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エル・ティー・エス【変革時代】企業が勝ち抜くために、今必要とされる人材とは?
エル・ティー・エス(6560)社長の樺島様が、コンサルティング業界の変遷と進化についてIRTV※1で解説しています。
※1 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。
この記事は、IRTVの動画内容を書き起こししたものです。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!
(出典:IRTV for YouTube)
コンサルティング業界
IRTV : この番組は、今注目されている業界にフォーカスを当て、業界の理解を深めていただく番組です。
今回のゲストをご紹介します。エル・ティー・エス(6560)より、代表取締役社長執行役員の樺島様にお越しいただきました。樺島様、よろしくお願いします。
樺島様 : よろしくお願いします。
IRTV : 近年、日本全体におけるDX※2化の加速に伴い、コンサルティング業界には追い風が吹いている状況です。そこで、長らく第一線でご活躍されている樺島社長をゲストに、業界の変遷と今業界で起きている変化、これからどこへ向かうのかについて、「過去・今・未来」の3つの軸でお話をうかがいます。
※2 DX(ディーエックス)とは、デジタル技術を活用して生活やビジネスを変革することを指します。
はじめに、エル・ティー・エス社の事業内容についてご説明をお願いします。
樺島様 : エル・ティー・エスは、2つの事業を手掛けています。1つは一社一社の変革やDXを支援する「プロフェッショナルサービス事業」、もう1つはIT業界全体をよりスマートにする仕組みを提供する「プラットフォーム事業」です。2つを両輪として、企業や業界の変化を加速させる支援をしています。
コンサルティング業界の変遷
IRTV : コンサルティング業界は、どのような変遷を遂げてきたのでしょうか。
樺島様 : 3つのフェーズがあったと言われています。フェーズ1は、いわゆるベストプラクティス、情報やナレッジをお客様である企業に教える段階です。ただし、ナレッジやベストプラクティスだけを知っていても、成果まで出す実行ができません。
樺島様 : このため、フェーズ2では成果を出す実行まで支援するようになりました。多くのコンサルティング会社がテクノロジーやオペレーション、アウトソーシングなど総合力を磨いていきました。
この10年は実行支援だけでなく、当初決めた計画を実行しても成果が出ない場合、途中で軌道修正しながら成果を出していこうという「アジャイル」のアプローチを取り入れていきます。
樺島様 : そして、今のコンサル業界が置かれているのがフェーズ3で、変化を前提とした支援をおこないます。真の総合力を備え、変化に対応し、共に歩いていくお客様のパートナーという関係が求められています。
IRTV : 業界の変化とともに、エル・ティー・エス社も変化を遂げてきたのでしょうか。
樺島様 : そうですね。弊社は創業して22年になりますが、我々が創業したときには「実行支援」という流れが業界ではじまっていました。
我々は実行支援で問題となっている、現場の社員さん向けの教育、新しい業務やシステムに慣れるためのサポートを「チェンジマネジメント」と呼び、数百を超える業務改革やIT導入プロジェクトを支援してきました。
また、プロジェクトを健全に立ち上げることが企業に求められるので、そのような立場での支援を手掛けるようになったのが2010年以降になります。
現在は、コンサルティング、エンジニアリング、人工知能(AI)、オペレーションなど支援の仕方が複合的になっているため、弊社は総合サービスに向かっている状況です。
IRTV : より企業の中に入り込むイメージでしょうか。
樺島様 : そうですね。これまでは、お客様からの期待値が明確なお題と計画があり、わかりやすい委任や委託の関係でした。現在はお客様とパートナーシップを結び、成果まで伴走するスタイルに変わってきています。
コンサルティング業界の展望
IRTV : コンサルティング業界の展望についてお聞かせください。
樺島様 : 業界の展望を考える前に、お客様である企業がどういう変化の中に置かれているのかを考える必要があります。その中で「変革の日常化」と、本当の意味での「内製化」が重要です。
樺島様 : 変革の日常化は、DXの波が来た結果加速しています。以前は10年に1回、5年に1回の大きな変革を成し遂げて、企業は競争力を維持してきました。今は日常的にさまざまなテーマで変革を企画推進する時代になっています。
その底流には、デジタルテクノロジーがあります。これは企業や社会、生活のあらゆる現場に浸透しています。従来のIT投資はテーマや頻度が限られていましたが、デジタルがあらゆるところに浸透しているため、企業の変革もデジタル抜きには語れません。さまざまな場所にデジタルがあるが故に、変革のテーマも多様になり、頻度も高まっている状況です。
樺島様 : 企業は、日常的にさまざまなテーマで変革をおこなっています。1つの大変革を支援するのではなく、日常的な変革をどう支援するかが、コンサルティングやIT業界の全プレイヤーが向き合っているテーマだと思います。
IRTV : これまで大規模な変革が多かったのは、なぜでしょうか。
樺島様 : 過去には、変革を必要としない時代がありました。従来の日本は、既存の仕組みや枠組みの中で抜群のパフォーマンスを発揮することが求められていました。既存の枠組みの中で活躍する人が、組織の中で出世していった時代です。
しかし、現在は既存の仕組みや枠組みが通用しないので、変えていかなければなりません。このため、「業績人材ハイパフォーマー型」よりも「変革人材トランスフォーマー型」のほうが求められている状況です。
