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【IRTV 6562】ジーニー/事業譲受に関するお知らせ

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年9月13日

ジーニー(6562)の菊川CFOが、2023年6月26日に開示された「サイジニアグループにおける事業譲受に関するお知らせ」、2023年7月3日に開示された「連結子会社JAPAN AI株式会社による事業譲受に関するお知らせ」についてIRTV※1で解説しています。

※1 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。

この記事では、IRTVの動画の書き起こしと、動画の内容を受けて当サイトの管理人ひっきーによるコメントを紹介しています。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!

(出典:IRTV for YouTube

デクワスとの関連について

IRTV : 最近、事業譲受に関するニュースを2つ開示されていますね。はじめに、2023年6月26日に発表された『サイジニアグループにおける事業譲受に関するお知らせ』について、お話を聞かせてください。

菊川様 : 今回は、サイジニアグループのデクワス社が運営する「ネット広告サービス事業」を事業譲受しました。

弊社の広告プラットフォーム事業は、「SSP※2」と「DSP※3」の2つに分けられます。このうちDSPについて、弊社が持っていない『ダイナミックリターゲティング※4』という機能をサイジニアグループのデクワス社が持っていたのが、事業譲受を決めた理由です。

※2 SSPとは、Supply Side Platform(サプライサイドプラットフォーム)の略語です。Webサービスやアプリデベロッパーなどの広告枠を提供するメディアの「広告枠販売」や「広告収益最大化」をサポートするツールを指します。

※3 DSPとは、Demand Side Platform(デマンドサイドプラットフォーム)の略語です。広告主向けに、「広告枠の買付」や「配信」などをサポートするツールを指します。

※4 ダイナミックリターゲティングとは、ユーザーの閲覧履歴や行動履歴をもとに、バナー広告を自動的に生成し、広告配信をおこなう仕組みです。

事業譲受の背景

(出典:IRTV for YouTube

菊川様 : 自社で機能をゼロから開発しても良いのですが、M&Aしたほうが早いと考えました。さらに、デクワス社が抱えているエンジニアを確保できる点でも、M&Aが適していると考えたのです。こういった背景から検討を進め、事業譲受に至りました。

IRTV : 御社の事業とのシナジーもあり、売上にもプラスの影響が見込めますね。今回、デクワス社から御社に何名のエンジニアが入社したのでしょうか?

菊川様 : 入社したエンジニアは5名です。加えて、ビジネスサイドの方が1名入社しました。

IRTV : エンジニアの採用はむずかしい時代ですし、入社した5名のエンジニアはかなり戦力になりますね。

菊川様 : そうですね。リソースの確保の観点からも、かなり戦力になっています。今回入社していただいた方々は、通常の中途採用と同じプロセスで面談しました。そのうえで配属する先を決めています。DSP事業に関わる方もいますし、他の事業領域で力を発揮していただく方もいます。

譲渡価額について

IRTV : 事業譲受に関する開示資料には「譲渡価額1円」と書かれていますね。かなりめずらしいと感じました。

<事業譲受に関する開示資料>

譲渡価額1円

(出典:サイジニアグループにおける事業譲受に関するお知らせ[PDF])

菊川様 : 譲渡価格については、ネット広告サービス事業の利益をもとに計算しました。譲り受けた事業の収益から、その事業部が抱えている人件費を差し引くと、利益が赤字になってしまう状態でした。

しかし、事業譲受によって入社するエンジニアやビジネスサイドの人の採用コストを考えると、一般的な中途採用とは違い、採用コストを抑えられます。このコスト抑制を加味すると、ネット広告サービス事業の利益はゼロです。以上を踏まえて「譲渡価額1円」としました。

IRTV : そういった背景があったのですね。

菊川様 : 全体的には、お互いにメリットがある着地点になったと考えています。

Navier株式会社とは

IRTV : 続いて、2023年7月3日に発表された『連結子会社JAPAN AI株式会社による事業譲受に関するお知らせ』についてお話を聞いていきます。Navier(ナビエ)社が運営するAI関連事業を譲り受けたとのことですが、そもそもNavier社はどのような事業を展開されているのでしょうか?

