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【手数料無料の証券会社まとめ】なぜ無料にできる?からくりやデメリットはないのか解説
ここ数年で、株式の売買手数料を無料にする証券会社が増えてきました。“無料”と聞くと、「そんなうまい話があるの?」と身構えてしまいますが、実はしっかりとしたしくみや狙いがあります。証券会社は株の手数料だけで成り立っているわけではなく、複数の収益源を持っています。さらにネット証券は、手続きや取引を効率化することで、コストを抑えられています。
このページでは、手数料が無料になる理由を3つに分けて、これから株取引をはじめる方にもわかりやすく解説します。さらに、手数料無料のおすすめネット証券も合わせてご紹介します。からくりをしっかり理解して、安心して株取引をはじめられるようにしましょう!
手数料が無料になる3つのからくり
ここからは、ネット証券が無料にできる理由を3つに絞って解説します。
①株の手数料以外にも収益の柱がある
1つ目の理由は、証券会社の収益が「株の手数料だけではない」というものです。
例えば、ネット証券大手のSBI証券の場合、営業収益に占める国内株式委託手数料の割合は約11%です。国内株の売買手数料無料化(ゼロ革命)は、2023年9月30日発注分からはじまっています。
無料化される前も含む2024年3月期(2023年4月~2024年3月)と、完全に手数料無料になった2025年3月期の決算資料を比べると、営業収益が17.4%増えています。手数料が無料になったのにも関わらず、営業収益は増えているのです。
証券会社の主な収入源は、以下のとおりです。
証券会社の主な収益源
- 金融収益(信用取引の金利収入など)
- 投資信託などに関わる収益(投資信託の代行手数料、アドバイザリー業務手数料など)
- トレーディング収益(FX収益、外債販売に係る収益など)
- そのほかのサービスに関わる収益
意外とたくさんありますね。
上の図にある、SBIホールディングスの2025年3月期の決算説明資料をみると、国内株式のオンライン取引に関する手数料を無料化した「ゼロ革命」により、通期で約380億円の逸失収益※1が出たと書かれています。しかし、金融収益やトレーディング収益をはじめとした、別の収入源で利益をしっかり伸ばしていることがわかります。
※1 逸失利益(いっしつりえき)とは、本来得られるはずだった利益のことです。
利益を増やせた大きな理由としては、2024年1月からはじまった新NISAの普及に伴う投資信託残高の増加や、各金融商品の売買の活性化、2023年12月1日に発表したゼロ革命第三弾の米ドル/円のリアルタイム為替手数料の無料化などが追い風となったようです。
同じくネット証券大手である楽天証券の場合は、営業収益に占める国内株式委託手数料の割合が約17%と、SBI証券よりも比重が高く痛手でした。しかし、こちらもSBI証券と同じく、金融収益が前期比31.7%増、その他の受入手数料が前期比40.3%増と伸び、営業収益は前期比17.3%増になっています。
つまり、SBI証券や楽天証券など大手ネット証券は、国内株の手数料収入が減っても、ほかの事業の収入が伸びれば、全体の収益を増やせる構造となっているのです。
②無料で口座を増やして収益を広げる
2つ目の理由は、「手数料の無料化をきっかけに口座数や取引が増え、別の収益が伸びる」というものです。
手数料を無料にした場合、短期的に手数料収入は減ります。しかし、手数料の無料化をきっかけに現物取引をスタートした投資家が信用取引に挑戦したり、FXなどほかのサービスを利用したりと、別の収益源が伸びる可能性があるのです。
SBI証券の場合は、手数料無料化の影響で委託手数料は減少しましたが、営業収益が伸びていました。ここで押さえたいのは、手数料無料化で口座が増えるほど、信用取引の金融収益や投資信託関連の手数料など、国内株手数料以外の収益チャンスが広がる点です。
結果として、国内株の手数料が減っても全体ではプラスにすることができました。また、ゼロ革命によりユーザー数が増え、FX取引口座の拡大にもつながっています。
楽天証券は、2023年10月2日から手数料を無料化しました。総合口座の数は順調に増え続け、2025年12月期末には1,300万口座を突破(前年同期比+11.1%)と好調です。
手数料無料化前後の様子が載っている、楽天証券の『2024年12月期上半期 決算説明資料』を見てみましょう。手数料無料化前の営業利益は86.3億円、無料化後は90.2億円となっていました。
手数料無料化というマイナス影響があったものの、信用取引などの金融収益や外国株式など、ほかの収益源でカバーできたことが読み取れます。
