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【海運関連株・銘柄まとめ】今後(2023年)の見通しはどうなる?造船株も解説

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2024年2月14日

海運関連株は、船で物資を運ぶ海運業を営む会社の銘柄です。代表的な銘柄には、海運大手3社と呼ばれる日本郵船(9101)商船三井(9104)川崎汽船(9107)が挙げられます。

海運関連株は、業績も株価も景気の影響を受けやすい景気敏感株(シクリカル株)です。ボラティリティ(株価の変動度合)が大きく、景気動向や国際情勢によって株価が左右されます。海運株は「高配当」が人気を集めましたが、過去、海運大手の配当金がゼロとなった期もあるので配当の振れ幅には注意が必要です。

海運株に投資するなら、日々の経済状況や景気動向を読み取っていく必要があるでしょう。この記事では海運関連株・関連銘柄について解説します。今後の見通しや代表的な10銘柄をピックアップしてご紹介するので、海運株に興味がある方はぜひ参考にしてください。

海運株とバルチック海運指数の相関関係

海運株投資でチェックしておきたいのは、バルチック海運指数です。バルチック海運指数とは、英国の「バルチック海運取引所」が1日1回公表する指数のこと。世界中で運行している外航不定期船(コンテナ輸送※1を主とする定期船以外の国際貨物船)の運賃を収集して算出されており、国際的な海上運賃の指標になっています。

※1 機械や部品、食料などさまざまな品物をコンテナに入れて運ぶ輸送方法です。コンテナ輸送は海洋輸送量の約半分を占めています。

また、バルチック海運指数は「世界の貿易が活発かどうか」を表しているのも特徴です。そのため、世界貿易の活動は、バルチック海運指数が上がれば活発化、下がれば沈静化していることがわかります。世界貿易の活動状況は世界経済にも影響を与えるので、バルチック海運指数は「世界経済の動きに2か月先行する」とも言われる重要な指数です。

したがって、世界貿易と密接な関係がある海運株の株価とバルチック海運指数は、株価連動性が高いと言えます。実際に、バルチック海運指数と海運大手3社の一角である商船三井(9104)の過去のチャート(約20年分)を比較してみましょう。

<バルチック海運指数のチャート(2000年~2022年10月まで)>

バルチック海運指数

(出典:TradingView

商船三井(9104)のチャート(2003年~2022年10月まで)>

商船三井

(出典:SBI証券

このように、バルチック海運指数と海運株の株価は同じような動きをしており、相関関係があることがわかります。海運株を売買する際は、バルチック海運指数もチェックしておきましょう。

海運関連株・銘柄一覧

Mordor Intelligence社の調べによれば、世界の海上輸送の規模は2024年の752.1億ドル(推計)から2029年には968.6億ドルに達する見込みです※2。世界の海上輸送量の約7%を日本の商船隊が担っています。

※2 参考:海上貨物輸送市場規模と市場規模株式分析 - 成長傾向と成長傾向予測(Mordor Intelligence社)

日本の海運大手の事業は、海外の輸送をおこなう「外航」がメインです。対して国内輸送は「内航」と呼ばれています。では、外航・内航海運会社10社をご紹介します。

外航

日本郵船(9101)商船三井(9104)川崎汽船(9107)の大手3社にあわせて、バラ積み船に強いNSユナイテッド海運(9110)乾汽船(9308)、原油タンカーを運行する明海グループ(9115)共栄タンカー(9130)玉井商船(9127)、大型・小型ガス船を運行する飯野海運(9119)をピックアップしました。

内航

日本初のRORO船※3を建造した栗林商船(9171)をご紹介します。 大手の商船三井(9104)川崎汽船(9107)や、玉井商船(9127)NSユナイテッド海運(9110)飯野海運(9119)なども売上は小さいながら内航も手がけています。内航をおこなう会社の大半は非上場の中小事業者です。

