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【情報・サイバーセキュリティ関連株・銘柄まとめ】AIセキュリティ対策の広がりや今後の見通しなどを解説
サイバーセキュリティ関連株は、「IT(情報技術)の安全性を守る会社の株」です。
この記事では、情報・サイバーセキュリティ関連株の今後の見通しや、関連銘柄10社をピックアップしてご紹介します。
サイバーセキュリティとは
サイバーセキュリティとは、サイバー攻撃※1からコンピュータ機器・ネットワーク・データなどを守るための技術や仕組みのことです。
※1 サイバー攻撃とは、インターネットなどのネットワークを介して電子情報を盗んだりコンピュータやソフトウェアの機能を破壊したりする行為です。
サイバー攻撃を防ぐためにさまざまな対策が行われています。政府はサイバーセキュリティ基本法(2014年)やガイドラインを整備し、セキュリティの確保に必要な注意を払うよう定めました。
しかし、不正アクセスは後を絶たず、情報流出やシステムダウンなどの被害がしばしば発生しています。2024年6月には出版社のKADOKAWA(9468)がサイバー攻撃を受けました。WEBサイトやニコニコ動画が数十日にわたって視聴できなくなったことはみなさんの記憶に新しいでしょう。
サイバーセキュリティは、クラウドやブロックチェーン、AI(人工知能)といった革新的な技術が登場するたびに新しい対応を迫られています。例えば、インターネット上でAIを使って動画や音声を偽造して有名人になりすましたり、偽の災害情報が流れるといった事件がたびたび起きています。
情報・サイバーセキュリティ関連株・銘柄一覧
サイバーセキュリティ関連株の狙いは値上がり益です。サイバーセキュリティ業界には高い成長率が見込まれており、関連銘柄の株価にも値上がりが期待できるからです。そこで、売上高の伸び率に注目して10銘柄を取り上げました。
大型株
サイバーセキュリティ国内首位のトレンドマイクロ(4704)は日本に本社を置く世界的大手です。
中小型株
セキュリティ事業に特化した銘柄として、ブロードバンドセキュリティ(4398)と上場間もないS&J(5599)をピックアップしました。
GMOグローバルサインHD(3788)とサイバートラスト(4498)は、WEBサイトが本物であることの証明書を発行しています。デジタルアーツ(2326)は各種のフィルタリングサービスを提供しています。
FFRIセキュリティ(3692)やサイバーセキュリティクラウド(4493)は自社開発の製品・サービスが強みです。セグエグループ(3968)は優待品の高額クオカードが注目を集めました。網屋(4258)は2024年8月にトヨタグループにセキュリティシステムが採用され株価が値上がりしました。
サイバーセキュリティ関連の売上高の上位は、日立製作所(6501)やソフトバンク(9434)のような大手が占めています。大きな会社にとっては数あるビジネスのひとつなので、売買を検討する際は、ほかの事業にも目を配ることをおすすめします。
銘柄名 (クリックタップで最新株価) |
事業内容 |
---|---|
デジタルアーツ(2326) | セキュリティソフトウェアメーカー。Webやメールのフィルタリング、転送ファイルの暗号化、IDの一元管理などの各種サービスを民間会社や学校などの公共部門に提供している。 |
FFRIセキュリティ(3692) | コンピュータセキュリティの研究、コンサルティングサービス、関連製品の販売をおこなう。官公庁向けに強みを持つ。車載セキュリティやサイバー安全保障関連の需要の取り込みに意欲。 |
GMOグローバルサインHD(3788) | 電子証明書を発行する会社。ウェブサイトの証明サービス事業が収益の柱。アプリ・文書の認証や電子署名サービスのほか、重要なシステムへのアクセス制限なども手がけている。 |
セグエグループ(3968) | ITインフラとセキュリティを専門としている。関連製品にかかわる設計、開発、販売、構築、運用、保守サービスや、セキュリティ調査・診断、サイバー攻撃の監視分析、緊急対応などのサービスを提供する。 |
網屋(4258) | ネットワークセキュリティとデータセキュリティ事業を運営。2021年上場。セキュリティ教育やITシステムの脆弱性(欠点や弱点)の診断もおこなう。国内のログ(利用状況を記録したデータ)監視ではトップシェア。 |
