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【IRTV 2981】ランディックス/事業計画及び成長可能性に関する事項

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年9月4日

ランディックス(2981)の岡田代表が、2023年6月29日に開示された「事業計画及び成長可能性に関する事項」について「IRTV※1」で解説しています。

※1 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。

この記事では、IRTVの動画の書き起こしと、動画の内容を受けて当サイトの管理人ひっきーによるコメントを紹介しています。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!

(出典:IRTV for YouTube

事業内容について

IRTV : 本日は6月29日にリリースされた『事業計画および成長可能性に関する事項』について、ランディックス社の岡田社長にお話を聞いていきます。

はじめに、ランディックス社の成長の源泉や、ビジネスモデルについて説明をお願いします。

岡田様 : 弊社では「富裕層」を対象に、不動産売買や仲介を展開しています。事業エリアは、世田谷区・目黒区・渋谷区・港区といった“東京の高級住宅地”に絞っているのが特徴です。

富裕層の特徴として、「集客の獲得ハードルが高い」という点が挙げられます。そのため、広告費をかければ集客に繋がるというわけではなく、富裕層顧客間での口コミから問い合わせを受けたり、新規顧客を紹介されるケースが少なくありません。

顧客との良好な関係性を継続することで、新たな集客に繋げる。更にその関係性から紹介が増える。この関係性のストックが事業の優位性となっています。

<ランディックス社の強み>

ランディックス社の強み

(出典:ランディックス 事業計画及び成長可能性に関する事項[PDF])

IRTV : 資料を見ると、4.5万件もの富裕層顧客データを蓄積していると書かれています。他の企業がランディックス社と同じ事業を展開しようとしても、このデータ量は簡単に集められないですよね。

岡田様 : おっしゃるとおりです。例えば、芸能人が自分で不動産会社に電話をかけるイメージはないですよね。こういった方々は「紹介」によって問い合わせがあり不動産を購入するケースが多いのです。

したがって、競合企業が広告宣伝費に多額の投資をしても、富裕層の方々を顧客として取り込むことは難しいでしょう。弊社はこのような方々を蓄積しているので、競合企業と比べても強いと考えています。

顧客データの蓄積が強み

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 「富裕層向けの不動産販売」の領域には、新規参入しづらくなっているのですね。

岡田様 : そうですね。もし仮に競合企業が商品となる不動産開発を行ったとしても、その顧客を開拓するためには多額の広告宣伝投資が必要です。弊社はこれまでに積み上げてきた富裕層顧客データをもとに販売活動ができるため、広告宣伝への費用投下を抑えながら事業を行っていけることが強みです。

IRTV : 不動産販売について、リピートが多いと書かれていますね。“不動産のリピート購入”とは、どういうことでしょうか?

岡田様 : 購入していただいた住宅のほかに、別荘セカンドハウス収益用不動産※2を購入される方がいます。これを不動産のリピート購入と呼んでいるのです。

※2 収益用不動産とは、毎月一定の家賃収入が得られる不動産を指します。

中期経営計画について

IRTV : 中期経営計画では、2025年3月期に売上高300億円を掲げられていますね。既存事業の成長は前提として、先ほどお話の中で出てきた「収益用不動産の販売」も伸びていきそうですか?

<2025年3月期までのセグメント別売上の実績と計画>

2025年3月期までのセグメント別売上の実績と計画

(出典:ランディックス 事業計画及び成長可能性に関する事項[PDF])

岡田様 : 収益用不動産は特に伸ばしていきたい領域です。足もとでは、すでに収益用不動産の販売が増えてきています。「資産対策として収益用不動産を買いたい」という需要が、富裕層の中で高まっているのが理由です。

弊社は住宅の販売が中心であり、収益用不動産の販売には力を入れていませんでした。そのため、弊社のお客様は他社で収益用不動産を買う必要があり、“質の低い物件”を買ってしまうケースがあったのです。

お客様に質の高い収益用不動産を提供したい」との思いから、弊社自身が収益用不動産を手掛けることにしました。お客様から「どういう物件が欲しいか」を聞き出し、それを反映させる仕組みです。リセールバリューが高く、お客様の満足度が高くなるように、弊社のデザイナーがカッコいい物件を作っています。

弊社が手掛けた収益用不動産は、その物件に賃貸で住んでいる人からも良い評判をいただいています。その結果、弊社の収益用不動産の取り扱いが増えています。収益用不動産は今後も成長余地が大きいと考え、力を注いでいます。

