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ヴィス【中期経営計画初年度進捗状況】VISION 2030へ「ワークデザイン」を推進
ヴィス(5071)代表取締役社長の金谷様が、中期経営計画の進捗についてIRTV※1で解説しています。
※1 IRTVとは、IR Robotics社が運営する“投資家と企業をつなぐ上場企業のIR動画メディア”です。決算情報から事業モデル・経営戦略・成長可能性まで、トップ自らがわかりやすく、かつタイムリーに解説しています。
この記事は、IRTVの動画内容を書き起こししたものです。動画の内容を文字で確認したいときに、ぜひご活用ください!
(出典:IRTV for YouTube)
中期経営計画の概要
IRTV : 本日はヴィス(5071)より、代表取締役社長の金谷様にお越しいただきました。よろしくお願いします。
金谷様 : よろしくお願いします。
IRTV : さっそくですが、先日開示されておりました中期経営計画の進捗状況について詳しくお聞かせください。まず長期ビジョンについてです。上場後コロナ禍を除き、貴社として初の中期経営計画を発表されました。2024年3月期が初年度になりますね。
<中期経営計画の概要①>
(出典:2024年3月期 決算説明資料)
金谷様 : 現在は社内的に「基盤構築」フェーズと位置づけています。昨年度に中期経営計画を発表し、2026年3月期までに売上高161億円、営業利益16億円の達成を目指しています。
今の社会は、コロナ禍を経て働き方が大きく変わってきました。特に大手企業様は、オフィスを作るだけでなく、オフィスを使って人的資本への投資に活用していこうとする動きが活発化している状況です。
その動きを受け、弊社も昨年度から「ワークデザイン」という言葉を用いています。オフィスデザインはオフィスを作ることです。一方、ワークデザインはオフィスのモノづくりだけでなく、コンテンツやカルチャーを作り、オフィスを取り巻く人的資本の部分にも働きかけます。
企業のセンターにあるオフィスを軸にさまざまな働き方、コミュニケーションの誘発といった仕掛けにより、企業のブランドを上げていく事業モデルに少しずつシフトしている時期です。
<中期経営計画の概要②>
(出典:IRTV for YouTube)
IRTV : コンサルの部分を強くするイメージでしょうか。
金谷様 : そうですね。コンサルの部分も強化しています。例えば、“オフィスをデザインする”というエッセンスにも、人と人とがコミュニケーションを生むためにはどのような配置にすべきか、どのような色使いにすべきかなど、ロジックを落とし込んで決めることが重要です。
働く人たちの気持ちやカルチャーをデザインに落とし込めるようになっており、コンサルの領域を採り入れながらデザインするのがワークデザインになります。しかし、急に高いレベルでおこなえるものではないため、着実に顧客に提供しながら経験値や体験値を蓄積して高めることで、社員の成長を促していく方針です。
よって、まずはインナーブランディングに取り組まなければならないと痛感しており、この3年間を基盤構築フェーズとして、社員教育の強化に取り組んでいきます。
IRTV : 次の3年が「機会拡大」フェーズになりますね。気になるところとして、「既存事業の付加価値向上」とはどういうことでしょうか。
金谷様 : 先ほど申し上げたオフィスデザインが売上のほとんどを構成しています。ワークデザインが社内に浸透していき、スタッフが手掛けられる領域が広がっていくことで、モノを作って納める事業から、よりコンサルの領域に踏み込んで展開していく方針です。
<中期経営計画の概要③>
(出典:IRTV for YouTube)
金谷様 : 「ワークデザインプラットフォーム」という働くことを可視化するツールを開発し、さまざまなお客様に使っていただきながら、アップデートしてプロダクトの精度を高めています。実際に完成して、プロダクトだけで売上が上がる段階が機会拡大フェーズです。
オフィスデザイン会社には、類似企業がたくさん存在します。その中でも働くことで自己実現する、働く人々を幸せにする点で、弊社がトップランナーとして作っていくのが機会拡大フェーズになると考えています。
IRTV : 先ほどのプラットフォームの話が新規事業の拡大につながっていくのでしょうか。
金谷様 : そうですね。入口の部分のコンサルを手掛け、プラットフォームを作った後は社員さんの変遷や働いている状態を可視化し、一緒に伴走しながら価値提供することで、既存事業とのシナジーにつながるでしょう。
<中期経営計画の概要④>
(出典:IRTV for YouTube)
IRTV : その後、売上高を250億円まで拡大する計画ですね。長期ビジョンの中で1番の鍵となるところはどこでしょうか。
