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【IRTV 4193】ファブリカホールディングス/アクションリンクのサービス概要とM&A後1年間の歩み

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2024年4月22日

ファブリカホールディングス(4193)子会社であるファブリカコミュニケーションズの富永様(インターネットサービス事業本部長)と中村様(アクションリンクプロダクト責任者)が、アクションリンクのサービス概要とM&A後の1年間の歩みについてIRTV※1で解説しています。

※1 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。

この記事は、IRTVの動画内容を書き起こししたものです。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!

(出典:IRTV for YouTube

アクションリンク

IRTV : 「IRTV Pickup!Release」は、上場企業の適時開示情報など最新のトピックスを深掘りし、より企業の戦略を理解する番組です。それでは今回のゲストをご紹介しましょう。

ファブリカホールディングス(4193)の完全子会社である株式会社ファブリカコミュニケーションズより、インターネットサービス事業本部長の富永様とアクションリンクプロダクト責任者の中村様にお越しいただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

中村様富永様 : よろしくお願いします。

IRTV : 今日はアクションリンクに関するお話と、M&A※2を実施してから1年を経た変化について詳しくお聞かせください。さっそく、アクションリンクというツールはどのようなものなのか、かんたんに教えていただけますか。

※2 M&A(エムアンドエー)とは、企業の合併・買収を指します。

中村様 : アクションリンクは、Eコマース(ネット通販事業者)向けのメッセージ配信自動化ツールです。メッセージ配信には、メールやLINE、SMSなどさまざまな手段がありますが、それを顧客一人ひとりに合わせて自動化できます。

IRTV : こちらは中村様が立ち上げて作られたものですよね。

中村様 : はい。元々、私がEコマース事業者で責任者を約10年務めた後、Eコマース事業のコンサルティングを手掛けました。

さまざまな企業のEコマース事業を見てきた中で、顧客全員に同じメッセージを配信するのではなく、顧客一人ひとりの好みや行動に合わせたメッセージを配信すると反応が良くなるとわかりました。

<アクションリンク>

アクションリンク

(出典:IRTV for YouTube

中村様 : そこで、顧客管理システムの導入や導入後のお手伝いをしました。理想的なコミュニケーションを実現するのはとても大変です。ノウハウも必要で、工数もかかるため、とても苦労しました。

また、良いツールを探しても見当たらず、同業者様に聞いても選択肢があまり存在しないことがわかりました。このため、良いツールを自分たちで作ろうと決心したのです。

IRTV : 他のコンサルの方々や同業者の方も同じ意見だったのでしょうか。

中村様 : そうですね。

IRTV : ある程度確信を持って進められたのでしょうか。

中村様 : そのときは、私の中で確信があり、すぐに大きなビジネスになるだろうと考えていましたが、実際にはかんたんには進みませんでした。

しかし、理想とするシステムがあるため、それを実現するためにさまざまな人にご協力いただき、ビジネスを拡大している状況です。

IRTV : アクションリンクは、「世の中にないものを作ろう」という熱い思いの下で開発されたのですね。

アクションリンクの特徴

IRTV : アクションリンクでは、具体的にどのようなことができるのか詳しく教えてください。

中村様 : 例えば、ECサイトを閲覧し、買うかどうか迷って買わなかった人に対してメッセージを自動配信する場合を考えましょう。

この場合「この商品があなたにおすすめです」や「気になっている商品の在庫が残りわずかになりました」、「この商品はすぐに売切れてしまいます」、「似たような商品で新製品が出ました」といったメッセージを配信します。

そのようなメッセージを、何万人、何十万人の顧客に対して、顧客一人ひとりに合わせて自動配信します。レコメンドといって「この人はこういう商品を見た・買ったため、次はこういう商品に興味を持つだろう」とAIが自動的に予測し、それをメールなどで配信できます。

