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個人投資家に人気の優良株・銘柄ランキング!個人株主が多い企業に投資するメリット・デメリットも解説
2024年にスタートした新NISAの影響で、企業の個人株主が増えていると話題です。最も有名なのは日本電信電話[NTT](9432)で、株式分割によって15,000円程度でNTT株を買えるようになり、個人株主が急増しました。
また、NTTは配当利回りが高く、条件付きではあるものの株主優待がもらえます。日本を代表する企業の株を買い、毎年安定して配当金や株主優待がもらえる点で、株初心者からの人気が集まったとも考えられます。
このコラムでは、NTTのように個人投資家に人気の優良株・銘柄ランキングを紹介するとともに、個人株主が多い企業に投資するメリットやデメリットについてもわかりやすく解説します。
個人投資家に人気の優良株・銘柄ランキング
個人投資家に人気の優良株・銘柄をランキング形式で紹介します。今回は個人株主が多い企業ランキング上位10銘柄について、配当利回りや株主優待、最低投資金額などの情報とセットで整理しました。ぜひ、投資先を探す際の参考にしてください。
順位 | 銘柄名 (コード) |
個人 株主数 (万人) |
配当 利回り |
株主優待※1 (楽しい株主優待&配当へ) |
最新株価※2 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 日本電信電話[NTT] (9432) |
176.1 | 3.33% | dポイント1,500円相当~ (詳しく見る) |
155.7円 最新株価 |
2 | 三菱UFJフィナンシャル・G (8306) |
111.7 | 3.23% | - | 1,528円 最新株価 |
3 | イオン (8267) |
87.7 | 1.09% | キャッシュバック3%~ など (詳しく見る) |
3,649円 最新株価 |
4 | トヨタ自動車 (7203) |
83.3 | 2.70% | - | 2,759.5円 最新株価 |
5 | 日本たばこ産業[JT] (2914) |
82.9 | 4.63% | - | 4,203円 最新株価 |
6 | ソフトバンク (9434) |
78.3 | 4.21% | PayPayポイント 1,000円相当 (詳しく見る) |
2,038円 最新株価 |
7 | オリックス (8591) |
77.7 | 2.69% | - | 3,644円 最新株価 |
8 | ANA HD (9202) |
69.5 | 1.69% | 優待割引運賃が利用できる 「株主優待番号の案内書」など (詳しく見る) |
2,945.5円 最新株価 |
9 | 第一生命HD (8750) |
66.3 | 2.92% | 健康増進アプリ 「QOLism」のポイント 最大2,000円相当など (詳しく見る) |
4,177円 最新株価 |
10 | 日本郵政 (6178) |
65.6 | 3.48% | - | 1,419.5円 最新株価 |
※1 株主優待には、保有株数や保有期間などの進呈条件が設定されています。詳しくは、グループサイト「楽しい株主優待&配当」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
※2 2024年8月30日の終値です。
1位:日本電信電話[NTT]
個人株主数ランキング1位は、「ドコモ」で有名な日本最大手の通信事業グループである日本電信電話(9432)(以下、NTT)です。このあと紹介する2位の三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)を大きく引き離し、2024年3月末時点で約176万人の個人株主を抱えています。
下のグラフは、NTTの個人株主数の推移です。2024年に急増している様子がわかりますね。これは2024年からはじまった新NISAで、投資家デビューした方々が購入したためだと考えられます。
<NTTの個人株主数の推移>
それでは、なぜNTTが個人株主から人気を集めているのでしょうか。理由として、以下の3つが考えられます。
NTTが人気の理由
- 配当利回りが高い
- 株主優待がもらえる
- 2万円以下で株が買える
それぞれ説明しますね。
① 配当利回りが高い
NTTの配当利回りは3.33%です。東証プライムの平均的な配当利回りは2.39%であり、この水準を1pt近く上回っているNTTは高配当株として人気を集めています。
② 株主優待がもらえる
NTTでは株主優待を設定しています。「100株を2年連続で保有する」という条件があるものの、1,500円相当のdポイントがもらえる点が魅力です。優待利回り(=優待金額÷株価)は9.63%、配当利回りと足し合わせた総合利回りは12.96%と、かなり魅力的な水準と言えますね。
株主優待に関する詳しい情報は、グループサイト「楽しい株主優待&配当」の下記ページで紹介しています。NTTの株主優待が気になった方は、ぜひ参考にしてください。
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日本電信電話(NTT)(9432)の株主優待&配当
(グループサイト「楽しい株主優待&配当」に移動します)
③ 2万円以下で株が買える
2万円以下でNTT株が買える点も個人投資家に人気です。新NISAをきっかけに株式投資に挑戦する場合、いきなり数十万円の大金を投資に回すのは精神的に負担が大きいですよね。
NTT株なら、100株をたったの15,000円程度(2024年8月30日時点)で買えるので、気軽に日本を代表する企業の株主になれます。投資をはじめる方にぴったりの銘柄と言えるでしょう。
