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【IRTV 6031】サイジニア/連結子会社のネット広告サービス事業の事業譲渡に関するお知らせ

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年9月12日

サイジニア(6031)の山﨑社長が、2023年6月26日に開示された「連結子会社のネット広告サービス事業の事業譲渡に関するお知らせ」についてIRTV※1で解説しています※2

※1 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。

※2 今回の内容は、2023年6月27日にIRTVで公開された動画「【IRTV 6031】サイジニア/2023年6月26日の開示情報について」を深掘りしたものとなっています。

この記事では、IRTVの動画の書き起こしと、動画の内容を受けて当サイトの管理人ひっきーによるコメントを紹介しています。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!

(出典:IRTV for YouTube

事業譲渡に至った背景

IRTV : 本日は、2023年6月26日に開示された「連結子会社のネット広告サービス事業の事業譲渡に関するお知らせ」について詳しく話をお聞きします。

さっそく山﨑様に質問です。今回の事業譲渡に至った経緯を教えてください。

山﨑様 : ネット広告業界のトレンド変化が事業譲渡のきっかけです。具体的には、規制動向などの影響を大きく受けるようになりました。

この変化は、弊社の売上構成にも大きな影響を及ぼしています。前期の売上構成から説明しますと、ネット広告事業とCX※3事業で半分ずつとなっていましたが、今期はその構成に変化が起きています。

※3 CXとは、Customer Experienceの略語です。日本語では「顧客体験価値」と訳されます。マーケティングや経営戦略に関する用語で、商品やサービスを購入するまでの過程や使用過程などで、顧客が得られる体験や価値を指します。

第2四半期までは、ネット広告事業は計画どおり、CX事業は計画を少し上回る状況でした。一方で第3四半期に入ると、CX事業は計画を上回ったものの、ネット広告事業が計画を少し下回ったため、全体的に見るとマイナスのほうが大きくなりました。

こうした変化を受けて、弊社はネット広告事業から撤退し、成長性の高いCX事業に力を入れることにしました。その反面、事業譲渡の相手先のジーニー社は、弊社の事業を受け入れて“ネット広告業界でさらに規模を広げる”選択をされています。各社いろいろな舵取りがありますね。

サイジニアはCX事業に注力することを決断

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : IRTVで2023年4月28日にお伺いした「【IRTV 6031】サイジニア/今後に向けた事業戦略及び組織の再編の方針に関するお知らせ」でも、お話されていましたね。

山﨑様 : すでに第3四半期で減少傾向は見えていたので、そのときから「今後どう舵取りをするか」を考えていました。ジーニー社との間で話が進んだこともあり、事業譲渡を決定いたしました。

IRTV : 2023年5月15日に公表された「ZETAと株式会社ジーニーにおいて、これからのリテールメディア市場の開拓に向け業務提携」で、ジーニー社とZETA(ゼータ)社※4の業務提携が公表されました。今回の事業譲渡は、その延長線上にあるのでしょうか。

※4 ZETA社は、サイジニア社の子会社です。

山﨑様 : 延長とまでは言いませんが、関連性があります。ジーニー社は、今後「リテールメディア広告が伸びる」ことを期待してZETAのCX事業と提携しました。

その際、サイジニアの子会社であるデクワスも広告事業を持っているため、「ジーニー社とデクワスをどのように棲み分けをするのか」という課題がありましたが、今回の事業譲渡によって役割が明確化されたため、従来よりもしっかりと提携できるようになりました。なお、他社ではなくジーニー社を選んだ理由は、先ほど紹介したような業務提携の実績があり、折り合いが付きやすかったからです。

IRTV : デクワス社の事業とZETA社の事業を合わせると、ジーニー社のようになるのでしょうか。

山﨑様 : 規模としては、ジーニー社のほうが大きいです。弊社の広告事業の物足りなさを補うためにはジーニー社のような規模が大きな会社と手を組むのが重要だと考え、提携しました。

広告事業の物足りなさが改善

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 山﨑社長とジーニー社の工藤社長との接点を教えてください。

山﨑様 : もともと、工藤社長とサイジニアの吉井(代表取締役会長 兼 COO)との間につながりがあり、私につなげてもらいました。ジーニー社は、同じ広告業界に属する企業であり、ソフトバンク社から出資を受けている共通点があります。こういった背景から、工藤社長と吉井が接点を持っていたのです。

業績予想修正への影響

IRTV : 事業譲渡により業績も変化すると思われます。2023年6月26日に開示されていた「業績予想の修正に関するお知らせ」も、事業譲渡による影響が大きいのでしょうか。

山﨑様 : おっしゃるとおり、事業譲渡が関係しています。さらに、今回発表した業績予想の修正では、「レンジ※5」で予想を出しています。第4四半期でこのような内容を出すケースは珍しいのですが、事業譲渡がこのタイミングとなり予想するのがむずかしかったため、今回の判断に至りました。

※5 レンジ(range)とは、数値や分野などの範囲を表す英単語です。業績予想に幅を持たせることを指しています。

事業譲渡によって売上は落ちますが、利益は当初の計画を維持しています。今期の大きなテーマとして掲げていた「粗利益率の改善」に取り組み、当初の予定よりも改善できたことが理由です。

粗利益の改善への取り組み

(出典:IRTV for YouTube

山﨑様 : もちろん、上場企業の評価対象として「売上」が重視されることを理解しています。しかし、売上をなんとか維持するというのは、中長期的な観点で考えると賢明ではないと判断しました。今回は売上よりも利益を重視して、「事業構造と収益構造の転換」の両方を目指しました。