菊川様 : Navier社は、画像解析に特化したAIの会社です。同社のサービスを使うと、画像の解像度が高まります。シャープ社が発売しているスマートフォン『AQUOS(アクオス)』に使われており、学会でも表彰された実績を持っています。

<Navier社の研究例>

Navier社の研究例

(出典:Navier社の公式ホームページ

菊川様 : Navier社にはエンジニアが多く在籍しているのですが、今回の事業譲受では社長を含めて4名が合流しました。「事業承継」という形式なので、Navier社の社長様も社員として入社していただいています。

IRTV : そうなのですね。Navier社の渋谷社長はエンジニアなのですか?

菊川様 : エンジニアというよりは、ビジネスサイドを推進していただく役割です。

既存事業と画像生成系AIの互換性

IRTV : JAPAN AI社が事業譲受したAIの画像処理技術と御社の事業は、どういう点でシナジーがあるのでしょうか?

菊川様 : JAPAN AI社では、大規模言語モデル※5を使った業務支援や、アシスタントサービスを提供しています。このような生成系AIでコンテンツを作るときに、画像が占める領域が大きいのです。この点でシナジーがあります。

※5 大規模言語モデル(LLM、Large Language Models)とは、巨大なデータとディープラーニング技術を使って構築された言語モデルです。ディープラーニングとは、人間がおこなうタスク処理をコンピュータに学習させるものとなります。大規模言語モデルでは、コンピュータが膨大な量の計算をおこなって会話を構築するため、まるで人間と話しているかのように、流ちょうな会話が可能です。

生成系AIと画像処理技術のシナジー

(出典:IRTV for YouTube

菊川様 : また、AI関連の人材確保という面も意識しています。Navier社の社員には、自然言語系の研究や音声の研究の経験がある方がいらっしゃいます。弊社の大規模言語モデルの領域でも、十分力を発揮していただけるのではないかとも考えているのです。

IRTV : そういった人材は、採用難易度が高いのでしょうか?

菊川様 : 現在、さまざまな企業がAI関連の人材採用に取り組んでおり、採用がむずかしくなっています。

IRTV : ここまでの話をまとめます。御社の戦略としては、「M&A」が成長スピードやコストの面から見て、望ましいと考えていらっしゃるのですね。

菊川様 : 弊社としては、自社での開発とM&Aの両軸で考えています。最終的な目的は、必要な機能を実装することです。自社で開発しても、M&Aで取り込んでも、どちらでも良いと考えています。

今後の展開

IRTV : 最近は立て続けに「事業譲受」や「M&A」を発表されていますね。今後も事業譲受やM&Aに積極的に取り組んでいくのでしょうか?

菊川様 : 今後も機会があれば、戦略的に事業譲受やM&Aに取り組みたいです。

今後の事業譲受やM&Aの方針

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 新しいリリースが発表されたら、ぜひお話を聞かせてください。本日はありがとうございました。

ひっきー's Eye

指さしひっきー

ジーニー社の菊川CFOとの対談書き起こし記事、いかがでしたか?

自社のサービスを強化するため、事業譲受やM&Aに取り組んでいます。今後どのようなシナジーを生み出し、どのように業績に反映されるのか注目ですね!

IRTVでは、このほかにも上場企業の経営者との対談動画をアップしています。企業の事業内容はもちろん、今後の成長戦略を読み解くヒントがたくさん散りばめられているので、個人投資家のみなさまにぜひご覧いただきたいメディアです!

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ディスクレーマー

当記事では、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券およびその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく証券およびその他の金融商品に関する助言や推奨をするものではありません。また、個別企業の業績予想や株価予想、投資推奨を提供する予定はありません。投資判断等は、自己責任でお願いいたします。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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