時事ネタ

【ツイキャス】ペッパーフードサービス(3053) の決算チェック

投資家ゆうとのプロフィール

担当・ゆうと

最終更新日:2019年11月18日

概要

ペッパーフードサービス(3053)が、決算発表・通期下方修正・無配・特別損失を発表。

※立ち食いステーキ「いきなりステーキ」などを展開する外食チェーンです。

ポイント・結論

決算・通期下方修正・無配・特別損失から、今後、以下の3つが起こる可能性があるのではないか。

  • ①財務制限条項に抵触する可能性がある
  • ②新株予約権の割当や増資をおこなってくるのではないか
  • ③さらに、減損損失を出すのではないか

詳細

・決算発表 : 今期増収減益、通期予想が増収赤転(出店による増収と、退店・減損の赤字)

・通期(2019年12月)を下方修正 :

2019年通期
業績予想
売上 営業利益 経常利益 当期純利益
修正前 764億円 20億円 20億円 15億円
修正後 665億円 ▲7億円 ▲7億円 ▲25億円

(利益剰余金が“2Q 14億円”から、“3Q ▲13億円”になっているため、無配に)

・財務の悪化:自己資本比率も“2Q 16%”から“3Q 5%”と悪化

※「▲」は「-(マイナス)」と同じ意味です。
※1Q、2Q、3Qの「Q」とは、「Quarter」の頭文字で、日本語に直すと「四半期(3か月)」です。

ポイント・結論の理由

①ペッパーフードサービスの有価証券報告書に、三菱UFJ銀行の借入の総額約18億円※1に、財務制限条項※2が付いていると書かれています。

※1 総額約18億円は、前期末時点のものになります
※2 借入のときの条件のことです

財務制限条項の内容は、「1.経常赤字にならないこと」、「2.2期連続で経常赤字にならないこと」です。

  • 1.今期の経常利益の予想は赤字であるため、抵触する可能性が高い。抵触した場合のペナルティは、借入金利が上がること
  • 2.2期連続経常赤字は、来期次第で抵触する可能性がある。抵触した場合のペナルティは、期限の利益の喪失

前期末時点の借入総額は52億円であり、そのうち三菱UFJ銀行からの借入割合は3割ほどです。仮に、同じ借入割合なら、今期3Q時点の借入総額は93億円ですので、30億円ほど同行から借入していると想定できます。

ペッパーフードサービスの流動比率61%とかなり低く、手元の資金も少ないため、30億円の返済を迫られると、経営が危うくなる可能性もあります。

②ペッパーフードサービスの純資産の減少、利益剰余金の欠損、自己資本比率の低下

  19年 第2四半期 19年 第3四半期
純資産 41億円 14億円
利益剰余金 14億円 ▲13億円
自己資本比率 16% 5%

純資産が65%減少、利益剰余金も27億円減少して欠損、自己資本比率も低下して1ケタになりました。資本金・資本剰余金は、25億円あるため、利益剰余金の欠損を埋めることは可能ですが、財務的には非常に厳しい状況です。そこで、考えられるのは、「新株予約権の割当や増資」です。

ペッパーフードサービスは、過去(2010年)にも食中毒事件を引き起こして、経営危機になりました。そのときは、エスフーズ(2292)に新株予約権を割り当てて、資金調達をおこなうことで経営危機から脱しました。

詳細は後述しますが、成長を急ぎ、店舗の拡大させ過ぎたため、経営難になってしまいました。今回も、エスフーズに第三者割当増資や、新株予約権を割り当てて資金調達をする可能性があるのではと思います。

もし、このような資金調達をすると、株主にとっては1株利益の希薄化につながります。その分、割高になるため、株価が下げる可能性もあります。

③月次の既存店・全店売上が100%を大幅に下回っている

いきなり!ステーキの月次情報

ペッパーフードサービスが運営する“いきなり!ステーキ”の2019年12月期の月次情報)

既存店売上高の落ち込みは、自社競合が起きてしまったからです。 実際に月次を確認すると、既存店売上高は58.6%(2019年10月時点)と悪いにも関わらず、毎月の出店ペースは止まっていません(2019年1月:401店舗 ⇒ 2019年10月:487店舗)。止血が終わっていないのに、全力疾走しているようなものです。

さらに、新店を含む全店売上高も80%台であることから、「新店が寄与する以上に、既存店の落ち込みが激しい」ことがわかります。今回の3Q決算発表時に、下方修正も発表されました。特に、最終損益は、特別損失を計上したことにより、大幅な赤字となりました。特別損失の内訳は、退店44店舗、収益性の低下した3店舗を減損損失でした。

しかし、退店するのは全体の1割程度です。既存店売上高の減少スピードをみると、収益性の低下した店舗がたった3店舗というのは、少なすぎるように思います。今後、収益性の悪化した既存店が、さらに減損損失になれば、たとえ増資等で資金を調達しても、すぐに現金不足になってしまう可能性があります。

さらに、収益性の悪化した既存店の、建て直しがうまくいかなければ、「2期連続経常赤字」で期限の利益を喪失して、銀行から借入の返済を迫られ、今よりも厳しい状況になる可能性もあります。

問題点

一番の問題は、「既存店がうまく言っていないにも関わらず、既存店の建て直しよりも、出店を急いでいる」ことです。 まずは、出店をやめて建て直しが効く既存店に全力を注ぎ、建て直しが難しい不採算店を切ることです。

その他、基礎情報

余談ですが、ペッパーフードサービスは、今期(2019年12月期)の第1四半期から会計方針を変更しています。具体的には、有形固定資産の減価償却の方法を「定率法から定額法」に変更しました。ペッパーフードサービスの場合、有形固定資産は、店舗や設備などです。急成長により、店舗などの有形固定資産が増え、初年度の経費割合の大きい定率法から、定額法に変更したのではと考えられます。

この会計方針の変更で、営業利益・経常利益・純利益がそれぞれ約3億円弱押し上げられているので、実態はもっと悪いと言えそうです。

ゆうとのプロフィール

投資家ゆうとのプロフィール

・投資歴6年、資産バリュー投資家
・オフ会を主催、年間100回近くオフ会に参加
・いつも四季報を持ち歩き、1年の半分は株のことを考えている株オタク

Twitter「@hyouka1995」でも情報発信中です!