ボラティリティとは?意味や投資への活用法などをわかりやすく解説します

ボラティリティとは?意味や投資への活用法などをわかりやすく解説します

担当:西尾

担当・にしけい

最終更新日:2021年3月31日

ボラティリティ」とは、株価の変動度合を表すものです。ボラティリティが大きいほど、株価の変動度合が大きくなります。株価が大きく上がる場合もあれば、大きく下がる場合もあるので、利益や損失の額が大きくなります。反対に、ボラティリティが小さいほど、株価の変動度合が小さいので、利益や損失の額は小さくなります。

ボラティリティが大きい場合と小さい場合について、メリットとデメリットをまとめると、下の表のようになります。

メリット デメリット
ボラティリティ
大きい
大きな利益が出る場合がある 大きな損失が出る場合がある
ボラティリティ
小さい
大きな損失が出にくい 大きな利益が出にくい

一覧表を見ると、ボラティリティの大きい銘柄に投資したほうが、より大きな利益を狙えるメリットがあります。しかし、その反面大きな損失が出る場合があるので、「一攫千金のために、ボラティリティの大きな銘柄を買えば良い」と安易に考えないほうが良いでしょう。ご自分の取れるリスクと銘柄のボラティリティを照らし合わせて、投資する銘柄を選びたいですね。

このコラムでは、ボラティリティの確認方法や、投資への使い方を紹介しています。

1.個別銘柄のボラティリティを確認する方法

SBI証券を例に、個別銘柄のボラティリティを確認する方法を紹介します。ボラティリティは、個別銘柄の株価チャート画面で確認できます。ただし、初期設定の状態では見えないので、設定を変える必要があります。少しわかりづらいので、順を追って説明していきます。

1.はじめに、SBI証券にログインします。ログインすると、下のような画面が出てくるので、左側にある検索窓に『銘柄名』または『銘柄コード』を入力し、『検索』をクリックしてください。今回は、かつ丼店『かつや』を運営するアークランドサービスホールディングス(3085)を例に紹介します。

SBI証券のトップ画面
↓

2.銘柄の個別ページが出てきます。社名の下あたりにある『チャート』をクリックしましょう。

銘柄の個別ページ
↓

3.株価チャートの画面に切り替わります。この状態ではボラティリティが表示されていないので、設定を変更します。

株価チャートの下に、「テクニカル」という項目があります。こちらの「下段」をクリックすると、リストが出てきます。デフォルトでは『出来高』となっているので、『ボラティリティ』を選んでください。

株価チャートの設定画面
↓

4.下の画面のように、ボラティリティを表す紫色の線グラフが表示されます。

ボラティリティが表示

2.ボラティリティを見るときの基準

ボラティリティの確認方法がわかったので、ボラティリティを見るときの基準値を紹介します。覚えていただきたい基準値は「5」と「10」です。それぞれ説明します。

ひとつ目の基準値「5」について解説します。値動きが落ち着いている銘柄は、ボラティリティの数値が5以下で推移しているケースが多いです。ざっくりとした目安にはなりますが、ボラティリティが「5」を超えると、その銘柄の値動きが普段より激しくなっていると考えます。

続いて、ふたつ目の基準値「10」について解説します。株価に影響を与えるニュースなどの材料が発表された場合や、株価が急騰・急落した場合は、ボラティリティが「10」を超えて上昇します。

実際に、ボラティリティの高い銘柄や低い銘柄の株価チャートを見てみましょう。

2-1.ボラティリティが高い銘柄

リミックスポイント(3825)の株価推移(6か月)>

リミックスポイント(3825)の株価推移(6か月)

(出典:SBI証券

上のグラフは、暗号資産交換所『ビットポイント』を運営する、リミックスポイント(3825)の株価チャートです。ボラティリティを見ると、2021年1月ごろまでは株価の変動がほとんどなかったため、5以下で推移しています。しかし、1月15日付近から株価が上昇し、2月中旬ごろに急騰しています。

この動きに合わせて、ボラティリティも5以上で推移しており、3月中旬ごろまでは15付近を維持していました。この間、株価は上下に大きく動いており、ボラティリティが高くなっている様子がうかがえます。

このように、ボラティリティが高くなっているときは、その理由を調べましょう。リミックスポイントの場合は、株価が大きく動いた理由として次の2つがありました。

  • 2021年1月15日付近の株価上昇:MSワラントの行使完了で、株価の下落要因がなくなったため
  • 2021年2月中旬ごろの株価急騰:ビットコインに注目が集まったため

