【原発(原子力発電)関連株・銘柄まとめ】脱炭素・電力危機をふまえ、今後の見通しを解説

原発(原子力発電) 関連株とは、原発を所有する会社や、原発の建造や稼働に必要な製品・サービスを提供する会社の銘柄です。代表的な銘柄には原発を所有する東京電力ホールディングス(9501)や、原発プラントを作る三菱重工業(7011)、原発の工事やメンテナンスをおこなう東京エネシス(1945)などが挙げられます。

今、原発関連銘柄が注目されている理由は、世界で原発の重要性が見直されつつあるからです。ウクライナ侵攻をめぐりロシア産のLNGや原油の利用が制限されたため、火力発電用の燃料が不足して値上がりしています。この電力危機を、発電コストが安い原発の利用を増やして乗り越えようという気運が、世界的に高まりつつあるのです。

原子力発電は、地球温暖化の原因となるCO2(二酸化炭素)をほとんど出さないので、「発電コストの削減」と「環境保護」の両方を満たすとして再び脚光を浴びています。 日本においても、電力不足と高い電気料金が社会経済活動を停滞させると懸念されており、福島第一原子力発電所の事故以降、低調だった原発の利用について再稼働・拡大する方向に舵を切ることを岸田政権が決断しました。

最終更新日:2022年9月13日

原発(原子力発電)関連株・銘柄一覧

原発関連株は大きく2つに分けられます。1つは原発を所有する電力会社各社、もう1つは原発の関連製品やサービスを提供する会社です。

電力会社は北海道から沖縄まで全国10社ありますが、ここでは販売電力量国内1位、2位の東京電力ホールディングス(9501)関西電力(9503)の2社を取り上げました。電力会社各社が所有する原発を稼働させると、電力会社の収益はおおむね向上します。原子力発電のコストは11.7~(円/kWh)と、石油火力の発電のコスト24.9~27.5(円/kWh)に比べ安いからです。

原発の関連製品やサービスを提供する会社は、原子力プラントや次世代原発の開発を手がける日揮ホールディングス(1963)、原子炉の圧力容器を供給する日本製鋼所(5631)、原子力発電所の建設とメンテナンスに実績を持つ太平電業(1968)など計8社をピックアップしました。

銘柄名
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事業内容
東京エネシス
(1945)
建設会社。火力・原子力発電の関連設備工事を事業の主体としており、太陽光発電、不動産事業も手がける。東京電力ホールディングス(9501)向けが多い。原発再稼働による工事やメンテナンス増期待。
日揮ホールディングス
(1963)
建設会社大手。LNGや石油、発電プラント建設およびセラミックなどの機能性素材の製造を事業の柱としている。放射性廃棄物の処理施設の建造や原子力施設の廃止措置に実績。北米において次世代原発のSMR(小型モジュール原子炉)建設計画に参画。
高田工業所
(1966)
建設会社。製鉄、化学、石油・天然ガスなどのプラント設計・建設・施工事業が柱。原子力発電プラントにおける品質管理で最高評価を得ている。防サビのためのステンレスライニング、大型貯槽、配管などの建設をおこなう。使用済み核燃料を保管するステンレスプールが主力製品の1つであり、設計から工事まで一貫して実施している。
太平電業
(1968)
建設会社。火力発電所と原子力発電所向けを中心に、建設工事とメンテナンス、運転業務、解体、廃止措置までを手がける。日本の原子力発電所の約70%の建設に関わってきた実績を持つ。
日本製鋼所
(5631)
機械・鉄鋼メーカー。鉄鋼品、樹脂関連機械や射出成型機などを製造。原子炉用圧力容器部品の世界的大手で、鋼のかたまり(鋼塊)をくり抜いて作る圧力容器は高い評価を得ている。
帝国電機製作所
(6333)
機械メーカー。特殊ポンプ製造でシェアトップ。ポンプ事業、電子部品事業、特殊機器などの事業を展開。米国や中国など海外進出に積極的。主力製品「キャンドモータポンプ」は原発発電所にも使われている。
三菱重工業
(7011)
重工業メーカー首位。エネルギー、プラント・インフラ関連、物流などのシステム、航空・宇宙・防衛の4分野を事業展開。原子炉や原子力発電プラントを製造。次世代軽水炉、高速炉、水素を製造する高温ガス炉、マイクロ炉、核融合炉の開発計画が進行中。
助川電気工業
(7711)
精密機器メーカー。エネルギー関連事業と産業システムの製造を主な事業としている。原子力発電所・火力発電所の温度制御システムや、研究機関向け核融合関連製品を製造する。
東京電力ホールディングス
(9501)
国内首位の電力会社。福島第一原子力発電所事故の賠償・処理には国と協働して対応中だが、株主代表訴訟で旧経営陣に対し13兆円を超える賠償命令が出ている(2022年7月13日東京地裁)。原子力発電所の稼働数は2022年9月1日時点で0。定期検査中の柏崎刈羽原子力発電所の再稼働による収益改善期待。
関西電力
(9503)
国内2位の電力会社。原子力発電の割合が大きい電源構成であり、政府による原発再稼働の促進は追い風。2022年9月1日時点で全7基中2基が稼働中。2022年度中に3基、2023年度中に残る2基を順次再稼働する予定。

