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【新番組】マーケットエンタープライズ/リユース事業拡大と新中期計画について

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年10月23日

マーケットエンタープライズ(3135)代表の小林様が、最新トピックス新中期計画などについてIRTV※1で解説しています。

※1 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。

この記事では、IRTVの動画の書き起こしと、動画の内容を受けて当サイトの管理人ひっきーによるコメントを紹介しています。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!

(出典:IRTV for YouTube

事業内容

IRTV : 2023年8月14日に公表された「新中期経営計画」について詳しくお聞かせください。まずは、初めて見る人向けに、貴社の主な事業と業界動向について、かんたんにご説明をお願いします。

小林様 : 弊社は、ネット型リユースという事業を中心に、メディア事業モバイル通信事業を合わせた3セグメントを展開しています。

<事業内容>

事業内容

(出典:IRTV for YouTube

小林様 : まず、ネット型リユースの中の「個人向けリユース」というマーケットでは、『高く売れるドットコム』という名前で、インターネット経由を中心に、年間約46万件もの買取依頼をいただいています。店頭、出張、宅配買取という形で商品の買取をおこない、主にインターネットを中心に販売する事業を創業から展開しています。

その他に、「マシナリー」という事業は、農機具を中心に、個人、法人から不要になった農機具の買取をおこない、国内外、海外では81か国に商品を輸出している農機具のマーケットになります。また、「おいくら事業」というリユースプラットフォームを展開しています。

リユース事業の拡大

IRTV : 特に貴社の売上高および利益構成において、ネット型リユースが圧倒的に大きな割合を占めています。中古、2次流通市場は伸びているのでしょうか。

<リユース事業の拡大①>

リユース事業の拡大①

(出典:IRTV for YouTube

小林様 : マーケットがとても大きく、潜在需要は約44兆円にもなると言われています。日本は、1億2,000万人の人口を有する経済大国です。人口減少に伴って家庭に眠っているたくさんの不用品や“かくれ資産”が世の中に出てくるマーケットであり、今後大きく伸びていくとみています。

IRTV : メルカリやヤフーオークションなどのサービスがありますが、それでも多くのかくれ資産が眠っているのでしょうか。

小林様 : 当時は、インターネットがはじまった時であり、リユースのマーケットが拡大しました。ヤフーオークションのような形で流通額も9,000億円ほどに上っています。

当時、ネットオークションなどが出てきたことにより、リユースの店舗は縮小するのではないかとの見方もありましたが、実際は、ネットだけでなく店舗のマーケットも拡大しました。その後も、メルカリを含めたフリマアプリで若年層や女性がリユースを頻繁に利用するようになり、リユースの店舗や利用者が増え、さらに大きくなったというのが当時の流れになります。

<リユース事業の拡大②>

リユース事業の拡大②

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 一般的に、ネットが伸びるとリアルの店舗は縮小していくイメージを持ちますが、逆の流れになっているのですね。

小林様 : リユースはインターネットとの相性がとても良いほか、情報の非対称性※2がなくなることで、価格面においてわかりやすく、物をリユースで選んだ方が良いといった環境になってきています。

※2 情報の非対称性とは、利害関係当事者である人や機関が持っている情報に格差があることを指します。

さらに昨今のSDGs※3やサステナビリティ※4という流れもあり、持続可能な社会を目指す中で、消費者のリユースに対する抵抗感がまったく無くなってきていることも、リユース市場の拡大の大きな要因になっていると考えられます。

※3 SDGsは「Sustainable Development Goals」の略で、「持続可能な開発目標」ともいいます。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であり、17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
※4 サステナビリティとは、環境や経済などに配慮した活動をおこなうことで、社会全体を長期的に持続させていこうという考え方を指します。「Sustain(維持する、持続する)」と「Ability(~する能力)」を組み合わせた造語で、日本語では「持続可能性」と呼ばれます。

新中期計画

IRTV : 市場としては、とても大きな領域をターゲットにされているのですね。次に新中計についてです。元々発表されていた計画だと、2024年6月期を最終年度として売上高200億円、営業利益12億円を目標とされていました。

今期の売上高200億円は変わらず、営業利益は8億円でスタートし、最終年度となる2026年で売上高300億円営業利益20億円と、新たなフェーズを目指されています。

<新中期計画>

新中期計画

(出典:IRTV for YouTube

小林様 : 改めて軸足をネット型リユース事業に置き、再度投資を加速させて伸ばしていくメッセージを込めました。

IRTV : 気になる点は今期の利益着地です。元々、12億円の予想を8億円に修正しています。投資を中心におこなっていくとみていますが、小林社長より修正された意図をお聞かせください。