MSワラントの行使完了は少し特殊な事例ですが、2月のビットコインで株価が急騰したように、会社の業績にプラスのニュースが発表されると、株価が大きく動きます。加えて、ビットコインなど注目のテーマが絡んでいる場合は、投資家からの注目がより集まりやすいため、株価の動きが激しくなるのです。

このあと、ボラティリティの活用方法の部分で説明しますが、このような銘柄はデイトレーダーから人気を集めやすい銘柄です。なぜなら、ビットコインに関連したニュースなどが発表されると、今後も株価が大きく上がる可能性があるからです。この点で、短期的に大きな利益を狙うデイトレードに向いた銘柄といえます。

2-2.ボラティリティが低い銘柄

三井住友フィナンシャルグループ(8316)の株価推移(6か月)>

三井住友フィナンシャルグループ(8316)の株価推移(6か月)

(出典:SBI証券

上のチャートは、三井住友銀行などを運営する三井住友フィナンシャルグループ(8316)の株価チャートです。銀行業は業績が安定しているので、株価も大きく動きません。三井住友フィナンシャルグループの株価は、ゆるやかに右肩上がりで上昇しています。株価が上下に大きく動くわけではないので、ボラティリティは1~2の間で推移しているのです。

ボラティリティを見る際は、基準値(5と10)と照らし合わせて、ボラティリティの大きさを判断しましょう。

3.ボラティリティを使ってスクリーニングする方法

証券会社のスクリーニングツールを使うと、ボラティリティに注目して銘柄を抽出できます。実際にどうやってスクリーニングするのかを、SBI証券のスクリーニングツールを例に紹介します。

1.はじめに、SBI証券にログインします。ログインすると、下のような画面が出てくるので、左側にある『銘柄スクリーニング』をクリックしてください。

SBI証券のトップ画面
↓

2.スクリーニングの画面が出てきます。左下にスクロールすると、『検索条件を追加』とあるので、そちらをクリックします。

スクリーニング画面
↓

3.スクリーニング条件の設定画面が出てきます。ボラティリティは『株価パフォーマンス』の中にあるので、設定画面の上側にある『株価パフォーマンス』をクリックしましょう。

スクリーニング設定画面
↓

4.詳細条件項目の中に『過去60日ボラティリティ』があるので、こちらにチェックを入れます。今回は『過去60日ボラティリティ』のみにチェックを入れますが、そのほかに設定したい条件があれば、チェックを入れてください。チェックを入れたら、画面の下にある『適用』をクリックしましょう。

スクリーニング設定画面
↓

5.スクリーニング結果の画面に戻りますが、これで終わりではありません。画面左下にある『詳細条件』で、スクリーニング条件を細かく設定する必要があります。すでに数字が入っていますが、こちらを変更します。ボラティリティの小さい銘柄を選びたいときは「5以下」に、ボラティリティの大きな銘柄を選びたいときは「5以上」に設定するとよいでしょう。

スクリーニング設定画面

4.ボラティリティの活用方法

ボラティリティが最も威力を発揮するのは、デイトレード(短期売買)だと言われています。理由は、ボラティリティの大きな銘柄は、新商品の発表やM&Aなどにより、株価が大きく上がる可能性が高いからです。短期間で大きな利益が狙えるので、デイトレードをされている方は、ボラティリティの大きさにも注目しています。

この説明を読むと、「私もデイトレードに挑戦してみよう!」と思われるかもしれません。しかし、デイトレードは“価格の高低差に注目したギャンブル”なので、当サイトでおすすめしている“会社の成長に基づいた成長バリュー株投資”とは異なります。デイトレードは会社の成長に基づかない分、「いかに高く売れるかの勝負」であり、初心者向きではありません。この点には注意が必要です。

以上の理由から、ボラティリティを重視して銘柄を選ぶのではなく、投資を考えている銘柄のボラティリティをチェックして、将来的にどれくらい株価が動く可能性があるかを把握しておくのがおすすめです。投資する前に株価のブレをある程度想定しておけば、実際に投資したあとに株価が大きくぶれても、安心して持っていられます。

