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マネックス証券の銘柄スカウターにネットキャッシュ倍率が追加!スクリーニング方法や指標の見方を解説
マネックス証券の銘柄スカウターで「ネットキャッシュ倍率」を使ったスクリーニングができるようになりました。ネットキャッシュ倍率を使うと、現金をたくさん持っていて割安感のある銘柄を発掘できます。
このコラムでは、ネットキャッシュ倍率の概要とネットキャッシュ比率との違い、スクリーニング方法などを、株初心者向けにわかりやすく解説します。
ネットキャッシュ倍率とは
ネットキャッシュ倍率は、「企業の時価総額が、実質的な手許現金(ネットキャッシュ)の何倍か」を示す指標です。計算式は下のようになっています。
ネットキャッシュ倍率の計算式
ネットキャッシュ倍率=時価総額÷ネットキャッシュ
このような性質から、ネットキャッシュ倍率は「企業の値段(時価総額)」と「中身の現金」を比べて、割安性を測るモノサシとして使えます。
ネットキャッシュ倍率の見方
ネットキャッシュ倍率の数値から、「その企業が市場でどのように評価されているか」が読み取れます。基準となるのが「1倍」で、それ以下なら割安、それ以上なら市場から高く評価されていると考えます。
| 数値の高低 | 見方 |
|---|---|
| 低い (1倍に近い/1倍を下回る) |
時価総額がネットキャッシュの額と同程度か下回っている状態。特に「1倍以下」の銘柄は、企業が持つ実質的な現金よりも時価総額が低い。M&Aの対象になりやすく、買収防衛策として増配や自社株買いなど株主還元が強化される可能性がある。 |
| 高い (1倍を上回る) |
時価総額がネットキャッシュの額を上回っている状態。市場がその企業の現金保有量だけでなく、成長性や収益性といった事業そのものの価値を高く評価していることを示す。 |
“割安な銘柄を探す”という観点では、「ネットキャッシュ倍率1倍以下」に注目するとよいでしょう。このような銘柄は、企業が持っている手許現金よりも時価総額が低くなっており、割安なお宝銘柄である可能性が高くなるからです。
このような銘柄は、豊富な資金を背景としてM&Aのターゲットになりやすく、買収防衛策としての増配や自社株買いなどの株主還元が強化されるかもしれません。
ただし、数値が低いからといって安易に飛びつくのは危険です。経営に問題を抱えているために株価が割安のまま放置されている「バリュートラップ(割安の罠)」を避けるためにも、次のポイントを確認しましょう。
| ポイント | 詳しい説明 |
|---|---|
| 本業で稼ぐ力 | 現金をたくさん持っていても、本業が赤字だと現金が減ってしまう。本業で稼ぐ力が維持されているかを確認しよう。具体的には、営業利益が黒字で安定しているか、営業キャッシュフローがプラスで推移しているかを確認する。 |
| 現金を活用する意思 | 企業側に「成長投資」や「株主還元」に現金を使う意思がなければ、株価は割安なまま放置される。中期経営計画などで資本効率の改善意欲をチェックしよう。 |
| 業種特性 | 業種によっては、ネットキャッシュ倍率を使った評価が適さない場合がある。例えば「金融業」は、多くの現預金を持っているが、これらは自由に使えるものではなく、貸出金などの「ビジネスの原資」である。そのため、ネットキャッシュ倍率をほかの業種と単純に比較して、割安性を判断するのには向かない。 |
ネットキャッシュ倍率が高い銘柄は、事業の成長性や収益性が高く評価されている銘柄です。成長性や収益性が株価に織り込まれているため、投資妙味は薄いと言えます。
このためネットキャッシュ倍率は、新たな投資先を探すのではなく、保有銘柄や監視銘柄に対して“成長性や収益性が株価に織り込まれているか”を判断する材料として使うのがよさそうです。
ネットキャッシュ倍率とネットキャッシュ比率の違い
ネットキャッシュ倍率と名前が似た指標に、「ネットキャッシュ比率」があります。この指標は、伝説のファンドマネージャーとして知られる清原達郎氏が著書の中で解説したことで、投資家の間で大きな話題になりました。
これら2つの指標の計算式を見てみましょう。下に示したとおり、計算式の分母と分子が入れ替わっています。
