三井不動産が東京ドームのTOBを検討!?株価はどうなる?

三井不動産が東京ドームのTOBを検討!?株価はどうなる?

担当・ゆうと

最終更新日:2021年1月19日

(2021年1月19日追記)
三井不動産による東京ドームのTOBが成立しました。詳しくは、こちらで解説しています。

2020年11月26日、三井不動産(8801)東京ドーム(9681)に対してTOB(株式公開買い付け)をおこなう予定であると報じられました。買収総額は1,000億円を超える見通しです。今回のTOBでは、すべての株主から株式の取得を目指すとみられ、TOB成立した場合、東京ドームは上場廃止になります。

今回のTOBの目的は?

今回のTOBの目的は、筆頭株主の香港のヘッジファンド オアシス・マネジメント※1から、経営陣の退陣を求める圧力をかけられており、それに対抗するためです。自社を三井不動産にホワイトナイト※2として友好的に買収してもらうことで、対立するオアシスを排除する狙いがあります。

※1 香港のヘッジファンド オアシス・マネジメントは、「投資先企業の経営陣に対して、積極的に働きかけて、企業価値の向上を目指す投資家(アクティビスト)」です。現在、ココカラファイン、サン電子、サンケン電気などの日本株に投資しています。

※2 ホワイトナイトとは、「敵対的買収を仕掛けられた会社が、買収者に対抗して、買収や吸収してもらう友好的な第三者」のことです。

<TOBに至るまでの経緯>
日付
(2019年)
内容
12月19日 香港のヘッジファンドオアシスが、東京ドームの株式5%強を取得。
日付
(2020年)
内容
1月31日 オアシスが東京ドームの株式を買い増して10%弱保有。筆頭株主に躍り出る。東京ドームの運営改善などを求める資料を発表。
10月19日 オアシスが東京ドームの取締役3名の解任を求める臨時株主総会の開催を請求。臨時株主総会は12月17日に開催決定。
11月10日 東京ドームがオアシスの株主提案に反対を表明。
11月26日 三井不動産がホワイトナイトとして東京ドームに対して、TOB実施する予定であると報道。

オアシスは、2019年から東京ドーム株の買い増しを続けており、収益の改善などを求める提案をしていました。しかし東京ドームの経営陣は、抜本的な改善策を講じず、オアシスとの対話を拒みつづけてきました。ここまで両者の関係性が悪化した原因は、次の2つではないかと感じます。

  • ①オアシスの指摘は的確であるものの、早急な改善を求められていた
  • ②東京ドームの経営陣は、株主と建設的に対話する姿勢がなかった

このように両者の間に深い溝ができた結果として、今回の三井不動産によるTOBにつながりました。

今後の株価への影響

今回のTOBでは、すべての株主から株式を取得する予定です。まだ正式なTOBは発表されていませんが、PTSではストップ高の1,047円まで上昇しています。

東京ドーム(9681)の板情報>

ケネディクス(4321)の株価チャート

(出典:SBI証券

正式にTOB価格が発表されれば、すべての株主から株式を取得する予定であるため、TOB価格まで株価が上がると考えられます。

1株1,300円でTOBを行い、完全子会社化すると発表(2020年11月27日追記)

三井不動産は、東京ドームのすべての株主から株式を買い取る予定です。そのため、株価はTOB価格(1,300円)付近まで上がると思われます。しかし、すでに2020年11月27日のPTS(夜間取引)では、TOB価格を上回るストップ高の1,347円まで株価が上昇しています。その理由は、オアシスが対抗策を講じてくるのではないかという期待からです。

実際、オアシスが今年の1月末時点で、東京ドームを1株1,300円で買収する意向があったと、三井不動産の公開買付資料に記されています。また、同時期にオアシスが発表した投資家向け資料では、自身のすべての提案が実行されて経営が改善されれば、1株2,235円の評価が見込めると説明しています。

ただし、コロナウイルスの影響で、東京ドームの収益性が今年の1月頃から比べると悪化しているため、そこまでの評価にはならないと思われます。

それでも、東京ドームは東京都心に4万坪の広大な土地を保有しており、簿価ベースで約1,200億円の価値があります。またこれらの土地の含み益があり、有価証券報告書で確認できる範囲だけでも約200億円はあります。

そのため、オアシスにとっても東京ドームは資産面から見ても魅力的に映ると思われます。具体的には、オアシスが対抗TOBや東京ドーム株の買い増しなどの対抗策などを講じる可能性が考えられるため、今後のオアシスの動きに注目です。

オアシス・マネジメントがTOBに応募する意向 (2020年12月9日追記)

三井不動産は東京ドームのTOBについて、筆頭株主のオアシスと協議をおこないました。 その結果、オアシスは三井不動産が進める東京ドームのTOBに賛同し、TOBに応募する意向を示しました※3。今後、三井不動産はオアシスと応募合意契約の手続きを進める予定です。

※3 参考:株式会社東京ドーム普通株式(証券コード 9681)に対する公開買付けに伴う Oasis Management Company Ltd.との公開買付け応募にかかる協議開始に関するお知らせ[PDF]

三井不動産はオアシスからTOBに応募する意向を取りつけたことで、TOBが成立する可能性が高まったと思われます。

オアシス・マネジメントがTOBに応募する意向 (2021年1月19日追記)

三井不動産による東京ドームの公開買い付け期間が終わり、TOBの成立下限を上回る株式の応募があったためTOBが成立しました。東京ドームは上場廃止になる予定です※4

※4 参考:三井不動産株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果並びに 親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ[PDF]

まとめ

三井不動産による東京ドームのTOBについて解説しました。今回のTOBは、オアシスの買収意向に対抗するホワイトナイトとしておこなわれたため、オアシスの動向が注目されました。 そのようななかで三井不動産はオアシスと協議をおこない、TOBに応募する意向を取りつけたことで、ホワイトナイトの役割を果たしてTOBを成立させることができました。

東京ドームはコロナウイルスの影響を受けて収益が悪化しているため、今後は三井不動産と協力しながら、収益力を回復できるかがカギとなります。

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この記事の執筆者

ゆうと
投資歴8年の資産バリュー投資家です。いつも四季報を持ち歩き、1年の半分は株のことを考えている株オタク。若手投資家同士の交流を目的とした「名古屋若手投資家交流会」を主催しています。

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