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セゾン投信の本社へ取材してきました!

取材日:2008年7月

セゾン投信本社玄関 ひろと、中野社長、竹内

インタビュア : ひろと
みなさん大変お待たせしました! 当サイトでも積極的に特集を組んでいる「セゾン投信」。特集を組んでいる理由は、もちろんセゾン投信の中身がそれだけ素晴らしいものだからです。これまで、その素晴らしさをみなさんに“セゾンレポート”(セゾン投信を研究する)という形で、余すことなくお伝えしてきたわけですが、なんと!この度ついにそのセゾン投信に直接取材させていただけることになりました!しかも、代表取締役社長中野晴啓さんが直々に応対してくださるとのこと!これも当サイトの熱意のたまものでありましょうか。。。と、まぁ冗談はさておき、さっそくその取材内容をみなさんにお伝えします!(2008年6月20日に訪問しました)

…この取材を終えたあとその場にいた誰もがみな熱くなり、そして感動しました。中野さんは僕たちが思ってた以上に「一般生活者の役に立ちたい」という気持ちを強く持っておられ、改めてセゾン投信の特集を組んだことに間違いはなかったと思わせてくれました。また、僕たちのような者に対してもいささかも気取らず、気さくに応じてくださるなど人格的にも大変素晴らしい人でした。それではみなさん、中野 晴啓さんの熱い思いを聞いてください!

Q1.長期投資へのこだわりについてお聞かせください

中野社長 : 運用側の立場からすると長期投資というのは、ある一定の経験を積むと「どうしてもやりたくなる、それじゃないともう運用できない」というような基本的な考え方であると私は思っています。

世の中たくさんのファンドマネージャーという運用者の人たちがいます。ですが、その人たちのほとんどが、長期投資をしたいと思ってもなかなかできない世界なんです。もう世界全体の運用が全部短期化してるわけですよ。その究極的な現象というのが今のヘッジファンドです。あれはもう「ロング(買い)だ、ショート(売り)だ」っていう世界で、7勝3敗をすればいいって単純な考えです。もちろん、あれはあれでマーケットの価格形成要因の一部だからいいんです。

だけども、本来我々のような一般生活者が必要としている投資の目的っていうのは、パチンコとか競馬じゃないはずだと思っています。それは好きな人が楽しんでする分にはいいんです。ですが、そんなことに特別関心がなく、多くの方が「しっかりした資産形成をしたい」と考えていると思うんです。

そういう人たちに答えるための、究極の…、というか唯一のアプローチが長期投資なんですよ。銀行に置いといて貯蓄で積み上げていくっていうのは、預金金利の高かった20世紀の資産形成においては機能したモデルではあります。だけど、預金金利の低い21世紀では日本の銀行に預けていても全然増えないですよね。これは成熟国家の宿命でもあります。

成熟国家である今の日本では、小さな政府にどんどんなっていく中で、皆さんが自立して生活していくことが求められています。一足先に成熟国家となったアメリカやヨーロッパでは、生活者の皆さんが動き始めて「資産運用」という世界がすでに定着しはじめてきています。日本はこれからそのステージに入っていきます。

金融業界としましては、ほんとは「運用」という概念をもっと早く生活者の皆さんに提供しなければならなかったと思っています。逆に言えば、そこまでまだ環境が追いついてないので、僕らはそういう現状に対して「とにかく行ってこい」と。これが生活者の皆さんの意識を変えることになり、何かしら行動を起こすきっかけになる、そしてそれが世の中を変える事になると思うんですよ。

そして、それは心の豊かさに繋がりますよね。「時間をたっぷりかければ誰でもきちんと資産形成ができるんだ」という。資産形成は目的じゃなくてあくまで豊かな心を得るための手段ですから、まずそこでほっとする気持ちを持っていただきたい。そして、そこから自分の「人生づくり」というステージに入って欲しい。セゾンはそのためのお手伝いをさせていただく会社なんですよね。

