1. ホーム
  2. IRTV書き起こし記事のまとめ
  3. interviews書き起こし記事のまとめ
  4. 【IRTV 9450】ファイバーゲート/レジデンスWi-Fiのニーズは継続

【IRTV 9450】ファイバーゲート/レジデンスWi-Fiのニーズは継続

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2024年1月25日

ファイバーゲート(9450)の猪又社長が、同業他社との違いや市場規模などについてIRTV※1で解説しています。

※1 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。

この記事は、IRTVの動画内容を書き起こししたものです。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!

(出典:IRTV for YouTube

同業他社との違いは?

IRTV : 本日のゲストは、ファイバーゲート(9450)より猪又社長にお越しいただきました。よろしくお願いします。2年ほどオファーをさせていただき対談が実現しました。

猪又様 : 恐縮です。よろしくお願いします。

IRTV : 今日はビジネスモデルに関してお話をうかがいます。貴社の主要事業である「ホームユース事業」と「ビジネスユース事業」の2つについて、いろいろお聞きしていきます。

上場、非上場含め、例えばギガプライズ様、弊社の顧客でもあるブロードエンタープライズ様、あとはアルテリア様辺りが主要なプレーヤーになるかと思います。貴社の事業は、これらの同業他社と比べて、どのような点が異なるのでしょうか?

猪又様 : ホームユースという分野に限って申し上げると、大きく他社と違うのは、当社はルーターや通信機器の開発からモノづくりまで一気通貫でおこなっている点です。製造はファブレス※2になります。

※2 ファブレスとは、自社で生産設備を持たず、外注先に100%製造を委託するビジネスモデルです。

<同業他社との違いは?①>

同業他社との違いは?①

(出典:IRTV for YouTube

猪又様 : 最初は他社メーカーの機械を組み合わせて、外注で製造していたのですが、どうしてもコストが高くついてしまいます。そこで、通信機器を開発し内製化することで、コスト削減を実現しました。

<同業他社との違いは?②>

同業他社との違いは?②

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 他の会社は、既製品を自社ブランドで販売しているのでしょうか。

猪又様 : そうですね。ホームユースの分野では「電気通信役務」と言い、電気通信サービスそのものを売っており、機械がどこのメーカーのものであろうと関係ありません。オーナー様や大家様といったロケーションオーナーは、機械が欲しいわけでなく、賃貸で言えば稼働率が上がれば良いわけですよね。電気通信サービスが欲しいわけであり、機械はどこのブランドでも良いでしょう。

IRTV : それ以外の他社との違いもお聞かせください。

猪又様 : 元々私たちがはじめたという自負があります。1つは、相手先のブランドで電気通信役務自体を提供するという、我々が「プライベートブランドPB)」と呼んでいるサービスです。私たちも初めはOEM※3と言っていました。OEMやODM※4は工業製品向けの言葉になります。弊社はサービスそのものを他社のブランドで提供しているため、PBと呼んだほうが適切でしょう。

※3 OEM(オーイーエム)とは、メーカーが他企業の依頼を受けて製品を代わりに製造すること、またはその業務をおこなう企業を指します。
※4 ODM(オーディーエム)とは、受託者が、製品の生産だけでなく、設計やデザイン(意匠)なども請け負う形態を指します。

もう1つは、販路がロングテール※5化していることです。他社様を見ていると、1つの大きな顧客に大きくシェアが偏っており、それではその顧客に何か問題が生じたとき、「くしゃみをしたら風邪をひく」という状態になりかねませんよね。

※5 ロングテールとは、主要な売上げを占めるヒット商品以外に、販売機会の少ない商品を幅広く取り揃えることで、総体としての売上げを大きくする現象を指します。

<同業他社との違いは?③>

同業他社との違いは?③

(出典:IRTV for YouTube

猪又様 : 私たちも規模の大きな顧客を有していますが、販路が比較的ロングテール化しています。地方で一生懸命仕事をおこなっている管理会社様などと数多くお取引しており、販路がリテール化しているところが他社と違う点と言えるでしょう。

市場規模について

IRTV : 貴社が属する市場についてもお聞かせください。貴社の顧客となる戸建て、大きなマンションなどは、人口も減る中で今後のニーズも減ってくるのではないでしょうか。

猪又様 : 私見になりますが、民間の賃貸住宅は国内に約1,600万戸あります。そこには分譲リースや一戸建て、賃貸住宅が含まれており、私たちが対象にする賃貸住宅は約1,200~1,300万戸です。