IRTV : 具体的に事業者様側はどういった課題を持っていて、どのように解決されているのでしょうか。

中村様 : 事業者様側の課題は主に2つあります。

1つ目は、人手が足りないということです。EC事業者様は、さまざまなことを手掛けなければならず、忙しすぎるのが現状です。例えば、1人で商品を仕入れ、ページを作り、メルマガを書き、マーケティングをおこなっています。このため、顧客一人ひとりに合わせたコミュニケーションをするには人手が足りません。

2つ目は、どのような場合にメッセージ配信をすれば良いかノウハウがない点です。

<アクションリンクの特徴>

アクションリンクの特徴

(出典:IRTV for YouTube

アクションリンクの強み

IRTV : 競合他社と比べて、アクションリンクの圧倒的な強みはどこにあるのでしょうか。

中村様 : 弊社が商標を取得している「鉄板シナリオ」が強みです。これは、業種を問わず一人ひとりに合わせたメッセージを自動作成できます。

例えば、このタイミングでこういったターゲットに対してこのメッセージを配信すれば、リピートで戻ってくる確率が高いという鉄板シナリオを複数用意しています。

こういった作業を通常の顧客情報管理(CRM)ツールで実現しようとすると、はじめるまでに数か月、場合によっては1年経ってもスタートできないという話をよく聞きます。

その点、アクションリンクはボタンを押せば良いので、ノウハウや時間がなくてもすぐにスタートできるのが1番の強みと言えるでしょう。

<アクションリンクの強み①>

アクションリンクの強み①

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 圧倒的にかんたんにスタートできるのですね。

中村様 : はい。私自身、シナリオを準備することにとても苦労しました。さらに、シナリオを実行するだけでなく、結果の検証や改善にも手間がかかるため、よりかんたんにできないかと思って考えたのが鉄板シナリオです。誰でも、ノウハウがなく忙しくてもボタンをワンクリックするだけでスタートできます。

IRTV : ボタン1つで、顧客の情報把握や商品の提案などを全部一気におこなえるのでしょうか。

中村様 : そのとおりです。業種によって鉄板シナリオの中から提供できるものを事前にすり合わせし、あらかじめ準備をします。

システムを導入したら、事業者様はスタートボタンを押すだけで、すぐに自動的なメッセージ配信をはじめられる設計です。

IRTV : とても複雑な作業が、時間も工程も圧倒的に短縮し、かんたんになったところが強みなわけですね。

中村様 : そこが他社にない圧倒的な強みになっています。

IRTV : 下のスライドは、アクションリンクを導入した初月の売上アップ率です。

数字を計算した私自身も驚いたのですが、売上アップ率219%と、導入後すぐにリピート率が倍になりました。これが鉄板シナリオの成果です。

<アクションリンクの強み②>

アクションリンクの強み②

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 導入後の最初の月でこれほどの成功が出たのですか。

中村様 : はい。通常のCRMツールは導入後、特定のターゲットにどのようなメッセージを発信するかのプランニングからはじまります。このような初期設定をおこなっているうちに、数か月経っても施策がはじまらないというケースがあります。

さらに、一斉配信のメルマガだけしか施策を打てていないという話をよく聞きます。こういった問題を解決するためのツールが鉄板シナリオなのです。

M&A後 1年間の歩み

IRTV : 続いて、M&Aを実施してから1年でどのように変化したかを聞かせてください。

富永様 : 昨年にM&Aを実施し、顧客数とMRR※3が大きく伸びました。顧客数成長率は80.0%MRR成長率は64.1%となっています。

※3 MRR(エムアールアール)とは、毎月、繰り返し得られる収益・売上を合算し、経営上の指標としたものです。

M&Aを実施する前に、第三者の口コミサイトを確認したり、実際の顧客などにインタビューしたところ、顧客満足度がとても高く、良い評価がされていました。グループシナジーを生かして積極的に伸ばしていく中で、このような成果が出ていると見ています。

<M&A後 1年間の歩み①>

M&A後 1年間の歩み①

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 顧客数成長率とMRR成長率はM&Aを実施する前との比較になりますか。

