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【IRTV 9522】リニューアブル・ジャパン/東急不動産とリニューアブル・ジャパン南欧地域における再エネ推進に係る協定書締結について

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年11月6日

リニューアブル・ジャパン(9522)代表の眞邉様が、2023年10月11日に開示された「東急不動産とリニューアブル・ジャパン 南欧地域における再エネ推進に係る協定書締結」についてIRTV※1で解説しています。

※1 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。

この記事は、IRTVの動画内容を書き起こししたものです。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!

(出典:IRTV for YouTube

今回のリリースについて

IRTV : 本日は、2023年10月11日に公開された「東急不動産とリニューアブル・ジャパン 南欧地域における再エネ推進に係る協定書締結」についてお聞かせください。

眞邉様 : 今回のIRは、弊社はじまって以来のビッグニュースです。8月にリリースした決算動画「【IRTV 9522】リニューアブル・ジャパン/当期純利益は計画対比で2倍超」では、今期も半年が終わりビジネスは順調に進んでいること、これからの半年間は案件の売却に注力すること、事業は天候に左右されることをお伝えしました。

その他に、「スペインのビジネスに注目してください」ともお伝えしていました。たくさんの案件がある中で、これらに対応していくためには、私募ファンド※2を組成するか、共同パートナーを探さなければなりませんでした。逆にそれができると、たくさんの案件を捌くことができます。

※2 私募ファンドとは、投資家から資金を募って運用する事業の中で、資金を募る対象者が狭く限定されているものを指します。

そのような中、東急不動産様とパートナーを組むことになりました。東急不動産様と共に、2026年12月までの短期間(3年間)で1ギガワット(1,000メガワット)の開発を目指します。

<今回のリリースについて>

今回のリリースについて

(出典:IRTV for YouTube

東急不動産との関係について

眞邉様 : その数字がどういう意味を持つのか説明しますね。弊社は創業12年目になりました。日本で太陽光を中心に開発をおこなってきましたが、約12年の開発・取得実績が大体1ギガワットです。スペインでは3年間で1ギガワットの開発を実現するため、約4倍のスピードで事業を推進していくことを最大の目標にしています。

<東急不動産との関係について①>

東急不動産との関係について①

(出典:IRTV for YouTube

眞邉様 : スペインでの開発を実現した後に関しては、後でもう少し細かく説明しますね。話を戻して、東急不動産様について説明します。『SHIBUYA109』というビルの「109」は、『東急(とうきゅう)』という意味であることをご存じでしょうか。

IRTV : 知りませんでした。あれは語呂合わせだったのですね。

眞邉様 : 渋谷といえば、東急不動産様です。東急不動産様は日本を代表する不動産デベロッパーであると共に、実は再生可能エネルギーの分野で日本No.1になります。

おそらく、No.1からNo.3までは拮抗していますが、弊社と東急不動産様を合わせた場合、圧倒的なNo.1になるでしょう。東急不動産様は「WE ARE GREEN」のスローガンの下でテレビ宣伝をおこなわれていますが、日本でもヨーロッパでも「WE ARE GREEN」と宣伝してほしいと東急不動産様に申し上げています。

東急不動産様と弊社の関係についてご説明します。弊社株式は、私個人と資産管理会社が約4割を持っておりますが、東急不動産様は16.41%をお持ちです。私どもは資本業務提携をおこなっており、東急不動産様の「持分法適用関連会社※3」になります。平たく言うと親戚です。私どもが儲かった場合、東急不動産様も持分割合に応じた収益を得ることができます。

※3 持分法適用関連会社は、議決権保有比率が15%以上20%未満で、親会社の社員などが役員などに就任しているといった一定の要件に該当する会社を指します。

<東急不動産との関係について②>

東急不動産との関係について②

(出典:IRTV for YouTube

眞邉様 : また、東急不動産様の筆頭株主は東急電鉄様です。持分法を適用し、社外取締役も派遣していることから、親戚と言えますね。東急電鉄様、東急不動産様、そして弊社は親戚です。それだけ密な関係性を築いています。

