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【IRTV 5071】ヴィス/「ワークデザインプラットフォーム」の活用事例(東京オフィス移転を事例として紹介)

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年11月2日

ヴィス(5071)代表の金谷様と執行役員兼「ワークデザインプラットフォーム」※1開発責任者の小川様が、2023年9月に移転した同社の東京オフィスにおける同プラットフォームの活用事例についてIRTV※2で解説しています。

※1 2023年4月に同社が発表したワークプレイスにおけるデータを可視化するプラットフォーム
※2 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。

この記事は、IRTVの動画内容を書き起こししたものです。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!

(出典:IRTV for YouTube

オフィス移転の背景

IRTV : 本日は、ヴィス(5071)の金谷社長と執行役員兼ワークデザインプラットフォーム開発責任者の小川様にお越しいただきました。よろしくお願いします。

金谷様小川様 : よろしくお願いします。

IRTV : 9月19日にオフィスを移転されたことは、個人的に衝撃的なニュースとなりました。移転を決められた背景をお聞かせください。

金谷様 : これまで利用していたオフィスは2フロアに跨っており、営業・プロジェクトマネージャーのフロアとデザイナーのフロアがわかれてしまっていました。そこで生じていたコミュニケーションロスを解消する目的があります。

<オフィス移転の背景①>

オフィス移転の背景①

(出典:IRTV for YouTube

金谷様 : また、東京オフィスが早いスピードで成長してきたため、オフィス事業の提案をしているにも関わらず、東京オフィスの社員の半分以上が自社のオフィス移転の経験がありませんでした。前オフィスへ入居してから7年が経ちましたので、全体のベースアップのためにもオフィスを移転し、顧客に提案できる新しいスタイルを模索していこうと考えています。

IRTV : とても洗練されたオフィスですね。

<オフィス移転の背景②>

オフィス移転の背景②

(出典:IRTV for YouTube

金谷様 : ありがとうございます。エントランスはとても開放感があり、CSR※3の一環で「サステナビリティ※4」にも配慮したオフィスに仕上がりました。木材に関しては、社員が自ら奥多摩で伐採した国産の木材でテーブルを作っています。他にも、間伐材を加工した本棚などを作りました。この体験を通じてサステナビリティの知見や関心を高めることもできました。

※3 CSR(しーえすあーる)とは、「Corporate Social Responsibility」の略語です。企業活動において社会的公正や環境などに配慮し、従業員や投資家などの利害関係者に対して責任ある行動を取り、説明責任を果たすことを指します。
※4 サステナビリティとは、環境や経済などに配慮した活動をおこなうことで、社会全体を長期的に持続させていこうという考え方を指します。「Sustain(維持する、持続する)」と「Ability(~する能力)」を組み合わせた造語で、日本語では「持続可能性」と呼ばれます。

IRTV : サステナブルな取り組みだけで1時間ぐらいの動画が撮れそうですが、それでは本日の本題に移りましょう。

金谷様 : はい、今日は「東京オフィス移転におけるワークデザインプラットフォームの活用事例」について、小川と共にご説明します。

IRTV : 中村会長と金谷社長からこのサービスの内容はお聞きしていましたが、今回初めての事例になりますね。小川様より貴社自らで活用した流れをお聞かせください。

ワークデザインプラットフォームの活用の流れ

小川様 : 通常のオフィス移転は、前回の事例から予測して同じような形式になることが多いです。しかし、現在は(出社とテレワークの)ハイブリッド形式で働いていたり、働く場所自体に個性を出していったりしなければなりません。

その際は、トレンドなどの曖昧な環境設定ではなく、数値化して分析・構築をおこなっていく必要があります。今回、我々が作ったプラットフォームを活用しながら、前提条件となるものを分析するところから着手して移転プロジェクトを進めました。

<ワークデザインプラットフォームの活用の流れ①>

ワークデザインプラットフォームの活用の流れ①

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : これまでのオフィス移転の中でも革命的なものになるでしょうか。

