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【うなぎ関連株・銘柄まとめ】完全養殖で量産化は実現する?今後の見通しも解説
うなぎ関連株は、うなぎの養殖や販売などにかかわる会社の株です。うなぎといえば土用丑の日など夏に好んで食べられている魚ですが、少々お値段が張りますよね。
実はうなぎは、この20年の間に流通量が減って倍以上に値上がりしています。ワシントン条約や協定によって輸入が制限されたうえ、養殖用の稚魚(しらすうなぎ)も以前ほど獲れなくなってしまったからです。
そこで卵から稚魚を育てる取り組みが強化されることになり、2010年にはついに完全養殖※1の実現に成功しました。
※1 完全養殖とは、人工飼育下で卵から親魚まで育てるサイクルを繰り返す繁殖手法のことです。
ここでは養殖に取り組む会社のほか、うなぎをあつかう外食チェーンの銘柄を取りあげましたので、ぜひ参考にしてください。
関連株・銘柄一覧
うなぎ関連株を10銘柄取りあげました。
うなぎの養殖に取り組む会社
水産食品大手のニッスイ(1332)、医薬品開発試験の受託をおこなう新日本科学(2395)、養殖用稚魚を生産・販売するヨンキュウ(9955)をピックアップしています。
うなぎのメニューを提供する外食チェーン
回転すし店のくら寿司(2695)、うなぎ専門店を展開するジェイグループHD(3063)とG-FACTORY(3474)、ふぐ料理の関門海(3372)、外食首位のゼンショーHD(7550)、牛丼の吉野家HD(9861)を取りあげています。
うなぎの調味料メーカー
かば焼きのたれを製造するユタカフーズ(2806)をピックアップしました。
銘柄名 (クリックタップで最新株価) |
事業内容 |
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ニッスイ(1332) | 水産品冷凍食品大手。さけ、ます、ぶり、うなぎなど、養殖対象魚種の人工種苗※2を作っている。日本初のぶりの完全養殖の事業化を実現。 |
新日本科学(2395) | 医薬品開発試験の受託会社。2017年に内陸地で人工海水を用いたニホンウナギの人工種苗生産に成功。 |
くら寿司(2695) | ロードサイド型の回転ずし店「くら寿司」を展開。2023年には岡山理科大学が開発した好適環境水で養殖された「おかやま理大うなぎ」を期間限定販売した。 |
ユタカフーズ(2806) | 「だし取り職人」などの調味料で知られる東海地区の中堅食品会社。うなぎ用調味料「蒲焼きのたれ」は加工用として国内だけでなく中国でも高く評価されている。東洋水産(2875)の即席めんなどの受託生産も手がける。 |
ジェイグループHD(3063) | 東海地方を中心に飲食店を運営。不動産事業やバーベキュー場の設営なども手がける。「芋蔵」などの居酒屋のほか、うなぎが食べられる「名古屋丸八食堂」や「うな匠」といった店舗も展開。 |
関門海(3372) | とらふぐ料理専門店「玄品」の店舗事業が主力。フグの旬(11月~3月)に売上がかたよる傾向にあるため、2017年から通年食材としてうなぎを使ったメニューをスタート。 |
G-FACTORY(3474) | 飲食店の出退店サポート事業をメインに飲食店事業も手がける。退店する飲食店の店舗を内装ごと買取・転売をおこなう。うなぎ専門店「名代 宇名とと」はベトナムなどの海外にも展開。 |
ゼンショーHD(7550) | 外食チェーン最大手。牛丼の「すき家」や「はま寿司」、ファミリーレストラン「ココス」などの飲食店を運営。「すき家」では、うな丼やうな牛を提供。 |
吉野家HD(9861) | 牛丼屋の老舗「吉野家」を中心とする大手外食チェーン。すし、ステーキ、うどんの店舗も展開。通年でうなぎのメニューを提供している。インバウンド客にも好評。 |
ヨンキュウ(9955) | 養殖用稚魚や鮮魚、飼料の生産・販売をおこなう。養殖事業はうなぎとクロマグロを手がけている。2024年1月にうなぎの養殖場を増設。先進的な閉鎖循環式のタンクで養殖したブランドうなぎ「若うなぎ」を販売している。 |
※2 人工種苗とは、人工飼育下の親魚から得た卵や稚魚のことです。
関連株・銘柄の見通し
うなぎ関連株の見通しを「良い・普通・悪い」で表すと、「良い」と言えます。完全養殖のうなぎの量産化が実現すると今より値段が安くなり、売上も伸びると考えられるからです。
それでは養殖と外食にかかわる会社を少し詳しく見ていきましょう。
うなぎの養殖に取り組む会社
日本の漁獲量(漁で獲る魚の量)は、ピーク時の3分の1に落ち込んでいます。天然うなぎにいたってはほとんど獲れなくなりました。水産資源の保護を目的とした漁獲規制や漁師の高齢化などを背景に、今後はうなぎ・まぐろをはじめとする値段の高い魚種を中心に養殖ものが増えていくことが予想されます。
うなぎの卵から稚魚を育てる完全養殖は、いよいよ量産化の段階です。完全養殖の商業化には、新日本科学(2395)が目指している年10万尾(約20トン)の生産が最低でも必要となると言われています。目下の課題は天然の稚魚の3倍にのぼる高い取引価格です。
コストダウンには大量生産できる大きな設備を用意できる会社が有利です。養殖業者のヨンキュウ(9955)では、傘下の西日本養鰻が年間600トン体制でうなぎを養殖しています。また、ニッスイ(1332)などの水産加工大手も大量生産・大量販売に適した会社と言えるでしょう。
気がかりな点は、うなぎのえさに使う魚粉※3の価格や電気代が値上がりしていることです。円安の進行も相まって国内の養殖業者には逆風となっています。
※3 魚粉(ぎょふん)はサバやイワシなどの魚を乾燥させて砕き、粉状にしたものです。日本は7割弱を輸入に頼っています。
うなぎのメニューを提供する外食チェーン
大量生産が可能になり安く提供できるようになれば、うなぎをメニューに出している外食チェーンにはプラスです。
特にうなぎ専門店を持つジェイグループHD(3063)やG-FACTORY(3474)、通年でうなぎを提供する関門海(3372)や吉野家HD(9861)には追い風となります。
ただし、外食チェーンは、人手不足による賃金の値上がりとインフレでかさむ仕入れ高に利益が圧迫されている点に注意が必要です。
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まとめ
完全養殖によるうなぎの大量生産の開始を目前に、うなぎ関連株には関心が集まりつつあります。養殖技術を開発する会社や養殖業者、メニューにうなぎを使う外食チェーンに期待が寄せられることになるでしょう。
しかし、養殖に必要なエサ代や電気代などのコストが値上がり傾向にあることや、外食チェーンの人手不足やインフレによる原材料高には要注意です。また、漁獲規制など世界の国々の動きに目を配ることも忘れないようにしましょう。
完全養殖で育てたうなぎの量産化が順調に進めば、今よりも気軽にうなぎを楽しめるようになる日がやってくるでしょう。大いに期待したいですね。
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