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VIX指数(恐怖指数)とは?わかりやすく解説します

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年11月30日

VIX指数とは、「Volatility Index(ボラティリティー インデックス)」の略です。日本語では「恐怖指数」と言います。恐怖指数という名のとおり、株式市場が暴落したときなど、投資家の不安が大きくなったときに、VIX指数が上昇します。株式市場の温度感を知るのに便利な指標です。

このコラムでは、VIX指数の使い方や連動する金融商品について、株初心者向けにわかりやすく解説しています。

VIX指数とは?

VIX指数とは、「Volatility Index(ボラティリティー インデックス)」の略です。日本語では「恐怖指数」と言います。米国の株式指標であるS&P500がもとになっており、数値が高いほど投資家が市場に対して不安や恐怖を抱いているのを意味します。そのため、株式市場で暴落が起きているときに、VIX指数が高くなります。株式市場の温度感を知るのに便利な指標です※1

※1 より厳密に説明すると、VIX指数はS&P500のオプション取引をもとに算出される指数です。オプション取引の値動きが激しくなると、VIX指数が上がる仕組みとなっています。詳しいことは理解できなくても問題ありません。

VIX指数は、Google検索で「VIX指数」と検索すると、Googleファイナンスが公開している以下のようなチャートが確認できます。かんたんに情報を取得できるので、株式市場が暴落しているときなどに、ぜひチェックしてみてください。

VIX指数の使い方

VIX指数を投資に活かす方法は、次の2つがあります。

  • 株式市場の温度感を知る
  • 投資タイミングを見つける

それぞれ説明しますね。

株式市場の温度感を知る

VIX指数は日本語で「恐怖指数」と言われており、株式市場で暴落が起きるなど、投資家の不安が高まると上昇します。普段は10~20付近で推移していますが、2020年3月のコロナショック時83.56とかなり高い水準まで上がりました。

VIX指数を使う際の基準値は「20」です。VIX指数が20を超えると、投資家の不安が相当高まっていると判断できます。このように、VIX指数の数値から株式市場の状況を読み取れるので、「相場の温度計」とも呼ばれています。

VIX指数を計算する元になっているのは、米国のS&P500です。そのため、VIX指数自体は米国の株式市場の温度感を示すものとなります。しかし、米国株式市場は日本の株式市場に間接的に影響を及ぼすので、VIX指数をチェックすると良いのです。

なお、日本の株式市場における恐怖指数は「日経平均VI」と呼ばれるものです。VIX指数だけでなく、こちらの指標も合わせてチェックしたいですね。

投資タイミングを見つける

VIX指数は、投資タイミングを見つけるツールとしても使えます。投資タイミングになるのは、VIX指数が急上昇したときです。VIX指数は株式市場全体の温度感を示すものなので、この数値が急上昇している場合、株式市場は暴落が起きている可能性が高いでしょう。

株式市場の暴落に引きずられる形で、個別企業の株価が下がっているとすれば、会社の持っている価値に関係なく割安な値段が付いていることになります。この場合、株式市場の混乱が落ち着けば、その会社の価値が再び評価されて、株価の上昇が見込めます。

したがって、VIX指数が急上昇したあとに個別企業の株を買えば、将来的に値上がり益を手に入れられるかもしれないのです。株式市場全体が暴落しているときに投資するのは、精神的にも少しつらいかもしれませんが、みんなが怖がって投資しないときこそ、バーゲンセールだと思って投資していきたいですね。

ただし、VIX指数が急上昇したときに、すべての銘柄が「買い」かというと、必ずしもそうとは言い切れません。コロナショック後の日本航空(9201)を例に説明します。日本航空は、日本を代表する航空会社です。コロナショックが起きた2020年3月ごろ、日本航空の株式は市場全体の暴落と同じように下がっていきました。

日本航空(9201)の株価推移>

日本航空(9201)の株価推移

(出典:SBI証券

しかし、日本航空の株価はその後低迷しています。これは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、国際線の需要がほぼゼロになったほか、国内線も旅行の自粛などによって需要が大きく減ってしまったのが原因です。つまり、ショック時に投資する際は、ショックをきっかけにその会社の事業環境などの変化がないかを調べる必要があります。

VIX指数に連動する金融商品

VIX指数に連動する金融商品には、次のようなものがあります。

銘柄コード 銘柄名
1552 国際のETF VIX短期先物指数

このETFは、VIX指数が上がると利益が出る仕組みです。そのため、市場が不安定なときのリスクヘッジとして使えます。ただし、長期保有を続けると、どんどん価値が小さくなる(減価する)欠点があります。長期保有には向かず、あくまで短期的な保有に向いている商品である点を、頭の中に入れておいてください。

上のチャートは、「国際のETF VIX短期先物指数(1552)」の2か月間の値動きを表したものです。2020年2月24日付近から、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて株式市場が下落していました。それに対して、VIX短期先物指数は右肩上がりで上昇を続け、1口あたり6,000円だったのが18,000円になっています。このように、相場の急落局面で値上がり益が手に入るので、リスクヘッジ先として有効です。

日本版VIX指数「日経平均VI」

VIX指数の日本版として、「日経平均VI」と呼ばれる指標があります。この指標に連動する金融商品はありませんので、指標の概要のみ解説します。

日経平均VIは、“投資家が予想する日経平均株価の変動幅”を指数にしたものです。VIX指数の日本版と考えておけばよいでしょう。この指数はSBI証券でチェックできます。

<日経平均VIの推移>

日経平均VI

(出典:SBI証券

上のチャートは、日経平均VIの2か月間の動きを表したものです。VIX短期先物指数と同じで、2020年2月24日付近から新型コロナウイルスの影響を受けて、日経平均VIが上昇しています。そして、2020年3月17日には「56.47」を付けています。

一般的に警戒領域と言われる「20」を大きく超えており、相場が急落で大荒れとなっているのがわかりますね。

まとめ

VIX指数や日経平均VIは、株式市場の温度感を知るのに役立つほか、投資タイミングを見極めるのにも使えます。株式市場の暴落時は、これらの指数が急上昇します。優良企業が割安な株価まで下がる場合があるので、絶好の投資タイミングになるかもしれません。

また、VIX指数に連動した金融商品があります。この金融商品は、VIX指数が上昇することで、利益が出る仕組みです。株式市場が暴落したときは、保有株で大きな含み損を抱えるかもしれませんが、このような金融商品をリスクヘッジとして買うことで、含み損を相殺できます。暴落時にはうまく使って、損失を最小限に抑えたいですね。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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