収益用不動産の評判

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 前期の実績は、収益商品の販売件数が12件、収益用不動産の売上高が34.4億円と開示されています。この数値を見て、1件あたりの売上高が大きいなと感じました。

岡田様 : 私もそう思います。ただし、業者やファンドが扱う“1棟あたり数十億円”の物件を狙っているわけではありません。弊社が主に扱うのは5億円程度の物件です。

「資産対策で収益用不動産を買いたい」という需要に応えるためには、富裕層が手を出しやすい価格帯にしなければいけません。これが“5億円”という水準なのです。現在の日本は「大相続時代」と言われており、収益用不動産の需要も高まっています。引き続き、このニーズがある領域を狙って事業を行っていきます。

IRTV : 一方で、最近『タワーマンションを使った節税対策にメスが入る※3』というニュースを目にします。この辺りは何か影響があるのでしょうか?

※3 タワーマンションを使った過度な節税を抑えるため、2024年から新しい対策が適用される見通しとなりました。対策適用後、タワーマンションの高層階などは評価額が高くなるため、相続税や贈与税の負担増加が見込まれています。

岡田様 : タワーマンションに投資しようと考えていた人たちが、弊社の収益用不動産に流れてくる可能性があります。むしろ、弊社には追い風かもしれませんね。

IRTV : そうなのですね。今後は売上高に占める収益用不動産の販売額の割合も高まっていくのでしょうか?

岡田様 : 売上高全体の30%程度、金額だと90億円を目途に伸ばしていきたいです。

エリア拡大について

IRTV : 中期経営計画では、いくつか成長戦略を掲げられていますね。その中で「エリア拡大」を挙げられており、杉並区・豊島区・中野区・文京区へと手を広げていくと書かれています。これらのエリアはどういった狙い目があるのでしょうか?

岡田様 : 弊社には、城南6区で培った「勝ち筋のモデル」があります。これを適用できるエリアを探したときに、杉並区・中野区・豊島区・文京区が挙げられるのです。

杉並区や中野区は、面積が広いうえに戸建住宅比率が23区内でも高いという点で、住宅事情が世田谷区に近似していると考えており、当社が取り組む住宅事業の市場として考えやすい市場です。また、豊島区や文京区は東京大学を始め、優秀な学校が多いのが特徴で、世界的に見てもこうしたエリアは住宅としての人気が高く、土地の価格が高くなり、かつ安定するという傾向にあります。

こういったエリアは、弊社にとって勝ちやすいエリアです。既存のエリアで売上を伸ばしながら、新しいエリアに進出して事業を展開しています。

ランディックスが勝ちやすいエリア

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 資料には「2023年3月期における不動産販売における売上高」が載っています。その中の「城南エリアを除く23区」の売上高は、2022年3月期は10.9億円でしたが、2023年3月期には30.0億円と、急激に成長していますね。

岡田様 : 大きく伸ばすことができました。売上高を成長させつつ、利益率も維持できています。

IRTV : 城南エリア以外の地域について、開拓余地はまだ残っているのでしょうか?

岡田様 : 開拓余地が沢山あるので、業績を伸ばしていけるでしょう。展開エリアの拡大は、中期経営計画を達成するための重要な柱となっています。

中古戸建バリューアップ事業

IRTV : 成長戦略のひとつに、「中古戸建バリューアップ事業」が挙げられています。中古マンションのバリューアップは増えていると感じていますが、中古戸建を対象にしたバリューアップを提供する会社はほぼ存在しませんよね。

岡田様 : おっしゃるとおりです。東京都内の高級住宅において、「中古戸建バリューアップ」でポジションを取っている会社はほぼありません

中古戸建バリューアップ事業の競合

(出典:IRTV for YouTube

岡田様 : 弊社のデザイン力や仕入力、富裕層の顧客ネットワークを武器に、中古戸建バリューアップの企業として地位を築いていきたいです。

IRTV : ありそうでなかった領域ですね。どうして他の企業は中古戸建バリューアップに手を出さないのでしょうか?