富永様 : おっしゃるとおりです。

IRTV : 顧客数成長率が80%を超えた要因として何が考えられるでしょうか。

富永様 : 1つは、中村からお話させていただいたとおり、良いプロダクトを持っていることが大前提にあります。加えて、営業やマーケティングの的確なマネジメントや戦略の見直しもおこないました。人を含めてそれらの分野に投資し、注力してきたことが大きな要因だと考えられます。

IRTV : 機能面はいかがでしょうか。

富永様 : 開発へ投資をおこない、機能面のアップデートを複数おこなっています。これらの取り組みも、既存顧客や新規顧客を取り込むきっかけになっていると言えるでしょう。展示会にも大きな規模で出展しており、認知度の向上を感じています。

IRTV :  顧客数成長率およびMRR成長率に関し、M&Aをおこない、強化されたグループの強みが具体的にどのように生かされているのでしょうか。

富永様 : 弊社の場合、全事業部において週次で見通しや数字を管理するマネジメント手法を採り入れています。これを徹底的に実践していることが大きいです。

強みに関しては、弊社が有する膨大な顧客リストを活用した営業力が挙げられます。弊社は他のSMS事業や、車の販売店様向け管理システム「symphony(シンフォニー)」を提供するU-CARソリューション事業なども手掛けているので、膨大な顧客リストを持っているのです。

IRTV : EC事業者様の中にはいろいろな要望があるかと思いますが、そのような声をプロダクトに反映されているのでしょうか。

富永様 : 積極的に要望を反映しています。中村がプロダクト責任者を務めており、中村と私、営業の責任者などが密に連携を取っています。

すべてのご要望を取り入れることはむずかしいのですが、優先度の高いものや顧客の負を十分に解決できるものであれば、基本的には積極的に開発していく方針です。最近では「鉄板レポート」の導入を進めています。

IRTV : 「鉄板レポート」はどのようなものでしょうか。

中村様 : 先ほど紹介した「鉄板シナリオ」では、メッセージ配信の施策の鉄板のパターンをあらかじめ設定しています。

一方、「鉄板レポート」は分析の型を設定しておき、あらかじめ設定されたKPI(重要業績評価指標)を見ておけば、必ず成果につながるというものです。事前に設定するため、いつでもすぐに見られる状態にあります。

<M&A後 1年間の歩み②>

M&A後 1年間の歩み②

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : たくさんの競合他社がいろいろなサービスを提供している中で、アクションリンクの認知が益々高まっているかと思います。どのようにして顧客から選ばれているのでしょうか。

<M&A後 1年間の歩み③>

M&A後 1年間の歩み③

(出典:IRTV for YouTube

中村様 : 実は乗り換えがとても多くなっています。顧客からは「有名なツールを使っていたが、工数が掛かり、高機能すぎて使いこなせなかった」という話をよく聞きます。

そこで弊社が提案すると、工数を削減でき、売上もすぐに増えていくため、積極的に導入していただいている状況です。皆様に継続して使っていただき、現在は急速に顧客数が積み上がっています。

アクションリンクのこれから

IRTV : EC市場は今後も伸びていく見通しでしょうか。

富永様 : そうですね。日本のEC化率はまだ9.1%ですが、グローバルで見るとすでに20%弱です。その分はまだ伸び代があると思っています。

ただし、EC化率9%と言ってもジャンルによってまったく異なります。例えば書籍は40%を超えている一方、アパレルはネットで買う人が少なく20%前半です。

グローバルと比べても、また各ジャンルで比べても伸び代はまだあります。事業者様が増え、購入者も増えていくため、さらに成長余地があるのではないでしょうか。

<アクションリンクのこれから①>

アクションリンクのこれから①

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : EC化率が高まるにつれてCRMも確実に普及していくと、各事業者様は顧客獲得にも注力しなければなりませんね。

