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【原発(原子力発電)関連株・銘柄まとめ】脱炭素・電力危機をふまえ、今後の見通しを解説

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2024年2月7日

原発(原子力発電) 関連株とは、原発を所有する会社や、原発の建造や稼働に必要な製品・サービスを提供する会社の銘柄です。代表的な銘柄には原発を所有する東京電力ホールディングス(9501)や、原発プラントを作る三菱重工業(7011)、原発の工事やメンテナンスをおこなう東京エネシス(1945)などが挙げられます。

今、原発関連銘柄が注目されている理由は、世界で原発の重要性が見直されつつあるからです。ウクライナ侵攻をめぐりロシア産のLNGや原油の利用が制限されたため、火力発電用の燃料が不足して値上がりしています。この電力危機を、発電コストが安い原発の利用を増やして乗り越えようという気運が世界的に高まりつつあるのです。

原子力発電は、地球温暖化の原因となるCO2(二酸化炭素)をほとんど出さないので、「発電コストの削減」と「環境保護」の両方を満たすとして再び脚光を浴びています。 日本においては、福島第一原子力発電所の事故以降、原発の利用が控えられてきましたが、高い電気料金が社会経済活動を停滞させかねないと懸念されるようになりました。

このような事情から、岸田政権は電気料金などの補助をおこなうとともに原発の再稼働・新設と利用拡大に動き出しています。

原発(原子力発電)関連株・銘柄一覧

原発関連株は大きく2つに分けられます。1つは原発を所有する電力会社各社、もう1つは原発の関連製品やサービスを提供する会社です。

電力会社は北海道から沖縄まで全国10社ありますが、ここでは販売電力量国内1位、2位の東京電力ホールディングス(9501)関西電力(9503)の2社を取り上げました。これら電力会社の株は「ディフェンシブ銘柄」と呼ばれ、比較的景気に左右されにくい株です。しかし、原発事故が発生すると東日本大震災当時と同様に、株価が大きく値下がりするリスクがあることを覚えておきましょう。

原発の関連製品やサービスを提供する会社は、原子力プラントや次世代原発の開発を手がける日立製作所(6501)日揮ホールディングス(1963)、原子炉の圧力容器を供給する日本製鋼所(5631)、原子力発電所の建設とメンテナンスに実績を持つ太平電業(1968)など計8社をピックアップしました。

銘柄名
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事業内容
東京エネシス(1945) 建設会社。火力・原子力発電の関連設備工事が事業の主体。東京電力ホールディングス(9501)グループと三菱重工業(7011)向けが売上高の過半を占める。原発再稼働による工事やメンテナンス増期待。
日揮ホールディングス(1963) 建設会社大手。燃料・発電プラント建設とセラミックなどの素材の製造が事業の柱。放射性廃棄物の処理施設の建造や原子力施設の廃止措置に実績。北米初の次世代原発のSMR(小型モジュール原子炉)建設計画に参画。
太平電業(1968) 建設会社。火力発電所と原子力発電所向けを中心に、建設工事とメンテナンス、運転業務、解体、廃止措置までを手がける。日本の原子力発電所の約70%の建設に関わってきた実績を持つ。
日本製鋼所(5631) 機械・鉄鋼メーカー。鉄鋼品、樹脂関連機械や射出成型機などを製造。原子炉用圧力容器部品の世界的大手で、鋼のかたまり(鋼塊)をくり抜いて作る圧力容器は高い評価を得ている。
住友電気工業(5802) 電線・ケーブルメーカー大手。欧米など主要7か国が共同で開発を推進する核融合実験炉※1向けの部品を受注。
日立製作所(6501) 総合電機メーカーの世界的大手。原子炉や燃料サイクル施設を提供するなど約50年にわたる原子力関連施設の建設経験を持つ。小型軽水炉など3つのタイプの新型原子炉を開発中。
三菱重工業(7011) 重工業メーカー首位。原子炉や原子力発電プラントを製造。次世代軽水炉、高速炉、水素を製造する高温ガス炉、マイクロ炉、核融合炉の開発計画が進行中。航空・宇宙・防衛関連株としても注目。
IMV(7760) 振動テスト・計測機器メーカー。振動試験の受託や解析サービスなども提供。原発向けの振動シミュレーション装置や地震監視装置を製造している。宇宙・防衛関連株としても注目。
東京電力ホールディングス(9501) 国内首位の電力会社。福島第一原子力発電所事故の賠償・処理には国と協働して対応中。原子力発電所の稼働数は2023年8月時点で0。柏崎刈羽原子力発電所の再稼働による収益改善期待。
関西電力(9503) 国内2位の電力会社。原子力発電の割合が大きい電源構成。2023年8月時点で、稼働可能な全7基中5基が稼働中。三菱重工業(7011)と電力3社と共同で革新軽水炉を開発する。