5.株式市場の変動を表す「ボラティリティ・インデックス」

ここまでは、個別銘柄のボラティリティについて紹介しました。次は、株式市場に対するボラティリティについて解説します。

株式市場では、個別銘柄だけでなく、日経平均株価やS&P500のボラティリティがよく見られています。そのため、投資家が状況を把握しやすいように、日経平均株価のボラティリティを表す「日経平均ボラティリティ・インデックス(以下、日経平均VI)」、S&P500のボラティリティを表す「VIX指数※1」があります。

※1 VIXとは、「Volatility Index(ボラティリティ・インデックス)」の略です。

5-1.VIX指数や日経平均VIの確認方法

VIX指数や日経平均VIの確認は、VIX恐怖指数 日経平均比較チャート(StockBrain)が便利です。こちらのサイトでは、欧州の株価指数「EURO STOXX 50」の動きを元に計算される「VSTOXX指数(欧州恐怖指数)」も載っているので、世界の株式市場がどうなっているのかがわかります。

リミックスポイント(3825)の株価推移(6か月)

(出典:StockBrain VIX恐怖指数 日経平均比較チャート

VIX指数をはじめとする3つの恐怖指数は、いつもは「10~20」付近で推移しています。しかし、株式市場が暴落したときなどは、「30以上」に上がります。そのため、株式市場で暴落が起こったとき、VIX指数を追いかければ「相場の荒れ具合」や「投資家の不安度合」が把握できます。VIX指数についての詳しい見方は、VIX指数(ヴィックスしすう)とは?で説明していますので、こちらをご覧ください。

指数が作られると、その指数に連動して価格が動くETF(上場投資信託)が作られるケースが多くあります。もちろん、VIX指数や日経平均VIにも連動するETFやETN※2 があるので、うまく使えば相場が下落しているときに利益が出せます。詳しくはこの後で説明します。

※2 ETNとは、「Exchange Traded Note」の略です。日本語では、「上場投資証券」と呼ばれています。名前は違いますが、ETFと同じで、指数に連動する金融商品です。

6.ボラティリティへの投資

銘柄コード 銘柄名 売買単位 最低必要投資金額
1552 国際のETF VIX短期先物指数 1口 4,200円
2035 NEXT NOTES 日経平均VI先物指数 ETN 1口 287円

※最低必要投資金額は、2021年3月30日15:00時点の数値です。

ボラティリティに投資できる金融商品は、上の表に挙げた2種類です。国際のETF VIX短期先物指数(1552)はVIX指数に、NEXT NOTES 日経平均VI先物指数 ETN(2035)は日経平均VIに連動しています。どちらも、株式市場が暴落したときに、価格が上がる性質を持っています。そのため、暴落時にはリスクヘッジの手段として使えるのです。それぞれの株価チャートは、下のようになっています。

国際のETF VIX短期先物指数(1552)の株価推移(2年間)>

国際のETF VIX短期先物指数(1552)の株価推移(2年間)

(出典:SBI証券

NEXT NOTES 日経平均VI先物指数 ETN(2035)の株価推移(2年間)>

NEXT NOTES 日経平均VI先物指数 ETN(2035)の株価推移(2年間)

(出典:SBI証券

2つの株価チャートを比べると、どちらも同じ動きをしているのがわかります。そのため、リスクヘッジ先として投資する場合は、どちらを選んでも大丈夫です。両方買っても良いですし、連動対象や最低必要投資金額で選んでも良いでしょう。これらの詳しい情報は、下の表にまとめました。ETFを選ぶ際の参考にしてください。

銘柄名 売買単位 最低必要投資金額 連動対象
国際のETF VIX短期先物指数
(1552)
1口 4,200円 S&P500
NEXT NOTES 日経平均VI先物指数 ETN
(2035)
1口 287円 日経平均株価

※最低必要投資金額は、2021年3月30日15:00時点の数値です。

7.まとめ

以上、株価の変動度合を表す「ボラティリティ」の解説でした。ボラティリティが大きな銘柄は、将来の株価変動が大きいかもしれません。投資を考えている銘柄のボラティリティを調べて、今後どれくらい株価が動きそうか把握しておきましょう。

また、個別銘柄のボラティリティ以外にも、株式市場のボラティリティが存在します。VIX指数や日経平均VIを見れば、株式市場の温度感がわかります。そして、これらの指数に連動したETFやETNがあります。株式市場が暴落した際に価格が上がるので、リスクヘッジの手段として使うのもおすすめです。

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この記事の執筆者

にしけい
「やさしい株のはじめ方」の資産運用担当です。ファイナンシャルプランナー2級、証券外務員の資格を保有しています。年間200銘柄以上を分析中。

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