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【IRTV 5071】ヴィス/統合報告書について
ヴィス(5071)の金谷代表が、2023年7月19日に開示された「統合報告書※1」についてIRTV※2で解説しています。
※1 統合報告書とは、企業の売上高や利益、資産など法的に開示が定められた財務情報に加え、企業統治や知的財産などの非財務情報をまとめたものを指します。
※2 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。
この記事では、IRTVの動画の書き起こしと、動画の内容を受けて当サイトの管理人ひっきーによるコメントを紹介しています。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!
(出典:IRTV for YouTube)
統合報告書を出したきっかけ
IRTV : さっそくですが、なぜこのタイミングで統合報告書を発表されたのでしょうか。
金谷様 : 弊社は25年の節目を迎えるとともに、新型コロナをきっかけに、「オフィスデザイン」から「ワークデザイン」へとビジネスモデルを拡大させ、会社を変革してきたタイミングになります。弊社がこれから目指す方向を、過去を振り返りながら体系化していくタイミングと考え、その時期に統合報告書をまとめました。
<統合報告書を出したきっかけ>
(出典:IRTV for YouTube)
IRTV : 統合報告書8ページを見ると、売上高が継続して増加して好調ですね。
<売上高の推移>
(出典:ヴィス 統合報告書[PDF])
金谷様 : ありがとうございます。リーマンショックの影響を受け、一時(2010年度)減少した時期もありました。
IRTV : そうですね、ただ、基本的には右肩上がりで拡大していますね。
金谷様 : 統合報告書8ページのグラフのオレンジ部分は、オフィスデザインの実績数になります。累計なので右肩上がりに伸びていますが、これは顧客数が増え、 弊社も着実に成長した結果と見ています。
価値創造プロセスについて
IRTV : 統合報告書9ページの価値創造プロセスの項目についてお聞かせください。昨今、ほとんどすべての経営者が人的資本、つまり労働人口が減少する中でいかに人材を確保していくか悩まれており、なかでもオフィスはその中心的な分野と言えます。
<価値創造プロセス>
(出典:ヴィス 統合報告書[PDF])
金谷様 : そうですね。人的資本の中で優秀な人材を確保することにおいて、オフィス市場はコストを投じて体感しやすい分野になっています。最近は働き方改革の追い風も相まって、人材投資をおこなう企業が増えています。
IRTV : コロナの時期は、一時オフィスは不要という話になりましたが、再び出社する方向にシフトしているように感じますがいかがでしょうか。
金谷様 : その点は非常に感じており、オフィスへの出社を望む経営者の方が多いです。
一方、従業員はハイブリッドな働き方を導入することで、オフィスワークのメリットを得ながら、一定程度テレワークを活用し、ウェルビーイング、つまり健全な精神を持ち、身体的なストレスから解放され、健全に働ける状態になるという考えを持っています。
ハイブリッドな働き方は従業員から非常に高い支持を得ていますが、経営者はできる限りオフィスに戻ってきて一緒に仕事をしたいという感覚を持っているため、両者のギャップがおもしろいと思います。
<社員の方はハイブリッドな働き方をうまく活用したい人も多い>
(出典:IRTV for YouTube)
IRTV : 出社したいと思わせるようなオフィスにしなければ、従業員にオフィスへの出社を強いることはむずかしいということですね。
金谷様 : はい。そうですね。オーダーをいただくオフィスの多くは、従業員に出社したいと思わせるオフィスをつくりたいというものです。
<社員が来たくなるオフィスをつくりたい企業が増加>
(出典:IRTV for YouTube)
金谷様 : オフィスには仕事以外にも体験できる価値が多くあります。旅行は時間をかけてその地にいくことで体験を得られるように、オフィスに行くことが価値ある経験になり、コロナをきっかけとしてオフィスの体験価値が注目されています。経営者は、従業員がオフィスへ戻り、生産性の高い仕事をしてほしいという思いを持つため、オフィスに投資する流れも戻ってきています。
データソリューションについて
IRTV : データソリューションの分野も、人的資本に大きく関係してきますが、いかがでしょうか。
<データソリューション>
(出典:ヴィス 統合報告書[PDF])
金谷様 : 弊社が手掛けているデータソリューションは、勤務実態を把握したうえで、今後のオフィス戦略を提案しています。具体的には、定性的な過去の経験や感覚を利用するのではなく、データに基づいて次は倍にする、もしくは2分の1に減らしても稼働できるといったような提案をおこなっています。
従業員の勤務状況を可視化し、オフィス、企業カルチャー、仕事へのやりがいといったものを定量的に把握しながら、データに基づくコミュニケーションツールとして活用していただけます。
<データソリューションについて>
(出典:IRTV for YouTube)
IRTV : 基本的に貴社のビジネスモデルは時流に乗っているとの印象を受けます。
