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【IRTV 5259】BBDイニシアティブ/組織・事業再編

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年12月27日

BBDイニシアティブ(5259)代表の稲葉様が、2024年3月期第2四半期決算・今後の戦略についてIRTV※1で解説しています。

※1 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。

この記事は、IRTVの動画内容を書き起こししたものです。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!

(出典:IRTV for YouTube

2023年9月期の概況

IRTV : 本日は、BBDイニシアティブ(5259)より稲葉代表にお越しいただきました。よろしくお願いします。

稲葉様 : よろしくお願いします。

IRTV : 今日は、11月14日に開示された2023年9月期 通期決算についてお聞かせください。開示から2週間ほど経っているため、投資家様からさまざまな質問を受けているのではないでしょうか。それを踏まえて、数字よりも、定性的なところをお聞きします。

まずは今期の業績を振り返ると、大きく目立つところとしては「営業利益」ですね。

<連結決算 2023年9月期 概要>

連結決算 2023年9月期 概要

(出典:2023年9月期 決算補足説明資料[PDF])

IRTV : ソフトウェア減損※2として約1.14億円を計上されていますね。これは2023年9月期 決算補足説明資料の7ページ(以下のスライド)の取り組みが影響したのでしょうか。

※2 減損とは、主に固定資産や株式の価値が当初の想定より大幅に低下した場合に行われる会計処理のことを指します。

<2023年9月期 決算補足説明資料の7ページ>

2023年9月期 取り組んできたこと

(出典:2023年9月期 決算補足説明資料[PDF])

稲葉様 : はい、そうですね。今回の減損に対して営業利益が下がっているのは、第1期に少し大きな取り組みをさせていただいたことが要因です。元々、私たちは2017年12月にナレッジスイート株式会社として小規模で上場しました。要するに、売上高が7.5億円ほどで上場した会社のため、その当時から売上高を重要視して取り組んできたのです。

そこから手掛けている案件も含めて基本、不採算事業の撤退に踏み切るきっかけがホールディングス化でした。その当時からあった事業や売らなくなったサービス、BPO※3事業などの収益性がとても低いクライアントへの開発案件については、社名を変えてホールディングス化するタイミングで一気に撤退しています。

※3 BPO(ビーピーオー)とは、企業活動における業務プロセスの一部について、業務の企画・設計から実施までを一括して専門業者に外部委託することを指します。

不採算事業の撤退とは

IRTV : 撤退とは、具体的にどのようなことを意味するのでしょうか。

稲葉様 : 案件化から受注まで期間がとても長いサービスや、受注率がとても低いサービスから、収益性が高くニーズのあるサービスへ担当営業を回したほうが、営業としての効率が上がります。なかなか売れない製品をずっと担当しているよりも、売れる製品で成果を上げたほうが、昇級といった形で営業マンとしての成果も上がりますよね。

<不採算事業の撤退とは①>

不採算事業の撤退とは①

(出典:IRTV for YouTube

稲葉様 : 長きにわたったSES※4の事業など、開発案件も同じです。優秀なエンジニアに対しては毎年、給料を上げていかなければなりません。しかしながら、開発エンジニアの単価が上がらずに案件数が増える状態となり、開発の人件費との逆転が起こることも見えてきました。

※4 SES(エスイーエス)とは、技術者の派遣をおこなうサービスです。

そこで、開発案件に見合った単価を容認していただける顧客先に人員を配置し直したことが、不採算事業からの撤退になります。サービスだけではなくDX※5事業も、不採算というよりも低利益、要は従業員の給料を上げていかなければならない中で利幅が下がり、開発の人件費との逆転が起きてしまう案件は一気に撤退しました。

※5 DX(ディーエックス)とは、デジタル技術を活用して生活やビジネスを変革することを指します。

IRTV : 会社としても、そしてそこで働く社員にとっても、より良い環境にしていく取り組みになりますね。

稲葉様 : 今後の事業を成長させる上で、事業及び担当営業を適切に再配置しつつ、営業利益率を高められない事業の撤退を判断しました。数億円規模の案件も複数ありましたが、私たちは従業員のために、そして弊社の将来のために不採算サービスから撤退したのです。

<不採算事業の撤退とは②>

不採算事業の撤退とは②

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 撤退した中身は非開示ですね。

稲葉様 : はい。サービスのほか、OEM※6側のカスタマーサクセスのチームを引き上げたり、開発と言われているSESの部分でも収益性の悪いクライアント様の案件は一気に撤退したり、人員も体制整備のため配置変更しました。

※6 OME(オーイーエム)とは、メーカーが他社(発注元)の名義やブランドの製品(商品)を製造するもしくはその受託側企業のことを指します。

IRTV : まさに選択と集中に尽きるという感じですね。

組織再編の進捗について

IRTV : 改革自体は今期に大胆に実行されましたが、稲葉社長はどのぐらいの割合が完了したイメージでしょうか。

稲葉様 : 全体の90%は完了したと考えています。大きい案件に関しては大体、第1期に終えています。

<組織再編の進捗について>

組織再編の進捗について

(出典:IRTV for YouTube

稲葉様 : 第1期はナレッジスイートからBBDに切り替わっていくタイミングでもあり、実質的に2つの会社の要素が関わっており、ホールディングス化するにあたって改革が必要なタイミングでもありました。

事業のあり方や、これまで事業会社の下にぶら下がっていた事業会社との位置関係など、全体の大掛かりな改革をおこないました。後は細かい改革が10%ほど残っています。

IRTV : 投資家さんの中には、今回の減損のイメージが強く、来期も起こるのではと懸念される方もいらっしゃるかもしれません。

稲葉様 : そうかもしれませんが、私たちは今まで営業がついている部分は、今後も継続して対応してく方針です。

2024年9月期業績について

IRTV : ここからはみなさんが聞きたい部分になると思われます。来期の数字について、特に営業利益率10%と、大幅に伸びる見通しです。来期に入って大きく伸ばしていくイメージでしょうか。