ここまでにご紹介した3つの理由から、NTTは個人株主数が多いと考えられるのです。
2位:三菱UFJフィナンシャル・グループ
個人株主数ランキング2位は、日本国内最大の民間金融グループである三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)です。2024年8月30日の終値は1,528円であり、株主優待の設定はないため、先ほど紹介したNTTと比べると少し魅力度は下がるかもしれません。
しかし、配当利回りが3.23%と高いことに加えて、日銀の利上げが業績に追い風になると考えられています。低金利で収益が圧迫され続けていた銀行の業績が改善するのに合わせて、株価の上昇も期待できるでしょう。中長期的に投資できる銘柄として人気を集めていると考えられます。
3位:イオン
個人株主数ランキング3位は、スーパーマーケット業界トップのイオン(8267)です。2024年8月30日の終値は3,649円であり、100株買うためには約36万円かかるため、NTTと比べて買いにくい水準です。さらに、配当利回りは1.09%と東証プライムの平均配当利回り2.39%を下回っています。
ここまでの説明では、イオンがなぜ個人株主に人気なのか疑問に思うかもしれません。実は、イオンは株主優待が魅力的なのです。100株保有するとイオンオーナーズカードがもらえ、買い物金額の3%キャッシュバックが受けられます。普段イオンで買い物する方は、毎回3%のキャッシュバックが受けられるので、生活コストを抑えられるのです。
個人株主が多い企業の中には、イオンのように株主優待が魅力的な企業も含まれています。株主優待を目当てに投資してみたい方は、個人株主が多い企業の中から選ぶと、魅力的な株主優待を見つけやすくなるかもしれませんね。
最後に、イオンの株主優待について補足説明します。還元率は3%とお伝えしましたが、保有株式数が増えるのに合わせて上昇していく仕組みです。グループサイト「楽しい株主優待&配当」の下記ページでわかりやすくまとめているので、気になった方はぜひご覧ください。
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イオン(8267)の株主優待&配当
(グループサイト「楽しい株主優待&配当」に移動します)
個人株主が多い企業に投資するメリット
個人株主が多い企業に投資するメリットは、以下の3つです。
個人株主が多い企業に投資するメリット
それぞれ説明します。
①配当や株主優待が充実している
個人株主が多い企業は、配当や株主優待など株主還元が充実している可能性があります。先ほど紹介したように、NTTは高配当株かつ株主優待の設定あり、三菱UFJフィナンシャル・グループは高配当株、イオンは株主優待の設定ありと、いずれも株主還元が充実していました。
「高配当株に投資したい」、「魅力的な株主優待を設定している企業を探したい」という方は、個人株主数に注目して銘柄を探すのもおもしろいかもしれません。
②売りたいときにすぐに売れる
個人株主が多い企業は、売りたいときにすぐに売れる点がメリットです。個人株主が多いということは、それだけ取引に参加する人が多くなります。買いたい人も多く集まっているので、すぐに自分が持っている株式を売り渡す相手を見つけられるのです。ちなみに、このことを専門用語で「流動性が高い」と言います。
普段の生活ではあまりないのですが、急にまとまったお金が必要になる場面があるかもしれません。そのようなときに、取引参加者が少ないマニアックな銘柄だと株を売るのに時間が掛かってしまい、必要なときまでにお金を準備できないリスクがあります。
個人株主が多い銘柄に投資していれば、流動性は十分にあると考えられるため、「売りたいときに売れない」という可能性はかなり低くなります。万が一の事態に備えておきたいという方は、個人株主の多い企業への投資を考えてみましょう。
③株価が安定している
個人株主が多い銘柄は、株価が安定しており市場全体の急落時でも株価があまり下がらない点がメリットです。実際、令和のブラックマンデーとも言われる2024年8月5日は、日経平均株価が前日比▲12.4%となりました。しかし、先ほど紹介したイオンの株価は前日比▲4.2%の下落にとどまっています。
<イオン(8267)の株価推移>
筆者の推測ですが、株主優待の取得を目的とした個人株主が多いため、暴落時でも手放さなかったのではないかと考えられます。
このように、個人株主が多い銘柄であれば、市場全体の下落に引っ張られにくくなります。株価の下落をあまり気にせず、安心して投資できる点が魅力です。
個人株主が多い企業に投資するデメリット
個人株主が多い企業に投資するデメリットとして、「株価が安定している」点が挙げられます。先ほどメリットとして紹介した点なのですが、株価が安定していることは、良くも悪くも短期的に株価が上下に動きにくいことを意味します。
もちろん、業績にポジティブなニュースが発表された場合は上昇すると考えられますが、短期的に株価が数倍になるような激しい値動きは期待できないでしょう。そもそも、短期的な株価の高騰を狙うのはギャンブルに近く、株初心者にはおすすめできません。
株価が安定していることによるメリットの方が上回ると考えられるので、株初心者の方は特に、個人株主が多く株価が安定している銘柄から投資に慣れるのがおすすめです。
まとめ
個人投資家に人気の優良株・銘柄ランキングと、個人株主が多い企業に投資するメリット・デメリットを紹介してきました。総合的に考えて、個人株主が多い企業は投資家にとってメリットが多くあります。
配当や株主優待を受け取りながら安心して投資できる銘柄が見つけられるので、株初心者の方で投資先選びに迷っている場合は、個人株主が多い企業の中から選ぶのもおすすめです。