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三井住友ファイナンス&リースがケネディクスのTOBを発表!株価はどうなる?
2020年11月20日、三井住友ファイナンス&リースが不動産ファンドのケネディクス(4321)に対して1株750円でTOB(株式公開買い付け)をおこなうと発表しました※1。買収総額は約1,319億円になる予定です。 今回のTOBでは、ケネディクスの筆頭株主であるDBS銀行以外のすべての株主から株式の取得を目指すため、TOB成立後にケネディクスは上場廃止になる見通しです。
※1 参考:当社子会社による公開買付けの開始に関するお知らせ[PDF]
今回のTOBの目的は?
国内のリース業界は、少子高齢化や低金利などを背景に停滞しています。このような中で、2020年9月に三菱UFJリース(8593)と日立キャピタル(8586)の経営統合が発表されており、業界再編の機運が高まっていました。
順位 | 社名 | 売上高 (億円)※2 |
---|---|---|
1 | オリックス(8591) | 22,803 |
2 | 三井住友ファイナンス&リース(非上場) | 15,137 |
3 | 三菱UFJリース (8593)+日立キャピタル(8586)※3 | 13,878 |
4 | 東京センチュリーリース(8439) | 11,666 |
5 | 芙蓉総合リース(8424) | 7,173 |
6 | みずほリース(8425) | 5,392 |
7 | JA三井リース(非上場) | 4,671 |
8 | NTTファイナンス(非上場) | 4,538 |
9 | リコーリース(8566) | 3,323 |
※2 各社の売上高は、前期末の決算情報から引用しています。
※3 三菱UFJリースと日立キャピタルは経営統合予定のため、両社の売上高を合算した数字です。
今回のTOBの目的は、ケネディクスを買収することで不動産事業を拡大して、リース事業以外の収益を伸ばすことが目的ではないでしょうか。三井住友ファイナンス&リースが高い収益力のあるケネディクスを取り込むことで、利益率を高める狙いがあるとみられます。
今後の株価への影響
今回のTOBでは、ケネディクスの筆頭株主であるDBS銀行以外のすべての株主から株式を取得する予定です。TOB価格は750円なので、TOBが実施されるまではこの価格付近で株価が推移すると考えられます。
<ケネディクス(4321)の株価推移>
(出典:SBI証券)
ケネディクスのTOBが成立するためには最低でも株式58.73%の応募が必要なため、一般株主からの応募が集まるかどうかが成立のカギとなるでしょう。
三井住友ファイナンス&リースによるケネディクスのTOBが成立 (2021年1月12日追記)
三井住友ファイナンス&リースによるケネディクスの公開買い付け期間が終わり、TOBの成立下限を上回る株式の応募があったためTOBが成立しました※4。ケネディクスは上場廃止になる予定です。
※4 参考:SMFLみらいパートナーズインベストメント2号株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果並びに親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ[PDF]
まとめ
三井住友ファイナンス&リースによるケネディクスのTOBについて解説しました。総合リース業界は、少子高齢化や低金利などの影響を受けて停滞している状況です。そのため三井住友ファイナンス&リースは、ケネディクスを買収することでリース事業以外を強化して、生き残りにつなげていく考えです。
業界上位になった三菱UFJリースと日立キャピタル連合や、業界2位の三井住友ファイナンス&リースが積極的な動きをみせていることから、今後も総合リース業界の再編が進む可能性があります。
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