これは長期投資でないと成り立たないですよね。デイトレなどで毎日積み上げていくのでは、ゆったりのんびりやっていくことなど到底できません。このような考えを基本に、長期投資の魅力・必要性を積極的にお伝えしていく。その結果、より多くの方に関心を持っていただけるようになると、今の日本経済の停滞にも繋がっている780兆円ある預貯金が動くことになるわけですよ。これはファンドを通じて世の中に新たにお金を入れるということですから、経済が大きく動きます。100兆円も動いた日には日本の経済成長はものすごいですよ。↑20%くらいいっちゃいますからね(笑)

それだけの力を今の日本は潜在的に持っています。ほんとに日本の経済を我々自身の力で変えられるし、また我々自身の力でしか変えられないんです。その大きな手段が、我々の側からいくと「預貯金を経済に投入していく」ということなんですね。そういう意味も含めて、長期投資というのはすごく意味のあるものだと僕たちは思っています。

これまで投資する側から長期投資について述べてきました。では、ここで少し運用する側から長期投資について述べていきたいと思います。実は基本的に運用する側も同じなんですね。長期のスパンで運用するって言うのは同じ感性なんですよ。すっごく楽なんです。

僕のビジネスのバックグラウンド(経歴)は運用に携わっていた期間が非常に長いんですけど、その運用っていうのはいわゆる短期投資だったんですよ。1年、半年、機関投資家の運用ビジネスではそうなっちゃうんです。先ほど申し上げたように、多くのファンドマネージャーがそのしがらみの中で、それを甘んじて受け入れて運用していくわけです。

もちろん、それを良しとするヘッジファンドもあります。だけど年金のような長い期間で考えていく本来の運用についても、半年毎に決算をしてそれを説明することが求められています。そして、その責任をクリアできるだけの運用をやっていかなければなりません。

そうすると相場がスコンと落ちたときは早め早めに売っていかなければならないんです。そうしないと次の決算で多額の損失を計上しなければなりませんからね。もし決算で多額の損失を計上することになれば、その責任を取らされてファンドマネージャーはクビになっちゃいます。これがしがらみのない長期投資なら全然する必要がないんですよね。「どん底のところで買いたくなったら買う」というのが長期投資の発想です。

僕も短期で運用していたときは、ほんとに寝れなかったですよ。その点、長期投資だとそんなの全然関係ないわけですからよく寝れます(笑)ですので、本来それだけ運用者側も長期投資をしたいんですよ。

ひろと : たしか昨年のサブプライムショックの後は逆に購入希望者が増えたんですよね?

中野社長 : そうですね、今までで一番1日の資金流入が多かったのはサブプライムが起こった直後でしたね。「なんだ!?この注文量は!?」って電話が鳴りっぱなしでしたよ…(笑)。これはやっぱりファンドを応援してくれる本当にありがたい声ですよね。自分達が買いたいところで新たに資金を入れてくださるのですから。逆に、ここでお金が出て行くようだとダメなんですね。それは僕たちがお金を預けてくださっている皆さんに僕たちの考え・想いをきちんと伝えきれてないということですから。

そう言えば先月、某大手金融機関のファンドの設定額が約2兆円だったのに対して、ほぼ同額の解約が出ていました。(他の大手金融機関でも同じような状況でした。)

結局“行って来い”なんですよね。これでは資産運用にならないですよね。新しく設定したファンドでお金を集めて運用すること自体はいいんですけど、それは新たに入れていただくお金であるからこそ意味があるのであって、新しいファンドにお金を入れるために一方で解約させちゃうって。。。

ひろと : なるほど~、長期投資は運用する側にとってもすごいメリットがあるんですね。ファンドマネージャーの裏話からは長期投資をみなさんに認めてもらえるありがたさが本当に伝わってきました(笑)。また、長期投資を実践することで世の中が良くなっていくということも分かりやすく説明されていましたね。なんだか長期投資がますます魅力的に感じてきました♪ では、引き続き「国際分散投資へのこだわり」についてお聞きしましたので、どうぞご覧になってください!

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