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【IRTV 4193】ファブリカコミュニケーションズ/子会社Sparkle AI株式会社設立のお知らせ

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年8月3日

ファブリカコミュニケーションズ(4193)の渡辺取締役が、2023年5月2日に開示された「子会社Sparkle AI株式会社設立のお知らせ」についてIRTV※1で解説しています。

※1 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。

この記事では、IRTVの動画の書き起こしと、動画の内容を受けて当サイトの管理人ひっきーによるコメントを紹介しています。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!

(出典:IRTV for YouTube

大規模言語モデル(LLM)の活用事例

IRTV : 本日のゲストは、ファブリカコミュニケーションズで取締役・CTO※2を務める渡辺様です。5月2日にリリースされた「ファブリカコミュニケーションズ、子会社を設立しAI・ブロックチェーン領域の研究開発を本格始動」についてお話を聞いていきます。

※2 CTOとは、「Chief Technology Officer」の略語です。日本語では「最高技術責任者」と言われます。

リリースにもあるとおり、子会社のSparkle AI(スパークル・エーアイ)社の代表に、渡辺様が就任されましたね。最近はChatGPTに関連したリリースが増えてきていますが、Sparkle AI社はどのようなことに取り組まれるのでしょうか?

渡辺様 : 私たちは、AI大規模言語モデル(LLM)※3の研究開発が主なミッションです。研究開発の成果は、私たちが今後展開する事業や親会社のファブリカコミュニケーションズをはじめ、当社グループ全体の事業にも活用できると考えています。

※3 大規模言語モデル(LLM、Large Language Models)とは、巨大なデータとディープラーニング技術を使って構築された言語モデルです。ディープラーニングとは、人間がおこなうタスク処理をコンピュータに学習させるものとなります。大規模言語モデルでは、コンピュータが膨大な量の計算をおこなって会話を構築するため、まるで人間と話しているかのように、流ちょうな会話が可能です。

IRTV : すでにいくつかのサービスと提携が進んでいますね。なかでも、『車選びドットコム』では最適な車選びをサポートするとのことで、とてもおもしろいと思いました。

渡辺様 : 中古車を探す際、販売店に行って「どの車が自分にぴったりなのか」を相談しますよね。私たちは“車選びの相談”を、大規模言語モデルを使ってWebサイト上でできるようにしました。

<『車選びドットコム』がChatGPTと連携>

『車選びドットコム』がChatGPTと連携

(出典:ファブリカコミュニケーションズ 2023年3月期決算説明資料[PDF])

渡辺様 : サービスをリリースした直後なので、入力できるテキストに制限があったりしますが、今後改善を重ねて精度を高めていく予定です。

IRTV : 「キャンプ用の車が欲しい」と入力すると、条件に合った車を提案してもらえるということでしょうか?

渡辺様 : そのとおりです。

IRTV : 中古車は装備が1台1台違うので、自分に合った車を選ぶのは大変ですよね。

渡辺様 : 車選びには多くの要素が絡んでいます。価格や年式、走行距離、保証の有無など、初めて中古車を購入する方がすべてを完璧に把握するのはむずかしいです。この課題を解決するため、ChatGPTで会話しながら、ご自身の条件に合った車を探せる機能を搭載したいと考えています。

店員と壁打ちするような機能

(出典:IRTV for YouTube

渡辺様 : 利用者に「家族でキャンプに出かけるのにぴったりの車はありますか?」という質問をしてもらい、それに対してChatGPTが「家族は何人ですか?」と尋ねます。利用者が「4人です」と答えると、その条件に合った車が表示されるイメージです。

IRTV : おもしろいですね!ChatGPTを使うと“客観的な意見”が得られる点が、消費者にとって大きな利点だと思います。

渡辺様 : いままで弊社でも、できる限り詳しく情報を表示し、ミスマッチのない中古車選びができるように取り組んできました。しかし、情報が多くなると探したり比較したりするのがむずかしくなりますよね。こういった点をAIがサポートする世界を目指しています。

中古車ビジネスの総合プラットフォーム『symphony』との関連について

IRTV : 親会社のファブリカコミュニケーションズ社は、中古車ビジネスの総合プラットフォーム『symphony(シンフォニー)』を提供されています。御社とsymphonyは何か関連がありますか?

渡辺様 : symphonyは中古車販売店向けのソフトウェアです。車の出品や広告掲載などの機能があります。

車を出品する場合には、車のセールスポイントを店員が接客の合間を縫って書いていました。セールスポイントの記載には時間がかかりますし、出品する中古車は1台ではありません。数十台、数百台とあります。

このような課題を解決するため、私たちは生成AIを使って出品データの入力を効率化しました。弊社では車の出品データを蓄積しているため、それらを参考にセールスポイントの文面を複数パターン提案しています。

セールスポイントの文面を複数パターン提案

(出典:IRTV for YouTube

渡辺様 : 今後は文章のトーンを調整できるようにしたいと考えています。例えば「やさしい雰囲気の文章」や「イケイケの若者が書いた文章」など、お店の雰囲気も踏まえつつ文章の雰囲気を調整できると良いですよね。各店舗にコピーライターがいる環境を提供したいです。