東急不動産様とは、まず2017年に資本業務提携をおこない、その後資本業務提携を強化し、弊社が上場するときにも株式を追加取得していただきました。そして、出資割合15%以上をキープすることで、持分法を適用していく形にさせていただいています。

2017年当初、たくさんの案件を抱え、自社で捌ききれない状態でした。そこで、東急不動産様がパートナーとなったことで、自社だけでは対応がむずかしかった案件も対応できるようになりました。そして、同じような取り組みをスペインでおこなっていく方針です。

弊社は「O&M※4事業」にとても力を入れていますが、このビジネスにおける一番の取引先が東急不動産様になります。

※4 O&M(オペレーション&メンテナンス)とは、遠隔監視を通じた発電所運転状況の確認、現地の巡視点検、除草・除雪対応、周辺住民の窓口業務、主任技術者による保安管理、保安規定に定める年次点検など多岐にわたる業務を指します。

<東急不動産との関係について③>

東急不動産との関係について③

(出典:IRTV for YouTube

眞邉様 : 元々、弊社は外部向けにサービスを提供していなかった時期があり、ファンドなどを通じて自社で有しているもののみ対象としていました。その後、弊社が外部に対してO&Mのサービス提供をおこなった最初の取引先が、東急不動産様です。当初は大変でしたが、知識・ノウハウを蓄積し、現在はO&MでNo.1を目指せるまでに成長しています。

IRTV : ストックとしてかなり積み上がっていますね。

眞邉様 : 東急不動産様とは資本関係もありますが、さまざまな形で取引を拡大していくことで、弊社は益々成長していくことができます。今回、スペインにおいても同様に業容を拡大していけるでしょう。

中期経営計画のおさらい

眞邉様 : 私どもは、バランスシート(総資産)を使わないビジネス(循環モデル)を、海外でも活用する予定です。スペインではたくさんの案件がありますが、弊社のバランスシートに載せ続けるわけにはいかず、案件によっては売らなければなりません。利回りの高い発電所は弊社が有し、比較的利回りが低いものは売却することで、バランスシートをコントロールしていく方針です。ただし、利回りが低くても、一定の利益を確保できています。

主に高FIT※5の太陽光発電であり、含み益だけで100億円は軽く超えています。もしかしたら、200億円も超えているかもしれません。特に、太陽光発電所を購入する需要は強いです。私どもは発電所のみを売るのではなく、金融商品を作り上げ、その一部を投資家に持っていただき、AM※6とO&Mは引き続きおこなっていく仕組みになります。

※5 FIT(フィット)とは、再生可能エネルギー源(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を、国が定める価格で一定期間、電気事業者が買い取ることを義務付けることを指します。
※6 AM(アセットマネジメント)とは、再生可能エネルギー発電所の管理運営、収支管理、決算、税務業務、レポート作成、その他事務手続などを指します。

IRTV : スペインはずっと盛り上がっているということでしたが、パートナーが見つからなかったので大きく踏み込めなかったのでしょうか。

眞邉様 : そうですね。一部、自社で100%所有する発電所がありますが、それは限定的です。たくさんの案件を取り扱えないからです。もし今後、1ギガワットの発電所を自社で100%有する場合、バランスシートは倍になります。

IRTV : 4,000億円近くになりますね。

眞邉様 : そうすると、株式市場に対して約束したことと違うことが起きてしまいます。東急不動産様と共に出資し、弊社は少数割合を持つことで、東急不動産様から収益の一部をいただく流れを作りました。

IRTV : スペインでは貴社がO&Mを担うのでしょうか。

眞邉様 : スペインではO&Mをやりません。日本では同サービスで一番になりたいと考えていますが、スペインではO&Mに加え、太陽光発電所をつくるEPC※7もおこないません。開発をおこない、AMとIPP※8をおこなっていく予定です。