結果として、売上が当初の予想より下回ることが確実となり、業績予想の修正を発表することにしました。利益はレンジになっていますが、「据え置き」予想となっています。

IRTV : CX領域が今かなり伸びていますね。2023年3月15日に発表されたリリースでは『ZETA VOICE(ゼータ ボイス)』の投稿が900万件を超えています。

山﨑様 : かなり伸びています。もうすぐ「1,000万件突破」という発表もできる見通しです。

IRTV : これにより、今後は利益率が高まっていくのでしょうか。

山﨑様 : それも期待できますが、一番期待しているのは「クロスセル※6」です。検索・クチコミ・ハッシュタグを全部入れてもらうケースがかなり増えてきて、「取引額」や「1社あたりの受注額」が大きく伸びています

※6 クロスセルとは、商品の購入を考えている顧客に、関連商品をセットで購入してもらうことを指します。

事業譲渡による人事異動について

IRTV : 事業譲渡に関連していると思われますが、人事異動も同時に開示されていましたね。

山﨑様 : 今回、私が「取締役社長 兼 CEO」に、吉井が「代表取締役会長 兼 COO」となる人事異動を発表しました。この背景をかんたんに説明します。

前期(18期)のサイジニアでは、ネット広告事業とCX事業があり、子会社のデクワスがネット広告事業、子会社のZETAがCX事業を担い、サイジニアとデクワスの代表取締役が吉井、ZETAの代表取締役が私という形で経営していました。今回ネット広告事業を譲渡したので、「来期(19期)以降の役割分担をどうしていくか」が大きなテーマでした。

サイジニアは、創業から吉井がずっとやってきているので、過去の経緯等も含め熟知しています。私は事業面や経営の舵取りに専念して社内オペレーション部分は吉井に切り盛りしてもらうことにしました。

事業譲渡による人事異動

(出典:IRTV for YouTube

山﨑様 : “代表取締役会長 兼 COO”と、“代表権のない取締役社長 兼 CEO”という役職は変ですよね。しかし、グループの事情を考えると、この役割分担が今後の成長のために最も望ましいという結論に至ったのです。

IRTV : お話を聞くと、バランスが取れた役割分担になっていると感じました。

山﨑様 : この人事異動によって、社内の意思決定がかなりスピードアップしました。

株主への配当を開始

IRTV : 2023年6月26日に開示された「2023年6月期配当予想の修正に関するお知らせ」は、投資家や株主からすると大きなニュースです。

山﨑様 : 今回、配当の開始を決定しました。前期に9.9億円の自社株買いをおこなったので、剰余金の余力はかなり使ってしまっています。しかし、弊社として「今後もっと配当を出していきたい」という姿勢を打ち出すためにも実行いたしました。

今後、ZETAが収益の大部分を担っていきますが、「ストック事業※7」ということもあり多額の投資を必要としません。このため、株主還元をおこなうと宣言し、特定相手の自社株買いだけでは株主還元のインパクトが薄いと考え、「配当の開始」を決めたのです。

※7 ストック事業(ストックビジネス)とは、契約によって継続的に収入を得るビジネスモデルのことです。毎月利用料を徴収する電力会社や、毎月会費を徴収するフィットネスジムが身近な例として挙げられます。

株主への配当を開始

(出典:IRTV for YouTube

山﨑様 : この発表を受けて、周りからは「配当の原資は本当にあるのか?」と質問を受けましたが、配当の原資は確保できています

IRTV : 配当の件は、山﨑様が決められたのですか?

山﨑様 : 前期中に、今期から配当を開始するべきではと話し合い、スムースに意見がまとまりました。

IRTV : 注目もされていますね。

山﨑様 : 株主還元を宣言しても、実行しなければ意味がありません。配当開始は、有言実行の姿勢を投資家のみなさまにお見せする目的もあります。投資家のみなさまに、「自社株買いだけでなく配当も出すのだから、今後の業績が期待できる」と思っていただけるとうれしいです。

今後の業績見通しに関して、現在は利益率を高められるよう、さまざまな取り組みをおこなっています。今回、事業譲渡によって売上高が減少しましたが、この部分だけを切り取ってネガティブな評価をされないよう、IR活動をがんばっていきたいと思います。

IRTV : ここでお話いただいたことは、基本的にすべて実現されているので、期待が持てますね。投資家のみなさま、今後もサイジニア社に注目していきましょう。本日はありがとうございました。

ひっきー's Eye

指さしひっきー

サイジニア社の山﨑社長との対談書き起こし記事、いかがでしたか?

事業譲渡の背景や社内の経営体制の整備について、理解が深まる内容でしたね!今回発表された業績予想の修正では、売上高が減少した一方、利益は計画どおりとなる見通しです。粗利益率の改善に取り組み、想定よりも速いペースで改革が進んだことが関係しています。同社の収益性がどのように改善していくのか、注目していきたいですね!

IRTVでは、このほかにも上場企業の経営者との対談動画をアップしています。企業の事業内容はもちろん、今後の成長戦略を読み解くヒントがたくさん散りばめられているので、個人投資家のみなさまにぜひご覧いただきたいメディアです!

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ディスクレーマー

当記事では、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券およびその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく証券およびその他の金融商品に関する助言や推奨をするものではありません。また、個別企業の業績予想や株価予想、投資推奨を提供する予定はありません。投資判断等は、自己責任でお願いいたします。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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