金谷様 : 新しい売上や利益構造を作ることです。オフィスデザイン業界では実績を積み上げており、一定の知名度が出てきています。しかし、そこに甘んじることなく、新しい領域に手を広げながら、利益率や利益の構造を変えることによって、より生産性の高い会社にしていく方針です。
初年度の進捗
IRTV : 売上高の計画比についてお聞かせください。
金谷様 : 決算説明でもお話したとおり、対予算比で7%上振れして着地できました。
<初年度の進捗>
(出典:2024年3月期 決算説明資料)
金谷様 : 受注単価の上昇に加え、人員の数が有限であることを考えて、案件の質を向上させて受注率を高めました。これによって、純粋に売上が上がっていきます。この戦略が功を奏し、予算対比で良い成績で着地できました。
今期の業績予想では売上高150億円、翌期が160億円強という計画を立てています。売上を上げていくためには、人員のリソースや十分な期間が必要となります。今はまさに基盤構築フェーズであり、社員教育に取り組む段階です。初年度の進捗は計画どおりだと捉えてください。
弊社の営業利益は、売上予算に対して営業利益率10%となるよう設定して、年間予算を立てています。このため、売上が目標値を超えると収益の改善につながり、売上に比べて予算対比が高く見える構造となっています。
業績好調の裏側
IRTV : 先ほど業績が好調の理由として、プロジェクトの単価向上と付加価値を最大限発揮できるプロジェクトの選別受注を挙げられていました。これについてもう少し詳しくお聞かせください。
<業績好調の裏側>
(出典:2024年3月期 決算説明資料)
金谷様 : 1つはマーケティングを強化しています。プロジェクトの単価が上がるということは、お客様の企業規模も大きくなり、社員数が多かったり売上規模が大きかったりします。そのような企業様と接点が持てる場をたくさん作っています。
例えば、展示会への出展や、そこでのニーズの取り込みなどで接点を増やしています。その結果、展示会でお会いした企業様からの案件獲得が大きく増えている状況です。世の中で働き方改革に対する関心が高まる中、より大きな企業様が課題に感じていそうなコンテンツを充実させたことで、問い合わせが増えていると考えています。
コンサルの部分で「ワークデザイン」という考え方への共感が得られていることも、受注につながっている理由として挙げられるでしょう。デザインからはじめるのではなく、企業の課題を抽出する中で、10年後のあるべき姿などを一緒に考えています。社員さんがそのようなことを考えるきっかけを作るためのワークショップも実施しています。
オフィスはトップダウンで決めるイメージが強いのではないでしょうか。しかし、社長が「フリーアドレスにしたい」と言ったときに、社員さんが納得しなければ「なぜこのようなオフィスを作ったのか」と反発が生まれてしまいます。
こういったことを防ぐため、合意形成を取るプロセスを弊社がコンサルして実施しているケースがあります。そのようなコンサルの部分を評価していただけているため、大型案件の受注につながっているのではないでしょうか。
東京オフィスでのオフィスツアー
IRTV : 東京オフィスでのオフィスツアーとは、どのようなサービスでしょうか。
金谷様 : 弊社は昨年9月に汐留にあるオフィスを移転し、新しい働き方に対応したオフィスになりました。弊社では「ワークデザイン」を提唱しているため、それを体現できるオフィスを作りました。
ここでは、移転前の約5倍のお客様に毎日来社して見学していただいている状況です。社員が納得して「ここにお客様を呼びたい」と思えるオフィスを作ることができたため、率先してお客様を呼んでくれています。
<東京オフィスでのオフィスツアー>
(出典:2024年3月期 決算説明資料)
IRTV : リアクションはいかがですか。
金谷様 : とても良い感触を得られています。「このようなオフィスを作ってほしい」というオーダーがとても増えている状況です。
フレキシブルオフィス「The Place」の状況
IRTV : もう1つの「The Place」の入居状況はどのような感じでしょうか。
金谷様 : 「The Place」は、シェアオフィスが併設されたフレキシブルオフィスになります。キーテナントを入れつつシェアオフィスを構えており、キーテナントの部分は満床になっている状況です。
シェアオフィスについては、流動的に動けることがメリットなので、現在は満床ではありません。しかし、1部屋空いているくらいなので、ある程度は埋まっています。
<フレキシブルオフィス「The Place」の状況>
(出典:2024年3月期 決算説明資料)
IRTV : バリューアップとは、どのようなサービスになりますか。
