ソフトバンクグループが巨額の赤字を発表!その後の株価の動きを解説

ソフトバンクグループが巨額の赤字を発表!その後の株価の動きを解説

担当:西尾

担当・西尾

最終更新日:2020年4月16日

2020年4月13日、ソフトバンクグループ(9984)が、2021年3月期の営業利益が1兆3,500億円の赤字となる見通しを発表しました。原因は「コロナショックによる投資先の株価下落」です。一見すると“悪いニュース”に見えますが、翌日は株価が上昇しました。このコラムでは、巨額赤字の原因とその後の株価の動きについて説明していきます。

ソフトバンクグループの株価推移>

ソフトバンクグループの株価推移

(出典:SBI証券

巨額赤字の理由

ソフトバンクグループが1兆3,500億円におよぶ巨額の赤字を出してしまった原因は、「コロナショックによる投資先の株価下落」です。実は、ソフトバンクグループは「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(企業に投資するためのファンド)を作り、企業の株をたくさん持っています。かんたんに言うと、ソフトバンクグループは世界中の有望なベンチャー企業などに投資しているのです。

投資した企業にはさらなる成長を促して、その企業の価値を高めます。企業の価値が高まれば、その企業を売却する際に大きな利益が手に入るので、ソフトバンクグループ自体の成長につながる仕組みです。

一般的に、企業が投資をおこなって手に入れた利益や損失は、企業にとって「副業」にあたるので、営業利益ではなく経常利益に反映されます。しかし、ソフトバンクグループの場合は投資を「本業のひとつ」と考えているので、営業利益に反映されています。下の画像は、ソフトバンクグループの損益計算書です。「ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益」と書かれているのが証拠です。

ソフトバンクグループの損益計算書

(出典:ソフトバンクグループの有価証券報告書

このように、企業に投資をしている以上、株価が下がれば損失が出ます。コロナショックによって株式市場が大混乱している中で、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが投資する企業の株価も下がってしまい、今回の巨額赤字につながってしまいました。

株価が上昇した理由

ソフトバンクグループの株価推移

(出典:SBI証券

悪いニュースにも関わらず株価が上がった理由は、次の2つが考えられます。

  • ①積極的な自社株買い
  • ②悪材料の出尽くし

①積極的な自社株買い、について説明します。ソフトバンクグループは、コロナショックによる株価下落を受けて合計で2.5兆円の自社株買いをおこなうと発表しました。膨大な資金を元手に大量の自社株を買うので、ソフトバンクグループの株価が上がりやすくなります。さらに、自社株買いによる株価上昇を予想して他の投資家も株を買い、どんどん株価が上がっていったと考えられます。

②悪材料の出尽くし、について説明します。コロナショックによる株価下落の悪影響が出尽くし今後は株価の上昇に合わせて利益が出るだろうと考える投資家が多かったためと考えられます。いずれ利益が出るのがわかっているなら、今のうちに買っておこうというわけです。

まとめ

「営業利益が1兆3,500億円の赤字」というショッキングなニュースに反して、ソフトバンクグループの株価は上昇しています。この原因は“自社株買い”と“悪材料の出尽くし”だと考えられます。

株価は単純に悪材料が出たから下がる、好材料が出たから上がるわけではないのです。株価の動きには、企業の方針や将来を見据える投資家の心が絡んでいます。自分の投資先が同じような状況に陥ったときは、落ち着いて現状を整理し、他の投資家たちがどう考えているのか想像してみましょう。

西尾のプロフィール

・やさしい株のはじめ方の資産運用担当
・ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員の資格あり
・年間200銘柄以上を分析中

Twitter「@kabuotaku758」でも情報発信中です!