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【猛暑関連株・銘柄まとめ】夏に上がる株と今後の見通しを解説(2025年版)

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2024年6月7日

猛暑関連株とは、最高気温が35度を超える日(猛暑日)が多くなると売上が伸びる会社の株です。猛暑になる年は、夏を快適に過ごすためのグッズやサービスの売上が増えると言われています。具体的にはエアコン、ビールやビアガーデン、日焼け止めなどであり、これらを提供する会社が猛暑関連銘柄です。この記事では、猛暑関連の銘柄(各分野ごと)や今後の見通しを解説するので、ぜひ参考にしてください。

猛暑関連株の注目度が上がるエルニーニョ現象

世界の年平均気温は上昇し続けており、今後もその傾向が続くと予想されています。

世界の年平均気温

出典:気象庁

猛暑関連株には、本格的な暑さが始まる前の5~7月上旬に注目が集まります。気象庁が発表する夏の「3か月予報※1」や、日本に猛暑(冷夏)をもたらす「ラニーニャ(エルニーニョ)現象※2」の見通しがこの時期に報道されるからです。

※1 3か月予報は翌月から3か月間の平均気温や降水量などを表す季節予報です。6月~8月の予報は5月、7月~9月の予報は6月に発表されます。
※2 ラニーニャ(エルニーニョ)現象とは太平洋の赤道付近の海水温が平年よりも低い(高い)状態が一年程度続く状態を指します。

都市部ではこの100年で猛暑日が3日、真夏日※3が8日、熱帯夜※4が19日増えています※5。地球温暖化を背景に、猛暑関連株が注目される年は今後も多くなっていくことでしょう。

※3 真夏日は最高気温が30度を超える日です。
※4 熱帯夜は夕方から翌朝までの最低気温が25℃以上になる夜がカウントされます。
※5 参考:大都市における階級別日数の変化率(気象庁)

猛暑関連株・銘柄一覧

猛暑で売れるグッズやサービスをあつかう会社を各分野から1銘柄ずつご紹介します。

ビール

ビアガーデン向けなどの業務用ビールに強いアサヒグループHD(2502)をピックアップしました。

清涼飲料水

サントリー食品インターナショナル(2587)の『天然水』は暑い日の持ち歩き用にも便利です。

日焼け止め

日焼け止めや制汗剤を提供するロート製薬(4527)を取りあげました。

天気予報

ウェザーニューズ(4825)は独自の天気予報『猛暑見解』を毎年6月に配信しています。

殺虫剤

フマキラー(4998)の殺虫剤は、一年を通して気温が高い東南アジアでよく売れています。

エアコン

世界首位の空調メーカーであるダイキン工業(6367)では夏の高温化が進む欧米での販売が好調です。

業務用冷蔵庫

大和冷機工業(6459)が製造する厨房用冷蔵庫は夏期に売上が多くなります。

アイス

アイスクリームや冷凍食品の卸業者アイスコ(7698)にとっても猛暑は追い風です。

日傘

雨具メーカーのムーンバット(8115)の日傘や晴雨兼用傘は男性や外国人観光客にも人気です。

家電量販店

家電量販店を運営するヤマダホールディングス(9831)の売上も温暖化に影響を受けています。猛暑は季節家電(エアコンや暖房器具)の販売にプラスですが、暖冬はマイナスに働きます。