計算式
ネットキャッシュ比率=ネットキャッシュ÷時価総額
ネットキャッシュ倍率=時価総額÷ネットキャッシュ
ここで注意したいのは、「ネットキャッシュに何を含めるかは算定者によって異なる」という点です。一般的なネットキャッシュは、現預金や有価証券から有利子負債を差し引くというもので、現預金や有価証券といった“換金性の高い資産”に絞った計算式を使います。
一般的なネットキャッシュの計算式
ネットキャッシュ=現預金+有価証券-有利子負債
一方、清原氏が提唱するネットキャッシュ比率では、次のような独自の算定方法が採用されています。
清原氏のネットキャッシュの計算式
ネットキャッシュ=流動資産+投資有価証券×70%-負債
こちらは、一般的なネットキャッシュの計算式を拡張したようなものになっています。現預金や有価証券以外に、売掛金や棚卸資産などを含めた流動資産全体を起点にしている点などが特徴です(今回はネットキャッシュ“倍率”の説明なので、詳しい説明は省きます)。
このように、ネットキャッシュ比率の計算式は人によって違います。ネットキャッシュ倍率とネットキャッシュ比率は、必ずしも逆数の関係になるとは限らないため注意が必要です。
補足ですが、清原氏によると、ネットキャッシュ比率は「1倍以上」がひとつの目安となります。この比率が1倍を超えている銘柄は、時価総額よりも企業の実質的な手許現金(ネットキャッシュ)のほうが多いことを意味しており、とても割安であると判断できるのです。
ここまでの説明を表に整理しました。
| 項目 | ネットキャッシュ倍率 | ネットキャッシュ比率 |
|---|---|---|
| 計算式 | 時価総額÷ネットキャッシュ | ネットキャッシュ÷時価総額 |
| 割安判定の目安 | 1倍以下 | 1倍以上 |
| 注意点 | - | ネットキャッシュの定義が 算定者によって異なる |
ネットキャッシュ倍率とネットキャッシュ比率は、どちらも便利な指標です。「簡易的に分析する際は銘柄スカウターに載っているネットキャッシュ倍率で、しっかり分析する際は清原氏流のネットキャッシュ比率で」のように、両者を使い分けるのもおもしろいですね。
ネットキャッシュ倍率でスクリーニングする方法
2026年5月21日に、マネックス証券が提供する銘柄スカウターのスクリーニング機能に、ネットキャッシュ倍率が追加されました。
使い方はとてもかんたんで、「10年スクリーニング」の条件追加画面を開き、その中にある「ネットキャッシュ倍率」の部分で倍率を指定するだけで銘柄を発掘できます。
割安な銘柄を発掘したい場合は、「1倍以下」と指定すればOKです。「○倍以上」の部分は空欄で構いません。
銘柄ごとのネットキャッシュ倍率を調べる方法
マネックス証券の銘柄スカウターでは、企業の個別ページにもネットキャッシュ倍率が表示されるようになりました。分析したい企業のネットキャッシュ倍率をすぐに確認できるため、とても便利です。
個別ページにある「配当・株主還元」タブでは、年間配当履歴や自社株買いの履歴などを確認できます。過去の配当や自社株買いの歴史を確認することで、その企業がこれまで現預金を厚く保有する傾向があったのか、少しずつ還元を強化しはじめているのかなど、株主還元の姿勢や変化の兆しが読み取れるため、あわせて確認するとよいでしょう。
今後の株主還元方針については、決算短信や決算説明資料、中期経営計画などで確認できます。企業が発表した一次情報もセットで確認して、投資判断に活かしましょう。
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まとめ
マネックス証券の銘柄スカウターを使えば、ネットキャッシュ倍率が低い「お宝銘柄」を効率よく発掘できます。特に数値が「1倍以下」の銘柄は、実質的な手許資金に対して株価がとても割安な状態です。
気になる銘柄を見つけたら、「配当・株主還元」タブで過去の実績を確認し、決算短信や決算説明資料などで今後の還元方針もチェックしましょう。指標による割安さと企業の還元姿勢をセットで分析することが、投資判断の精度を高める鍵となります。
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