※3 RORO船(ロールオン・ロールオフ船)は、トラックなどの車両が自走で乗り込める貨物船です。

銘柄名
クリックタップで最新株価)
事業内容
日本郵船(9101) 海運国内首位。外航の定期船を主力事業とし、不定期船、物流、航空運送、不動産事業を営む。物流の新規投資を推進。コンテナ船会社「Ocean Network Express Japan」に海運大手3社で共同出資。
商船三井(9104) 海運国内2位。鉄鋼鋼材などの各種専用船、原油やLNGを運ぶタンカー、自動車船、コンテナ船を運行。内航RORO船やフェリーの航行も手がける。コンテナ船会社「Ocean Network Express Japan」に海運大手3社で共同出資。
川崎汽船(9107) 海運大手3社の一角。鉄鉱石・石炭・穀物のばら積み船、自動車船、LNG船、LPG船(ブタン・プロパンなどの液化石油ガスを輸送)。内航船会社を完全子会社化。コンテナ船会社「Ocean Network Express Japan」に海運大手3社で共同出資。
NSユナイテッド海運(9110) 海運会社。旧新和海運。外航海運事業が約9割、内航が1割。鉄鋼鋼材のバラ積み船を中心に石炭、穀物なども輸送。売上の4割強が筆頭株主である日本製鉄(5401)向け。日本郵船(9101)とも協業・資本関係にある。
明海グループ(9115) 海運会社。LNG・原油・石油化学製品のタンカーを中心に、船舶貸渡業(船舶を同業他社に貸す)と運行管理をおこなう。ホテル・不動産事業などにも進出。売上の1~2割が日本郵船(9101)向け。
飯野海運(9119) 海運会社。大型原油や化学品タンカー、大型ガス(LPG・LNG)船、中小型ばら積み船、小型ガス船などを運行。外航海運事業が約9割強、内航・近海が1割弱。東京の劇場「イイノホール」や賃貸マンション事業なども手がける。
玉井商船(9127) 日本軽金属グループの海運会社。外航が8割強、内航が1割強。船員派遣や不動産事業も手がける。外航は 水酸化アルミ、穀物やセメント原料などの輸送を担う。内航は燃料油・LPGのタンカー輸送をおこなう。
共栄タンカー(9130) 海運会社。大型原油タンカーの長期貸船契約(長期に渡って船舶を同業他社に貸し出す契約)が事業の主体。船隊構成は原油船5割、LPG船2割、ばら積み船2割。日本郵船(9101)が筆頭株主。
栗林商船(9171) 海運会社。内航・近海海運業を営む。RORO船の定期運航が主力事業。紙製品、雑貨、農産物、建材、鋼材などを海上輸送する。トレーラーの年間輸送台数は10万台を超える。
乾汽船(9308) 海運会社。外航海運事業、倉庫・運送事業、不動産事業を展開。バラ積み小型船による輸送と船舶貸渡業が主力。倉庫、賃貸物流施設や配送サービスを提供する。勝どき・月島エリアの賃貸マンションを運営。

海運関連株・関連銘柄の見通し(2023年)

海運株の見通しを「良い・普通・悪い」で表すと、外航は「普通」、内航は「良い」と言えます。では、それぞれの見通しを見ていきましょう。

外航海運

コロナとウクライナ侵攻の影響で高騰していた海上運賃はコロナ前に戻り、世界景気の減速で輸送需要は縮小しています。しかし、足元では欧州など一部に底入れの兆しが見られます。イスラエルの軍事衝突をめぐり日本郵船の運行船が拿捕されるなど航行リスクが高まっている点には注意が必要です。

足元の円安は運賃をドル建てで受け取る海運会社にとってはプラスです。2024年は円高が予想されていますが、対ドルレートは130~140円と予想する会社が多く、長い目で見た円安基調は変わりそうもありません。海運需要の減速による悪い影響と、円安メリットによる良い影響のどちらも考慮する必要があるでしょう。

内航海運

貨物運送の4割を占めながらも事業者の撤退が続いていた内航海運ですが、いま「モーダルシフト」によって息を吹き返そうとしています。モーダルシフトとはトラック輸送から船・鉄道の輸送に切り替えることです。トラック運転手が残業規制によって不足する2024年4月をひかえ、自動車の海上輸送量が増えるなど、モーダルシフトは早くも活発化しています。

政府は、国内の輸送力が2024年度に14%、2030年度に34%不足する可能性がある※4として、今後10年程度で内航と鉄道による輸送を倍増する計画です。

※4 参考:物流革新緊急パッケージ(内閣官房)

2024年物流問題を前に特に期待が寄せられているのはRORO船とフェリーです。トラックを積荷ごと海上輸送できるので運転手の労働時間を減らすことができます。RORO船やフェリーに強い栗林商船(9171)商船三井(9104)川崎汽船(9107)グループなどに期待がかかります。

内航は特に九州で需要が高まっています。半導体工場の操業開始をひかえ、大分港や中九州横断道路などの整備が進行中です。

先行きが明るい内航海運事業ですが、心配な点もあります。

船と人材の高齢化

内航船の7割が耐久年数を超えています。高齢化で人材も不足し2007年以降、内航海運事業者の数は減少傾向です。

利益の圧迫

荷主から数次の下請けを経て委託されるため、末端の事業者が手にする利益は小さく、燃料費の値上がりは打撃です。

船の更新や燃料に対する補助金と、外国人人材の受け入れなどの政府の対策には要注目です。

注意

記載の見通しは、当サイト編集部の見解なので、結果を保証するものではありません。いかなる不利益が生じた際にも当サイトは一切の責任を負いませんので、すべてにおける最終判断はご自身でおこなってください。

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まとめ

コロナとウクライナ侵攻による特需が終わった今、海運株に当時の高配当は期待できません。しかし、内航を担う海運会社には、物流の2024年問題と政府の後押しによって、底堅い成長が期待できそうです。

ピークを超えたとはいえ円安が続く外航の事業環境と内航の活況は、日本の海運会社にとって悪い状況ではありません。円安に歯止めがかかるまでの間は、内航にとっては燃料高に耐える時期となりますが、外航にとっては余力を蓄えるチャンスとなるでしょう。海運株人気は一服しましたが、今後も動向を追っていきたいですね。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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