※7 EPC(イーピーシー)とは、E(Engineering・設計)、P(Procurement・調達)、C(Construction・建設)の頭文字を組み合わせた用語です。太陽光発電所などの設計・調達・建設まで一気通貫で請け負う契約のことを指します。
※8 IPP(アイピーピー)とは、「Independent Power Producer」の略語です。日本語では「独立系発電事業者」と呼ばれます。自社で発電設備を保有し、発電した電力を売っている事業者のことです。

IRTV : 販売益を継続して安定的に得るために保有しておくのですね。

眞邉様 : そうですね。1,700億円の総資産を維持することが、1つのポイントになるでしょう。スペインで発電所を開発し、その大半を東急不動産様に売ることでフロー収入※9が得られます。また、私どもは利回りの高い発電所を保有するため、ストック収入※10も増やすことができます。

※9 フロー収入とは、何らかの対価に応じて一時的に得られる収入を指します。
※10 ストック収入とは、継続的に収入が積み上がっていくタイプの収益を指します。

<中期経営計画のおさらい>

中期経営計画のおさらい

(出典:IRTV for YouTube

眞邉様 : 小さな案件でも数が増えてくると、利回りが低いものを売らなければなりません。そうすることで、全体のポートフォリオの平均利回りが上がり、フロー収入とストック収入の両方から収益を得られる好循環を生み出せます。

私どもはデベロッパーであるため、多くの開発案件をこなすことで、そのような好循環を生み出せるでしょう。そして、今回はスペインで大きな案件を獲得した形です。

IRTV : 今後は、ポートフォリオに占めるスペインの割合が増えていくイメージでしょうか。

眞邉様 : はい。

スペインの魅力

眞邉様 : 改めてスペインの魅力を申し上げますと、日本に比べて平坦な土地が豊富で、日射量は日本の1.5倍になるため、リターンが1.5倍になると見込めます。より早いスピードで成長可能です。このほか、コストが安いことも特徴として挙げられるでしょう。

<スペインの魅力①>

スペインの魅力①

(出典:IRTV for YouTube

眞邉様 : 現在、日本のNon-FIT※11は採算が見合わず、補助金頼りの状態ですが、スペインでは補助金に頼る必要がありません。

※11 Non-FIT(ノンフィット)とは、固定価格買取制度(FIT)に頼らない太陽光発電所を指します。「非FIT」とも言われます。

こちらの3件の発電所(21.6メガワット、7.9メガワット、5.4メガワット規模の発電所)は弊社が100%保有しており、設備容量は合計約35メガワットとなります。今後、さらに大きな案件を開発していく方針であるため、事業パートナーが必要となり、今回、東急不動産様と手を組みました。

<スペインでの事業実績>

スペインでの事業実績

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 累計2ギガワット以上の案件相談が来ているとのことですが、とても多くの案件がありますね。

眞邉様 : はい。2ギガワット以上の案件が来ていますが、東急不動産様と協定を結んだリリースを発表したことでさらに増えるかもしれません。私どもと東急不動産様との間で1ギガワットの開発をお約束しましたが、プロジェクトへの参画を望まれる会社が出てくる可能性もあるでしょう。そのような場合、現場には「1ギガワットではなく、2ギガワットやろう」と現場に指示しています。

スペインの状況は一過性のものではありません。政府は2030年に39ギガワットの開発を目指しているほか、2050年には再生可能エネルギー比率を100%にする目標を掲げているため、さらなる市場拡大も見込めるでしょう。なお、日本では2050年の再生可能エネルギー比率の目標を50~60%としています。

そのため、特に太陽光、風力をはじめとする再生可能エネルギー関連のビジネスは今後も良好な環境が続く見込みです。

<スペインの魅力②>

スペインの魅力②

(出典:IRTV for YouTube

眞邉様 : また弊社の特徴として、スペイン現地法人のスタッフ8名全員がスペイン人になります。代表取締役社長を務めるペドロさんは日本語を話せ、奥様は日本人です。スタッフのうち数名も日本語を話せます。

