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【ナフサショック関連株・関連銘柄】ナフサ不足で今後どうなる?原因・影響・注目銘柄まとめ
ナフサショック(ナフサ不足)関連株は、石油化学製品の原料となるナフサの供給不安や価格高騰によって、事業環境が変化しやすい会社の株です。
ナフサは、原油を精製して作られる石油製品の一種です。エチレンやプロピレンなどの基礎化学品に分解され、プラスチック、合成ゴム、塗料、溶剤、電子部品向け材料など、幅広い製品の原料になります。
経済産業省の資料によると、2024年の日本のナフサ調達元は、国産39.4%、中東44.6%、その他輸入16.0%です※1。
※1 参考:ナフサについて(経済産業省)
政府は、川下在庫や代替調達などを含めて「化学品全体の国内需要4か月分を確保している」と説明しています。一方で、足元では供給の偏りや流通の目詰まりが生じ、シンナーや一部化学品、建材などで受注停止や値上げが報じられています。
経済産業大臣の会見では、ナフサを含む石油製品について必要量を確保している一方、供給の偏りや流通の目詰まりが生じているとの認識が示されています※2。
※2 参考:赤澤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要(経済産業省)
ナフサショック関連株を見るときは、「ナフサ不足で恩恵を受ける銘柄」と単純に考えるのではなく、原料確保力、価格転嫁力、エチレン設備の稼働率、再編・GX対応力を確認することが大切です。
ナフサショック関連株・銘柄とは
ナフサショック関連株は、次の4つの分野に分けられます。
- 元売り・ナフサ供給
- エチレン・基礎石化
- 誘導品・機能素材
- 再生素材・代替素材
では、それぞれかんたんに解説していきます。
① 元売り・ナフサ供給
元売り・ナフサ供給に分類されるのは、ENEOSホールディングス(5020)、三菱ケミカルグループ(4188)などです。これらの企業は、原油調達、精製、ナフサ供給、石化原料供給に関わっています。
ナフサ不足局面では、原油やナフサの代替調達、製油所の稼働、石油化学設備との連携が重要になります。供給側にいるためテーマとの関係は直接的ですが、原油価格や精製マージン、在庫評価、需要減少の影響も受けます。
② エチレン・基礎石化
エチレン・基礎石化に分類されるのは、三菱ケミカルグループ(4188)、三井化学(4183)、住友化学(4005)、東ソー(4042)などです。ナフサを分解してエチレンやプロピレンなどを生産する、石油化学の中核企業です。
このカテゴリは、ナフサ不足の影響を最も受けやすい一方で、国内石化再編の中心にもあります。中国など海外の大型設備の稼働により、汎用品の需給は厳しくなりやすく、国内企業には設備集約、高付加価値化、GX対応が求められています。
投資視点では、「ナフサ不足=買い材料」と単純に見るのではなく、原料高を製品価格へ転嫁できるか、稼働率を維持できるか、構造改革で採算が改善するかを確認する必要があります。
③ 誘導品・機能素材
誘導品・機能素材に分類されるのは、旭化成(3407)、日本触媒(4114)などです。これらの企業は、ナフサ由来のエチレン、プロピレン、C4・C5留分などから作られる中間原料を使い、樹脂、合成ゴム、高機能材料などを展開しています。
原料価格の上昇はコスト増につながりますが、製品の競争力や価格転嫁力が高ければ、一定程度吸収できる可能性があります。逆に、価格転嫁が遅れると、利益率が悪化するリスクがあります。
④ 再生素材・代替素材
再生素材・代替素材に分類されるのは、リファインバースグループ(7375)などです。ナフサ由来のバージン樹脂が不足・高騰する局面では、廃プラスチックや廃材を使った再生素材への関心が高まりやすくなります。
ただし、再生素材関連株は小型株が多く、テーマ性だけで株価が大きく動く場合があります。事業規模、黒字化の進捗、取引先、量産体制を確認することが大切です。
ナフサショック(ナフサ不足)関連株・銘柄一覧