小林様 : 今期に入ってリリースを出していますが、「広島」に新しい拠点をオープンしており、大阪に関しましても「東住吉エリア」に新たに拠点を設けました。

<リユースセンターの新拠点を開設>

リユースセンターの新拠点を開設

(出典:IRTV for YouTube

小林様 : さらに、新しく東京の「錦糸町」により大きなコンタクトセンターを構えることも発表しました。本社自体も入居ビルの建て直しの影響で、移転が控えています。今後、会社全体としてさらに業績を拡大するために、さまざまな投資を前倒しで進めていく予定です。これと並行して、採用も加速させています。

短期的には利益水準が切り下がったように見えますが、長期的には着実に伸ばしていくという意思を明確に打ち出した形になります。

IRTV : 去年は品川や千葉に拠点を設けられましたね。今回、広島と大阪にも拠点を設けた背景や狙いは何でしょうか。

小林様 : 弊社は全国に需要があり、インターネット経由で年間46万件もの買取依頼をいただいています。その中で、どのエリアに拠点を構えれば、買取出張可能な範囲が広がり、店頭に持ち込まれる商品が増え、宅配の郵送料が安くなるのかなどを検討しました。今回、広島と大阪に拠点を設けることで、エリア上の制約があった地域に住んでいる顧客のもとへ訪問できるようになったと考えています。

IRTV : 広島と大阪の2拠点は今後、「買取戦略の肝」のエリアという認識でよろしいでしょうか。

小林様 : そうですね。全体としてリユース拠点は16になり、対応可能エリアが着実に埋まってきている状況です。

IRTV : 徐々に全国をカバーしつつあるのですね。

潜在市場の開拓

IRTV : 顕在市場はまさに氷山の一角で、潜在市場規模は44兆円にもなります。

<潜在市場の開拓>

潜在市場の開拓

(出典:IRTV for YouTube

小林様 : インターネットが登場し、私どもがネット型リユース事業をはじめた直後は、顧客から売却の仕方や金額について問い合わせを受けるケースが多く存在しました。しかし、リユース市場が成熟してきており、リユースに精通している方が一定数増えてきている状況です。一方で、リユースで売れる意外な商品といった情報を知らない方もいらっしゃいます。

私どもは宅配買取をおこなってきた歴史がありますが、それだけでなく、実際に顧客先へ訪問することで、潜在的な市場にアプローチできるのです。以上の理由から、今後も訪問買取に取り組んでいきます。

IRTV : 訪問するのとしないのとでは、まったく違うのでしょうか?

小林様 : 訪問すると、ファースト商材(=最初に売却しようと考えていたもの)だけでなく、顧客にとってもリユースできる、売れる商品を聞きやすい環境になるのです。近年は「断捨離」が話題になっていて、持ち物を減らす流れがありますよね。訪問を通じて「処分しようと考えていた物が売れる」ことを知り、驚かれるお客様が多くいらっしゃいます。

メディア事業・モバイル事業

IRTV : 新中計の業績において、これまで触れていなかったメディアとモバイルについて、お話を聞かせてください。特に「モバイル」は、着実に伸びている印象を持ちます。構成的にも大きな割合を占めており、今後も順調に推移していくという認識でよろしいでしょうか。

小林様 : そうですね。メディアについては、元々、弊社はウェブマーケティングに強い会社であり、個人向けリユースではインターネット経由で46万件もの買取依頼を受け付けています。そのような自社への買取依頼を受けるだけでなく、“さまざまな企業への送客ができるのではないか”という発想から、メディア事業をスタートしました。

現在展開している8メディアはしっかりと伸びている状況であり、高収益なモデルとして引き続き安定的に伸ばしていく方針です。

モバイル通信の個人向けWi-Fi端末を含めたWiMAXのマーケットは、インターネットがどこでも使えるようにインフラが整ったほか、容量を気にせず使い放題でインターネットを利用できるようになったことも、普及につながったと考えています。

<モバイル事業の伸び>

モバイル事業の伸び

(出典:IRTV for YouTube

小林様 : WiMAXのマーケットは、5Gの領域でも大きく伸ばせています。これから先に関しても、インフラが整備された状況であるため、新規の獲得契約の継続率の向上を着実に進めていく方針です。