岡田様 : これは私の仮説なのですが、「ハードルの高さ」が原因だと考えています。

中古マンションは、内装のみをバリューアップすれば良いです。一方で中古戸建の場合、内装だけでなく躯体※4にも手を加えなければなりません。このため、参入する企業がほとんどいないのだと思います。

※4 躯体(くたい)とは、建物を支える骨組み部分を指します。基礎や基礎杭、壁、柱などが挙げられます。

IRTV : そういった理由から、ブルーオーシャンなのですね。

岡田様 : そうですね。うまくやれば、業界内で良いポジションが取れるのではないかと考えています。特に“1億円を超える価格帯”で中古戸建バリューアップを手掛ける会社はほとんどいないので、その領域で地位を築いていきたいです。

IRTV : 詳しい説明をありがとうございました。追加で気になったのが「別荘の開発」です。

岡田様 : 最近よくあるスタイルなのですが、「別荘を、自分が使いたいときに使い、使わないときは他人に貸して収益を得る」というスタイルに対応した商品を開発しています。別荘でありながら、収益用不動産としての一面も持っているのが特徴です。

別荘開発について

(出典:IRTV for YouTube

岡田様 : 弊社としては、別荘地として適した海や山が一望できる場所、湖畔などを選び、デザイン力を駆使したおしゃれな別荘を建てることで、弊社の顧客が欲しいと思える物件を提供できると考えています。

IRTV : お話を聞く限り、富裕層の顧客にぴったりですね。

岡田様 : ありがとうございます。

中国語自社サイトについて

IRTV : 中期経営計画の最後に、中国語の自社サイトをオープンしたと書かれていますね。

岡田様 : そうなのです。最近は中華系の富裕層が東京で不動産を買っています。これに合わせて、中国語のサイトをオープンしました。

コロナ禍を経て私が実感したのですが、東京の不動産に対する見方が変わりました。「日本の中の東京」から、「世界の中の東京」へと変化したのです。

東京の不動産に対する認識の変化

(出典:IRTV for YouTube

岡田様 : 不動産価格が上がって来ているので、「買いづらい」という意見もあります。しかし、海外の人々からすると割安感があるようです。為替のギャップもあるため、東京の不動産は海外からの注目度が高まっています。

物件の仕入について

IRTV : 不動産販売において「仕入」が大事ですよね。御社の仕入状況についてご説明をお願いします。

岡田様 : 仕入環境は“激戦”が続いています。そのような環境の中、弊社はお客様から「こういう不動産が欲しい」というデータを手に入れて積み上げている点が強みです。

IRTV : 不動産を仕入れたものの、売れ残って在庫として抱えてしまうこともないのでしょうか?

岡田様 : 競合企業と比べると、売れ残りが発生しにくいビジネスモデルです。

IRTV : お客様に「欲しい」と言われた物件を仕入れている状態なのですね。

岡田様 : おっしゃるとおりです。そのため、マッチング率がとても高い特徴があります。お客様に早く物件を提供できるのも利点です。

IRTV : 御社の特徴は「富裕層を沢山抱えていること」ですよね。それゆえ、土地を売りたい人にとって、“ランディックス社は土地を高く買ってくれる会社”という認識になっているのでしょうか?

岡田様 : まだそういった認識にはなっていません。将来的には、土地の売却先としてランディックスを第一想起してもらえるよう、さまざまな仕掛けを行っていきます。

将来の姿

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 将来的には、戸建住宅に向いた大きな土地を持っている人たちが、こぞってランディックス社に売却を持ちかけるようになるのですね。

岡田様 : そうなりたいです。土地の売主様に話を聞くと、「土地の売却後にどんな物件が建つのかも考えて、売り先を決めたい」という方が多くいらっしゃいます。そのため、「ランディックスが手掛けた土地にはカッコいい住宅が建っている」と思ってもらえるように意識しています。

IRTV : 仕入には課題があるものの、粛々と課題解決に向けて取り組んでいかれるのですね。

岡田様 : そうですね。仕入は弊社の肝となる部分なので、しっかりと取り組んでいきます。

IRTV : ランディックス社の今後に注目ですね。本日はありがとうございました。

ひっきー's Eye

指さしひっきー

ランディックス社の岡田代表との対談書き起こし記事、いかがでしたか?

ランディックス社の強みは、富裕層顧客を沢山抱えているところにあります。今後は、エリアや取扱商品の拡大を進めていく予定です。さらなる成長が期待できますね!

IRTVでは、このほかにも上場企業の経営者との対談動画をアップしています。企業の事業内容はもちろん、今後の成長戦略を読み解くヒントが沢山散りばめられているので、個人投資家のみなさまにぜひご覧いただきたいメディアです!

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ディスクレーマー

当記事では、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券およびその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく証券およびその他の金融商品に関する助言や推奨をするものではありません。また、個別企業の業績予想や株価予想、投資推奨を提供する予定はありません。投資判断等は、自己責任でお願いいたします。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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