ここではピックアップした10銘柄を、事業内容・株価・指標・配当の4つの切り口で比較できるようにまとめました。タブをタップクリックすると表示内容が切り替わるので、気になるポイントから確認してみてください。
| 銘柄名 (クリックタップで最新チャート) | 事業内容 |
|---|---|
| ENEOSホールディングス (5020) | 国内最大手の石油元売り。石油精製に加えて、エチレン、パラキシレン、ベンゼン、溶剤などの石油化学製品を製造・販売する。ナフサ不足局面では、原油調達、精製、石化原料供給を担う川上企業として注目される。石化供給を持つため、供給網の安定性が確認ポイントとなる。 |
| 出光興産 (5019) | 石油元売り大手。原油精製の過程で得られるナフサなどから、石油化学製品の原料を製造・販売する。石油精製と基礎化学品を一体で運営しており、ナフサ供給不安時には代替調達や設備稼働の動向が注目される。 |
| 三菱ケミカルグループ (4188) | 総合化学大手。岡山事業所では国内最大級のエチレンプラントを核に、ナフサ分解炉を起点とする石油化学製品群を展開する。ナフサ不足局面では原料コストや稼働率が重荷となる可能性がある一方、設備再編やグリーン化への対応力も注目される。 |
| 三井化学 (4183) | 総合化学大手。市原工場では、主原料ナフサを800℃超で熱分解し、エチレンやプロピレンなどを生産している。ナフサクラッカーを持つため、ナフサ価格や供給制約の影響を受けやすい。直結度が高い銘柄として、稼働率と価格転嫁が確認ポイント。 |
| 住友化学 (4005) | 総合化学大手。千葉地区で石油化学事業を展開し、低密度ポリエチレンやポリプロピレンなどを手がける。千葉地区ではエチレン生産の最適化を進めており、ナフサ不足だけでなく、国内石化再編の当事者としても注目される。 |
| 銘柄名 (クリックタップで最新チャート) | 事業内容 |
| 東ソー (4042) | 総合化学メーカー。四日市霞コンビナートのナフサクラッカーを核に、エチレン、プロピレンなどの基礎原料やポリマーを製造する。ナフサ価格、エチレン市況、ポリマー需要の影響を受けやすい構造を持つ。 |
| 旭化成 (3407) | 総合化学・住宅・ヘルスケアを展開。石油化学事業を持ち、原油・ナフサ価格変動を主要リスクとして開示している。西日本エチレン設備の再編・グリーン化にも参加しており、ナフサ不足と石化再編の両面で関係する。 |
| 日本触媒 (4114) | アクリル酸や高吸水性樹脂などを展開する化学メーカー。原料価格について、原油・ナフサ価格との連動性が高いと開示している。ナフサ不足局面では原料高の影響を受けやすく、価格転嫁の進み方が焦点となる。 |
| リファインバースグループ (7375) | 廃棄物由来の再生素材を手がける企業。廃棄カーペットタイルや廃漁網などを再資源化し、樹脂原料として活用する。ナフサ由来のバージン樹脂が不足・高騰する局面では、再生素材への関心が高まる可能性がある。ただし、小型株のため値動きには注意が必要。 |
| 積水化学工業 (4204) | 住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックスを展開する化学メーカー。塩ビ管や断熱材など、ナフサ由来原料と関係する製品を持つ。原料高はコスト上昇要因となる一方、価格改定や非石油由来原料への転換が進めば、長期テーマとして注目される。 |
| 銘柄名 (クリックタップで最新チャート) | 市場 | 株価 (10/16終値10月16日終値) | 前日比(円) | 前日比(%) |
|---|---|---|---|---|
| ENEOSホールディングス (5020) | 東証P東証プライム | 1,387円 | +11円 | +0.80% |
| 出光興産 (5019) | 東証P東証プライム | 1,545円 | -5円 | -0.32% |
| 三菱ケミカルグループ (4188) | 東証P東証プライム | 1,162円 | +23円 | +1.97% |
| 三井化学 (4183) | 東証P東証プライム | 2,103円 | +44円 | +2.11% |
| 住友化学 (4005) | 東証P東証プライム | 601円 | +16円 | +2.79% |