以前は、既存の仕組みの大変革をおこなう頻度はそれほどありませんでした。その分、大変革に取り組む際は大きなプロジェクトとなったのです。
たった1つの変革を支援するだけでなく、健全な変革企画、計画推進を繰り返しながら、企業における変化対応力を上げていく支援をしようというのがエル・ティー・エスのコンセプトとなります。
このため、プロジェクト支援だけでなく、ビジネスプロセスマネジメントという技術をお客様にも使いこなしていただくための教育の支援など、さまざまな形でお客様の変化対応力向上に向けたサービスを充実させています。
ユニークなポジショニング
IRTV : 独自のポジショニングも強みとおうかがいしました。この点について詳しくご説明をお願いします。
樺島様 : エル・ティー・エスの特徴は、変革の企画段階からお客様と関わっていることです。変革を立ち上げる根っこの部分から相談に乗り、お客様と一緒に起案する立場で仕事をしています。
多くのコンサルティング会社様やIT、AI会社様は、立ち上がったプロジェクトを支援します。我々はその入口を押さえているところが強みです。
入口を押さえることができている理由は、ビジネスプロセスマネジメントやビジネスアナリシスに特徴を持ち、お客様もそこに期待して長いお付き合いをしているためです。
IRTV : とてもかんたんに言えば、最初から一緒にパートナーとして手掛けていくことでしょうか。
樺島様 : そうですね。創業22年目になりますが、10年、15年の間にあらゆるテーマで取引している既存のお客様がたくさんいらっしゃいます。
そして、お客様との人間関係だけでなく、お客様の事業と業務の構造を我々が理解しています。この部分のメンテナンスも支援しているからこそ、弊社に依頼していただけるという構造になっているのです。
IRTV : 過去に一緒に変革に取り組んだ歴史があるからこそ、また依頼したいと考えますよね。
樺島様 : はい。まちがいなく人間関係と業務理解がエル・ティー・エスの強みだと思います。
コンサルティング業界の使命
IRTV : 日本のデジタル競争力を上げていくことが業界の使命だと事前におうかがいしていましたが、その点についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
樺島様 : 事業の競争力を高めるためにデジタルテクノロジーを使うことを考えています。デジタルテクノロジーを使うためには、テクノロジーそのものの理解も大事ですが、自社の事業、ビジネスプロセス、課題、伸び代を十分に理解した上で、そこにどのような技術を使うかを考えることが重要です。
樺島様 : 日本企業はこの数年、特にコロナを経て自らの事業や業務を明らかにした企業様が一定数出てきています。確かにテクノロジーの活用は遅れ気味だと言われていますが、その分だけ先行事例が世の中に溢れています。
つまり、他社が失敗したことを失敗しないで、最短距離で利用できる時期なのです。課題ではありながら、今後の数年間で日本企業の競争力をさらに高められるのではと考えています。
デジタル時代を勝ち抜くために
IRTV : 「デジタル時代のベストパートナー」という表現が素敵だなと思いました。ここに込めた想いを教えてください。
樺島様 : 単純にデジタル化を支援するだけではだめです。今の時代は変化が早く、複雑な形で変化しています。その中で経営するのはとても大変です。
このため、ビジネスプロセスマネジメントやアジャイルを中心に置き、戦略やIT、組織改革、業務コンサルティング、テクノロジーといったさまざまなサービスが必要になります。
樺島様 : 資本市場の方からすると、「総合化していてわかりづらい」という評価もありますが、我々はこれが正解だと思っています。本来、コンサルティング業界は、景気が良いときも悪いときも、市場に追い風が吹いているときも逆風のときも頼られる存在です。
なぜなら、企業の課題はいつでも存在しているからです。グローバル化やローカル化、テクノロジーの波、業界の再編といったすべての波や風が、コンサルティングプレイヤーにとってはビジネスチャンスとなります。
しかし、現実は、プロジェクト予算が大幅に絞られ、コンサルティング業界の業績が大きく落ち込み、仕事が減ることがあるのです。したがって、こういったマイナスの影響を受けないようなビジネス運営をおこなわなければいけません。
それを実現するためには、業界全体の動向やテクノロジーの波、グローバル化の動向などをウォッチしつつも、お客様の置かれている状況や課題を正しく理解し、1番早く相談される、あるいはこちらから提案する関係性を作る必要があります。
樺島様 : デジタル時代のベストパートナーは、総合的なサービスに舵を切っている側面を持ち、起点は常にお客様の課題になります。お客様の課題は、良いときも悪いときも、どのような局面でも常に出てくるものなので、そこに対して応えていく姿勢も込めて言葉を作りました。
IRTV : 本日はエル・ティー・エス代表取締役社長執行役員の樺島様にお越しいただきました。ありがとうございました。
樺島様 : ありがとうございました。
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ディスクレーマー
当記事では、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券およびその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく、証券およびその他の金融商品に関する助言や推奨をするものではありません。また、個別企業の業績予想や株価予想、投資推奨を提供する予定はありません。投資判断等は、自己責任でお願いいたします。