ペドロさんは、日本で太陽光を含めた開発をおこない、マネジメント経験も有し、かつ私の友人です。その彼が、私どものチームの一員としてスペインをリードしてくれています。

IRTV : スペインから多くの案件が来ている要因としては、ペドロさんの影響が大きいのでしょうか。

眞邉様 : 日本人と同様に、スペイン人も英語がさほど得意ではないようです。田舎へ行くとスペイン語のメニューしかなく、英語を話せない人も多くいるのではないでしょうか。

IRTV : ネイティブの人が入り込んでいかないと情報をキャッチできないという認識でよろしいでしょうか。

眞邉様 : もちろんそうだと思います。

IRTV : そうすると、スペインでのビジネスはペドロさんが生命線になっているのでしょうか。

眞邉様 : そうですね。「マンサナレス太陽光発電所」が、東急不動産様と共に購入する最初の案件です。東急不動産様が65%、弊社が35%の持分を有しています。世界最新式の技術となる「1軸追尾型のトラッキングシステム」を導入しました。

この技術は、コンピュータ制御でパネルが太陽を追尾するものです。これにより、発電効率が10%ほど上がります。また両面パネルを採用しました。これらの組み合わせが、世界で一番流行っている“最も効率の良い技術”と言われています。

<マンサナレス太陽光発電所>

マンサナレス太陽光発電所③

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : この技術は日本で導入されていないのでしょうか。

眞邉様 : 日本でもできますが、追尾型ではパネルが立ってくると、影が後ろ側に長くなりますよね。そうすると、その影に当たった後ろのパネルが機能しなくなります。

そのため、トラッキングシステムを採用する場合は、相応の“広く平らな土地”が必要になりますが、そのような広大な土地は日本にはほとんどありません。唯一、それに適した土地は「北海道」になりますが、雪が降るため発電効率が低下する可能性があります。スペイン以外にも南ヨーロッパや南米などでもできるでしょう。

<スペインの魅力③>

スペインの魅力③

(出典:IRTV for YouTube

眞邉様 : スペインの土地はほぼ平坦で、造成などをおこなわずに太陽光パネルが設置できます。日本でこのような発電所は見たことがありません。苫小牧では比較的平らな土地があり、FIT価格40円のときに太陽光発電事業を手がけていた会社が何社かありました。

<スペインの太陽光発電所>

スペインの太陽光発電所

(出典:IRTV for YouTube

眞邉様 : それでも、スペインの太陽光発電所ほど平らな土地に綺麗に設置されておらず、アレイ間※12も広がってしまっています。日本において同じ形でおこなうのはむずかしく、日本は日本ならではの工夫をしながら事業をおこなっていく必要があるでしょう。

※12 アレイ間とは、パネルの設置単位を指します。

最後に

眞邉様 : 最後に、今日のポイントになります。1つ目は、ようやくスペインで事業を拡大するためのパートナーが決まりました。2つ目は、3年間という短期間で1ギガワットの開発を目指すことです。現在の日本での事業の4倍になります。

そして、これらの施策を実施することで、バランスシートを入れ替え、フロー収入が大きく増えると共に、ストック収入も増えていく見込みです。これらにより、今後の業績も期待できると考えています。パートナーが決まったことから、あとは事業をやりきることですね。案件もたくさんあります。

<本日のポイント>

本日のポイント

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 中期経営計画の策定も控える中で、とても重要なリリースになりますね。引き続きリニューアブル・ジャパン社に注目していただければと思います。今日はどうもありがとうございました。

眞邉様 : どうもありがとうございました。

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ディスクレーマー

当記事では、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券およびその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく証券およびその他の金融商品に関する助言や推奨をするものではありません。また、個別企業の業績予想や株価予想、投資推奨を提供する予定はありません。投資判断等は、自己責任でお願いいたします。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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