銘柄名
クリックタップで最新株価)
事業内容
アサヒグループホールディングス(2502) アサヒスーパードライ』で知られるビール会社。業務用ビールに強い。キリンHD(2503)とビール国内シェア首位を争う。清涼飲料や食品も手がける。海外売上比率は約5割。
サントリー食品インターナショナル(2587) 清涼飲料メーカー大手。主力商品の『サントリー天然水』は気温が高くなると売上が伸びる。サントリーHD(非上場)の中核子会社。海外売上比率は約5割。アジアと欧州に強い。
ロート製薬(4527) 米メンソレータム社を買収した製薬会社。売上の6割超がスキンケア製品。『スキンアクア』や『サンプレイ』などの日焼け止めがドラッグストアで人気。海外売上比率は約4割。
ウェザーニューズ(4825) 気象サービス会社。気温や降雨、梅雨入り/梅雨明けの見通しについて独自の天気予報をスマホや動画で配信する。天気予報から売れ行きを予想した『小売需要傾向』を定期的に発表。
フマキラー(4998) 虫よけの『ベープ』でおなじみの殺虫剤メーカー。殺虫剤がもっともよく売れる時期である5~6月の気温がその年の売上を左右する。東南アジアが収益の柱。海外売上比率5割超。
ダイキン工業(6367) 空調メーカー世界首位。業務用に強み。フィルターや、樹脂・ゴム・ガスなどのフッ素化合物も提供している。世界の高温化で寒冷地の販売が好調。海外売上比率は8割を超える。
大和冷機工業(6459) 冷熱機器総合メーカー。業務用冷蔵庫・冷凍庫、製氷機、冷蔵ショーケースを製造販売。保守やリースもおこなう。厨房用の冷凍冷蔵庫が主力製品であり、食中毒が増える暑い時期が書き入れ時。
アイスコ(7698) アイスクリームと冷凍食品の卸業を営む。主な取引先はドラッグストアや食品スーパー。猛暑で売れ行きが上向く。関東と東海を中心に物流拠点。神奈川県内でスーパーマーケットの店舗運営も手がける。
ムーンバット(8115) レイングッズメーカー。雨傘、日傘、レインコートなどの雨の日用のアイテムが中心。猛暑は売上にプラス。超軽量の晴雨兼用傘『マジカルテックプロテクション』が大ヒット。
ヤマダホールディングス(9831) 家電量販店のヤマダデンキやベスト電器を全国に展開。テレビ、冷蔵庫、エアコンなどの家電用品をメインに携帯などの情報家電も販売。エアコンは猛暑で販売数が大きく伸びる商品。

猛暑関連株・銘柄の見通し

猛暑関連株の見通しを「良い・普通・悪い」で表すと、「良い」と言えます。気象庁は、日本の猛暑日は今後も増え続けると予想しています。猛暑関連銘柄の売上高や株高をねらえるチャンスは多くなっていくと言えるでしょう。

① ビール

キリンHD(2503)によれば、夏の平均気温が1度上がると販売量が2.5%増えるとのことです。

② 清涼飲料水

清涼飲料水も気温が上がると売上増につながる商品です。特にスポーツ飲料は高い温度帯で売れ行きが加速します。

③ 日焼け止め

日焼け止めは最高気温23度を超える5月上旬になると売上がぐっと伸びます※6

※6 参考:2024年春夏も気温は高め、夏物商材の売り上げが立ち上がるタイミングは?(日本気象協会)

④ 天気予報

グッズやサービスの売上予測には天気予報は欠かせません。ウェザーニューズ(4825)などの民間の天気予報を利用する個人も増えています。

⑤ 殺虫剤

殺虫剤も気温が高いほど売れる商品です。

⑥ エアコン

エアコン向けの電力需要は2050年には2018年比で3倍に増えると国際エネルギー機関が予測しています。

⑦ 業務用冷蔵庫

気温の高温化などを背景に業務用冷凍冷蔵庫の販売台数は世界的に拡大する見通しです。日本の販売台数もコロナ禍から回復しつつあります。

⑧ アイス

日本食研グループが実施したスーパー200店舗の調査によれば、最高気温と売れ行きが最も連動している商品は廉価なアイスクリーム※7です。

※7 参考:今年の夏は暑くなりそう!気温と売れ筋の関係性とは?(食未来研究室)

⑨ 日傘

日傘は5~6月にかけて販売数が増え、7月にピークをむかえます※8。気象庁の調査によれば、傘の売れ行きには気温よりも日射量が大きく関係します。

※8 参考:国内3大ECモールの傘市場規模は、昨年比130%へ拡大中!(ECデータラボ)

⑩ 家電

猛暑でエアコンや扇風機の売上が伸びます。電気代が値上がりするなか、節電ニーズに応える商品が好評です。

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まとめ

地球温暖化が進むにつれて暑い日が増え、猛暑関連株が注目を浴びる年は多くなりそうです。猛暑関連株には身近な製品をあつかう会社が多いので、個人投資家が手がけやすい銘柄と言えるでしょう。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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