このことから、無料化は単なる値下げではなく、顧客基盤を広げて収益を伸ばす戦略の一部と言えます。
③取引や手続きを自動化してコストを下げる
3つ目の理由は、「ネット証券は取引や事務作業を自動化することでコストを下げやすい」点です。
例えば、口座開設や入出金、株の注文、各種書面の交付などの手続きをシステム化し、オンラインで完結できるようにすれば、人件費などのコストを削減できます。また、固定で発生する費用(固定費)が小さくなるため、規模が大きくなるほど、1人あたりのコストを下げられます。
反対に、対面中心の総合証券の場合、人の手で説明や手続きをおこなうことも多く、店舗や担当者のコストも上乗せされるので、手数料を極端に下げるのはむずかしくなります。
手数料無料のデメリットと注意点
手数料無料は私たち個人投資家にとってありがたいサービスですが、「おいしい話の裏にはデメリットが潜んでいるのではないか」と気になりますよね。結論として、デメリットはないので安心してください。
ただし、手数料無料の恩恵を受けるための注意点が1つあります。具体的には「手数料無料の適用条件をきちんと確認する」というものです。
実は、手数料無料の適用を受けるためには、あらかじめ設定が必要です。代表的なネット証券であるSBI証券と楽天証券を例に、“具体的にどうすればよいか”を実際の画面を使って説明しますね。
SBI証券:手数料無料の条件
SBI証券における手数料無料の条件は、以下の2点です。
SBI証券のゼロ革命の条件
- 取引コースで「インターネットコース」または「インターネットコース(プランC)」を選択している
- 電子交付サービスにおける取扱書面の交付方法をすべて「電子交付」に設定している
①「インターネットコース」または「インターネットコース(プランC)」を選択
まずは、1つ目の条件から見ていきましょう。SBI証券では通常の「インターネットコース」以外に、電話注文や相談ができる「ダイレクトコース」や金融仲介業者への相談ができる「IFAコース」などがあります。
このうち、手数料無料の対象となるのは「インターネットコース」と「インターネットコース(プランC)」です。「ダイレクトコース」や「IFAコース」などは、注文や相談の人件費が発生する関係で、手数料無料の対象外になっています。
取引コースは、SBI証券にログインした後に表示されるページから、「My設定」>「お客様情報 設定・変更」の順にクリックすると確認できます。ぜひ一度確認してみてください。
現在「ダイレクトコース」や「IFAコース」などになっている方で、インターネットコースへの変更を希望する場合は、取引がある店舗へ問い合わせましょう。
②取扱書面の交付方法をすべて「電子交付」にしている
続いて、2つ目の条件を確認しましょう。取引に際して発行される「取引報告書」や「特定口座年間取引報告書」などを、Webサイト上で確認する「電子交付」に設定することが条件となります。
SBI証券にログインした後に表示されるページから、「口座管理」>「取引報告書等(電子交付)」の順にクリックすると確認できます。「交付方法」の部分が「電子交付」になっていればOKです。
もし電子交付になっていない場合は、「交付方法」欄にある「変更」をクリックし、メールアドレスを登録してください。
楽天証券:手数料無料の条件
楽天証券では、手数料コースで「ゼロコース」を選び、Rクロス※2とSOR※3利用に同意をするだけで手数料無料になります。手数料コースは、楽天証券のトップページ右上にある「マイメニュー」を開き、国内株式の中にある「手数料コース確認・変更」をクリックすると確認可能です。
※2 RクロスはSOR注文の1種で、かんたんに言うと“株取引のマッチングシステム”です。投資家にとって有利な価格で取引ができるしくみとなります。
※3 SOR(スマート・オーダー・ルーティング)とは、複数の市場から最良の価格を提示している市場を自動で選び、注文を出す取引方法です。詳しくはこちらをご覧ください。
手数料コースの確認画面が開きます。画面の中央部分に大きく現在の手数料コースが表示されています。「ゼロコース」以外を選択している場合は、赤色の「変更」ボタンをクリックしてください。
手数料コースの変更画面が出てきます。一番上の「ゼロコース」を選択したら、画面下にある「条件に同意し内容を確認」をクリックしてください。このボタンを押すと、RクロスとSORの利用に同意したことになります。このあとは、画面にしたがって手数料コースを変更していけばOKです。
ここまで、SBI証券と楽天証券を例に、手数料無料の条件とその設定方法を解説してきました。取引に関するコストを減らして効率よく資産形成できるよう、取引の前に必ず手数料無料の条件を満たしているか確認しましょう。
手数料無料にできるネット証券おすすめ4社!
