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ヤフーがZOZOのTOB(買収)を発表!株価はどうなる?
2019年9月12日、ヤフー(4689)がZOZO(3092)のTOB(株式公開買い付け)※を発表しました。TOBをかんたんに説明すると、投資家から株式を買い集めて、会社の経営権を手に入れることです。
今回のTOBでは、ヤフーはZOZO株式50.1%の取得を目指しています。なぜ50.1%なのかというと、過半数の株式を持つと経営に関する意思決定を自由にできるからです。アパレルのECサイトを運営するZOZOの経営権を手に入れ、競合のアマゾンや楽天に対抗しようという目的です。全ての株を買い取るわけではないので、投資家はこれまでどおりZOZOの株を取引できます。
TOBが成立する条件として、“発行済株式数の33.4%以上が集まること”が設定されています。ZOZOの前澤社長はZOZO株式を37%持っており、30%ほどの売却が決まっています。そのため、投資家から3.4%以上の応募がなければTOBが不成立となります。TOBが成立するかどうかは、投資家にかかっています。
※TOB(株式公開買い付け)については、TOB(株式公開買い付け)とは?意味や事例をわかりやすく解説しますで詳しく説明しています。
ZOZOの株価への影響は?
基本的には、TOB価格まで株価が上がります。買付価格は2,620円なので、TOBが実施されるまではこの価格付近で株価が推移すると考えられます。下のチャートは、TOBが発表される前日の2019年9月11日と、TOBが発表された2019年9月12日の株価です。前日の終値である2,166円から、一時2,575円まで上昇し、2,457円で取引を終えました。

(出典:SBI証券)
この値動きを見ると、TOB価格の2,620円までは株価が上がっていません。理由は、TOBに応募しても外れる可能性があるからです。そのため、株価が2,620円になるほどの買い注文が集まらず、TOB価格を下回る株価で落ち着いているのです。
ZOZOの株主への影響は?
ZOZOの株主にとっては、TOBに応募すれば買付価格である2,620円までの値上がり益が手に入ります。TOBに応募しなくても、市場で売れば値上がり益が手に入る状態となっています。
株主には次の3つの選択肢が迫られます。
- TOBに応募し、当選したら株式を売る
- TOBには応募せず、市場で株式を売る
- TOBには応募せず、株式を継続保有する
どの選択肢を取るかは個人の好みですが、①と②を取れば値上がり益をほぼ確実に手に入れられます。③はTOBによる値上がり益を確定できませんが、ヤフーに買収されて業績が伸びれば、いまよりもっと多くの値上がり益が狙えるかもしれません。
しかし、今回のTOBにはリスクも存在します。それは、TOBが不成立となった場合に株価が下がることです。ヤフーが発表した資料によると、買付予定数の下限である33.4%に満たない場合は、すべての株式の買付が中止となります。この場合、投資家の期待が裏切られることになるため、株価が下がります。
(2019年9月27日追記)
ヤフーがZOZOのTOBを9月30日から開始することを発表しました。買い付けの期間は9月30日から30営業日目までとなっています。
TOBの申し込みは、SBI証券もしくは、みずほ証券の申し込みフォームからできます。今回は100%すべての株式をTOBするわけではないので、申し込んだとしても当選するかはわかりません。当選した場合、11月20日に株の代金が証券口座に入金されます。
(2019年11月15日追記)
Zホールディングスは、目標どおりZOZO株式50.1%を取得して、ZOZOの経営権を手に入れました。今後、ZOZOに役員を送り込む予定です。
TOBに申し込みをして、当選した場合は、11月20日に株の代金が証券口座に入金されます。 当たらなかった株主は、SBI証券から申し込み場合と、みずほ証券から申し込みをした場合とで、ZOZOの株式が戻ってくる日が異なるので、ご注意ください。
- SBI証券から申し込みをされた場合、11月20日以降にZOZOの株式が戻ってきます
- みずほ証券から申し込みをして場合、11月13日以降にZOZOの株式が戻ってきます
まとめ
まさかヤフーがZOZOをTOBするとは思っていなかったので、ニュースを見てとてもおどろきました。TOBが成立するのか、そしてヤフーが買収してから経営がどう変わるのかなど、注目していきたいですね。新たな情報が手に入ったら、この記事に追加していく予定です。