| 銘柄名 (クリックタップで最新チャート) | 市場 | 株価 (10/16終値10月16日終値) | 前日比(円) | 前日比(%) |
| 東ソー (4042) | 東証P東証プライム | 2,617円 | +43円 | +1.65% |
| 旭化成 (3407) | 東証P東証プライム | 1,603円 | +36円 | +2.27% |
| 日本触媒 (4114) | 東証P東証プライム | 2,625円 | +53円 | +2.04% |
| リファインバースグループ (7375) | 東証G東証グロース | 1,256円 | +55円 | +4.58% |
| 積水化学工業 (4204) | 東証P東証プライム | 2,576円 | +47円 | +1.86% |
(2026年10月16日時点)
| 銘柄名 (クリックタップで最新チャート) | 時価 総額 | PER (予想) | PBR (実績) | ROE | 自己 資本 比率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ENEOSホールディングス (5020) | 3.75 兆円 | 8.97倍 | 0.99倍 | 8% | 37.1% |
| 出光興産 (5019) | 1.89 兆円 | 24.94倍 | 1.12倍 | 9.45% | 36% |
| 三菱ケミカルグループ (4188) | 1.67 兆円 | 12.43倍 | 0.87倍 | 0.68% | 30% |
| 三井化学 (4183) | 8,022.9 億円 | 16.89倍 | 0.87倍 | 4.01% | 40.2% |
| 住友化学 (4005) | 9,986.2 億円 | 14.17倍 | 0.9倍 | 6.38% | 29.6% |
| 銘柄名 (クリックタップで最新チャート) | 時価 総額 | PER (予想) | PBR (実績) | ROE | 自己 資本 比率 |
| 東ソー (4042) | 8,505.7 億円 | 13.65倍 | 0.96倍 | 5.02% | 59% |
| 旭化成 (3407) | 2.19 兆円 | 13.56倍 | 1.02倍 | 8.04% | 50.5% |
| 日本触媒 (4114) | 3,937.5 億円 | 18.92倍 | 0.97倍 | 4.3% | 68.4% |
| リファインバースグループ (7375) | 42.1 億円 | 10.51倍 | 8.99倍 | 75% | 12.9% |
| 積水化学工業 (4204) | 1.04 兆円 | 13.68倍 | 1.22倍 | 9.07% | 59.6% |
(2026年10月16日時点)
| 銘柄名 (クリックタップで最新チャート) | 配当 利回り (予想) | 1株配当 (予想) 1株配当(予想)とは、1株あたりに年間でもらえそうな配当金です。 予想配当金を発行済株式数で割って算出されます。 | 配当 性向 配当性向は、会社が稼いだ利益から、どれくらいの金額が配当に回ったかを示す指標です。 例えば、配当10円で1株あたりの利益が100円なら配当性向は10%となります。 高ければ高いほどよいというわけではなく、経営とのバランスが重要です。 | DOE DOE(株主資本配当率)とは、株主資本に対して、どれくらい配当の支払いがあるかを示す割合です。高配当株として評価されるのは、4~5%以上が目安となります。 | 連続増配 連続増配とは、毎年、配当金を増やし続けている状態のことです。 連続増配年数が長いほど、安定して利益を出し、株主還元に積極的な企業と見られます。 |
|---|---|---|---|---|---|
| ENEOSホールディングス (5020) | 2.45% | 34円 | 35.35% | 2.73% | 2期 |
| 出光興産 (5019) | 2.33% | 36円 | 25.64% | 2.30% | - |
| 三菱ケミカルグループ (4188) | 2.75% | 32円 | 370.80% | 2.62% | - |
| 三井化学 (4183) | 3.57% | 75円 | 81.86% | 3.31% | - |