※1 核融合実験炉は、CO2を排出しない核融合エネルギーの実験装置です。

原発(原子力発電)関連株・銘柄の見通し

原発(原子力発電)関連株の見通しを「良い・普通・悪い」で表すと、「良い」と考えられます。

岸田政権は「原子力基本法」※2を改正して原発の活用を国の責務と位置づけ、脱炭素社会※3に向けて原発の再稼働と利用拡大に力を入れているからです。政府は電源に占める原子力発電の割合を2030年に20%~22%(2022年は5.9%)に引き上げる※4としています。

※2 原子力基本法は日本の原子力政策の基本方針を定めた法律です。
※3 脱炭素社会は温室効果ガス排出ゼロを達成している社会です。
※4 参考:エネルギー基本計画の概要(経済産業省)

ここからは、原発関連株を次の2つに分けて、見通しを解説していきます。上で紹介した一部銘柄も交えて解説するので、ぜひ参考にしてください。

それでは、詳しく見ていきましょう。

① 原発を所有する電力会社

岸田政権が推進する原発の再稼働と新設は、電力会社にとってプラスです。電力会社各社が所有する原発を稼働させると、電力会社の収益はおおむね向上します。原子力発電のコストは11.5~円/kWhと、石油火力の発電のコスト26.7円/kWhに比べ安いからです。

現在、稼働可能な原発のうち約3割が再稼働しています。関西電力(9503)九州電力(9508)など西日本で再稼働が進む一方で、東日本では、原子力規制委員会の認可や地元の同意が得られないなどで稼働できていません。

電気料金はコスト積み上げ方式で電力会社が決定しますが、公共性の観点から規制料金※5には上限の設定があります。電力会社から規制料金の引き上げ申請が相次いだため、政府は2023年1月から補助金を出して電気料金の値上がりを抑えています。しかし、いつまでも補助金に頼るわけにはいきません。原発再稼働のさらなる進展が待たれます。

※5 電気料金には、国の認可が必要で価格の上限がある「規制料金」と、国の認可が不要で電力会社が設定する「自由料金」の2つがあります。

② 原発の関連製品やサービスを提供する会社

原発の再稼働や新設により、発電プラントや関連部品の製造や工事、メンテナンスなどの売上増が期待できます。なかでも三菱重工業(7011)日揮ホールディングス(1963)日本製鋼所(5631)などは欧州をはじめ海外からもプラントや部品を受注できる可能性があります。

ただし、多くの会社にとって原発関連は数ある事業の一部なので、他事業の業績も忘れずチェックしましょう。

注意

記載の見通しは、当サイト編集部の見解なので、結果を保証するものではありません。いかなる不利益が生じた際にも当サイトは一切の責任を負いませんので、すべてにおける最終判断はご自身でおこなってください。

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まとめ

岸田政権の原発推進の方針のもと、脱炭素社会に向けて原子力発電の利用拡大はこれからも続いていくでしょう。

しかし、原発の再稼働は、地元の同意が得られなければ実現がむずかしくなります。ウクライナの原発関連施設が繰り返し攻撃を受けていることも気がかりです。ひとたび重大な原発事故が発生すれば、原発関連会社の業績や株価、社会経済への影響はもとより、世界全体の関連需要も再び後退しかねないことも頭に入れておきましょう。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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