原発(原子力発電)関連株・銘柄の見通し

原発(原子力発電)関連株の見通しを「良い・普通・悪い」で表すと、「良い」と考えられます。

日本は、2021年10月に閣議決定した「第6次エネルギー基本計画※1」で、電源に占める原子力発電の割合を2019年の6%から2030年には20~22%に引き上げるとしています。2022年8月には、再稼働済の原発10基に加え7基の追加稼働と次世代原発の開発・新設を岸田政権が決断。原子力発電の利用計画達成に向けて大きく前進することになりました。

※1 参考:エネルギー基本計画の概要(経済産業省)

ここからは、原発関連株を次の2つに分けて、見通しを解説していきます。上で紹介した一部銘柄も交えて解説するので、ぜひ参考にしてください。

それでは、詳しく見ていきましょう。

① 原発を所有する電力会社

原発の再稼働と新設は、電力会社にとってプラスになります。原発の再稼働により発電コストが下がれば、利益が確保できるからです。電気料金はコスト積み上げ方式で電力会社が決定していますが、公共性の観点から規制料金※2には上限が設定されています。今年に入り燃料コストの増加が続き、これ以上料金を値上げができなくなったため、収益が圧迫されているのです。

※2 電気料金には、国の認可が必要で価格の上限がある「規制料金」と、国の認可が不要で電力会社が設定する「自由料金」の2つがあります。

国内首位の電力会社である東京電力ホールディングス(9501)には、現在稼働している原発はありません。しかし、現在停止している「柏崎刈羽原子力発電所」の再稼働が実現すれば、発電コストの削減により収益改善が期待できるでしょう。

すでに原発を一部稼働中の関西電力(9503)は、今年から来年度にかけて所有する原発すべてを順次稼働させるとしており、同社にも段階的な収益の改善が期待できます。 これら電力会社の株は「ディフェンシブ銘柄」と呼ばれ、比較的景気に左右されにくい株です。しかし、原発事故が発生すると東日本大震災当時と同様に、株価が大きく値下がりするリスクがあることを覚えておきましょう。

② 原発の関連製品やサービスを提供する会社

原発の新設および再稼働により、発電プラントや関連部品の製造や工事、メンテナンスなどの売上増が期待できます。なかでも三菱重工業(7011)日揮ホールディングス(1963)日本製鋼所(5631)などは欧州をはじめ海外からもプラントや部品を受注できる可能性があります。

ただし、多くの会社にとって原発関連は数ある事業の一部なので、他事業の業績も忘れずチェックしましょう。

※記載の見通しは、当サイト編集部の見解なので、結果を保証するものではありません。いかなる不利益が生じた際にも当サイトは一切の責任を負いませんので、すべてにおける最終判断はご自身でおこなってください。

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まとめ

      

原発関連株の見通しは明るいと言えます。国内外で、原子力発電の重要性が見直されるようになったからです。2011年に起こった福島第一原子力発電所の事故以降、脱原発が世界的な潮流となっていましたが、ウクライナ侵攻によるエネルギーの不足と価格の値上がりで潮目は大きく変わりました。

脱炭素の観点からも、CO2の排出が少ない原子力発電への期待は高まっています。日本は、2050年にCO2排出をゼロとする目標※3を掲げており、岸田政権の原発推進の方針のもと、原子力発電の利用拡大は当面続くでしょう。

※3 参考:2050年カーボンニュートラルの実現に向けて(環境省)

しかし原発の再稼働は、地元の同意が得られなければ実現がむずかしくなります。また、福島の原発事故をめぐる株主代表訴訟で、東京電力ホールディングス(9501)の元社長などの旧経営陣に対し巨額の賠償が命じられており、控訴審の結果によっては電力各社の原発再稼働に影響しかねません。

ひとたび重大な原発事故が発生すれば、原発関連会社の業績や株価、日本の社会経済への影響はもとより、世界の関連需要も再び後退しかねないことも頭に入れておきましょう。