金谷様 : 従来は属人的、つまり各デザイナーの経験に基づくオフィスの提案をおこなっていました。例えば、席数やオフィスの広さの提案、それ以外にも業種や企業文化に合わせてコミュニケーションの場としてBARを作る提案などは、デザイナーの経験に基づいています。現在は、これまでの経験的なものを数値化して再現性を担保できるようになっています。そういった意味では、革命というよりも、これまで集めたデータを整理し、再抽出した形と言えるでしょう。

<ワークデザインプラットフォームの活用の流れ②>

ワークデザインプラットフォームの活用の流れ②

(出典:IRTV for YouTube

小川様 : ワークデザインプラットフォームは、出社率の最大値や最小値、平均値などを、日割りだけでなく時間単位で把握できるため、より詳細な分析をおこなえます。例えば、日中は営業職の人が外出している関係で、オフィスの稼働率が下がっていることが見えてくるのです。いままでは社員数分の席数を用意するのがスタンダードでしたが、時間帯によるオフィス稼働率を踏まえて席数を最適化することも、考え方としてできるようになりました。

<ワークデザインプラットフォームの活用の流れ②>

ワークデザインプラットフォームの活用の流れ②

(出典:IRTV for YouTube

小川様 : また、働く場所を考えたときに、必ずしも執務デスクがなければいけないかというと、そうではありませんよね。「ABW※5」のような考え方の下、作業内容に合わせた場所で働くほうが生産性を高められると言われているため、執務デスクとタッチポイント※6として最適なワークプレイスを導き出せます。

※5 ABW(えーびーだぶりゅー)とは、「Activity Based Working」の略で、そのときどきの仕事の内容に合わせて働く場所を自由に選ぶ働き方を指します。
※6 タッチポイントとは、関われる場所、交流できる場所を指します。

ワークプレイスを検討する際には、現状のオフィスの席数と出社率を基にします。例えば、弊社では現在の出社率が60%となっていますが、「出社率を高め、皆で集まって働こう」という思いがあるため、出社率は80%を目安に考えています。また、増員も考えているので、余裕を持たせて(下の表の)「PLAN」と書いてあるところの数値にしようと考えました。

ワークスペース 現オフィス WDP
(出社率60%想定)
PLAN
執務室デスク 121 73 90
タッチポイント 154 198 217
小計 275 271 307

IRTV動画内に登場する「ワークデザインプラットフォームの活用事例(プログラミング)」スライドを基に当社作成

金谷様 : この結果、オフィスの面積を大きく変えなくて済みました。

<ワークデザインプラットフォームの活用の流れ③>

ワークデザインプラットフォームの活用の流れ③

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : オフィス移転に伴う一番のコストインパクトは家賃です。オフィスの面積を変えずに済んだことで、コストをだいぶ削減できていますね。

金谷様 : はい。従来のオフィス拡大の想定に比べて費用を削減できていることに加え、グレードの高いビルに引っ越すことができました。ワークデザインプラットフォームを活用することで、規模だけでなく環境のグレードなどにも注目できるような課題を抽出する分析をおこなえます。すべての企業が対象ではないですが、データを分析することで、ある程度の確信をもってオフィスを移転できました。また、当社が運営するフレキシブルオフィス『The Place(ザ プレイス)』を展開し、サテライトオフィスとしても提案していく計画です。

移転前後の状況

IRTV : 「オフィスの移転前後の満足度」を可視化するのは画期的ですね。

小川様 : この取り組みのポイントは継続的にサーベイを実施することで、ビフォーアフターのデータを分析できる点です。オフィス移転前にアンケート調査などで現状を数値化すると共に、移転後の数値の変動に関する検証を今回初めておこないました。これにより、改善箇所や課題箇所を把握できます。