稲葉様 : そうですね。第1期でおこなった改革は、「売上を大きく伸ばせば利益が出る」という考え方に基づくものではありません。今まで身の丈以上におこなってきてしまったことや、ポイントとして絞っていける部分について、選択と集中を徹底した改革を実施することで、利益が生まれる仕組みを作った結果が今回の数字になります。

弊社(BBD)として、最初に通期で数字として寄与させられるタイミングが「第2期」です。つまり、第2期が実質的な第1期になります。2024年9月期は、弊社が「どれだけの収益力を持っている会社か」を測る上でベンチマークになるのです。それを踏まえて私たちは準備をしてきています。

<2024年9月期業績について>

2024年9月期業績について

(出典:IRTV for YouTube

稲葉様 : 今回、売上収益は40億円、営業利益は4億円、営業利益率は10%としました。そして、配当が出せる体制が整ったことを表すために、配当性向※720%に設定し、皆様にご報告させていただきました。

※7 配当性向とは、その期の純利益(税引後利益)の中から、配当金をどのくらい支払っているかを%で表したものです。配当性向は投資をおこなう際に企業を評価する指標の1つになります。

IRTV : 来期はむずかしい取り組みをおこなうというよりは、選択と集中を徹底することでこのぐらいの数字が出せるという認識でよろしいでしょうか。

稲葉様 : そうですね。

IRTV : 来期は、営業利益率10%の見通しですが、稲葉社長の中ではさらに伸びるイメージをお持ちでしょうか。

稲葉様 : そうですね。私たちは、配当性向50%を目指して施策やその準備を検討していく方針を持っています。

営業利益率10%の道のり

IRTV : 営業利益率10%の達成に向けて、どのような施策を打ち出していくのでしょうか。

稲葉様 : まずDX事業は、先ほど第1期におこなった改革のほかに、続けなくてはいけない取り組みがあります。これまでは40~50人ほどの規模で新卒採用を続けてきましたが、今後は組織の実態に合わせた採用計画を実施していく方針です。

<営業利益率10%の道のり①>

営業利益率10%の道のり①

(出典:IRTV for YouTube

稲葉様 : 今までは、弊社にとっての第3四半期、つまり4月からになりますが、新卒社員が入ってくるため、人件費が大きく膨らむタイミングでもありました。IT業界では、新卒社員のうち勤続5年以内の転職が一般的であり、他社では3年で全員離職されるところもあります。

私たちとしては選択と集中を徹底し、入ってきた社員に対して手厚い対応していく方向に変えています。また、これまで私たちは大規模投資を続けてきました。弊社は元々、上場してから日本で初めてマルチテナント型のSaaS※8、要するにクラウドのサービス領域を作った会社になります。

※8 マルチテナント型のSaaSとは、複数の利用者で共有できる構造になっているクラウドサービスを指します。

SaaSをそのまま作ってきた自負がある中で、新しい技術やサービスに注目する際、エンジニアが能力を活性化したり、勉強会を催したりと、イノベーションや新しい取り組みに対して多額の資金を投じてきました。

ただし、開発を急ぐあまりに大規模な投資を続けてきてしまったため、売上や利益規模にあった開発投資に切り替えていく方針です。開発に対する研究開発費は、弊社の規模の3倍も5倍もあるような会社に合わせていましたが、開発投資もある程度抑えていく考え方を持っています。

<営業利益率10%の道のり②>

営業利益率10%の道のり②

(出典:IRTV for YouTube

稲葉様 : 人事異動を強化していくことは、生産性の高い事業へシフトさせていくことです。これまでは、会社のルールに囚われ、ニーズの高い事業への人事異動を積極的におこなえませんでした。

各社、人事異動のタイミングはある程度決まっていますよね。そういう会社のルールを壊してでも、ニーズの高い事業へ迅速にシフトができる、アメーバのような組織作りをおこなっていく方針です。

BPO事業については、優秀なエンジニアへ教育をおこなっているため、収益性の高い案件の仕事ができるような環境を構築したいと考えています。教育の体制を強化していきながら、エンジニアの質をさらに上げていく意向です。社員エンジニア教育を整えることで、社員エンジニアを外部の組織に送り、ビジネスパートナー率を一定の水準まで落としていきます。

急な開発をおこなう場合には、BPO事業で有しているエンジニアをナレッジスイートやDX事業の開発側に送り込んでいます。ある程度開発が終われば、戻してほかの案件に送り出せるため、エンジニアの増減をコントロールすることができるでしょう。そのようなメリットがあるため、私たちは自社のエンジニアを増やしていく意向を持っています。

営業利益率10%、かつ株主還元策も着実に実施していくことにより、長期的に見ていただける環境を構築していく方針です。

<営業利益率10%の道のり③>

営業利益率10%の道のり③

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : ありがとうございます。投資家さんには来期の数字に注目していただく感じですね。

稲葉様 : 今期がベンチマークであり、今期の数字を達成して、そのベンチマークを基に、私たちのパフォーマンス水準を見ていただきたいというのが、今回の取り組みの1つでもあります。

IRTV : まずは確実に利益を出す方針ですね。引き続き、投資家のみなさんも注目してください。今日はどうもありがとうございました。

稲葉様 : ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

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ディスクレーマー

当記事では、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券およびその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく証券およびその他の金融商品に関する助言や推奨をするものではありません。また、個別企業の業績予想や株価予想、投資推奨を提供する予定はありません。投資判断等は、自己責任でお願いいたします。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

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