国内株の取引手数料が無料のネット証券のうち、おすすめの4社を下の表に整理しました。
| 証券会社 | 手数料無料の商品 | 無料の条件 | 詳細 |
|---|---|---|---|
| SBI証券 | 現物、信用、 S株(単元未満株) |
・インターネットコースでネット取引 ・電子交付にする |
|
| 楽天証券 | 現物、信用、 かぶミニ(単元未満株) |
・ゼロコース ・RクロスとSOR利用に同意 |
|
| GMOクリック証券※ | 現物、信用 | 条件なし | |
| moomoo証券 | 現物、 ひと株(単元未満株) |
条件なし |
※電話注文を除きます。
表に載せた4社は、どれも安心しておすすめできる証券会社です。「選択肢が4つもあると迷う」という方は、SBI証券を選びましょう。
手数料無料の条件設定がかんたんで、少額から買える単元未満株や、利益が非課税になるNISA口座でも手数料が無料になります。口座開設数は業界トップで利用者も多く、情報量や取引できる商品が豊富なのも強みです。
楽天証券も、SBI証券と同じように初心者向けの証券会社となります。楽天経済圏を活用している方は、こちらを選ぶのもよいでしょう。
また、GMOクリック証券とmoomoo証券は、条件なしで株取引の手数料が無料になります。ほかの2社と比べて手数料無料の商品が限定されていますが、条件設定の手間がかからない点は魅力ですね。
スマホで取引する場合は、アプリの使い勝手や情報の見やすさで好みが分かれます。長く使うことを想定すると、「迷わず操作できるか」が満足度を左右しやすいので、口座開設後にアプリを触ってみて、自分に合った証券会社を選ぶのも良いでしょう。
口座開設から初回取引までの流れ
最後に“口座開設から初回取引までの流れ”を紹介します。大きく分けて、下に整理したような3ステップで完了です。意外とむずかしくないので、安心して進めていきましょう。
口座開設から初回取引までの流れ
- 口座開設の申し込み
- 入金
- 銘柄選び・注文
具体的な手順については、当サイト内に解説記事を用意しています。口座開設から取引まで、実際の画面を使って説明しているので、初心者の方でも迷うことなく取引ができます。この下に「関連記事」として解説記事のリンクを載せているので、ぜひ参考にしてくださいね。
なお、「③銘柄選び・注文」では、手数料無料が適用されるコース・設定になっているかをしっかり確認してください。せっかく手数料無料でサービスを提供している証券会社に口座開設しても、ここの設定ができていないと本末転倒です。忘れずに確認しましょう。
まとめ
ネット証券が「手数料無料」とうたっている理由を説明してきました。ネット証券は収益の柱を複数持っているので、株取引の手数料収入が減っても、信用取引の手数料収入などが伸びれば問題ありません。
手数料が無料で取引できる環境は、コストをかけずに資産形成できるため、投資家にとって大きなメリットがあります。ぜひ有効活用しましょう。
この記事でおすすめしたネット証券のいずれかに口座開設し、入金が終わったら、無料になる条件を確認し設定したうえで、少額から株取引に挑戦してくださいね。
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