<移転前後の状況①>

移転前後の状況①

(出典:IRTV for YouTube

金谷様 : 数値化することによって、移転プロジェクトに関わる管理・総務系社員の評価を定量的に把握できるようにもなりました。

IRTV : オフィスの移転後に数値が低下している項目(ウェルビーイング※7・エンゲージメント・やりがい)があります。

※7 ウェルビーイングとは、個人が肉体的・精神的・社会的に満足している状態を指します。

金谷様 : 移転直前までは日々の業務と移転準備で忙しくなり、「ウェルビーイング」などの項目の数値が低下しました。一方で、「プレイス」と「スタイル」の数値が大きく上がっています。移転初日には多くの社員が朝早い時間に出社し、新しいオフィスを見て回っていたほどです。移転に伴う忙しさから解放されることで、今後「ウェルビーイング」などの数値も上がってくるでしょう。

小川様 : また、移転に伴うデータを確認することで、今後数値が上がるものや変わらずに課題として顕在化してくるものがわかります。そして、顕在化した課題解決に向けて取り組むことが企業の成長につながるでしょう。数値化して分析することで、良いことも悪いことも受け止めることができます

<移転前後の状況②>

移転前後の状況②

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : データを分析することで、継続的に改善をおこなっていくことになりますね。

金谷様 : 実際の数値や現場からの声をもとに、業務分担に向けたミーティングや労働時間を改善する仕組み作りなどの動きが出てきており、ワークデザインプラットフォームが役に立っている状況です。

IRTV : 継続的に課題箇所を把握し、将来的にその課題解決につながるツールを開発して提供していくお考えはありますでしょうか。

金谷様 : そうですね。今後は分析に合わせたソリューションを作って提供していく方針ですが、現在はさまざまな専門家を紹介する予定です。

顧客への新しい価値提供

IRTV : 下のスライドのとおり、とてもデータドリブン※8な移転ですね。

※8 データドリブンとは、売上データやマーケティングデータ、WEB解析データなど、データに基づいて判断・アクションすることを指します。

<データを用いた分析による新しい価値を提供>

データを用いた分析による新しい価値を提供②

(出典:IRTV for YouTube

小川様 : はい。従来は総務部門と経営者がオフィスを決めていましたが、コロナを機に全社員が「働くこと」に意識を強く持つようになっているため、データを用いた分析による新しい価値を提供することが求められています。

金谷様 : このようなデータドリブンの価値提供により、今までと異なる顧客層、つまり成長ベンチャーだけではなく大手企業からもワークデザインプラットフォームに関心を持っていただけている状況です。例えば、少しオフィスの面積を小さくして、家賃のコストを下げながらも働きやすいオフィスを作るという課題を解決するため、このツールを活用したいという声を最近よくいただいています。

今後の展開

小川様 : 誰がどこにいるかを把握するようなアプリはたくさん出てきていますが、私たちが作っているのは、ただ分析するだけでなく、「いかにして課題を解決していくか」を把握するためのツールです。悩みを解決して、最適な状態にしたいという思いがあります。

<今後の展開①>

今後の展開①

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : オフィス移転後も、新たな課題解決に向けて関係性が継続することで、ビジネスチャンスが広がりそうですね。

金谷様 : はい。ワークデザインのフローにおいて、デザインの上流から参画し、その後アップデートしていくことで継続的な価値提供をおこなえます。そのため、一つ一つの移転は1回限りのショットに見えますが、継続的に取引する流れを作れていると言えるでしょう。年々、既存企業からの売上が高まっていく戦略を採っています。

IRTV : おもしろい戦略ですね。今回はヴィス社自身の事例でしたが、第2弾、第3弾の動きはありそうですか。

金谷様 : そうですね。複数社がこのワークデザインプラットフォームを活用し、オフィスを改革するプロジェクトを進めています。

<今後の展開②>

今後の展開②

(出典:IRTV for YouTube

IRTV : 今後も投資家のみなさんには、ヴィス社の動きに注目していただきたいです。本日はどうもありがとうございました。

金谷様小川様 : ありがとうございました。

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当記事では、筆者独自の見解を述べることがありますが、証券およびその他の金融商品の売買や引受けを勧誘する目的ではなく証券およびその他の金融商品に関する助言や推奨をするものではありません。また、個別企業の業績予想や株価予想、投資推奨を提供する予定はありません。投資判断等は、自己責任でお願いいたします。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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