金谷様 : 例えば、オフィスの空室率が高くなっている不動産オーナー様に向けて、建物の外見を洗練されたものにしたり、共用部に良い設備を導入したりするなど、入居の促進を目的にビルをリノベーションすることを指します。
オフィスの内装デザインによって働く人々を幸せにというパーパスとは少し違った方向性を持つ事業ですが、ここも堅調に伸びてきています。
ワークプレイス可視化DXツール「ワークデザインプラットフォーム」
IRTV : 先ほど話題に出てきた「ワークデザインプラットフォーム」はいかがでしょうか。
金谷様 : 位置づけとしてはベータ版です。現在は基盤構築のフェーズにあるため、サービスとして一部のお客様にお使いいただき、さまざまなフィードバックをいただきながらアップデートしています。
プロダクトとして質が高まった状態になれば、お客様への導入を推進していきます。今はこのプラットフォームを育てている段階です。
<ワークプレイス可視化DXツール「ワークデザインプラットフォーム」>
(出典:2024年3月期 決算説明資料)
IRTV : 組織改善サーベイ「ココエル」も堅調に導入実績が増えていますが、プラットフォームとはどのような違いがあるのでしょうか。
金谷様 : ココエルは、心(メンタル)・体(フィジカル)・エンゲージメントという人の気持ちの三本柱を可視化するものです。一方、ワークデザインプラットフォームでは、ワークプレイス・ワークスタイル・カルチャー・ウェルビーイング・エンゲージメント・やりがいの6つの視点を可視化します。より広くデータを取れるのがワークデザインプラットフォームで、メンタルや高ストレスなどのデータを取れるのがココエルです。
IRTV : 新しいサービス、働く場所だけでなく人にもフォーカスして、積極的にコンサルを進めていく形になるわけですね。
人的資本経営の推進
IRTV : 続いて採用強化についてお聞かせください。2026年3月期には330名採用という目標を掲げていらっしゃいます。現在の259名から80名弱増やす計画ですね。
金谷様 : 目標を着実に達成できるよう、人事部門を増員しました。今日の撮影前にも面接を1回おこなってきており、達成に向けて全社一丸となって取り組んでいる状況です。
<人的資本経営の推進①>
(出典:2024年3月期 決算説明資料)
IRTV : キャリア採用が増えているのでしょうか。
金谷様 : そうですね。現在はキャリア採用を強化していますが、新卒社員も弊社のカルチャーを体現してくれる大事なメンバーです。新卒とキャリアのバランスとして、多少キャリアのほうに軸足を置きながら、目標とする330人を達成します。
IRTV : わかりました。もう1つ、男性の育休取得率が100%ですね。100%を達成している背景をお聞かせください。
金谷様 : 社長である私自身が、「育休を取りなさい」と男性社員に一途に伝えています。現在は基本的にほとんどの家庭が共働きであり、新しい価値観もあります。
また、子供は一瞬にして大きくなります。私も子供が3人おり、20歳を超えている子もいるのですが、大きくなるのがあっという間だったと感じています。当時は基盤構築フェーズの1つ手前の弊社が事業を拡大するときだったため、私は子育てにあまり関われませんでした。そのような思いや経験があり、社員には育休を推奨しています。
<人的資本経営の推進②>
(出典:IRTV for YouTube)
IRTV : 育休を含む人的資本経営の推進は、金谷様肝いりの、思い入れの強いところなのですね。
金谷様 : 「育休を取ります」と言って、それを受け入れてくれる仲間や会社の体制があるからこそ、この結果につながっていると感じています。
IRTV : わかりました。このような働き方、採用体制も積極的に強化し、会社としてもますます強くなっていますね。
最後に
IRTV : 最後に投資家の方にメッセージをお願いします。
金谷様 : 世の中はオフィスに対して大きく投資をおこなっています。先ほど申し上げましたが、人的資本に対する投資に大きくシフトしている市場になっています。その中でも弊社は20年前からオフィスデザインの事業を手掛けており、多くのノウハウが培われていると感じています。
ようやく時代の流れと弊社の事業がうまくマッチし、柔軟に動けている状況です。ぜひ応援していただければと思います。よろしくお願いいたします。
IRTV : 貴重なお話をありがとうございました。株式会社ヴィスより代表取締役社長金谷様にお越しいただき、中期経営計画の進捗についてうかがいました。改めまして、ありがとうございました。
金谷様 : ありがとうございました。
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