| 住友化学 (4005) | 2.66% | 16円 | 36.33% | 2.64% | - |
| 銘柄名 (クリックタップで最新チャート) | 配当 利回り (予想) | 1株配当 (予想) 1株配当(予想)とは、1株あたりに年間でもらえそうな配当金です。 予想配当金を発行済株式数で割って算出されます。 | 配当 性向 配当性向は、会社が稼いだ利益から、どれくらいの金額が配当に回ったかを示す指標です。 例えば、配当10円で1株あたりの利益が100円なら配当性向は10%となります。 高ければ高いほどよいというわけではなく、経営とのバランスが重要です。 | DOE DOE(株主資本配当率)とは、株主資本に対して、どれくらい配当の支払いがあるかを示す割合です。高配当株として評価されるのは、4~5%以上が目安となります。 | 連続増配 連続増配とは、毎年、配当金を増やし続けている状態のことです。 連続増配年数が長いほど、安定して利益を出し、株主還元に積極的な企業と見られます。 |
| 東ソー (4042) | 3.82% | 100円 | 75.53% | 3.91% | - |
| 旭化成 (3407) | 2.75% | 44円 | 35.91% | 2.88% | 2期 |
| 日本触媒 (4114) | 5.33% | 140円 | 100.76% | 5.29% | - |
| リファインバースグループ (7375) | - | - | 0.00% | - | - |
| 積水化学工業 (4204) | 3.14% | 81円 | 43.79% | 3.86% | 16期 |
(2026年10月16日時点)
ナフサショック(ナフサ不足)とは?関連株が注目される理由
ナフサショックとは、ナフサの供給不安や価格高騰が、石油化学のサプライチェーン全体に波及する局面を指します。ナフサは石油化学製品の出発点となる原料であり、供給が滞ると、エチレン、プロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、合成ゴム、溶剤などに影響が広がります。
ナフサ不足が起きると、川上の石油元売りやエチレンセンターだけでなく、川中の樹脂・合成ゴムメーカー、川下の建材、塗料、自動車部品、包装材メーカーまで影響を受ける可能性があります。
足元では、中東情勢の緊迫化を背景に、石油化学製品の供給不安が意識されている状態です。
ただし、ナフサ関連株はすべてがプラス材料になるわけではありません。ナフサを原料として使う化学メーカーにとっては、原料高や調達難が利益を圧迫する可能性があります。一方で、代替原料、再生素材、価格転嫁力を持つ企業は、相対的に注目されやすくなるでしょう。
ナフサショック関連株のリスク
ナフサショック関連株には、主に次のリスクがあります。
ナフサショック関連株のリスク
- 中東情勢が落ち着くと、テーマ性が急速に薄れる可能性がある
- 原料高を価格転嫁できない企業は、利益率が悪化する可能性がある
- ナフサ需要は中長期的に減少が見込まれており、構造的な成長テーマとは限らない
- 再生素材・代替素材関連は小型株が多く、株価の変動が大きくなりやすい
- 政府の備蓄放出や代替調達が進むと、供給不安が後退する可能性がある
特に初心者の方は、「不足」という言葉だけで飛びつかず、実際にその会社の業績にプラスなのか、マイナスなのかを確認することが大切です。
テーマ株に投資するなら持っておきたい証券口座3選
まとめ
ナフサショックは、原油・中東情勢・石油化学・素材・建材・自動車部品までつながるサプライチェーンテーマです。ナフサはプラスチックや合成ゴム、溶剤などの出発点となるため、供給不安が起きると幅広い業界に影響が広がります。
関連株としては、元売り、エチレン設備を持つ総合化学メーカー、誘導品・機能素材メーカー、再生素材・代替素材企業などが挙げられます。ただし、ナフサに関係する企業がすべて恩恵を受けるわけではありません。
投資では、原料確保力、価格転嫁力、設備再編・GX対応力を確認し、ナフサ不足がその企業にとってプラスなのか、マイナスなのかを見極めるようにしましょう。