富永様 : 日本には、まだネットで商品を購入したことがない方がいるため、EC化率は高まっていくと思われます。事業者様目線で言うと、競争は激化していくでしょう。

そう考えると、いかに新規顧客だけでなく、既存顧客に何度も買っていただくかというCRMが、より重要なポジションになります。我々がその分野を支えていければと思っています。

IRTV : アクションリンクが選ばれるための今後の戦略もお聞かせください。

富永様 : 今後は、アクションリンクだけで顧客が手間をかけずに様々な施策を実行できるように、鉄板レポートなどの機能追加をしていきます。それに加えて、弊社のグループシナジーとして、SMS配信とCRM分野でより強固なサービスを提供していきたいと考えています。

弊社はSMSの配信事業を持っているため、その事業とのシナジーを発揮することを期待・模索している最中です。

<アクションリンクのこれから②>

アクションリンクのこれから②

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 下のスライドでは、アクションリンク×SMS配信の効果が示されていますね。こちらについて解説をお願いします。

富永様 : 今回、2社のサンプルを用意しました。SMSの料金体系は「SMSの1配信あたりいくら」という従量課金です。A社は100万円分のSMSを配信していただき、その結果として580万円の売上が出た事例となります。

B社は、配信コスト1万6,000円で、78万5,000円の売上が出ました。まだ配信して1か月弱程度の事例のため、今後長期で見たら違う結果になるかもしれません。

やはり、SMSと販促やプロモーションをかけ合わせた領域は、今後も期待できるのではと考えています。正直、ここまでの成果が出るとは思っていませんでした。

<アクションリンクのこれから③>

アクションリンクのこれから③

(出典:IRTV for YouTube

中村様 : もう少しプッシュすれば買ってくれそうな人だけにターゲットを自動的に絞り込み、メッセージを送るようにしました。全員に送るとコストが大きく膨らんでしまうからです。

富永様 : コスパの高いターゲットを効果的に抽出できた感じですね。

IRTV : ターゲットの抽出も全部自動でおこなわれるという認識でよろしいでしょうか。

富永様 : はい。そうです。

IRTV : 業者の方にとっては手間がかからないため、リピート率も大きく向上するというサイクルですね。このほかに、今後の取り組みはありますか。

富永様 : 弊社は「symphony」という中古車販売店様向けの管理システム等も扱っており、すでに4,000社を超える加盟店様を有しています。

そこで、自動車の販売など他の分野にもCRMの考え方やツールを積極的に導入していけばアクションリンクの売上や事業成長につながるでしょう。そのような分野でのシナジーを生かし、顧客を獲得していく方針です。

IRTV : アクションリンクだからこそできるところですよね。

富永様 : そうですね。自動車販売会社様は、ECを手掛ける事業者様よりもシステムの導入ハードルが高くなりますが、アクションリンクの“手間なくかんたんにできる”という特徴とマッチするでしょう。自動車販売店様向けに、的確に機能をアップデートしながら、特徴をお伝えできればと考えています。

IRTV : 中村様は今後についてどのようなお考えをお持ちですか。

中村様 : まだやりたいことがたくさんあります。EC事業者様は、手間がかかることをさまざまおこなっています。

少しでも手間がかからず、顧客に合わせたメッセージ配信を高精度に自動化できるようにすることで、作業に追われて大変な思いをしているEC事業者様が少しでも減ればと考えています。まだ改善の余地があるため、より便利なものを作っていきたいです。

IRTV : 本日は貴重なお話をありがとうございました。今回は株式会社ファブリカコミュニケーションズより中村様と富永様にお越しいただき、アクションリンクとM&Aを実施してからの1年間の歩みについておうかがいしました。改めてお二方ありがとうございました。

中村様富永様 : ありがとうございました。

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ディスクレーマー

当記事では、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券およびその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく証券およびその他の金融商品に関する助言や推奨をするものではありません。また、個別企業の業績予想や株価予想、投資推奨を提供する予定はありません。投資判断等は、自己責任でお願いいたします。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

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