ブロードバンドセキュリティ(4398) | ITセキュリティサービスに特化。SBIグループ。セキュリティ監査・コンサルティング、脆弱性の診断、情報流出対策などを提供。民間会社のアジアの海外拠点にも対応している。 |
サイバーセキュリティクラウド(4493) | WEBサイトのセキュリティサービスを提供している。2020年上場。100%自社開発の技術を使ってWebサイトをサイバー攻撃から守る。脆弱性の診断サービスもおこなう。 |
サイバートラスト(4498) | 電子認証・セキュリティ事業を軸に、オペレーションシステムのサポートやIoT(モノのインターネット)も手がける。2021年上場。ソフトバンク(9434)グループ。 |
トレンドマイクロ(4704) | サイバーセキュリティの世界的大手。ウィルス対策ソフト『ウィルスバスター』が国内トップシェア。コンピュータ及びインターネットのセキュリティに関連する幅広い製品・サービスを提供している。 |
S&J(5599) | サイバーセキュリティ事業に特化。マクニカHD(3132)が筆頭株主。2023年12月上場。セキュリティ監視サービスが売上の過半を占める。今後は成長率が高いMicrosoft製品の監視に注力する方針。 |
情報・サイバーセキュリティ関連株・銘柄の見通し
サイバーセキュリティ関連株の見通しを「良い・普通・悪い」で表すと、「良い」と言えます。
国内のセキュリティ市場は、2024年の1兆455億円(推定)から年7.2%の伸び率で成長し、2027年には1兆2488億円に達すると予想されています※2。AIの広がりや社会のDX(情報化)にともない、金融、小売、製造、エネルギー、医療などのさまざまな業界でセキュリティ対策が進む見込みです。
※2 参考:2024年の世界セキュリティ市場(IDC)
日本ネットワークセキュリティ協会によれば、セキュリティ関連の売上の内訳は、機器やソフトウェアなどの製品が約6割、コンサルティング・運用などのサービスが約4割です※3。それでは各分野を少し詳しく見ていきましょう。
※3 参考:国内情報セキュリティ市場2023年度調査報告(JNSA)
① ネットワークの制御・検知/外部からの攻撃に対応する製品
インターネットと内部ネットワークを行き来するやりとりを監視し、サイバー攻撃を未然に防ぎます。ここに挙げた銘柄のほか、富士通(6702)などの総合電機メーカーや、KDDI(9433)、NECネッツエスアイ(1973)などの通信関連各社も得意とするサービス分野です。
② エンドポイントを保護管理する製品
個人や職員が使うPCなどのエンドポイント※4で機能する製品です。ネットワークの防護壁を突破したサイバー攻撃を防ぐ最後の砦(とりで)となります。なかでも、端末の不審な動きを見つけて対応するEDRと呼ばれる製品が売上を伸ばしています。
※4 エンドポイントとは、ネットワークに接続された端末や機器のことを指します。
国内トップシェアは、ソフトバンク(9434)が共同で設立したサイバーリーズン社の製品です。2024年7月にはライバルの米クラウドストライク社製EDRが世界的なシステム障害を引き起こし、FFRIセキュリティ(3692)などのEDR関連株が値上がりする場面がありました。
③ コンテンツセキュリティ対策用製品
情報の流出や破壊、改ざんを防ぎます。メールやURLのフィルタリングやデータの暗号化はデジタルアーツ(2326)が得意としています。
④ アイデンティティやアクセスを管理する製品
WEBサイトや会社、個人を電子認証(電子上で証明)する製品です。なりすましや偽のサイトと誤解されることを防ぎます。ここでご紹介したGMOグローバルサインHD(3788)やサイバートラスト(4498)のほか、ソリトンシステムズ(3040)なども電子認証を手がけています。
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まとめ
サイバーセキュリティ関連銘柄を中小型株を中心に取りあげました。
中小型株の売買にあたっては、M&A(合併と買収)の可能性を考えておく必要があるでしょう。近年の深刻な人手不足を背景に中小のITサービス会社を買収する動きが活発化しているからです。買収の意思が示されると株価が値上がりすることが多いので、わたしたち投資家にとっても悪い話ではありません。
サイバーセキュリティ関連の中小型株を検討する際は、いちどM&Aの買い手側の視点に立って、業績、割安度、株主構成などをよく考えてみることをおすすめします。 しっかり調べてアンテナを張り、値上がり益を得るチャンスを逃さないようにしたいですね。