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パロマ・リームHDによる富士通ゼネラル株のTOB・買収はいつ?なぜ?今後どうなるか、公開買付代理人の証券会社も解説

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2025年1月6日

株式会社パロマ・リームホールディングスが、富士通ゼネラル(6755)に対するTOB(株式公開買付)を実施し、1株当たり2,808円での全株式取得を目指すと発表しました。2025年1月6日終値2,273円を基準にすると、プレミアムは23.54%です。

なお、富士通ゼネラルのTOBの公開買付代理人は未定です。情報が発表され次第、こちらの記事でお知らせします。

富士通ゼネラルのTOB【公開買付価格・期間・応募方法など】

株式会社パロマ・リームホールディングスの富士通ゼネラルに対するTOBの概要を、下の表に整理しました。

富士通ゼネラルのTOBに関する基礎情報
公開買付者 株式会社パロマ・リームホールディングス
被買収企業 富士通ゼネラル(6755)
公開買付価格 2,808円※1
プレミアム 23.5%※2
公開買付期間 2025年7月上旬(予定)
買付株数 58,644,761株
買付予定株数の下限 23,722,800株
買付予定株数の上限 -
公開買付代理人 未定
公開買付復代理人 -
上場 上場廃止
目的 北米地域における販路の拡充や
グローバルな製造・販売地域の多角化などの
シナジーが期待できるため

※1 普通株式1株あたりの買付価格です。
※2 2025年1月6日終値に対して、何%の上乗せがあったかを表しています。

富士通ゼネラルの事業内容

富士通ゼネラルは、その名のとおり富士通系列の空調機器メーカーです。家庭用エアコン『ノクリア』や業務用エアコン『AIRSTAGE』などを製造しています。

インバーター冷暖房エアコン 「ノクリア」 Xシリーズ

出典:富士通ゼネラル | インバーター冷暖房エアコン 「ノクリア」 Xシリーズ

このほか、情報通信・電子デバイス事業も手がけており、消防システムや外食産業向けソリューションなどを手がけています。

消防システム

出典:富士通ゼネラル | 消防システム

パロマ・リームHDが富士通ゼネラルをTOBする理由

空調機器や給湯器などを製造するパロマ・リームホールディングスが富士通ゼネラルをTOBする理由は、大きく分けて3つのシナジーが期待できるからです。

期待できるシナジー シナジーの具体例
① グローバル展開の強化 ・パロマ・リームHDの製造・物流・販売網を活用した事業拡大
・両社のブランド力を相互活用したマーケティング展開
・グローバルな地域多角化による事業リスクの分散
② 技術・製品開発の推進 ・空調技術(富士通ゼネラル)と給湯技術(パロマ・リームHD)の融合
・ヒートポンプ給湯・暖房分野への新規参入
・日本国内での技術開発体制の強化
③ 業務効率の向上 ・原材料の共同調達によるコスト削減
・両社の製造・物流拠点の最適活用
・国内サービス部門の統合による体制強化

パロマ・リームHDでは現在、1988年に買収した米国の給湯器・空調メーカーであるリームを中心に、海外で給湯器や空調事業を強化しています。今回、事業内容が近い富士通ゼネラルをTOBすることによって、海外展開を一層強化する計画と考えられます。

パロマ・リームHDが富士通ゼネラルに白羽の矢を立てた理由は、パロマ・リームHD傘下のリームが富士通ゼネラルと協業しているからです。

また、富士通ゼネラルの親会社である富士通は、事業の選択と集中を進めています。その中で富士通ゼネラル株は売却対象となっていました。

今回のTOBは、事業の整理をしたい富士通側と事業を拡大したいパロマ・リームHD側の利害が一致したことが背景にあると考えられます。

富士通ゼネラルの株式を保有している場合はどうすれば良い?

株式会社パロマ・リームホールディングスによる富士通ゼネラルのTOBは「全株式取得」です。富士通ゼネラルの株式を保有している方は、下の画像の「全部買付の場合」に書かれているように「①市場で売る」、もしくは「②指定の証券会社で申し込む」のどちらかを選択することになります。

自分の保有株がTOBされた場合のイメージ例

それでは、どちらを選べば良いのでしょうか。いますぐに利益確定したい方は「①市場で売る」を、公開買付価格ぴったりで売りたい方は「②指定の証券会社で申し込む」を選ぶのがおすすめです。その理由をかんたんに説明しますね。

いますぐに利益確定したい方

いますぐに利益確定したい方は「①市場で売る」がおすすめです。

TOBが発表された後、その株式の市場価格は市場売買を通じて、公開買付価格付近まで上昇します。公開買付価格ぴったりでは売れませんが、売却ボタンを押すだけで手続きが完了するので、特別な手続きは不要です。手間をかけずに利益確定できます。

指定の証券会社で申し込む場合は、申込手続きが必要です。現金化までに時間がかかるので注意しましょう。

公開買付価格ぴったりで売りたい方

一方で、公開買付価格ぴったりで売りたい方は「②指定の証券会社で申し込む」がおすすめです。

指定の証券会社で申し込んだ場合、保有する株式を公開買付価格で買い取ってもらえます。市場で売る場合には、公開買付価格ぴったりでは売れず、それよりも少し安い価格で取引することになります。

TOBのプレミアムをまるっと受け取りたい場合は、市場では売らず、TOBに申し込みましょう。申込は、次に紹介する指定の証券会社でおこなってください。

富士通ゼネラルの公開買付代理人・復代理人はどこの証券会社?

富士通ゼネラルのTOBに応募する場合、指定の証券会社で申し込む必要があります。指定の証券会社のうち、公開買付者から業務・権限を委託された証券会社を「公開買付代理人」、公開買付代理人の業務を請け負う証券会社を「公開買付復代理人」と呼びます。

富士通ゼネラルの公開買付代理人
公開買付代理人 未定
公開買付復代理人 -

2025年1月時点では、公開買付代理人と公開買付復代理人は未定です。富士通ゼネラルの株式を保有している方で、市場で売却せずTOBへの応募を考えている方は、公開買付代理人や公開買付復代理人を務める証券会社が発表され次第、その証券会社に口座開設して株式を移管する必要があります。

公開買付代理人や復代理人には、SBI証券マネックス証券などのネット証券が指定されるケースがあります。TOBの応募をスムーズに進めるためにも、今のうちに口座開設しておくのがおすすめです。

TOBの公開買付代理人に選ばれやすい証券会社

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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