マシナリーの見通し

IRTV : 最後に、マシナリーの今後の見通しをお聞かせください。

小林様 : マシナリーに関しましては、日本における農家の平均年齢が67歳であり、「離農」といって、農家を離れる人がとても多い状態です。

<農業人口の減少>

農業人口の減少

(出典:IRTV for YouTube

弊社顧客である個人からも年間で約1万2,000件の農機具の買取依頼を受け付けていますが、その内の9割が農家を辞める「離農」の人からの問い合わせになります。上場している企業の中で農機具に注目し、広く展開しているのは弊社だけであるため、マシナリーのサービスを全国で提案していく方針です。

現在、M&A※5も合計で3件実施しています。例えば、DMM.comから法人の買取に強い事業を買収しており、その後のPMI※6も順調に進んでいます。また、海外への輸出については、合計で81か国に農機具を出荷しており、円安の今がとても大きなターニングポイントになるとみています。

※5 M&Aは企業の合併・買収を指します。
※6 PMIとはM&Aの成立後におこなわれる統合プロセスのことで、Post Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)の頭文字を取った略称です。M&Aが成立した後、統合による効果の最大化を目的としておこなわれる一連のプロセスを指します。

IRTV : 国内で買い取った後、国内で再度売るのは需要があるのでしょうか。

小林様 : もちろんあります。中古住宅をリノベーションしたり中古車を使うのと同じで、新規就農者(新しく農業をはじめる人)にとって必ずしも農機具が新品である必要はありません。むしろ、国内外問わず中古の農機具を買う人が増えている状況です。

IRTV : 海外は今後大きく伸びるのでしょうか。

小林様 : そうですね。日本製の中古の農機具は「ユーズドインジャパン」と呼ばれており、性能がとても良くて長持ちすると評判です。現在は、北欧などのヨーロッパへの出荷が増えています。

<海外での農機具需要>

海外での農機具需要

(出典:IRTV for YouTube

小林様 : 基本的に、日本国内で使わなくなった農機具は、アジア圏の米を作っている場所に出荷することが多いです。しかし、小型のトラクターは小回りが利くため、ヨーロッパのワイナリーで使われるケースが増えています。

最近は、アフリカの大使館の方も弊社にいらっしゃいます。アフリカでは手作業で農業をおこなっている方がとても多くいることから、長期的に需要が見込めると考えています。

IRTV : 日本の中古車のように、国内外でニーズがあるのですね。

小林様 : おっしゃるとおりで、すべての需要に対応できないほどの大きなマーケットがあります。

IRTV : マシナリーは今後、貴社にとって軸となる重要なビジネスに成長しそうですね。

小林様 : そうですね。離農が進んでいるため、農機具の売却需要が続いていくでしょう。弊社が不要になった農機具を仕入れ、世の中に循環させていくことになります。

IRTV : 今回は2026年に向けた新中計についてお聞きしてきましたが、まずは今期(進行期)の売上高200億円、営業利益8億円を達成できるか注目していく形になりますね。

小林様 : そうですね、おっしゃるとおりです。今後、リユースのマーケットは潜在市場が大きいため、採用と拠点を含め、しっかりと投資をおこないながら、短期的だけでなく、持続可能な成長を続けていきたいと考えています。

IRTV : 投資家のみなさんにも、今期のマーケットエンタープライズ社に注目していただきたいです。本日はどうもありがとうございました。

ひっきー's Eye

指さしひっきー

マーケットエンタープライズ社の小林社長との対談書き起こし記事、いかがでしたか?

同社が発表した新中期経営計画では、軸足を「ネット型リユース事業」に置き、投資を加速させていく方針を掲げています。この事業の潜在市場規模は約44兆円であり、今後同社の持つ強みを活かして潜在的な市場にアプローチする計画です。今後の動向に注目ですね!

IRTVでは、このほかにも上場企業の経営者との対談動画をアップしています。企業の事業内容はもちろん、今後の成長戦略を読み解くヒントがたくさん散りばめられているので、個人投資家のみなさまにぜひご覧いただきたいメディアです!

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ディスクレーマー

当記事では、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券およびその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく証券およびその他の金融商品に関する助言や推奨をするものではありません。また、個別企業の業績予想や株価予想、投資推奨を提供する予定はありません。投資判断等は、自己責任でお願いいたします。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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