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為替介入とは?日銀が為替介入するとどうなるかわかりやすく解説します
- お知らせ
- 10月21日と24日の2回、日本政府と日本銀行による為替介入がおこなわれたようです。詳しい状況はこちらで解説しています。
2022年9月22日、日本政府と日本銀行(以下、日銀)は、1998年6月以来およそ24年ぶりに為替介入(かわせかいにゅう)で円買いをおこないました。これによって、1ドル144円台まで進んでいたドル高・円安の状態から、一時的に1ドル140円台までドル安・円高が進みました。
為替介入とは何か、今回どういう目的でおこなわれたのかについて、ひっきーさんに聞いてみました!為替介入について詳しく知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
為替介入とは?
ひっきー
ひとことで言うと、「政府や日銀が通貨の交換比率である「為替(かわせ)レート」を変える操作」です!例えば、今回のように1ドル144円から1ドル140円に変えることを言います。
なるほど!どうして為替レートを変える必要があるんですか?
まゆ
ひっきー
為替介入の目的については、日銀の公式ホームページで次のように書かれています。
為替介入の目的
出典:教えて!にちぎん[日本銀行公式ホームページ]
ひっきー
つまり、為替相場が急激に動くと損をする投資家が増えてしまうので、為替相場を安定させるために介入するということです!
なるほど!ある意味、投資家を守るためと言えますね!
まゆ
政府・日銀が為替介入するとどうなる?
続いて、為替介入はどうやっておこなわれているのか、為替介入するとどうなるのか知りたいです!
まゆ
ひっきー
任せてください!まずは、為替介入の登場人物を紹介します。
為替介入の登場人物
- 財務省
- 日銀
もっとたくさんいるのかと思いました!財務省と日銀はどういう役割なんですか?
まゆ
ひっきー
財務省が為替介入するかどうかを決め、日銀が実際に通貨を売買して為替介入する役割です。為替介入の方法は、円安か円高かで異なります。今回はドル円を例に説明しますね。
円買い介入(ドル高・円安の場合)

急激な円安ドル高を止めるために為替介入する場合、外国為替市場で日銀が手持ちのドルを売り、円を買い取ります(円買い介入)。市場に出回る円の量が減ってドルの量が増えるため、円高ドル安になります。
ちなみに、日銀が売るドルは、財務省が「外国為替資金特別会計」として持っているドルを使います。ここまで理解する必要はなく、「ドルを売って円を買っている」と考えておけば十分です。
円売り介入(ドル安・円高の場合)

急激な円高ドル安を止めるために為替介入する場合、外国為替市場で日銀が手持ちの円を売り、ドルを買い取ります。市場に出回る円の量が増えてドルの量が減るため、円安ドル高となります。
ちなみに、日銀が売る円は、政府短期証券と呼ばれるものを発行して調達します。これも理解する必要はありません。「ドルを買って円を売っている」と考えておけば十分です。
なるほど!実際に日銀が円やドルを取引して、為替レートを安定させる仕組みなんですね!
まゆ
ひっきー
そのとおりです!では、9月22日の為替介入の目的を見ていきましょう!
9月22日の為替介入の目的
今回の為替介入の目的は、円安を抑えるためってことですか?
まゆ
ひっきー
そうだと言われています!ここ数か月間で円安が進んでいましたしね。
上のチャートを見ると、ここ1か月くらいは横ばいになっているので、「急激な円安」には見えないんですが…。
まゆ
ひっきー
確かに、短期的に見るとまゆさんの言うとおりですね。ただ、9月21日にFRBが金融引き締め(利上げ)を、22日に日銀が金融緩和を決めたことで、さらに円安が進む可能性が高くなっていました※。それを防ぐために為替介入をおこなったのかもしれないですね。
※日本の金利が低く米国の金利が高い状態では、金利の低い日本でお金を借りて金利の高い米国で預金すると、日本と米国の金利差分儲かります。投資家は「円を売ってドルを買う」という取引(円キャリートレードといいます)をするため、円安ドル高が進むのです。むずかしい話なので、理解しなくて大丈夫です。
ここ数日の状況を見てってことなんですね。それにしても、このドル円の動きは何回見てもすごいです。
まゆ
ひっきー
なかなか見られない貴重なチャートですね!
10月21日と24日の為替介入の目的
ひっきー
10月21日と24日にも為替介入がおこなわれたようです!下のドル円のチャートの①が10月21日の為替介入を、②が10月24日の為替介入を表しています。
これによって為替レートが急変動している様子がわかりますね。
為替介入の威力ってすごいですね!こんなに為替レートが変動してしまうんだ…。
ところで、この2回の為替介入の目的は、前回と同じなんでしょうか?
まゆ
ひっきー
はい!目的は同じで、急速に進む円安を抑えるためと言われています。
今後も円安が続く限りは、為替介入があるってことですか?
まゆ
ひっきー
そう考えられますね!ただ、円安が進むかどうかは微妙なラインなのです。
実は21日の為替介入の直前に、ウォール・ストリート・ジャーナルというアメリカの新聞社が次のニュースを発表したからです。
米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は次回11月1~2日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.75ポイントの利上げを決める見通しだ。その際、12月会合で利上げペースを減速させるか、その場合には市場にどう伝えていくかが、政策議論の焦点になるとみられる。
出典:FRB利上げの行方、12月のペース減速が焦点に
ひっきー
12月のFOMCで利上げ幅を縮小するかもしれないということです。円安が進んでいた理由として、アメリカと日本の金利差が拡大し続けていることが挙げられます。
もし新聞記事のとおりに利上げ幅の縮小がおこなわれれば、アメリカと日本の金利差の拡大はゆるやかになり、円安が進みづらくなります。もしかしたら、市場に対して「これ以上は急速に円安が続かないよ」と示しているのかもしれないですね。
説明ありがとうございます!「為替介入でドル円の為替レートが動いた」という情報から、いろいろなメッセージが考えられるんですね!
まゆ
ひっきー
予想なので外れる可能性が高いのですが、こうやってメッセージを考えていくと投資に活かせるヒントが見つかるかもしれないですね!
まとめ
為替介入は、急激な為替レートの変化を安定させる目的があります。ニュースや新聞、SNSで「為替介入」という文字が流れてきたものの、その意味や仕組みがよくわからない状態だったので、今回勉強できて良かったです。
ドル円のチャートを見ると、再び円安に進んでいるようですね。また為替介入はあるのでしょうか?気になるので、今後もニュースをチェックしていきます!
ひっきーさん、為替介入って何ですか?