IRTV : symphonyの利用企業にとって、とてもありがたい機能ですね。

渡辺様 : これまでの業務効率化の延長線上で、“どうしても最後は人間が入力しなければいけなかった部分”を自動化できると考えています。

アクションリンクにおける生成AIの活用

IRTV : 関連情報として、『「アクションリンク」がChatGPTと連携し、CRMのメール原稿制作をサポート』というリリースを出されていましたね。アクションリンクは、ECサイト向けCRMプラットフォームです。ChatGPTとの連携により、テキスト作成を効率化できるのですね。

渡辺様 : アクションリンクをご利用いただいているEC事業者は、中古車販売店と比べて「メールマガジン作成」や「商品説明文の改善」、「新商品のキャンペーン」など、コンテンツ作成にかける時間が多い特徴があります。

私たちは、コンテンツを適切なタイミングで、適切な相手に届けるソリューションとして『アクションリンク』を提供しています。その元となるコンテンツを、“かんたん”かつ“魅力的に”生成できれば、事業者だけでなく消費者にとっても有益ではないでしょうか。

将来的には、PR文だけでなく「HTMLメールの自動生成」も検討しています。このほかにも、画像の生成やデータベースから適切な画像を抽出する機能にも、取り組んで行きたいです。

HTMLメールの自動生成も検討

(出典:IRTV for YouTube

渡辺様 : 私たちはEC事業者に対し“CRMツールを提供している”点が強みです。この強みを活かして“適切な商品画像を選択し、その画像をレイアウトに当てはめる”といった機能も検討中です。

IRTV : 先ほどご説明いただいたsymphonyも含めて、生成AIの活用によって既存サービスの魅力が増していますね。

渡辺様 : そうですね。日頃手を動かして取り組んでいる作業を自動化する、またはAIが補助する仕組みを作ることが目標です。あくまでAIは「補助」なので、最後は人間の目で添削しなければいけません。私たちは、自動化や補助ができるよう、精度向上に努めていきます。

生成AIの社内活用について

IRTV : 社内でも生成AIを活用されているそうですね。

渡辺様 : 弊社でも、社内の業務にChatGPTを活用しています。例えば、広告文やバナー画像の生成などです。「商品のPR文を100パターン生成する」など、人間にはむずかしい作業をAIの補助を使って取り組んでいます。

現在は社内で使うツールやシステムに留まっていますが、検証を重ねて汎用性の高いものができれば、社外に向けたサービス提供につなげていきたいです。

社外に向けたサービス提供も進める

(出典:IRTV for YouTube

今後のプロダクト開発について

IRTV : 先ほど「新プロダクト」の話が出てきました。御社の中長期的な方針は、“自社でプロダクトを作り外部に販売すること”なのでしょうか?

渡辺様 : もちろんです。現在、多くの方がChatGPTのAPIを使い、自社の製品にAIを組み込んでいますよね。

最近では、オープンソースのLLMが世界中で出てきています。国内の企業でも何社か公開している状況です。弊社としては、こういった環境の中で勉強しながら、独自の言語モデルの開発に取り組んでいきます。

IRTV : 中古車業界やEC業界以外の、まったく新しい業界へ進出する可能性もあるのですね。

渡辺様 : そのとおりです。弊社としては、グループの既存事業領域にこだわっているわけではありません。もちろん、自動車業界については詳しいため、成果を得やすいと考えられます。しかし、私たちのノウハウは他の業界にも転用可能です。

他の業界にも転用可能

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : これまで社内に「CTO」はいましたか?

渡辺様 : いままでCTOはいませんでした。今後は、開発組織を強化する方針です。ソースコードをAIの補助を使いながら書く時代に変わったので、開発環境や開発手法をアップデートしなければなりません。現在は各エンジニアががんばっている状況です。

IRTV : 渡辺様がCTOに就任されたのは、ファブリカコミュニケーションズが“テック企業として一歩踏み出す”というメッセージなのでしょうか?

渡辺様 : おっしゃるとおりです。今後は組織を強化するために採用をおこなったり、技術的資産の蓄積に取り組んだりしていきます。

足もとではAIやLLMが加速度的に盛り上がっています。インターネットが登場したときのように、新しい時代の幕開けと言えるでしょう。これまでとは違った視座で、事業に取り組んでいきます。

IRTV : Sparkle AIの今後の動きから目が離せませんね。本日はありがとうございました。

ひっきー's Eye

指さしひっきー

ファブリカコミュニケーションズ社の渡辺取締役との対談書き起こし記事、いかがでしたか?

生成AIを活用して、車探しの効率化企業の業務効率化、そして独自の言語モデルの開発に取り組んでいくというお話でした。特に、独自の言語モデルの開発がどう進展していくのか、今後の発表に注目ですね!

IRTVでは、このほかにも上場企業の経営者との対談動画をアップしています。企業の事業内容はもちろん、今後の成長戦略を読み解くヒントがたくさん散りばめられているので、個人投資家のみなさまにぜひご覧いただきたいメディアです!

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ディスクレーマー

当記事では、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券およびその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく証券およびその他の金融商品に関する助言や推奨をするものではありません。また、個別企業の業績予想や株価予想、投資推奨を提供する予定はありません。投資判断等は、自己責任でお願いいたします。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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