金谷様 : そうですね、オフィスデザインという分野は、空間デザインであり、モノ作りになりますが、私はコト作りだと思っています。物体を作って終わりではなく、そこで働く人々が生産性につながる動きをし、コミュニケーションを活性化し、刺激をもらい成長していける場がオフィスだと考えているからです。
それらの点も踏まえ比較提案をおこなっていくという思いもあり、「オフィスデザイン」から「ワークデザイン」へと領域を変えました。オフィスを単純に作っている企業にとって現在の市場環境は追い風ではないのかもしれませんが、オフィスを作ることが従業員のエンゲージメントを高める動きにつなげられれば、その環境は追い風になると思います。
IRTV : 人材にフォーカスする場合、貴社はオフィスという側面からを支援する位置付けですね。
ESGの取り組みについて
IRTV : 後半は統合報告書の中の「ESG※3」についてお聞かせください。
※3 ESGとは、環境(E: Environment)、社会(S: Social)、ガバナンス(G: Governance)の英語の頭文字を合わせた言葉です。企業が長期的に成長すべく、ESGの視点から経営をおこなっていく必要性が高まっています。
IRTV : 貴社の場合、比重としてはSが大きくなるかと思いますが、Eのところでは、どのような取り組みを実践されていますでしょうか。
金谷様 : まず社内でプロダクト開発をはじめ、自社でデザインした家具に国産の木材を100%使用しています。木材が使われないと、森林も活性化していかないため、弊社が国産の木材を使うことで“森林の活性化”に貢献できるという目的があります。さらに、木材を利用した家具を利用することによって、“一定の二酸化炭素の固定化”につながります※4。環境保護の側面からもプロダクトの開発に取り組んでいます。
※4 家具に利用されている木材は、1㎡当たり約0.6t-CO2 の二酸化炭素を固定していると言われています。
<ESGの取り組みについて>
(出典:IRTV for YouTube)
人的資本経営について
IRTV : 一番比重の大きいSのところでは、貴社は1人1人の方が非常に生き生きと働いているように見えますがいかがでしょうか。
金谷様 : 前提としてフィロソフィーがあり、「はたらく人々を幸せに。」というパーパス※4に共感したメンバーが集まっていることが大きいです。活動を広げるための1人1人のメンバーであり、常に主体的に活動する理念経営※5を実践し、それらの価値観、考え方が浸透していると見ています。
※4 パーパスとは企業の存在意義を指します。
※5 理念経営(ビジョナリー経営)とは、経営理念を基軸とし、その実現を目指す経営手法を指します。
<人的資本経営について>
(出典:IRTV for YouTube)
ガバナンス体制について
IRTV : 昨今、ガバナンス関連のニュースや事件が多いですが、貴社のガバナンスはいかがでしょうか。
金谷様 : 倫理感を持つ、何が正しいか常に考えるといったことはクレド※6の中にもあります。「損得ではなく善悪の価値観で物事を考える」という理念が浸透しており、ガバナンス体制の構築に加え、高い倫理観の醸成に取り組んでいます。
※6 クレドとは、企業全体の従業員が心がける信条や行動指針を指します。
<ガバナンス体制について>
(出典:IRTV for YouTube)
IRTV : 以前中村会長も発言されていましたが、これまで、貴社のように働く人を幸せにするため、オフィスをデザインするという考え方はほとんど見られなかったと思います。貴社はその考えの下でオフィスデザインを着々と手がけるなか、その理念やビジネス手法に近づきつつある市場環境になってきた印象があります。
金谷様 : そうですね。「はたらく人々を幸せに。」という弊社のパーパスが作られたのが、十数年前になります。事業をスタートした時にはこの言葉はありませんでしたが、オフィスを洗練された空間にすることで、従業員が喜んでくれることは確実に感じていました。その後、働く人々を幸せにする世界を作ろうという考えを持ちました。現在のマクロ環境を見ると、労働人口が大幅に減少するなか、各企業が優秀な人材を確保していかなければなりません。
また、確保したら今度は維持する、まさに人的資本経営になります。社会が変化することで、企業が抱える課題に弊社の取り組みがつながってきた、と統合報告書をまとめる段階で確信しました。
IRTV : 投資家の方々は引き続きヴィス社に注目していただければと思います。今日はどうもありがとうございました。
ひっきー's Eye
IRTVでは、このほかにも上場企業の経営者との対談動画をアップしています。企業の事業内容はもちろん、今後の成長戦略を読み解くヒントがたくさん散りばめられているので、個人投資家のみなさまにぜひご覧いただきたいメディアです!
ディスクレーマー
当記事では、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券およびその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく、証券およびその他の金融商品に関する助言や推奨をするものではありません。また、個別企業の業績予想や株価予想、投資推奨を提供する予定はありません。投資判断等は、自己責任でお願いいたします。
ひっきー
ヴィス社の金谷代表との対談書き起こし記事、いかがでしたか?コロナ禍をきっかけにオフィスの在り方が変わったのだと実感しますね。金谷代表がおっしゃるように、従業員のエンゲージメントを高める役割をオフィスが担う時代だと考えると、今後のヴィス社の成長がとても楽しみです!