全無料で取引し放題ではありません。
また、CFD取引には「追証の可能性がある」点に注意が必要です。
信用取引と同じようにレバレッジをかけて取引できます。そのため、持っているCFDの評価額が証拠金の金額を下回ったら、追加で入金しなければなりません。入金できない場合は強制決済されてしまうので、注意しておきましょう。
以上、CFD取引の有効活用法と注意点を紹介してきました。うまく使えばリスクヘッジの手段として有効なので、株式投資に慣れてきたら検討してもよいかもしれません。
まとめ
差金決済取引を使った金融商品について説明してきました。差金決済取引には株価指数などに投資するCFD取引、外貨に投資するFXがあります。これらは対応した証券会社で取引できます。
レバレッジがかかっている金融商品なので、どうしても投機的なイメージが強くなってしまいますが、長期投資家にとってもリスクヘッジの手段として有効です。個別株への投資と上手に組み合わせていきたいですね。
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