私自身、市場全体の3分の1にあたる約400万戸を開拓したら、徐々に新規が取れなくなってくるのではないかと考えていました。BtoBのサービスで3分の1以上普及し、尚かつ代替サービスも提供されている点を踏まえると、このように考えられるのです。

私たちが提供しているサービスは、賃貸の集合住宅の稼働率をアップさせるものです。「リフォームをおこなう」、もしくは「家賃を下げる」ことにより稼働率はアップするかもしれませんが、それらは最終手段になります。最終手段に行く前の打ち手として、インターネット無料のサービス以外にも、さまざまな方法が存在しています。

このように代替手段がある中で、3分の1以上の普及率があるものは、私の経験上さほどありません。集合住宅の市場が1,200万~1,300万戸とすると、その3分の1の約400万戸に普及した時点で、マーケット自体は縮小しないものの、徐々に新規顧客の獲得がむずかしくなると予想していたのです。

現在どの程度普及しているのか、いずれの機関も調べているわけではないので正確な数字はわかりませんが、感覚的に申し上げると約320~330万戸に到達しているのではないでしょうか。

ただし、当初予想の約400万戸に及ぼうとしているものの、まったく受注が衰える気配はありません。新築の賃貸は、ほとんど導入されていると言っても過言ではないでしょう。

<市場規模について①>

市場規模について①

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 猪又社長の想像を少し超えた市場に成長してきているイメージでしょうか。

猪又様 : そうですね。対象の半分の600万~650万戸までは新規の受注が続く見込みです。半分まで到達したら、今度は3分の2まで導入される可能性はありますよね。

IRTV : 飽和していると見ていた市場が「ブルーオーシャン※6」のようだったのでしょうか。

※6 ブルーオーシャンとは、競合相手のいない(もしくは少ない)市場のことを指します。

猪又様 : 今後も成長する余地があるでしょう。

IRTV : イメージとしては、残り少ないパイを奪い合っていると見ていましたが、依然として大海原をみなで泳いでいる感じでしょうか。

猪又様 : 国内は「定住人口」が減るため、「交流人口※7」を増やさなければなりません。今度はインバウンドや外国人の方が増えてきますよね。

※7 交流人口とは、地域外からの旅行者や短期滞在者による人口のことを指します。

そうすると、これからはインバウンドや留学生向けのネットが必須となり通信環境のニーズはさらに高まることが予想されます。

<市場規模について②>

市場規模について②

(出典:IRTV for YouTube

ビジネスユース事業

IRTV : ビジネスユース事業について、猪又社長より概要を説明してください。

猪又様 : ビジネスユースはホームユースと手掛けていることは同じで、お金の流れ、商流は一緒です。対象が賃貸マンションや学生寮ではなく、例えば、自治体・商業施設・店舗・ホテル・介護施設など住宅以外向けのフリーWi-Fiになります。

IRTV : フリーWi-Fiは大きな需要があるイメージを持っていますが、他の会社様は手掛けていない分野ですよね。なぜ貴社だけサービスを提供されているのでしょうか。

猪又様 : 私もわかりません。ただし、サービスを提供するのは大変です。集合住宅は構築などパターンが決まっています。一方、商業施設などは構造やニーズが異なりますよね。例えば、アクセスポイントの置き方によって電波のカバー範囲が変わるため、施設やロケーションごとに設計しなければなりません。すべてカスタムオーダーになります。

<ビジネスユース事業①>

ビジネスユース事業①

(出典:IRTV for YouTube

猪又様 : 温泉であれば、近くの食堂や宴会場などにも引かなければならず、すべて設計が変わってきますよね。

IRTV : バスにもフリーWi-Fiサービスを提供されています。バスは動いているので、とても大変だと思います。

猪又様 : そうですね。バスをはじめとするモビリティ用のWi-Fiサービスを手掛けるために、弊社で機械を開発しました。

IRTV : 開発をおこなってきたところが、ビジネスユースの最大の強みになっているのでしょうか。

猪又様 : 結果としてそうなっていると見ています。恐らく、他社様はビジネスユースが儲からない、利益が上げにくいと考えているのではないでしょうか。

<ビジネスユース事業②>

ビジネスユース事業②

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 設計士が必要で、1個1個カスタマイズして作らなければいけないわけですよね。

