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出来高とは?わかりやすく解説します

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年11月30日

出来高とは、1日や1週間など、一定期間中に成立した売買の数量を表します。出来高が多いほど、売り買いがスムーズにできるので、投資する際に確認しておきたい指標のひとつです。

このコラムでは、出来高の意味や確認方法、株式投資への活かし方を、株初心者向けにわかりやすく解説しています。

出来高とは?

出来高とは、1日や1週間など、一定期間中に成立した売買の数量を表します。「出来高は買い注文(または売り注文)の数なんだ」と勘違いしやすいのですが、正しくは「売買が成立した量」です。つまり、出来高が多いほど、その株を買いたい人と売りたい人が多く存在し、活発に取引されていると判断できます。出来高の数字から「銘柄の人気度」がわかるのです。

見方を変えれば、「取引のしやすさ」を表しています。出来高が多ければ、取引に参加している人が多いので、売り買いがスムーズにできるのです。反対に、出来高が数百株~数千株程度の少ない銘柄はどうでしょうか。この場合、自分が売買したいと思っても取引が成立しなかったり、想定よりも高い値段でしか変えなかったり、安い値段でしか売れなかったりします※1

※1 これを「流動性リスクが高い」と言います。

以上の理由から、株初心者の方は「できるだけ出来高の多い銘柄を買う」のがおすすめです。出来高は、証券会社の取引口座があればかんたんに確認できます。このコラムでは、取引口座で出来高を確認する方法や、出来高を株式投資に活かす方法を紹介します。

出来高の確認方法

証券会社の取引口座を使うのがおすすめです。理由は、リアルタイムで出来高が追えるからです。ネット上には、無料で出来高がチェックできるサイトがありますが、リアルタイムのデータでない場合が多く、「現時点での出来高を知りたい」場合には有用ではありません。

証券会社の取引口座であれば、リアルタイムですべての銘柄について出来高を確認できます。口座開設は無料なので、まだ口座を持っていない方は、ぜひ開設しておきましょう。今回はSBI証券を例に、出来高の確認方法を紹介します。

出来高の推移は、個別銘柄の『チャート』ページで確認できます。下の画像は、Zホールディングス(4689)の1か月分の株価チャートです。

Zホールディングス(4689)の株価推移>

Zホールディングス(4689)の株価チャート

(出典:SBI証券

このチャートは、左上のプルダウンメニューで「日足(ひあし)」を選んでいるので、1日ごとの株価動向・出来高を表示しています。つまり、下の出来高の棒グラフは、1日あたりの出来高を表しているのです。グラフ右端の単位「M」は、「100万株」を表しているので、だいたい毎日1,000万株以上の出来高があるとわかりますね。

これくらいの出来高があれば、好きなタイミングで売り買いできるので、流動性リスクはかなり低いと言えるでしょう。出来高を時系列でチェックして、十分な取引量があるか調べるのが大切です。

SBI証券の個別銘柄のページを例に、出来高の確認方法を説明しました。SBI証券への口座開設は、誰でも無料でできます。口座開設の方法は、【SBI証券】口座開設の方法・取引までの流れで詳しく説明しています。まだ口座を持っていない方は、こちらを見ながら口座開設してくださいね。

出来高を株式投資に活かす方法

「出来高は株価に先行する」と呼ばれており、株価の天井や底を見極めるときに使えます。さっそく、具体的にどうやって使えばよいのかを紹介します。

株価の天井を見極める方法

信越化学工業(4063)を例に、株価の天井を見極める方法を紹介します。下の画像は、信越化学工業の過去5年間の株価推移です。

信越化学工業(4063)の株価推移>

信越化学工業(4063)の株価チャート

(出典:SBI証券

注目していただきたいのは、赤丸で囲んだ部分(2018年1月ごろ)です。実は、このタイミングで株価の動き方が変化し、上昇トレンドから下落トレンドに変わりました。この時点の出来高を確認すると、前後の時期と比べて出来高が急増しているのがわかりますね。

このように、株価が上昇トレンドから下落トレンドに変わるときに、出来高が急激に増える傾向にあります。これは、それまでの上昇トレンドで含み益を抱えた投資家たちが、一斉に利益確定のために株を売りはじめるからだと考えられます。

当サイトでは、成長バリュー株に投資したら、長期間保有する方法をおすすめしています。しかし、購入する前にこのような傾向が見られたら、タイミングをずらして買うのも大切です。タイミングばかりにとらわれてはいけませんが、優良企業を割安に買うためにも、少しは意識できるようになると良いですね。

株価の底を見極める方法

続いて、キーエンス(6861)を例に、株価の底を見極める方法を紹介します。下の画像は、キーエンスの過去1年間の株価推移です。

キーエンス(6861)の株価推移>

キーエンス(6861)の株価チャート

(出典:SBI証券

今回も、赤丸で囲んだ部分(2020年3月~4月ごろ)に注目してください。当時、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、株式市場全体が大きく下がっていました。同じようにキーエンスの株価も下がっていたのですが、ちょうど赤丸部分で出来高が急増し、そのあと株価が上昇トレンドに変わっています。

このように、株価が急落したあとに出来高が急増した場合株価が底を付けて上昇しはじめると考えられるのです。相場全体が大きく下がっているときには、欲しい銘柄の出来高を追い、出来高が増えてきたころに投資できると、そのあとの株価上昇に乗れるかもしれませんね。

まとめ

以上、出来高の意味と確認方法、株式投資に活かす方法を解説してきました。当サイトでおすすめしている「長期投資」では、株の買い時はあまり意識しません。しかし、出来高を使って株価の天井や底を見極められれば、長期投資に合った優良銘柄をより割安に買えるかもしれないのです。

出来高やチャートの読み方などを詳しく勉強する必要はありませんが、出来高と株価の関連性については、ざっくりと頭の中に入れておきたいですね。

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  1. 流動性リスクとは?

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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