猪又様 : はい。設計しなければなりません。

IRTV : 業績は多少でこぼこしていたものが、現在は拡大の最中なのではないでしょうか。恐らく投資家の人はブレークスルーを期待していますよね。猪又社長もブレークスルーできるイメージをお持ちかと思いますが、ギャップはどういうところにあるのでしょうか。

猪又様 : やはりホームユースの場合は長年の経験もあり、営業のパターン、勝利の方程式があります。これは他社様も一緒でしょう。しかしながら、ビジネスユースではいろいろな業種の方がビジネスを手掛ける中で、この営業上の勝利の方程式が確立されていないことと、販売パートナー数が少ないため、この部分を広げていかなければなりません。

また、3~4年前のコロナ禍がビジネスに大きな影響を及ぼしました。特に観光や飲食などはきびしい状況でしたね。

IRTV : それらの業界が徐々に落ち着き、今後はニーズが高まる見込みであり、貴社はそこに対して着々と取り組みをおこなっているのでしょうか。

猪又様 : はい、ブレークスルーはもうしばらくお待ちいただければと考えています。

再生可能エネルギー

IRTV : 最後に「再生可能エネルギー事業」についてご説明してください。

猪又様 : 再生可能エネルギーについては、私は以前から手掛けたいと考えていました。簡単に言うと、「インターネット無料マンション」ができるのであれば、「電気代無料マンション」もできるのではと考えたのがきっかけです。

当時いろいろ調べると、蓄電池やパネルがとても高く、事業として成り立たないと判断しました。しかし、今から4年ぐらい前に改めて調べてみると、大分安くなっていたのでチャレンジしようと決断しました。

IRTV : パネルを住宅に設置し、お金をもらうイメージでしょうか。

猪又様 : そうですね。いろいろなパターンがありますが、集合住宅の上に設置して蓄電池を置き、なるべく自家発電自家消費を促すことを目指しています。

<再生可能エネルギー①>

再生可能エネルギー①

(出典:IRTV for YouTube

猪又様 : 川口の事例は、私たちが初めておこなったと見ていますが、「低圧一括受電」という1棟丸ごと光ファイバーのように電気を引いてきて、構内の全入居者に電気を供給する取り組みです。

<再生可能エネルギー②>

再生可能エネルギー②

(出典:IRTV for YouTube

猪又様 : 太陽光だけで不足する場合は、私たちが東京電力様から買ってきます。ホームユースで光ファイバーを引いてくるのと一緒ですね。通信の発想ですが、一定数までは固定料金になります。これは通信でいう「何ギガ買う」のと一緒です。

IRTV : 別途、太陽光発電システムを加えるよりも安いという認識でよろしいでしょうか。

猪又様 : そのとおりです。

IRTV : 大きな需要が期待できますね。

猪又様 : 需要はあると見ています。

IRTV : 今後はホームユース、ビジネスユースに加えて再エネ事業を推し進めていく方針ですね。

猪又様 : はい。どの事業も販路が同じであることが、弊社の最大の強みと言えるでしょう。

<再生可能エネルギー③>

再生可能エネルギー③

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : お話を聞いていると、将来大きく伸びそうな事業のみ手掛けている印象ですが、株価は軟調に推移しています。猪又社長も現在の株価水準には納得していないでしょうか。

猪又様 : そうですね、軟調な展開になっているのは気になっています。

IRTV : ホームユースは、今後も市場が成長していく見込みです。ビジネスユースも、貴社しか入れない領域に足を踏み込んでおり、今後の展開が気になります。煽るつもりはありませんが、将来のビジョンを踏まえると、今はチャンスかもしれませんね。

猪又様 : 再生可能エネルギーも含めて大きなマーケットがあると考えています。

IRTV : 繰り返しなりますが、個人投資家の皆様は、ぜひ長い目で応援していただければと思います。今日は猪又社長にお越しいただきました。どうもありがとうございました。

猪又様 : ありがとうございました。

IRTVをチェック!

IRTVでは、このほかにも上場企業の経営者との対談動画をアップしています。企業の事業内容はもちろん、今後の成長戦略を読み解くヒントがたくさん散りばめられているので、個人投資家のみなさまにぜひご覧いただきたいメディアです!

<IRTVをチェック!>

IRTVをチェック!

ディスクレーマー

当記事では、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券およびその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく証券およびその他の金融商品に関する助言や推奨をするものではありません。また、個別企業の業績予想や株価予想、投資推奨を提供する予定はありません。投資判断等は、自己責任でお願いいたします。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。当サイトを見て、少しでも“勉強になった”と思っていただければ幸いです。

ページ上部へ移動